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医薬品・医療用具等安全性情報
Pharmaceuticals and Medical Devices
Safety Information No.189

目   次

  1. DEHPを溶出しない輸液セット,カテーテル等の医療用具について
  2. 重要な副作用等に関する情報
    1 インフリキシマブ(遺伝子組換え)
    2 ゲフィチニブ
    3 プランルカスト水和物
    4 メシル酸ペルゴリド
    5 ロキソプロフェンナトリウム
  3. 使用上の注意の改訂について(その145)
    塩酸タリペキソール他(13件)

     この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。

    平成15年(2003年)5月
    厚生労働省医薬局


    【情報の概要】

    No. 医薬品等 対策 情報の概要
    1 DEHPを溶出しない輸液セット,カテーテル等の医療用具     ポリ塩化ビニル製の医療用具から溶出する可塑剤DEHPについては,医薬品・医療用具等安全性情報No.182において紹介したところであるが,今般,市場に流通している,DEHPが溶出しない(いわゆる)代替品についての調査結果が取りまとまったので紹介する。
    2 インフリキシマブ(遺伝子組換え)他(4件) 使
     前々号(医薬品・医療用具等安全性情報No.187)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
    3 塩酸タリペキソール他(13件)    使用上の注意の改訂について(その145)

    緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

    目次へ



     1. DEHPを溶出しない輸液セット,カテーテル等の医療用具について


     ポリ塩化ビニル製の医療用具は,その優れた物性により(特に,輸液ポンプ等の機器との併用等によるチューブに大きな負荷がかかる場合においては,チューブの潰れによる閉塞や引っ張りによる破断といった不具合を生じにくく,ひいてはこれらの不具合の結果生じる投薬上の問題や失血等の危険性が低い医療用具として),国内外において医療の場で広く使用されている。
     一方,ポリ塩化ビニルは,その特性である優れた柔軟性を保持するために,材質中に可塑剤が添加されており,この可塑剤(DEHP:フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)が,接触する溶媒中に溶出することが知られており,臨床使用する際における注意点について,医薬品・医療用具等安全性情報No.182において紹介したところである。
     今般,DEHPを溶出しない(いわゆる)代替品について,実際にどのような製品が市場に流通しているのかについての調査結果がまとまったので紹介することとした。また,DEHPが使用されている輸液セット,カテーテル等の医療器具については,可塑剤としてDEHPが使用されている旨,当該製品の添付文書に記載することとしているので,具体的には各製品の添付文書をご確認されたい。
     なお,日本医療器材工業会のホームページ(http://www.jmed.jp/)において,いわゆる代替品のリストが掲載されているので,併せて紹介する。

    <代替製品リスト1-1:非ポリ塩化ビニル製>
    製品分類 製品名 材質 会社名
    輸液関連製品
    輸液セット JMSニトログリセリン用輸液セット チューブ部:熱可塑性エラストマー,シリコーンゴム 株式会社ジェイ・エム・エス
    輸液セット JMSニトログリセリン用輸液セット チューブ部:熱可塑性エラストマー 株式会社ジェイ・エム・エス
    輸液セット JMS輸液セット チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    輸液セット テルフュージョン輸液セット チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット テルフュージョン小児用輸液セット チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット テルフュージョンポンプ用輸液セット チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット テルフュージョン定量輸液セット チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット シュアプラグ輸液セット チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット シュアプラグ輸液セット(輸液ポンプ用) チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット シュアプラグ輸液セット(輸液ポンプ・自然滴下兼用) チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社


