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平成16年11月2日
連絡先
 医薬食品局安全対策課
  平山・鬼山(内線 2747・2753)
 医薬食品局審査管理課
  川原・紀平(内線 2733・2738)


ジクロルボス(DDVP)蒸散剤の安全対策について


1.ジクロルボス殺虫剤安全性検討会の開催
 11月1日、ジクロルボス(DDVP)を含有し、その蒸散による効果を目的とする殺虫剤(以下、「ジクロルボス蒸散剤」という。)の安全性の評価及び市販後安全対策を検討するため、薬事・食品衛生審議会に属する殺虫剤の承認審査の専門家及び医薬品の安全対策の専門家による検討会を開催した。

2.ジクロルボス殺虫剤安全性検討会の検討結果
(1) ジクロルボス蒸散剤は、ハエ・カの発生期に一定期間使用される製品であり、かつ、用法及び用量の制限や使用上の注意の記載により恒常的に曝露される状況を回避することが可能であることから、ADI(1日摂取許容量:ヒトが一生涯にわたって毎日摂り続けても安全と考えられる量)を基準にして安全性を論じることは必ずしも適当ではない
(2) 一方、一定期間使用されるという製品の特性を勘案すると、本剤の安全性については、現在の殺虫剤の承認審査において用いられているMOE(本剤の場合、ラットにおける90日間反復吸入毒性試験による無毒性量と曝露量の比)を指標として評価する方が、より科学的かつ使用実態に即しており適当である。
(3) 安全性評価のための曝露量としては、本剤の実際の使用環境に即したデータに加えて、「一般用医薬品及び医薬部外品としての殺虫剤の室内空気中濃度測定方法ガイドライン」(平成15年7月28日付薬食審査発第0728001号医薬食品局審査管理課長通知)に基づき、テストチャンバーを用いることにより得られた高い室内濃度のデータについても検討した。
(4) 吊り下げタイプの製剤については、テストチャンバーを用いることにより得られたデータから高い室内濃度で毎日24時間曝露した場合には安全域を上回るおそれがあると考えられたため、念のため、本剤の使用場所を人が長時間留まらない場所に限定することとした。
(5) 殺虫機使用タイプの製剤については、使用後に十分な換気を行うことになっており、安全性上の問題はないと考えられるが、使用上の注意をより徹底させることとした。

3.今後の安全対策について
 検討会の結果を踏まえ、以下の措置を講じることとした。
(1) 「用法及び用量」の一部変更及び「使用上の注意」の改訂
 吊り下げタイプについて
居室(客室、事務室、教室、病室を含む)では使用しないこと。
飲食する場所(食堂など)及び飲食物が露出している場所(調理場、食品倉庫、食品加工場など)では使用しないこと。
 殺虫機使用タイプについて
専用の機械を8時間使用後、1時間放置し、その後に十分に換気をしてから入室すること。
(2) 適正使用に関する情報提供
 薬剤師等の専門家が、劇薬の譲渡に係る書類を受け取りジクロルボス蒸散剤を販売する際、購入者に適正使用情報を十分に説明できるようにするため、
1)関係企業に消費者向け説明文書の作成と薬局・販売業者等への配布を行うよう指示した。
2)日本薬剤師会等の関係団体に対して、薬剤師等が本剤の適正使用情報の提供を行うよう協力を依頼した。




薬食審査発第1102004号
薬食安発第1102002号
平成16年11月2日



都道府県
政令市
特別区


衛生主管部(局)長 殿


厚生労働省医薬食品局審査管理課長


厚生労働省医薬食品局安全対策課長




ジクロルボス(DDVP)蒸散剤の安全対策及びその取扱いについて


 今般、ジクロルボス(DDVP)を含有し、その蒸散による効果を目的とする殺虫剤(以下、「ジクロルボス蒸散剤」という。)の安全対策について、薬事・食品衛生審議会の専門家による検討を行った結果、テストチャンバーを用いることにより得られた高い室内濃度でジクロルボスを長時間曝露した場合には、安全域を上回るおそれがあることから、ジクロルボス蒸散剤の使用場所を人が長時間留まらない場所に限定する必要があるとの結論が得られたことを踏まえ、下記の措置を講じることが適当であると判断したので、御了知の上、貴管下関係業者に対し指導方お願いする。


