報道発表資料  厚生労働省ホームページ

厚生労働省発表
平成15年6月27日
職業安定局高齢・障害者雇用対策部
障害者雇用対策課
電話 5253-1111(内)5784,5853
    3502-6775(直通)

平成14年度における雇用率未達成企業に対する指導結果について


 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下、法という。)では、事業主に対し、法定雇用率(1.8%)以上の身体障害者及び知的障害者の雇用を義務付けており、厚生労働大臣はその履行を図るため、障害者雇入れ計画作成命令の発出(法第15条第1項)及び雇入れ計画の適正実施勧告の発出(法第15条第6項)を行うほか、適正実施勧告に従わない事業主については、企業名の公表(法第16条)を行うこととしている。
 近年の障害者の雇用状況は、一般の民間企業における実雇用率が、平成14年度においては1.47%と前年度と比べて0.02ポイント低下するなど極めて厳しいものがある。このような状況も踏まえて、厚生労働省では、雇入れ計画の適正実施勧告を発出した企業に対して、一定の改善がみられない場合には、企業名の公表を行うことを前提に特別指導を実施した。
 それらの結果は以下のとおりである。

1.公表を前提とした特別指導
(1) 指導対象企業
 障害者の雇用状況の改善を図るため、平成11年からの3年間を計画期間とする雇入れ計画の作成を命ぜられ、計画期間中に特にその適正実施について勧告を受けた企業のうち、なお、雇用改善のみられない企業4社を対象として実施した。

(2) 指導の結果
 指導対象企業4社中1社は法定雇用率を達成し、また、2社は法定雇用率には達しないものの、厚生労働省の基準を充足したところであり、特別指導による改善が認められた。
 法定雇用率には達しないものの厚生労働省の基準を充足した企業2社の内訳は、(1) 全国平均実雇用率(1.47%)以上となった企業が1社、(2) 障害者雇用に関する取組をすべて実施し、その結果一定の雇用率を達成した企業1社である。

2.障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく公表
 次の1社については、障害者雇用について一定の改善が認められないので、障害者の雇用の促進等に関する法律第16条に基づいて公表する。

 日本空港サービス株式会社  千葉県成田市古込字込前154番地4

3.今後の指導
 特別指導の対象となった企業のうち法定雇用率を達成している1社を除いた3社(公表企業を含む。)については、平成14年からの3年間を計画期間とする雇入れ計画を作成しているところであり、計画期間内に法定雇用率を達成するよう引き続き指導を行う。


(表1) 特別指導の結果

1 法定雇用率を達成した企業  1 社
2 全国平均実雇用率を達成した企業  1 社
3 雇用改善のための所定の取組を実施し、
  かつ、一定の雇用率を達成した企業(注)

 1 社
4 その他  1 社
合計  4 社

(注)3に該当する企業について、
(1) 所定の取組とは、以下のものをいう。
a 社内検討体制の整備と職務再設計等
b 具体的な求人活動
c 社内研修の実施
d 施設設備の改善等
(2) 平成16年までに法定雇用率を達成するよう取り組むこととなっている。


(表2) 4社の実雇用率の推移

計画始期現在 H12.6.1現在 H13.6.1現在 H14.6.1現在 H15.4.1現在
0.25% 0.18% 0.22% 0.34% 1.15%


(表3) 公表企業(1社)の実雇用率の推移

計画始期現在 H12.6.1現在 H13.6.1現在 H14.6.1現在 H15.4.1現在
0.00% 0.00% 0.00% 0.00% 0.00%


(参考1) 4社の企業規模別内訳

企業規模別 企業数
1,000人未満規模企業 4社
合計 4社

  (参考2) 4社の産業別内訳

産業別 企業数
第三次産業 4社
合計 4社


(参考3) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)(抄)

 (身体障害者又は知的障害者の雇用に関する事業主の責務)
十条 すべて事業主は、身体障害者又は知的障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、適当な雇用の場を与える共同の責務を有するものであって、進んで身体障害者又は知的障害者の雇入れに努めなければならない。