    <代替製品リスト1-2:非ポリ塩化ビニル製>
    製品分類 製品名 材質 会社名
    輸液セット シュアプラグ輸液セット(輸液ポンプ・定量筒付) チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット テルフュージョンポンプ用定量輸液セットA チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット テルフュージョンポンプ用輸液セットHi チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット テルフュージョンポンプ用定量輸液セットHi チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    輸液セット 輸液セット(精密タイプ) チューブ部:ポリエチレン ニプロ株式会社
    輸液セット 輸液セット チューブ部:ポリブタジエン ニプロ株式会社
    輸液セット ニプロフィルターセット チューブ部:ポリブタジエン ニプロ医工株式会社
    輸液セット ニプロフィルターセットE チューブ部:ポリブタジエン ニプロ医工株式会社
    輸液セット ニプロフィルターセットF チューブ部:ポリブタジエン ニプロ医工株式会社
    輸液セット ニプロアイセット チューブ部:ポリブタジエン ニプロ医工株式会社
    輸液セット 輸液セット チューブ部:ポリブタジエン フォルテ グロウ メディカル株式会社
    輸液セット 輸液セットF チューブ部:ポリブタジエン フォルテ グロウ メディカル株式会社
    輸液セット 輸液セットA チューブ部:ポリブタジエン フォルテ グロウ メディカル株式会社
    輸液セット トップ輸液セットNP チューブ部:ポリブタジエン 株式会社トップ
    輸液セット 輸液フィルターTI型 チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 輸液フィルターTI型(フラットタイプ) チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット フィルター付き輸液セット(EXタイプ) チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 大型輸液フィルター チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 大型輸液フィルター(フラットタイプ) チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 大型輸液フィルター(脂肪乳剤用) チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット EX輸液フィルター チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット カシベックスGS(小児用フィルタ−) チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 輸液セット(インターリンク) チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 輸液セット「ビオネクター」 チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 輸液セット「ドシフロー」 チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット 輸液セット「ビオネクター2」 チューブ部:ポリブタジエン 東レ・メディカル株式会社
    輸液セット メディカットTPNアドミニストレーションインテグラーレ B チューブ部:ポリブタジエン 日本シャーウッド株式会社
    輸液セット 輸液セット定量筒付ニトログリセリン用 チューブ部:TPE 熱可塑性エラストマー
    ポンプチューブ部:シリコーン
    日本光電工業株式会社
    輸液セット 輸液セットニトログリセリン用 チューブ部:TPE 熱可塑性エラストマー
    ポンプチューブ部:シリコーン
    日本光電工業株式会社
    輸液セット 輸液セット定量筒付ニトロ用3φ チューブ部:シリコーン 日本光電工業株式会社
    延長チューブ レクトロ・キャス チューブ部:ポリエチレン 株式会社サミック・インターナショナル
    延長チューブ JMSエキステンションチューブ チューブ部:ポリエチレン 株式会社ジェイ・エム・エス
    延長チューブ JMS延長チューブ チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    延長チューブ JMS延長チューブ チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    延長チューブ テルフュージョン延長チューブ付三方活栓 チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    延長チューブ サフィード延長チューブ チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    延長チューブ シュアプラグ延長チューブ チューブ部:ポリブタジエン テルモ株式会社
    延長チューブ 延長チューブ チューブ部:ポリエチレン ニプロ株式会社
    延長チューブ トップエックステンションチューブNP チューブ部:ポリブタジエン 株式会社トップ
    延長チューブ トップエックステンションチューブ ポリエチレン(接液部),EVAの2層構造 株式会社トップ
    延長チューブ コネクティングチューブ(チュウアツ) チューブ部:ポリエチレン 株式会社メディコスヒラタ
    延長チューブ コネクティングチューブ(PTBYC) チューブ部:ポリエチレン 株式会社メディコスヒラタ


