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厚生労働省発医薬第0616020号

命令書

 日本赤十字社
 社長 藤森 昭一
 東京都港区芝大門1−1−3


 薬事法(昭和35年法律第145号)第69条第3項の規定により、供血者の供血歴の確認等の徹底について(平成15年6月12日付け医薬血発第0612001号通知)に基づき講じた措置について平成15年7月29日までに当職あて報告することを命ずる。

 なお、本命令に基づく報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は、同法第87条第1項第7号の規定により罰金に処せられることがある。
 また、本命令に基づく報告については、公表する可能性があることを申し添える。


理由
 日本赤十字社が製造する輸血用血液製剤について、その安全性確保策の実態を正確に把握する必要があるため。


平成15年6月16日

厚生労働大臣 坂口 力



医薬血発第0612001号
平成15年 6月12日
 日本赤十字社社長 殿
厚生労働省医薬局血液対策課長


供血者の供血歴の確認等の徹底について

 今般、平成13年6月26日に採取された血漿がHBV陽性と判明した供血者から同年4月10日に採取されたHBV陰性血漿を原料とする輸血用血液製剤による感染の可能性が考えられる事例が、平成15年6月10日付け医薬品副作用・感染症症例報告書において、貴職から厚生労働大臣宛に報告されたが、かかる事例の再発防止のため、以下の措置を徹底されたい。

I.供血歴の確認について
(1)  本日より遡って過去1年の間に、血清学的検査及び核酸増幅検査(以下、「病原微生物検査」という。)陽性が判明した供血者について、本日より遡って過去1年の間に供血歴が確認され、かつ、直近の採血から採取された血液が輸血用血液製剤の原料として使用された場合は、次の措置を講ずること。
(1)当該輸血用血液製剤が、未だに患者に対し使用されていない場合は、直ちに回収すること。
(2)当該輸血用血液製剤が、既に患者に使用されている場合は、当該患者に対して、感染のリスクがあることを十分に情報提供すること。
 また、上記供血者について、過去1年の間に、複数の供血歴が確認され、その間隔が5週間以内である場合は、直近及びその前の合計2回の供血について、(1)及び(2)の措置を講ずること。
(2)  さらに、過去、病原微生物検査陽性が判明した供血者について、過去、供血歴が確認され、かつ当該供血において採取された血液が輸血用血液製剤の原料として使用された場合は、上記(1)(2)の措置を講ずること。
 なお、供血歴の確認は、可能な限り、過去に遡って実施すること。

II.対象
 Iの措置の対象となる病原微生物は、梅毒トレポネーマ、HBV、HCV及びHIVの4種とする。

III.報告等
 上記の措置を直ちに実施し、その結果を随時、当職宛報告するとともに、今後とも病原微生物検査陽性が判明した供血者の供血歴の確認等の措置を徹底されたい。


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