1)職場における化学物質は、その種類が多様で、かつ取り扱う作業も多岐にわたり、変化する傾向にあること、また、未規制物質による疾病が半数程度を占めていること等を踏まえると、事業者が、個々の事業場でのばく露の状況等に基づきリスクを評価し、その結果に基づき、ばく露防止対策を講じること等の自律的な化学物質管理が重要であり、基本であること。また、自律的な化学物質管理 の取組状況(参考1)等から見ると、その一層の促進が必要であること。 2)危険有害性を有する化学物質について、危険有害性に応じた事業場の容器への絵表示等によって、個々の化学物質の危険有害性、取扱上の注意を一層明確にすること等により、事業者の適切な管理を促進することが必要であること、平成15年のGHS国連勧告(参考2)との整合性の確保が求められていること等から、労働安全衛生法に基づく表示・MSDS(化学物質等安全データシート(Material Safety Data Sheet))は、GHS国連勧告に対応したものとすることが必要であること。また、これらの表示・MSDSに基づく化学物質を取り扱う事業者の自主的な健康障害防止措置の明確化等が必要であること。
3)事業場における自律的な化学物質管理を促進するため、事業場における化学物質管理に係る人材育成の充実、特別規則(参考3)に基づくばく露防止方法の柔軟化・性能要件化(規則に基づく局所排気装置の設置等のばく露防止のための措置を、事業者が事業場の状況に応じて、気中の化学物質の濃度が継続して一定以下となるなどの条件の下、自らの判断にて、より多様な措置が選択できるようにしたもの)等が必要であること。
4)多くの化学物質が海外で厳しく規制(参考4)されるなどの状況下、有害な未規制化学物質について、国は、わが国でのばく露状況等によりリスク評価を行い、リスクが特に高い作業等については、特別規則による規制を行うなどの国によるリスク管理を行うことが必要であること。
このため、事業場における化学物質の取り扱い状況等のばく露関係情報を収集する仕組みの整備が必要であること。
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