 (一般事業主の身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画)
十五条 厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用を促進するため必要があると認める場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が法定雇用障害者数未満である事業主に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の数がその法定雇用障害者数以上となるようにするため、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画の作成を命ずることができる。
 (2項から5項まで 略)
 6 厚生労働大臣は、特に必要があると認めるときは、第一項の計画を作成した事業主に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができる。

(一般事業主についての公表)
十六条 厚生労働大臣は、前条第一項の計画を作成した事業主が、正当な理由がなく、同条第五項又は第六項の勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。


(参考4) 雇用率達成指導の流れ図

流れ図


(参考5)  平成14年度における特別指導の概要

公表を前提とした未達成企業に対する指導

 1 対象企業の代表者に対する公表を前提とした指導の実施

 対象企業を管轄する公共職業安定所長は、対象企業の代表者に対し、障害者の雇用に関する事業主の責務、障害者の雇用の現状、これまでの雇用率達成指導の経緯等について十分説明の上、法定雇用率を達成するよう再度の指導を実施した。

 2 指導事項

 平成15年4月1日現在で少なくとも、いずれかに該当することとなるよう指導を行った。

(1) 全国平均実雇用率を達成すること。
(2) 重度障害者を相当数雇用すること。
(3) 障害者雇用に対する次の取組をすべて実施し、その結果、一定の雇用率を達成すること。
a 障害者の採用及び職場定着のための社内検討体制を整備し、その検討を行い、職務再設計等雇用率を達成するための結論が出ていること。
b 特別枠の設定による障害者の常時受入れ体制を整備し、具体的な求人活動が行われていること。
c 障害者雇用についての理解を促進するための社内研修の充実が図られていること。
d 障害者雇用のための施設整備の改善等が行われていること。
(4) 第3セクター方式による重度障害者雇用企業、又は特例子会社の設立について具体的な取組を行うこと。

 なお、上記の事項のいずれかに該当することとなった場合には、公表の猶予を行う予定とした。

 3 求職情報の提供等きめ細かい指導の実施


(参考6)最近の実雇用率の推移

H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14
1.41% 1.44% 1.45% 1.47% 1.47% 1.48% 1.49% 1.49% 1.49% 1.47%


(参考7)平成14年6月1日現在の一般の民間企業における規模別障害者の雇用状況
(平成14年6月1日現在)
区分 (1)
企業数
(2)
常用労働者数
(3) 障害者の数 (4)
 実雇用率
 C÷(2)
  ×100
(5)
法定雇用率
未達成企業
の割合
A.重度障害者(常用) B.重度障害者(常用)以外の障害者 C. 計
  A×2+B
企業
56 〜 99 21,913
(21,756)
1,606,160
(1,598,239)
5,877
(6,136)
12,702
(13,762)
24,456
(26,034)
1.52
(1.63)
55.1
(53.3)
100 〜299 27,610
(27,823)
4,038,458
(4,062,950)
12,543
(13,061)
27,860
(29,097)
52,946
(55,219)
1.31
(1.36)
56.2
(54.8)
300 〜499 5,287
(5,385)
1,758,677
(1,795,280)
6,627
(6,462)
12,482
(12,448)
25,736
(25,372)
1.46
(1.41)
61.0
(61.8)
500 〜999 3,573
(3,597)
2,186,747
(2,207,254)
8,320
(8,511)
14,624
(15,208)
31,264
(32,230)
1.43
(1.46)
66.2
(66.6)
1,000人以上 2,555
(2,554)
7,159,342
(7,272,333)
31,812
(32,123)
48,258
(49,769)
111,882
(114,015)
1.56
(1.57)
72.9
(73.4)
規模計 60,938
(61,115)
16,749,384
(16,936,056)
65,179
(66,293)
115,926
(120,284)
246,284
(252,870)
1.47
(1.49)
57.5
(56.3)
(資料出所 厚生労働省職業安定局集計)
 1 常用労働者数とは、常用労働者総数から除外率相当数(身体障害者及び知的障害者が就業することが困難であると認められる職種が相当の割合を占める業種について定められた率を乗じて得た数)を除いた法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数である。
 2 A欄の「重度障害者(常用)」には短時間労働者の数は含まれていない。B欄の「重度障害者(常用)以外の障害者」には重度障害者である短時間労働者の数が含まれている。
 3 障害者の数とは、身体障害者と知的障害者の計である。A欄の重度障害者(重度身体障害者及び重度知的障害者)については法律上、1人を2人に相当するものとしており、ダブルカウントを行っている。
 4 ( )内は平成13年6月1日現在の数値である。