    <代替製品リスト1-3:非ポリ塩化ビニル製>
    製品分類 製品名 材質 会社名
    延長チューブ コネクティングチューブ(コウアツ) チューブ部:ポリエチレン 株式会社メディコスヒラタ
    延長チューブ コネクティングチューブ(チュウアツ) チューブ部:テフロン 株式会社メディコスヒラタ
    延長チューブ NYU エンボリ イントロデュサー チューブ部:テフロン 株式会社メディコスヒラタ
    延長チューブ コネクティングチューブ(テイアツ) チューブ部:ポリウレタン 株式会社メディコスヒラタ
    延長チューブ サフティAPチューブ チューブ部:ポリエチレン
    コネクター部:ポリエチレン
    川澄化学工業株式会社
    延長チューブ 延長チューブ付ビオネクター2 チューブ部:ポリブタジエンまたはポリプロピレン 東レ・メディカル株式会社
    延長チューブ メディカットエクステンションチューブセット B チューブ部:ポリブタジエン 日本シャーウッド株式会社
    経管栄養関連製品
    栄養セット JMS栄養セット チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    栄養セット JMS栄養セット EN Yジョイント チューブ部:ポリウレタン 株式会社ジェイ・エム・エス
    栄養セット JMS栄養セット EN 延長チューブ チューブ部:ポリウレタン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングその他 アトム栄養カテーテルN ポリブタジエン アトムメディカル株式会社
    フィーディングその他 アトム栄養カテーテルN チューブ・ソケット:ポリブタジエン,コネクタ:ABS アトムメディカル株式会社
    フィーディングその他 JMS経口用イルリガートル チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングその他 JMS経口用イルリガートル チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングその他 JMSフィーディング・バッグ ポリオレフィン,ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングチューブ アトム栄養カテーテルN ポリブタジエン アトムメディカル株式会社
    フィーディングチューブ 栄養カテーテル 天然ゴム 株式会社イズモヘルス
    フィーディングチューブ シリコーン栄養カテーテル シリコーンゴム 株式会社イズモヘルス
    フィーディングチューブ コーフロークリアー ポリウレタン 株式会社インターメドジャパン
    フィーディングチューブ シリコーンEDチューブ チューブ部:シリコーンゴム クリエートメディック株式会社
    フィーディングチューブ 胃腸カテーテル 栄養用 チューブ部:シリコーンゴム クリエートメディック株式会社
    フィーディングチューブ 胃腸カテーテル 栄養用 キャップ付 チューブ部:シリコーンゴム クリエートメディック株式会社
    フィーディングチューブ JMS EDチューブ ポリウレタン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングチューブ JMS栄養カテーテル 造影剤ライン入 ポリウレタン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングチューブ フレンタEDカテーテル ポリウレタン ゼオンメディカル株式会社
    フィーディングチューブ 滅菌済コーフローフィーディングチューブ ポリウレタン 株式会社インターメドジャパン
    フィーディングチューブ トップフィーディングチューブ ポリウレタン 株式会社トップ
    フィーディングチューブ ケイビエイヨウチューブ チューブ部:ポリウレタン 株式会社メディコスヒラタ
    フィーディングチューブ ニュートリフロフィーディングチューブ チューブ部:ポリウレタン 日本シャーウッド株式会社
    フィーディングチューブ エントリフレックス チューブ チューブ部:ポリウレタン 日本シャーウッド株式会社
    フィーディングチューブ 経管栄養チューブ チューブ部:ポリウレタン 日本シャーウッド株式会社
    フィーディングチューブ ペディ チューブ チューブ部:ポリウレタン 日本シャーウッド株式会社
    フィーディングチューブ 栄養カテーテル チューブ部:シリコーンゴム 富士システムズ株式会社
    フィーディングチューブ ファイコン フィーディングチューブ チューブ部:シリコーンゴム 富士システムズ株式会社
    フィーディングチューブ フレンタEDカテーテル ポリウレタン フレゼニウス メディカル ケア ジャパン 株式会社
    PEGキット フレンタEDカテーテル ポリウレタン フレゼニウス メディカル ケア ジャパン 株式会社
    フィーディングバッグ JMSフィーディング・バッグ ポリオレフィン,ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス
    フィーディングボトル JMS経口用イルリガートル チューブ部:ポリブタジエン 株式会社ジェイ・エム・エス


    <代替製品リスト2:ポリ塩化ビニル製(可塑剤として非DEHPを使用)>
    製品分類 製品名 材質 会社名
    輸液関連製品
    輸液セット テルフュージョン輸液セット チューブ部:PVC(可塑剤:TOTM) テルモ株式会社
    輸液セット ポ−ル輸液フィルタ−ELD チューブ部:PVC(可塑剤:TOTM) 日本ポール株式会社
    輸液セット ポ−ル輸液フィルタ−ELD チューブ部:PVC(可塑剤:DOA) 日本ポール株式会社
    輸液セット ポ−ル輸液フィルタ−PD チューブ部:PVC(可塑剤:TOTM) 日本ポール株式会社
    輸液セット インターリンクI.V.アクセスシステム PVCチューブ(可塑剤:TOTM) バクスター株式会社
    輸液セット ファイナルフィルターセット PVC(可塑剤:TOTM) 川澄化学工業株式会社
    輸液セット ジェミニ用ニトロセット チューブ部:内側ポリエチレン(その他一部の接液部材に可塑剤としてアジピン酸ジオクチルを含むPVCを使用) 株式会社佐多商会
    延長チューブ ピーアールエヌアダプター チューブ部:無可塑剤PVC 日本ベクトンディッキンソン株式会社
    延長チューブ インターリンクI.V.アクセスシステム PVCチューブ(可塑剤:TOTM) バクスター株式会社
    マニフォールドセット インターリンクI.V.アクセスシステム PVCチューブ(可塑剤:TOTM) バクスター株式会社
    埋込型カテーテル用セット インターリンクI.V.アクセスシステム PVCチューブ(可塑剤:TOTM) バクスター株式会社
    シリンジ用セット インターリンクI.V.アクセスシステム PVCチューブ(可塑剤:TOTM) バクスター株式会社
    経管栄養関連製品
    フィーディングチューブ ニューエンテラルフィーディングチューブ チューブ部:無可塑剤PVC 日本シャーウッド 株式会社
    フィーディングチューブ W−ED チューブ チューブ部:無可塑剤PVC 日本シャーウッド 株式会社
    フィーディングチューブ ED チューブ チューブ部:無可塑剤PVC 日本シャーウッド 株式会社
    人工腎臓用透析回路
    人工腎臓用透析回路 NIKKISO 人工腎臓用血液回路 チューブ部:PVC(可塑剤:TOTM) 日機装株式会社


