報道発表資料  厚生労働省ホームページ

厚生労働省発表
平成15年11月28日
担当 職業安定局外国人雇用対策課
電話: 03-5253-1111(内線5766)
03-3503-0229(夜間直通)

外国人雇用状況報告(平成15年6月1日現在)の結果について


 趣旨
 厚生労働省では、平成5年度から、外国人労働者の雇用状況について事業所から年1回報告を求める「外国人雇用状況報告制度」を実施している。本制度は事業主の協力に基づき、個々の事業所における外国人労働者の雇用状況を把握し、外国人労働者の雇用の安定を含めた地域の労働力需給の適正な調整と外国人労働者に対する適切な雇用管理の促進を図ることを目的としたものである。
 今般、本制度に基づき、平成15年6月1日現在で、外国人労働者を雇用している(以下「直接雇用」という。)か、または外国人労働者が労働者派遣、請負などにより事業所内で就労している(以下「間接雇用」という。)事業所から管轄の公共職業安定所に提出された報告を集計し、別添のとおり取りまとめた。
 なお、本制度は、従業員50人以上規模の事業所については全事業所を、また、従業員49人以下規模の事業所については一部の事業所(各地域の実情や行政上の必要性に応じて選定)を対象に、公共職業安定所が報告を求めているものである。

2 報告の概要
(1) 報告を行った事業所及び外国人労働者の概要(→別添:1(1))
 報告を行った事業所は全体で23,142所、延べ274,145人の外国人労働者について報告を受けた。前年の報告結果と比べると、事業所数は1,692所(対前年比 7.9%増)、外国人労働者の延べ人数は46,161人(同 20.2%増)増加した。

 直接雇用について(→別添:1(2))
 外国人労働者を直接雇用していると報告を行った事業所は20,642所であり、157,247人の外国人労働者について報告を受けた。前年の報告結果と比べると、事業所数は1,445所(対前年比7.5%増)、外国人労働者数は15,962人(同11.3%増)増加した。
(1)  産業別では、事業所数、外国人労働者数ともに「製造業」が最も多く、事業所数で全体の約5割、外国人労働者数で約6割を占めた。
(2)  事業所規模別では、事業所数、外国人労働者数ともに「100〜299人」規模が最も多い。
(3)  1事業所当たりの外国人労働者数の平均は7.6人(前年7.4人)であった。

 間接雇用について(→別添:1(3))
 外国人労働者を間接雇用していると報告を行った事業所は4,655所であり、116,898人の外国人労働者について報告を受けた。前年の報告結果と比べると、事業所数は683所(対前年比17.2%増)、外国人労働者数は30,199人(同34.8%増)増加した。

(1)  産業別では、事業所数、外国人労働者数ともに「製造業」が最も多く、外国人労働者のうち約9割が「製造業」で就労していた。
(2)  事業所規模別では、事業所数、外国人労働者数ともに「100〜299人」規模が最も多かった。
(3)  1事業所当たりの外国人労働者数は25.1人(前年21.8人)であった。

 なお、外国人労働者の延べ数のうち、間接雇用の外国人労働者の占める割合は42.6%であり、前年(38.0%)に比べ上昇した。

(2) 直接雇用の外国人労働者の属性(→別添:2)
 男女別では、男性が全体の約6割を占めた。
 職種別では、「生産工程作業員」が最も多く、全体の6割近くを占め、次いで「専門・技術・管理職」となっている。
 出身地域別では、「中南米」及び「東アジア」がそれぞれ3分の1強を占め、次いで「東南アジア」が1割強となっている。前年との比較では、「その他アジア・中近東」、「東南アジア」、「東アジア」が高い伸びとなる一方、「ヨーロッパ」、「北米」、はやや減少した。なお、中南米出身者のうち約9割を「日系人」が占めている。
 在留資格別では、「日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」(以下「就労の制限なし」という。)が全体の約半数を占め、次に「特定の範囲で就労可能な在留資格」(以下「特定の範囲」という。)が約2割を占めている。「特定の範囲」のうち約6割は「技術」又は「人文知識・国際業務」の在留資格となっている。また、前年との比較では「留学・就学(アルバイト)」、「特定活動(技能実習生)」、「就労の制限なし」において、対前年増加率が高い伸びを示した。
 正社員率(ここで言う「正社員」とは、「期間の定めのない雇用契約の下で就労し、1日または1週の所定労働時間が、通常の労働者より短くない者」のことである。)は全体では25.8%であり、前年の29.5%に比べ低下した。職種別にみると、「営業・事務職」、「専門・技術・管理職」で高く、「販売・調理・給仕・接客員」で低い。事業所規模別にみると、500人以上規模の事業所で最も低くなっている。

