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基発第0717001号
平成15年7月17日

 都道府県労働局長 殿

厚生労働省労働基準局長
(公印省略)

トラック関係事業者に対する長時間労働を背景とした交通労働災害防止に
関する緊急対策の実施について

 労働基準行政においては、従来から自動車運転者の労働条件の改善、長時間労働を背景とした交通労働災害の防止等に重点的に取り組んでいるところであるが、平成15年6月23日、愛知県新城市の東名高速道路において発生した15名が死傷する大型トラック等の追突事故を始め、トラックが関係する重大な交通労働災害が相次いで発生していることは憂慮すべき事態である。これらの災害の原因等については関係都道府県労働局において鋭意調査中であるが、その背景の一つとして自動車運転者の長時間労働等も指摘されているところである。
 労働基準行政としては、トラックの事故は一度発生すれば労働者以外の者も巻き込む重大な災害につながることから、こうした事態を重く受け止め、自動車運転者の長時間労働を背景とした交通労働災害防止に万全を期すこととし、下記のとおり、トラック関係事業者に対し緊急に次の対策を実施することとしたので、適切な対応を期されたい。

 トラック関係事業者団体に対する緊急要請の実施(7月)
 本省において、トラック関係事業者団体(社団法人全日本トラック協会、日本貨物運送協同組合連合会及び陸上貨物運送事業労働災害防止協会)に対して、労働基準法、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)及び「交通労働災害防止のためのガイドライン」の遵守徹底等を団体傘下の事業者に指導する旨の緊急要請を行う。

 トラック関係事業者に対する緊急自主点検の実施(7・8月)
 トラック関係事業者に対し、労働基準法、改善基準等の遵守について緊急に自主点検を実施し、早急な自主的改善を促す。

 トラック関係事業者に対する一斉監督の実施(9月)
 2の自主点検結果等を踏まえ、長時間労働等が疑われるトラック関係事業者に対し、秋の全国交通安全運動実施期間の時期を中心に、全国一斉に監督指導を行う。

 重大な交通労働災害を発生させたトラック関係事業者に対する厳正な対応
 重大な交通労働災害を発生させたトラック関係事業者について、労働時間等に重大・悪質な違反が認められる場合には、司法処分を含め厳正な対処を行う。


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