    目次へ



     2. 重要な副作用等に関する情報

     医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.187)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。


    【1】 インフリキシマブ(遺伝子組換え)

    販売名(会社名) レミケード点滴静注用100(田辺製薬)
    薬効分類等 その他の消化器官用薬
    効能効果 次のいずれかの状態を示すクローン病の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)
     中等度から重度の活動期にある患者
     外瘻を有する患者


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 白血球減少,好中球減少:白血球減少,好中球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告


    症例の概要

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    20代
    小腸大腸型クローン病
    (なし)
    250mg
    1日間
    白血球減少,好中球減少
    投与約8年前 小腸大腸型クローン病と診断。
    投与約1ヵ月前 クローン病悪化により入院。
    投与開始日 本剤250mg投与(9:30〜11:50)。
    投与当日は異常認めず。
    終了1日後 白血球数2100/mm3,好中球数756/mm3と減少。
    終了4日後 白血球数2000/mm3,好中球数580/mm3
    レノグラスチム(遺伝子組換え)100μgを投与。
    終了14日後 白血球数1900/mm3,好中球数703/mm3
    レノグラスチム(遺伝子組換え)100μgを投与。
    終了19日後 白血球数2100/mm3,好中球数630/mm3
    レノグラスチム(遺伝子組換え)100μgを投与。
    終了24日後 白血球数2000/mm3,好中球数680/mm3
    レノグラスチム(遺伝子組換え)100μgを投与。
    終了39日後 白血球数2800/mm3と軽快傾向。退院。
    終了46日後 退院後の外来初受診で症状および採血データに著変なし。白血球数3700/mm3,好中球数1147/mm3と正常。
    終了81日後 外来受診。
    自覚症状なし。白血球数4900/mm3,好中球数3234/mm3と正常。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与
    33日前
    終了
    1日後
    終了
    2日後
    終了
    4日後
    終了
    5日後
    終了
    14日後
    終了
    15日後
    終了
    19日後
    終了
    20日後
    終了
    24日後
    終了
    25日後
    終了
    39日後
    終了
    46日後
    終了
    81日後
    赤血球数
    (×104/mm3
    447
    423
    387
    407
    420
    408
    415
    384
    363
    432
    434
    438
    445
    434
    白血球数
    (/mm3
    5900
    2100
    2400
    2000
    9700
    1900
    10600
    2100
    7100
    2000
    12200
    2800
    3700
    4900
    好中球
    (%)
    76.0
    36.0
    39.0
    29.0
    86.0
    37.0
    81.0
    30.0
    34.0
    81.0
    43.0
    31.0
    66.0
    好酸球
    (%)
    1.0
    17.0
    16.0
    25.0
    2.0
    21.0
    5.0
    10.0
    22.0
    5.0
    15.0
    24.0
    8.0
    好塩基球
    (%)
    1.0
    0.0
    2.0
    3.0
    1.0
    0.0
    0.0
    1.0
    2.0
    0.0
    1.0
    7.0
    0.0
    リンパ球
    (%)
    12.0
    31.0
    35.0
    38.0
    8.0
    31.0
    11.0
    53.0
    34.0
    8.0
    31.0
    28.0
    20.0
    単球
    (%)
    10.0
    15.0
    8.0
    5.0
    3.0
    11.0
    3.0
    6.0
    8.0
    6.0
    9.0
    10.0
    6.0
    Hb量
    (g/dL)
    12.8
    12.9
    11.7
    12.5
    12.8
    12.9
    13.0
    12.1
    11.5
    13.7
    14.0
    14.1
    14.5
    14.7
    Ht値
    (%)
    38.4
    38.4
    35.1
    36.6
    37.8
    38.1
    38.2
    36.0
    34.4
    40.7
    41.2
    40.8
    41.7
    40.6
    血小板数
    (×104/mm3
    26.6
    15.9
    16.8
    14.7
    14.6
    13.6
    12.3
    13.8
    13.4
    14.6
    15.4
    17.1
    16.6
    20.1
    CRP
    (mg/dL)
    3.2
    0.2
    0.2
    0.3
    0.2
    0.2
    0.3
    併用薬:サラゾスルファピリジン


