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厚生労働省発表
平成16年8月3日
職業能力開発局能力評価課
 課長 井上  真
 課長補佐 金成 真一
 上席技能検定官 ちゅうしょ
 中所 照仁
   電話 03-5253-1111(内5945)
   直通 03-3502-6958


職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令について

−「情報配線施工」職種の技能検定試験への追加等−


 厚生労働省は、「職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案」を作成し、本日、同政令案を閣議に付議したところ、閣議決定された。
 なお、政令の概要等は以下のとおりである。

 政令の概要
 技能検定制度の充実を図るため、技能検定試験の職種に「情報配線施工」職種を追加し、民間の指定試験機関に行わせることとするとともに、「眼鏡レンズ加工」職種を廃止する。
 なお、この政令は、公布の日から施行することとしている。

 「情報配線施工」職種の追加について
(1)趣旨
 我が国における光ファイバによるインターネット加入者は本年4月末には124万人を超えており、今後ますますその需要は拡大していくものと予想されている。
 これに伴い、光ファイバをはじめとする情報配線の施工業務に従事する労働者が増加しており、その施工技能を適切に評価し、技能の向上を図ることが求められている。
 このため、情報配線の施工(光ファイバ幹線や支線からの分岐、屋内への引込み、屋内配線の施工等)に係る技能を評価する「情報配線施工」職種を技能検定職種に追加し、当該業務に従事する労働者の技能の向上等を図り、我が国の情報通信の整備について人材面から支援することとする。
 なお、情報配線の施工技能を有する人材の確保及び技能向上については、我が国だけでなく各国においても強く求められており、平成19年に静岡県で開催される「技能五輪国際大会」では、情報配線施工に関する競技が正式種目として実施される見込みである。また、本年10月に岩手県で開催される「技能五輪全国大会」においても、正式種目として実施される予定である。
(2)試験内容について
 技能検定試験は、以下の項目について実技試験及び学科試験を実施する予定としている(別紙1)。
 光ファイバの接続(融着接続等)
 コネクタの組立て(コネクタの加工、組立て等)
 試験(導通試験等)
 宅内及びビル内の配線施工(LAN構築等)
(3)実施体制について
 事業主団体、公益法人、NPO法人等が試験業務を行う指定試験機関方式とする(別紙2)。

 「眼鏡レンズ加工」職種の廃止について
 「眼鏡レンズ加工」職種については、技術革新に伴う加工機械の自動化・材料の変化に伴い、手作業による加工がほとんど行われなくなったことにより、受検者が減少し、試験の実施を休止しているところであり、今後とも受検者が見込めないことから、廃止することとする。

 今後のスケジュール
 今後、職業能力開発促進法施行規則等の改正を行い、指定試験機関の指定を行うとともに、試験の等級区分(1級〜3級)、受検手数料等を設定する予定である。


別紙1

試験内容について


図

1 光ファイバの接続
2 コネクタの組み立て
3 試験
4 宅内及びビル内の配線施工


別紙2

指定試験機関制度について


 概要
 技能検定試験は、国が定めた実施計画に従い、都道府県知事がその実施の業務を行うこととしているが、平成13年10月1日の改正職業能力開発促進法等の施行により、指定試験機関制度を創設し、都道府県知事が行う技能検定試験の職種以外の職種に関する試験業務を指定試験機関に行わせることができることとなった。

 国と指定試験機関が行う業務

 【国が行う業務】
 ○検定職種、等級の設定(政省令で規定)

 【指定試験機関が行う業務】
 ○試験科目の設定

 ○試験問題、試験実施要領の作成

 ○技能検定試験の実施

 ○合格証書の交付(注)

 <指定試験機関の指定>
次のうち、申請により厚生労働大臣が指定するもの

・事業主団体(その連合団体を含む。)
・公益法人、法人たる労働組合その他の非営利法人



(注) 特級、1級及び単一等級の合格者については、従来どおり厚生労働大臣名。


(参考)

技能検定制度について


 概要
 技能検定制度は、労働者の有する技能の程度を検定し、これを公証する国家検定制度であり、労働者の技能と地位の向上を図ることを目的に、職業能力開発促進法に基づき行われているものである。
 本制度は、昭和34年度から実施され、平成15年度には全国で約47万人の受検申請があり、約18万人が合格している。技能検定制度開始からの累計では、延べ296万人が技能士となっている。