(3) 直接雇用の外国人労働者の産業別、事業所規模別特徴(→別添:3)
 産業別では、「製造業」において「生産工程作業員」、「中南米」出身者及び在留資格「就労の制限なし」の割合が大きい。「飲食店、宿泊業」、「卸売・小売業」では「販売・調理・給仕・接客員」、「東アジア」出身者及び在留資格「留学・就学(アルバイト)」の割合が高いという特徴が見られた。また、「教育、学習支援業」では「専門・技術・管理職」、「北米」出身者及び在留資格「特定の範囲」の割合が大きい。
 事業所規模別では、規模が大きくなるほど「生産工程作業員」の割合が低下するのに対し、相対的に「専門・技術・管理職」、「北米」及び「ヨーロッパ」出身者、「留学・就学(アルバイト)」の割合が増加する傾向がみられた。

(4) 直接雇用の外国人労働者の入職、離職状況(→別添:4)
 過去1年間の入離職の状況は、入職者が91,307人、離職者が69,531人であり、前年の報告結果と比べると、入職者は15,535人(対前年比20.5%増)、離職者は11,412人(同19.6%増)増加した。入職率は58.1%、離職率は44.2%、入職超過率は13.8%であり、前年に比べ、それぞれ4.5%ポイント、3.1%ポイント、1.3%ポイント上昇した。

(5) 主として労働者派遣・請負事業を行っている事業所(→別添:5)
 外国人を直接雇用している事業所20,642所、外国人労働者157,247人のうち、主に労働者派遣・請負事業を行っている事業所は1,766所、外国人労働者46,830人であり、それぞれ8.6%、29.8%を占め、前年との比較では、それぞれ32.6%増、26.1%増となった。

(6) 地域別の事業所数、外国人労働者数及びその特徴(→別添:6)
 直接雇用について都道府県別にみると、事業所数は東京、愛知、神奈川、大阪、静岡の順で、直接雇用されている外国人労働者数は東京、愛知、静岡、神奈川、大阪の順で多く、いずれもこれら上位5都府県で全体の約5割を占めている。

(7) 今後6カ月以内に新たに外国人労働者を雇い入れる予定の有る事業所の状況(→別添:7)
 報告を行った事業所のうち、今後6カ月以内に新たに外国人労働者を雇い入れる予定の有る事業所の数は2,978所で、全体の12.9%であった。

(注1)  本制度は、従業員50人以上規模の事業所については全事業所を、また、従業員49人以下規模の事業所については一部の事業所(各地域の実情や行政上の必要性に応じて選定)を対象にし、事業主の協力に基づき報告を求めているものである。本年度は153,925事業所に対し用紙を送付したところ、報告書の提出があったものは77,524所(送付事業所に占める割合50.4%)、そのうち外国人労働者を直接雇用しているか間接雇用している事業所は23,142所(提出事業所に占める割合29.9%)であった。

(注2)  平成14年3月に日本標準産業分類が改訂され、平成14年10月1日から適用されたことを受け、本制度についても今年度から改訂後の日本標準産業分類を適用している。前年比の算出に当たっては、外国人雇用対策課において平成14年度のデータを改訂後の産業分類に置き換え、再集計を行った。

別添


トップへ
報道発表資料  厚生労働省ホームページ