    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2
    20代
    小腸大腸型クローン病
    外瘻
    (なし)
    1回目
    180mg
    1日間

    2回目
    200mg
    1日間
    白血球減少,好中球減少
    投与約1年前 小腸大腸型クローン病と診断。
    1回目投与開始日 本剤1回目投与。
    その後,採血検査,自覚症状も特に異常なし。
    2回目投与開始日 本剤2回目投与を行う(1回目投与14日後)。
    投与時及び投与後明らかな副作用は認めていなかった。
    2回目終了14日後 白血球数1200/mm3,好中球数528/mm3と白血球減少及び,顆粒球減少を認めたため,レノグラスチム(遺伝子組換え)100μgを投与した。AST(GOT)160IU/L,ALT(GPT)113IU/Lと肝機能異常も認めていた。
    2回目終了16日後 白血球数9700/mm3,好中球数9824/mm3と上昇。
    2回目終了24日後 再び白血球数1700/mm3,好中球数510/mm3と減少したためレノグラスチム(遺伝子組換え)100μgを投与。
    2回目終了39日後 白血球数3900/mm3,好中球数2496/mm3と改善し,肝機能検査値もAST(GOT)23IU/L,ALT(GPT)33IU/Lと改善。
    なお,上記の経過中,自覚症状はなかった。
    企業報告
    臨床検査値
      
    1回目
    投与直前
    2回目
    終了14日後
    2回目
    終了16日後
    2回目
    終了24日後
    2回目
    終了27日後
    2回目
    終了39日後
    赤血球数(×104/mm3
    388
    381
    393
    371
    369
    363
    白血球数(/mm3
    3600
    1200
    9700
    1700
    3500
    3900
    好中球(%)
    67
    44
    92
    30
    64.6
    64.2
    好酸球(%)
    6
    2
    0
    0
    2
    2.3
    好塩基球(%)
    1
    0
    2
    1
    0.6
    0.5
    リンパ球(%)
    25.0
    47.0
    6.0
    56.0
    25.6
    25.5
    単球(%)
    1.0
    7.0
    2.0
    13.0
    7.2
    7.5
    血小板数(×104/mm3
    28.3
    19.5
    19.5
    17.7
    28.0
    29.0
    Al-P(IU/L)
    215
    215
    230
    226
    250
    176
    AST(GOT)(IU/L)
    37
    160
    216
    105
    75
    23
    ALT(GPT)(IU/L)
    33
    113
    165
    126
    107
    33
    LDH(IU/L)
    167
    361
    492
    454
    430
    186
    γ-GTP(IU/L)
    50
    33
    36
    35
    38
    22
    CRP(mg/dL)
    <0.2
    <0.2
    併用薬:メサラジン,経腸成分栄養剤


