1.多様な働き方の制度の導入状況
(1)多様な働き方の制度の導入状況点
|
各制度の導入状況は、正社員の所定労働時間を一時的に短くする短時間正社員制度(以下「短時間正社員制度(タイプI)」という。)は28%、所定労働時間をフルタイムの正社員より短く設定する短時間正社員制度(以下「短時間正社員制度(タイプII)」という。)は7%、在宅勤務制度は3%となっている。(図表29) |
(2)短時間正社員制度の対象者点
|
制度を導入している企業において、短時間正社員制度(タイプI)の対象となる社員は、「家庭内に要介護者を持つ正社員」と「未就学の子どもを持つ正社員」が8割弱と多く、その他の事由はほとんどない。
短時間正社員制度(タイプII)では、対象となる社員は「未就学の子どもを持つ正社員」が54%、「家庭内に要介護者を持つ正社員」が44%と多いが、「理由を問わず短時間勤務を希望する正社員全員」、「短時間正社員として勤務することを希望する新規採用者」、「短時間正社員への転換を希望するパート等の非正社員」もそれぞれ1割程度ある。(図表30) |
2.多様な働き方の制度に対する考え方
(1)仕事面からみた制度の対象社員点
|
短時間正社員制度(タイプII)の導入が比較的容易とされているのは、「再雇用等の定年後の高齢者」、「定年前の中高年正社員」、「事務職」、「勤務地に限定のある社員」であり、最も困難とされているのは、「管理職」となっている。在宅勤務制度では、短時間正社員制度と同様の傾向にあるものの、短時間正社員制度よりも全般に導入が困難とされている。(図表31) |
(2)生活面からみた制度の対象社員
|
社員の生活面からみた制度の導入・充実の必要性については、短時間正社員制度(タイプII)で、「家庭内に要介護者を持つ社員」が78%、「未就学の子どもを持つ社員」が66%、在宅勤務制度も「家庭内に要介護者を持つ社員」が57%、「未就学の子どもを持つ社員」が45%と多く、他の事由は少なくなっている。(図表32) |
(3)制度導入の効果
|
制度を導入した場合の効果について、短時間正社員制度(タイプII)では、「雇用の維持」が55%、「人件費の削減」が47%、「人材の有効活用」が45%となっている。(図表33)
在宅勤務制度では「人材の有効活用」が45%、「事務所スペースの節約」が36%、「仕事の能率の向上」が31%となっている。(図表34) |
3.多様な働き方を導入する場合の課題
(1)仕事の進め方の留意点
|
短時間正社員制度(タイプII)では、「フルタイム正社員に仕事のしわ寄せがいかないようにする」、「顧客等会社外部への対応で支障が生じないようにする」が約7割となっており、在宅勤務制度では、「顧客等会社外部への対応で支障が生じないようにする」、「社内での打ち合わせや会議に支障が生じないようにする」、「通常勤務の正社員に仕事のしわ寄せがいかないようにする」が約6割となっている。
両制度を比較すると短時間正社員制度(タイプII)では、フルタイム正社員へのしわ寄せが、在宅勤務制度では会議等による社内の調整や仕事の目標設定が課題として挙げられている。(図表35、36) |
(2)処遇面の留意点
|
短時間正社員制度(タイプII)では「賃金制度」90%、「評価制度」72%が多く、「退職金制度」も52%と半数を超えている。
在宅勤務制度では「評価制度」が78%で最も多く、次いで「賃金制度」72%となっている。(図表37、38) |
|