1.「用法及び用量」の変更について

 (1) 以下の製品について、平成16年12月1日までに「用法及び用量」に係る承認事項の一部変更承認申請を行うこと。
(1) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1枚中にジクロルボスを5g以上含有するもの)
(1) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1枚中にジクロルボスを5g以上含有するもの)の図

(2) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1枚中にジクロルボスを5g未満含有するもの)
(2) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1枚中にジクロルボスを5g未満含有するもの)の図

(3) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1缶中にジクロルボスを5g未満含有するもの)
(3) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1缶中にジクロルボスを5g未満含有するもの)の図

 (2) 1.(1)の承認申請の手続きについては下記のとおりであること。
(1) 当該進達書の右肩にDDVPの表示を朱書きすること。
(2) 平成7年5月25日付け薬審第600号薬務局審査課長通知別添フレキシブルディスク記載要領3.(11)備考2のd 優先審査コード19052を記録すること。

2.「使用上の注意」の改訂について

 以下の製品について、速やかに「使用上の注意」を次のとおり改訂すること。
 (1) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用するもの)
 [用法及び用量に関連する使用上の注意]の項を新たに設け、
専用の機械を8時間使用後、1時間は放置し、その後に十分な換気をしてから入室すること。
 を追記する。

 (2) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1枚中にジクロルボスを5g以上含有するもの)
 [してはいけないこと]の項を
居室(客室、事務室、教室、病室を含む)では使用しないこと。なお、居室にある戸棚・キャビネット内などでも使用しないこと。
飲食する場所(食堂など)及び飲食物が露出している場所(調理場、食品倉庫、食品加工場など)では使用しないこと。
 と改める。

 (3) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1枚中にジクロルボスを5g未満含有するもの)
 [してはいけないこと]の項を
居室(客室、事務室、教室、病室を含む)では使用しないこと。なお、居室にある戸棚・キャビネット内などでも使用しないこと。
飲食する場所及び飲食物が露出している場所(食品倉庫など)では使用しないこと。
 と改める。

 (4) ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち、1缶中にジクロルボスを5g未満含有するもの)
 [してはいけないこと]の項を設け、
「使用場所については定められた場所のみで使用し、居室(客室、事務室、教室、病室を含む)では使用しないこと。」
飲食する場所及び飲食物が露出している場所(食品倉庫など)では使用しないこと。
 を追記する。

3.適正使用情報の提供等について

 (1) 製造業者等
 薬剤師等の専門家が、劇薬の譲渡に係る書類を受け取りジクロルボス蒸散剤を販売する際、適正使用情報を十分に説明できるように、消費者向け説明文書を作成するとともに、薬局・販売業者等へ配布すること。

 (2) 薬局・販売業者等
 ジクロルボス蒸散剤の使用に際して、居室、飲食する場所及び飲食物が露出する場所では使用しないことを、薬剤師等の専門家は、本剤の販売時に消費者に対して十分説明すること。



主なジクロルボス蒸散剤の製品一覧


アース製薬(株)
バポナ殺虫プレート
バポナハーフ殺虫プレート
バポナミニ殺虫プレート
バポナドライプレート
バポナデコ
バポナノックエース

国際衛生(株)
パナプレート
パナプレートハーフ
パナプレートキュー
パナプレートペット
ベーパーセクト

中山工業(株)
ニッサンプレート18
ニッサンプレート18B
殺虫プレート
ワイパープレート
GNプレート

日産化学工業(株)
ニッサン殺虫プレート
ニッサンハーフ殺虫プレート
ゴキノックプレート
ニッサン殺虫プレートL

(株)バイロン
日曹殺虫プレートP
日曹殺虫プレートP−H
クィックロンプレート

(株)アールエコ
パラノン


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