    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    3
    10歳
    未満
    クローン病
    (血球貪食症候群,若年性関節リウマチ)
    50mg
    1日間
    白血球減少,好中球減少
    投与開始日 本剤投与。
    投与後,原疾患による発熱(37〜38℃)は軽快。
    終了3日後 陽性であったCRPも陰性化する。
    終了9日後 全身状態良好で,血液検査上,異常を認めず,退院。
    終了12日後 37℃台の発熱を認めたため,近医受診。
    血液検査上,白血球減少1700/mm3を指摘される。CRPは陰性。
    終了15日後 本院受診。
    白血球数1200/mm3,好中球数12/mm3,CRP2.85mg/dLのため入院。
    入院後,ピペラシリンナトリウム1.2g投与。
    終了16日後 人免疫グロブリン2.5g投与で経過観察。
    終了17日後 CRPは徐々に増加しているが,白血球数は2100/mm3,好中球数42/mm3と回復の傾向。
    終了18日後 人免疫グロブリン投与中止。
    終了21日後 発熱は軽快。白血球数4100/mm3,好中球数2583/mm3と増加。CRP1.03mg/dL。
    終了24日後 白血球数6100/mm3,好中球数3111/mm3,CRP0.22mg/dLとなったのでピペラシリンナトリウム投与中止。
    終了25日後 退院。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与直前
    終了7日後
    終了12日後
    終了15日後
    終了17日後
    終了24日後
    体温(℃)
    37.5
    36.5
    37.7
    39
    39
    36.5
    赤血球数(×104/mm3
    393
    396
    361
    330
    322
    387
    白血球数(/mm3
    7800
    13100
    1700
    1200
    2100
    6100
    好中球(%)
    74.0
    1.0
    2.0
    51.4
    好酸球(%)
    0
    0
    1.0
    1.4
    好塩基球(%)
    0
    0
    0
    0
    リンパ球(%)
    22.0
    75.0
    72.0
    37.9
    単球(%)
    3.0
    20.0
    25.0
    9.3
    ヘモグロビン量(g/dL)
    8.4
    8.5
    7.7
    7.4
    7.1
    8.9
    ヘマトクリット値(%)
    27.8
    27.9
    26.2
    22.9
    22.5
    27.8
    血小板数(×104/mm3
    80
    44.3
    17.5
    20.7
    44.0
    CRP(mg/dL)
    5.21
    0.60
    0.90
    2.85
    7.33
    0.22
    併用薬:シクロスポリン,プレドニゾロン,サラゾスルファピリジン,スルファメトキサゾール・トリメトプリム



    【2】 ゲフィチニブ

    販売名(会社名) イレッサ錠250(アストラゼネカ)
    薬効分類等 その他の腫瘍用薬
    効能効果 手術不能又は再発非小細胞肺癌


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 血尿,出血性膀胱炎:血尿,出血性膀胱炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告


    症例の概要

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    60代
    肺腺癌
    (脳転移,骨転移,狭心症,高血圧症)
    250mg
    50日間
    出血性膀胱炎
    投与約27ヵ月前 腰痛をおぼえ精査したところ,肺癌骨転移の診断を得た。
    投与約26ヵ月前 カルボプラチン+パクリタキセルによる化学療法を6コース施行。
    投与約12ヵ月前 脳転移と診断され,ガンマナイフ治療施行。化学療法は2nd lineとして塩酸ゲムシタビン単独療法6コース施行。
    投与約4ヵ月前 3rd lineとして塩酸イリノテカン単独療法施行。5コース施行したところで原発巣の増大を認めた。
    投与開始日 本剤投与開始。
    投与43日目 排尿痛,肉眼的血尿出現。
    投与50日目
    (投与中止日)
    泌尿器科緊急受診。著明な膀胱炎が指摘され,入院。プレドニゾロン30mg内服にて治療開始。
    本剤投与中止。
    中止4日後 プレドニゾロン20mgに減量。
    中止10日後 プレドニゾロン10mgに減量。
    中止15日後 出血性膀胱炎軽快。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与13日前
    投与中止日
    中止8日後
    中止11日後
    白血球数(/mm3
    4400
    7600
    7400
    赤血球数(×104/mm3
    423
    439
    414
    ヘモグロビン(g/dL)
    12.1
    12.7
    11.9
    ヘマトクリット(%)
    37.4
    38.0
    36.3
    血小板数(×104/mm3
    27.5
    23.2
    23.9
    総蛋白(g/dL)
    6.7
    7.0
    5.2
    AST(GOT)(IU/L)
    19
    57
    15
    ALT(GPT)(IU/L)
    10
    119
    24
    LDH(IU/L)
    409
    258
    169
    BUN(mg/dL)
    13.9
    27.2
    24.3
    クレアチニン(mg/dL)
    0.8
    1.1
    0.7
    尿酸(mg/dL)
    8.2
    4.9
    Na(mEq/L)
    144
    146
    141
    K(mEq/L)
    4.3
    3.7
    3.7
    Cl(mEq/L)
    107
    110
    104
    CRP(mg/dL)
    0.4
    <0.1
    <0.1
    尿潜血
    (−)
    (−)
    尿沈渣
    正常
    正常
    併用薬:ベシル酸アムロジピン,硝酸イソソルビド,ニコランジル


