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厚生労働省発表
平成16年6月25日
職業安定局高齢・障害者雇用対策部
障害者雇用対策課
課長  谷中 善典
課長補佐  長島 由幸
電話  5253-1111(内)5784,5853
 3502-6775(直通)


平成15年度における雇用率未達成企業に対する指導結果について



 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「法」という。)では、事業主に対し、法定雇用率(1.8%)以上の身体障害者及び知的障害者の雇用を義務付けており、厚生労働大臣はその履行を図るため、障害者雇入れ計画作成命令の発出(法第46条第1項)及び雇入れ計画の適正実施勧告の発出(法第46条第6項)を行うほか、当該勧告に従わない事業主については、企業名の公表(法第47条)を行うこととしている。
 近年の障害者の雇用状況は、一般の民間企業における実雇用率が、平成15年度においては1.48%と前年度と比べて0.01%上昇したものの依然として極めて厳しいものがある。このような状況も踏まえて、厚生労働省では、雇入れ計画の適正実施勧告を発出した企業に対して、一定の改善がみられない場合には、企業名の公表を行うことを前提に特別指導を実施した。
 それらの結果は以下のとおりである。

1. 公表を前提とした特別指導
(1)  指導対象企業
 今回の公表を前提とした特別指導は、平成12年からの3年間を計画期間とする雇入れ計画の作成を命ぜられ、計画期間中に特にその適正実施について勧告を受けた企業のうち、なお、雇用改善のみられない企業11社を対象として実施した。

(2)  指導の結果
 指導対象企業11社のうち、3社は法定雇用率を達成し、7社は法定雇用率には達しないものの、厚生労働省の基準を充足したところであり、特別指導による改善が認められた。
 なお、指導対象企業11社の実雇用率は、計画期間始期において0.40%であったが、特別指導期間終了後の平成16年4月1日現在においては1.62%と1.22%上昇した。

2. 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく公表
 次の1社については、障害者雇用について、特別指導期間終了後の平成16年4月1日現在において、厚生労働省の基準を充足しなかったため、法第47条の規定に基づき公表する。

 株式会社 角藤 長野県長野市南屋島515番地

3. 今後の指導
 特別指導の対象となった企業のうち法定雇用率を達成している3社を除いた8社(公表企業を含む。)については、積極的に障害者の雇入れを行うことにより法定雇用率を達成するよう引き続き指導を行う。



(表1)  特別指導の結果

 法定雇用率を達成した企業
3社
 全国平均実雇用率を達成した企業
4社
 雇用改善のための所定の取組を実施し、
かつ、一定の雇用率を達成した企業(注)
3社
 その他
1社
合計 11社

(注) 3に該当する企業について、
所定の取組とは、以下のものをいう。
 a  社内検討体制の整備と職務再設計等
 b  具体的な求人活動
 c  社内研修の実施
 d  施設設備の改善等
 e  法定雇用率を達成する雇入れ計画の作成

(表2) 11社の実雇用率の推移

計画始期現在 H13.6.1現在 H14.6.1現在 H15.6.1現在 H16.4.1現在
0.40% 0.40% 0.40% 0.62% 1.62%

(表3) 公表企業(1社)の実雇用率の推移

計画始期現在 H13.6.1現在 H14.6.1現在 H15.6.1現在 H16.4.1現在
0.22% 0.22% 0.44% 0.45% 0.93%



(参考1)11社の企業規模別内訳   (参考2)11社の産業別内訳
企業規模別 企業数
1,000人以上規模企業 2社
1,000人未満規模企業 9社
合計 11社
産業別 企業数
第二次産業 1社
第三次産業 10社
合計 11社


(参考3) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)(抄)

 (身体障害者又は知的障害者の雇用に関する事業主の責務)
三十七条 すべて事業主は、身体障害者又は知的障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、適当な雇用の場を与える共同の責務を有するものであって、進んで身体障害者又は知的障害者の雇入れに努めなければならない。