 実施内容
 技能検定は、厚生労働大臣が政令で定める職種ごとに、厚生労働省令で定める等級に区分して、実技試験及び学科試験により行っている。
 職種は、平成16年4月末現在137職種である。これらについては、時代のニーズに合ったものとなるよう、職種・作業の新設・統廃合、試験基準の見直し等を毎年行っている。
 等級区分は、職種により、(1)等級に区分するもの(特級、1級、2級、3級、基礎1級及び基礎2級)と、(2)等級に区分しないもの(単一等級)とがある。
 なお、等級に区分する職種については、平成5年度に技能検定の多段階化が行われ、技能労働に就いて日の浅い初級の技能労働者及び職業高校生等を対象とした3級等が創設された。

 実施体制
 技能検定は、厚生労働大臣が毎年、実施計画を定め、試験問題の作成等を中央職業能力開発協会が行っている。
 都道府県知事は、その実施計画に従い、技能検定試験の実施等の業務を行うほか、技能検定申請書の受付け等の業務を都道府県職業能力開発協会に行わせている。
 なお、一部の職種については、当該職種に関連する民間機関が指定試験機関として指定を受け、技能検定の試験業務を行っている。


検定職種一覧表(137職種:改正政令施行後)


  検定職種
建設関係 造園、さく井、建築板金、冷凍空気調和機器施工、石材施工、建築大工、枠組壁建築、かわらぶき、とび、左官、れんが積み、築炉、ブロツク建築、エーエルシーパネル施工、コンクリート積みブロツク施工、タイル張り、配管、浴槽設備施工、厨房設備施工、型枠施工、鉄筋施工、コンクリート圧送施工、防水施工、樹脂接着剤注入施工、内装仕上げ施工、スレート施工、熱絶縁施工、カーテンウオール施工、サッシ施工、自動ドア施工、バルコニー施工、ガラス施工、ウエルポイント施工、建築図面製作、塗装、路面標示施工、広告美術仕上げ
窯業・土石関係 ガラス製品製造、ほうろう加工、陶磁器製造、ファインセラミックス製品製造
金属加工関係 金属溶解、鋳造、鍛造、金属熱処理、粉末冶金、機械加工、放電加工、金型製作、金属プレス加工、鉄工、工場板金、工業彫刻、めつき、アルミニウム陽極酸化処理、溶射、金属ばね製造、仕上げ、金属研磨仕上げ、切削工具研削、製材のこ目立て、ダイカスト、金属材料試験
一般機械器具関係 機械検査、機械保全、産業車両整備、鉄道車両製造・整備、内燃機関組立て、空気圧装置組立て、油圧装置調整、縫製機械整備、建設機械整備、農業機械整備、木工機械整備、テクニカルイラストレーシヨン、機械・プラント製図
電気・精密機械器具関係 電子回路接続、電子機器組立て、電気機器組立て、半導体製品製造、プリント配線板製造、家庭用電気治療器調整、自動販売機調整、光学機器製造、複写機組立て、電気製図
食料品関係 パン製造、菓子製造、製麺、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、水産練り製品製造、みそ製造、酒造
衣服・繊維製品関係 染色、ニット製品製造、婦人子供服製造、紳士服製造、和裁、寝具製作、帆布製品製造、布はく縫製
木材・木製品・紙加工品関係 機械木工、木型製作、家具製作、建具製作、竹工芸、紙器・段ボール箱製造、畳製作、漆器製造、表装
プラスチック製品関係 プラスチツク成形、強化プラスチック成形
貴金属・装身具関係 時計修理、貴金属装身具製作
印刷製本関係 製版、印刷、製本
その他 ファイナンシャル・プランニング金融窓口サービスレストランサービスビル設備管理、園芸装飾、ロープ加工、情報配線施工、化学分析、印章彫刻、ガラス用フィルム施工、塗料調色、義肢・装具製作、舞台機構調整、工業包装、写真、調理ビルクリーニング、産業洗浄、商品装飾展示、フラワー装飾

注:下線の8職種については、指定試験機関(民間機関)において実施。


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