    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2
    70代
    肺癌
    (前立腺肥大)
    250mg
    99日間
    血尿
    投与約7ヵ月前 近医で喉頭ポリープ指摘。
    投与約5ヵ月前 当院耳鼻咽喉科受診。胸部X線で異常影を認め,CTで右上葉に直径5cm大の腫瘤あり。
    投与約3ヵ月半前 気管支鏡検査施行。経気管支肺生検にて右肺上葉扁平上皮癌(低分化)(P-T4N0M0StageIIIB)と診断。
    投与約3ヵ月前 全身麻酔下で右肺上葉切除・右S6部分切除,肺動脈形成術施行。その後,外来で経過観察。
    投与10日前 胸腹部CTで右肺内及び肝左葉に転移出現。
    投与開始日 本剤投与開始。
    投与44日目 排尿時に凝血塊出現。
    投与50日目 当院泌尿器科に受診し,膀胱鏡で薬剤性膀胱炎と診断。塩酸セフカペンピボキシル300mg及び排尿時痛のためジクロフェナクナトリウム50mg内服開始。
    投与55日目 泌尿器科再診。血尿変わらず。塩酸セフカペンピボキシルのみ内服継続し,カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム90mg追加投与。
    投与65日目 泌尿器科再診。肉眼的血尿は改善するも尿潜血陽性(+)のため,塩酸セフカペンピボキシル投与継続し,プレドニゾロン5mg投与開始(本剤投与中止3日後まで)。
    投与82日目 胸部及び腹部CT上,右肺内部の転移縮小みられるも肝転移増大を認めた。
    投与85日目 血尿は軽快。
    投与96日目 尿潜血(±)。
    投与99日目
    (投与中止日)
    肝転移へは無効と判断し,本剤投与中止とした。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与7日前
    投与50日目
    投与65日目
    投与82日目
    投与96日目
    白血球数(/mm3
    9400
    5700
    8100
    13900
    赤血球数(×104/mm3
    406
    415
    406
    436
    ヘモグロビン(g/dL)
    12.7
    12.9
    12.8
    13.7
    ヘマトクリット(%)
    38.6
    39.6
    38.7
    41.8
    血小板数(×104/mm3
    33.7
    24.6
    23.5
    30.0
    総蛋白(g/dL)
    7.4
    6.9
    7.4
    AST(GOT)(IU/L)
    15
    147
    64
    33
    ALT(GPT)(IU/L)
    6
    235
    115
    40
    LDH(IU/L)
    395
    343
    433
    BUN(mg/dL)
    15.8
    22.5
    16.4
    22.5
    血清クレアチニン(mg/dL)
    1.2
    1.2
    1.1
    1.1
    CRP(mg/dL)
    2.9
    1.7
    尿潜血
    (3+)
    (+)
    (2+)
    (±)
    尿沈渣
    赤血球多数
    赤血球:
    5-9/HPF
    赤血球:
    30-49/HPF
    赤血球:
    5-9/HPF
    併用薬:ブロチゾラム,塩酸パロキセチン水和物,センノシド,酸化マグネシウム,水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム,コハク酸シベンゾリン,フルニトラゼパム,フェニルプロパノールアミン配合剤,塩酸ロペラミド



    【3】 プランルカスト水和物

    販売名(会社名) オノンカプセル,同ドライシロップ(小野薬品工業)
    薬効分類等 その他のアレルギー用薬
    効能効果 (カプセル)
    気管支喘息
    アレルギー性鼻炎
    (ドライシロップ)
    気管支喘息


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] 横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中ミオグロビン上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
    〈参   考〉 企業報告