 (一般事業主の身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画)
四十六条 厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用を促進するため必要があると認める場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が法定雇用障害者数未満である事業主に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の数がその法定雇用障害者数以上となるようにするため、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画の作成を命ずることができる。
(2項から5項まで 略)
6  厚生労働大臣は、特に必要があると認めるときは、第一項の計画を作成した事業主に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができる。

 (一般事業主についての公表)
四十七条 厚生労働大臣は、前条第一項の計画を作成した事業主が、正当な理由がなく、同条第五項又は第六項の勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。


(参考4) 雇用率達成指導の流れ図
雇用率達成指導の流れ図


(参考5) 平成15年度における特別指導の概要

  公表を前提とした未達成企業に対する指導

 対象企業の代表者に対する公表を前提とした指導の実施

 対象企業を管轄する公共職業安定所長は、対象企業の代表者に対し、障害者の雇用に関する事業主の責務、障害者の雇用の現状、これまでの雇用率達成指導の経緯等について十分説明の上、法定雇用率を達成するよう再度の指導を実施した。

 指導事項

 平成16年4月1日現在で少なくとも、いずれかに該当することとなるよう指導を行った。

(1)  全国平均実雇用率を達成すること。
(2)  障害者雇用に関する次の取組を全て実施し、その結果一定の実雇用率(1.2%)を達成すること。
 a  障害者の採用及び職場定着のための社内検討体制を整備し、その検討を行い、職務再設計等障害者雇用率を達成するための結論が出ていること。
 b  特別枠の設定による障害者の常時受入れ体制を整備し、具体的な求人活動が行われていること。
 c  障害者雇用についての理解を促進するための社内研修の充実が図られていること。
 d  障害者雇用のための施設設備の改善等を行われていること。
 e  法定雇用率を特別指導期間終了後の4月1日から3年以内に達成する雇入れ計画を作成していること。
(3)  特例子会社の設立を、特別指導期間終了後の4月1日から1年以内に実現するための具体的な取組を行うこと。

 なお、上記の事項のいずれかに該当することとなった場合には、公表の猶予を行う予定とした。

 求職情報の提供等きめ細かい指導の実施


(参考6) 最近の実雇用率の推移

H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15
1.44% 1.45% 1.47% 1.47% 1.48% 1.49% 1.49% 1.49% 1.47% 1.48%


(参考7) 平成15年6月1日現在の一般の民間企業における規模別障害者の雇用状況
(平成15年6月1日現在)

区分
(1)
企業数
(2)
常用労働者数
(3) 障害者の数 (4)
実雇用率
 C÷(2)
 ×100
(5)
法定雇用率
未達成企業
の割合
A.重度障害者(常用) B.重度障害者(常用)以外の障害者 C.計
 A×2+B
企業
56〜 99 22,097
(21,913)
1,620,729
(1,606,160)
5,765
(5,877)
12,351
(12,702)
23,881
(24,456)
1.47
(1.52)
55.6
(55.1)
100〜299 27,529
(27,610)
4,033,552
(4,038,458)
12,450
(12,543)
27,261
(27,860)
52,161
(52,946)
1.29
(1.31)
56.5
(56.2)
300〜499 5,247
(5,287)
1,746,020
(1,758,677)
6,652
(6,627)
12,568
(12,482)
25,872
(25,736)
1.48
(1.46)
59.8
(61.0)
500〜999 3,586
(3,573)
2,182,059
(2,186,747)
8,553
(8,320)
14,887
(14,624)
31,993
(31,264)
1.47
(1.43)
65.3
(66.2)
1,000人以上 2,566
(2,555)
7,166,604
(7,159,342)
32,232
(31,812)
48,722
(48,258)
113,186
(111,882)
1.58
(1.56)
69.8
(72.9)
規模計 61,025
(60,938)
16,748,964
(16,749,384)
65,652
(65,179)
115,789
(115,926)
247,093
(246,284)
1.48
(1.47)
57.5
(57.5)
(資料出所 厚生労働省職業安定局集計)
 常用労働者数とは、常用労働者総数から除外率相当数(身体障害者及び知的障害者が就業することが困難であると認められる職種が相当の割合を占める業種について定められた率を乗じて得た数)を除いた法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数である。
 A欄の「重度障害者(常用)」には短時間労働者の数は含まれていない。B欄の「重度障害者(常用)以外の障害者」には重度障害者である短時間労働者の数が含まれている。
 障害者の数とは、身体障害者と知的障害者の計である。A欄の重度障害者(重度身体障害者及び重度知的障害者)については法律上、1人を2人に相当するものとしており、ダブルカウントを行っている。
 ( )内は平成14年6月1日現在の数値である。


