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4 今後の制度面における検討課題



 急速な少子化の進行は、今後、我が国の経済社会全体に重大な影響を与えるものであり、少子化の流れを変えるため、改めて政府・地方公共団体・企業等が一体となって、従来の取組に加え、もう一段の取組を進めることとしており、公務員の勤務条件についても、民間準拠の原則を踏まえつつ、民間企業における労働条件の状況に適切に対応した勤務条件とする必要がある。

 このような中で、今般、労働政策審議会雇用均等分科会報告(平成15年12月25日)においては、一定の場合における育児休業期間の延長、子の看護休暇の権利化などの育児休業制度等の見直しを行うとともに、次世代育成支援対策推進法に基づく事業主行動計画の策定、実施等により、男性の育児休業の取得促進や勤務時間短縮等の措置の導入促進を含め、職場における取組を積極的に進めることとするなど、民間企業等における仕事と家庭の両立支援策について、もう一段の取組を推進することとされている。

 したがって、今後、これらの民間企業等における取組状況を踏まえつつ、公務員についても、もう一段の制度面の見直しを検討することが求められるところであり、特定事業主行動計画検討調査結果においても、主に以下の点についての見直しに関する意見がみられた。

 まず、公務員における多様な勤務形態(フレックスタイム制、短時間勤務制、裁量勤務制等)の導入等であり、この点については、既に、人事院の研究会において、国内の困難な情勢に迅速・的確に対応するための公務能率の向上、実際の対応に当たる職員の健康管理、少子高齢化の進行等による育児・介護等の個人的事情への配慮の観点から検討が進められているが、今後、その結論を踏まえ適切に対応することが求められる。

 また、育児・介護休業法第24条第1項により、3歳から小学校就学の始期までの子どもを養育する労働者に関して、民間企業等は「育児休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない」とされていることから、公務員についても民間における措置の進捗状況を踏まえ適切に対応することが求められる。

 さらに、現在、国家公務員の特別休暇として認められているいわゆるボランティア休暇については、その内容が被災者、障害者、高齢者等に対する援助活動に参加する場合に限られているが、社会全体の状況を踏まえつつ、適宜適切な対応が求められる。

 なお、公務員の勤務条件については、公務員の給与は税によって賄われており、納税者である国民一般の理解と納得が得られるものでなければならず、民間準拠の原則に立って制度の整備が行われてきたところであるが、本研究会においては、今後、社会全体として、次世代育成支援対策の積極的な推進を図る必要がある中で、国や地方公共団体は、民間に率先してのより積極的な取組が必要ではないかとの意見もあった。


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