(参考8) 一般の民間企業における産業別障害者の雇用状況
(平成14年6月1日現在)
区分 (1)
企業数
(2)
常用労働者数
(3) 障害者の数 (4)
実雇用率
 C÷(2)
  ×100
(5)
法定雇用率
未達成企業
の割合
A.重度障害者(常用) B.重度障害者(常用)以外の障害者 C. 計
  A×2+B
  企業
農、林、漁業 126
(127)
19,038
(19,117)
70
(77)
184
(174)
324
(328)
1.70
(1.72)
40.5
(37.8)
鉱業 47
(54)
8,102
(9,071)
27
(27)
73
(79)
127
(133)
1.57
(1.47)
42.6
(46.3)
建設業 2,095
(2,223)
553,725
(587,096)
2,063
(2,177)
3,307
(3,620)
7,433
(7,974)
1.34
(1.36)
55.4
(54.1)
製造業 20,160
(21,030)
6,078,592
(6,412,295)
27,723
(29、322)
46,948
(50,982)
102,394
(109,626)
1.68
(1.71)
45.6
(44.1)
  食料品・たばこ 3,034 742,682 2,911 7,469 13,291 1.79 41.2
繊維・衣服 1,317 229,851 1,069 2,321 4,459 1.94 37.0
木材・家具 509 80,599 426 984 1,836 2.28 31.6
パルプ・紙・出版 2,038 440,987 1,862 3,305 7,029 1.59 49.0
化学工業 1,921 743,268 2,799 5,177 10,775 1.45 54.3
窯業・土石 678 148,437 594 1,330 2,518 1.70 42.5
鉄鋼 328 139,500 573 1,177 2,323 1.67 40.2
非鉄金属 303 107,259 434 786 1,654 1.54 39.9
金属製品 1,570 270,482 1,303 2,675 5,281 1.95 38.9
電気機械 3,198 1,468,092 7,874 8,789 24,537 1.67 50.0
その他機械 4,178 1,445,183 6,806 10,862 24,474 1.69 46.6
その他 1,086 262,252 1,072 2,073 4,217 1.61 50.5
電気・ガス・熱供給・水道業 147
(161)
183,455
(187,518)
847
(828)
1,576
(1,617)
3,270
(3,273)
1.78
(1.75)
56.5
(56.5)
運輸・通信業 3,629
(3,662)
1,074,312
(1,094,387)
3,954
(4,143)
9,366
(9,891)
17,274
(18,177)
1.61
(1.66)
51.0
(50.5)
卸売・小売業,飲食店 12,907
(12,870)
3,376,460
(3,362,674)
9,865
(9,707)
18,900
(18,869)
38,630
(38,283)
1.14
(1.14)
71.8
(71.2)
金融・保険・不動産業 2,027
(2,100)
1,334,134
(1,314,105)
4,861
(4,823)
8,515
(8,612)
18,237
(18,258)
1.37
(1.39)
72.4
(72.5)
サービス業 19,800
(18,888)
4,121,566
(3,949,793)
15,769
(15,189)
27,057
(26,440)
58,595
(56,818)
1.42
(1.44)
60.4
(59.6)
産業計 60,938
(61,115)
16,749,384
(16,936,056)
65,179
(66,293)
115,926
(120,284)
246,284
(252,870)
1.47
(1.49)
57.5
(56.3)
(資料出所 厚生労働省職業安定局集計)
注 (参考7)と同じ。


トップへ
報道発表資料  厚生労働省ホームページ