(参考8) 一般の民間企業における産業別障害者の雇用状況
(平成15年6月1日現在)

区分
(1)
企業数
(2)
常用労働者数
(3) 障害者の数 (4)
実雇用率
 C÷(2)
 ×100
(5)
法定雇用率
未達成企業
の割合
A.重度障害者(常用) B.重度障害者(常用)以外の障害者 C.計
 A×2+B
  企業
農、林、漁業 128
(126)
18,815
(19,038)
63(70) 183
(184)
309
(324)
1.64
(1.70)
46.1
(40.5)
鉱業 46
(47)
7,685(8,102) 28
(27)
73
(73)
129
(127)
1.68
(1.57)
45.7
(42.6)
建設業 1,968
(2,095)
514,386
(553,725)
1,938
(2,063)
3,022
(3,307)
6,898
(7,433)
1.34
(1.34)
54.7
(55.4)
製造業 19,508
(20,160)
5,838,598
(6,078,592)
27,105
(27,723)
44,850
(46,948)
99,060
(102,394)
1.70
(1.68)
45.7
(45.6)
  食料品・たばこ 2,957 722,454 2,848 7,359 13,055 1.81 41.6
繊維・衣服 1,253 225,784 1,050 2,157 4,257 1.89 40.5
木材・家具 475 77,827 384 892 1,660 2.13 32.8
パルプ・紙・出版 1,739 348,890 1,540 2,737 5.817 1.67 46.7
化学工業 1,965 723,831 2,769 5,106 10,644 1.47 54.6
窯業・土石 619 139,424 569 1,208 2,346 1.68 43.9
鉄鋼 315 125,330 513 1,027 2,053 1.64 36.5
非鉄金属 294 100,387 412 766 1,590 1.58 42.2
金属製品 1,523 271,256 1,311 2,595 5,217 1.92 39.2
電気機械 2,516 1,179,061 6,542 7,093 20,177 1.71 48.1
その他機械 4,346 1,546,312 7,527 11,150 26,204 1.69 46.6
その他 1,506 378,042 1,640 2,760 6,040 1.60 53.1
電気・ガス・熱供給・水道業 163
(147)
185,223
(183,455)
867
(847)
1,605
(1,576)
3,339
(3,270)
1.80
(1.78)
54.6
(56.5)
運輸・通信業 2,707
3,391
935,244
855,969
2,898
3,210
4,270
8,056
10,066
14,476
1.08
1.69
82.5
49.5
卸売・小売業,飲食店 11,943
2,012
3,122,099
1,324,500
9,224
4,754
17,718
8,056
36,166
17,564
1.16
1.33
71.3
71.6
金融・保険・不動産業 (2,027)
1,860
(1,334,134)
429,347
(4,861)
1,415
(8,515)
2,885
(18,237)
5,715
(1.37)
1.33
(72.4)
63.7
サービス業 6,225
1,137
1,019
8,918
910,404
240,905
309,910
2,055,879
5,244
865
904
7,137
7,893
1,358
1,937
13,883
18,381
3,088
3,745
28,157
2.02
1.28
1.21
1.37
46.9
60.2
66.1
62.9
産業計 61,025
(60,938)
16,748,964
(16,749,384)
65,652
(65,179)
115,789
(115,926)
247,093
(246,284)
1.48
(1.47)
57.5
(57.5)
(資料出所 厚生労働省職業安定局集計)
 (参考7)と同じ。


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