    症例の概要

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    10歳
    未満
    アレルギー性鼻炎
    (なし)
    225mg
    4ヵ月
    横紋筋融解症
    投与約1年前 アレルギー性鼻炎を発症。
    投与開始日 近医にてアレルギー性鼻炎と診断され,本剤及びマレイン酸クロルフェニラミンの投与を開始。
    投与2ヵ月目 この頃,運動後,大腿部の筋肉痛が出現するも,安静にて軽快していたため放置。
    投与4ヵ月目
    (発 現 日)
    3日前にも筋肉痛を自覚するも軽快したため放置していたが,歩行中に大腿部の筋肉痛が再度出現し,歩行不能となり当院初診となる。
    大腿部四頭筋部を中心に強い痛みがあり,圧痛を伴っていた。ケトプロフェン貼付剤と安静にて疼痛は軽減し,歩行可能となり帰宅。
    発現1日後 症状は軽快。
    発現2日後
    (投与中止日)
    再診。初診時の血液検査(CPK:9570及びAST(GOT),LDHの上昇)と症状から横紋筋融解症と診断し,本剤及び併用薬を中止。
    中止23日後 服薬中止後,症状の再発は認めていない。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与4ヵ月目
    (発現日)
    中止9日後
    中止23日後
    AST(GOT)(IU/L)
    126
    30
    26
    ALT(GPT)(IU/L)
    45
    18
    11
    Al-P(IU/L)
    745
    802
    742
    LDH(IU/L)
    497
    227
    235
    CPK(IU/L)
    9570
    576
    240
    併用薬:マレイン酸クロルフェニラミン



    【4】 メシル酸ペルゴリド

    販売名(会社名) ペルマックス錠50μg,同錠250μg(日本イーライリリー)
    薬効分類等 抗パーキンソン剤
    効能効果 パーキンソン病


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [重要な基本的注意] 間質性肺炎があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察するとともに,患者に対し,本剤の投与中に発熱,咳嗽,呼吸困難等があらわれた場合には,本剤の服用を中止し,直ちに連絡するよう指導すること。
    [副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には,速やかに胸部X線検査を実施し,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
    心臓弁膜症:心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には,速やかに胸部X線検査,心エコー検査等を実施し,弁膜の異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告


    症例の概要

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    70代
    パーキンソン病(重症)
    〔骨粗しょう症(軽症),神経因性膀胱(軽症)〕
    750μg
    48日間
    間質性肺炎
    胃癌の手術と前立腺肥大の既往あり。
    画像上,呼吸機能上,明らかな肺疾患はない患者。
    投与開始日 パーキンソン病に対し,本剤を750μgで開始。
    投与48日目
    (投与中止日)
    AM3:00,呼吸困難感出現。胸部CT等にて肺野全体に間質性陰影を認める。動脈血酵素飽和度が徐々に低下し,人工呼吸管理開始。白血球数14400/mm3(好中球85.5%),LDH454IU/L,総蛋白5.5g/dL,アルブミン2.8g/dL。
    薬剤性間質性肺炎を疑い,内服薬をすべて中止。
    ステロイドパルス療法(コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg×3日間)開始。
    中止4日後 KL-6は676U/mL。
    中止10日後 改善認めず,ステロイドパルス療法(前回と同じ)開始。以後画像及び血液ガス分析上,軽度改善あり。
    中止23日後 発熱出現。抗生剤投与するも軽快せず。
    中止38日後 喀痰培養検査にて結核菌検出。
    抗結核療法(イソニアジド,リファンピシン,ピラジナミド,ストレプトマイシン)開始。
    中止42日後 白血球11900/mm3(好中球90.5%),LDH355IU/L,総蛋白4.7g/dL,アルブミン2.1g/dL。
    中止43日後 一時解熱傾向認めるも,再び血液ガス分析上増悪。画像上も間質性陰影の増強出現。
    中止45日後 死亡。
    死因:(1)間質性肺炎増強(本剤との関係:不明)
         (2)肺結核症(本剤との関係:なし)
    剖検所見:なし
    〈DLST(薬剤リンパ球刺激試験)結果〉
     本剤:陰性
    企業報告
    併用薬:ロキソプロフェンナトリウム,レボドパ・塩酸ベンセラジド,塩酸アマンタジン,レバミピド,メナテトレノン,カルシトリオール


    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    2
    70代
    パーキンソン病(中等症)
    〔高脂血症(軽症)〕
    150μg
    14日間

    300μg
    24日間
    間質性肺炎
    投与2ヵ月前 パーキンソン病発現。
    投与23日前 胸部X線写真及びCT上,間質性肺炎の所見なし。
    投与開始日 本剤を150μgで開始。
    投与15日目 本剤を300μgに増量。
    発現1日後 症状は軽快。
    投与33日目 夕食後全身状態不良,夜間不眠で異常行動を認める。
    投与34日目 動脈血酸素飽和度低下しており,全身状態不良。CRP上昇を認め,入院。
    胸部CTで間質性肺炎と診断。
    投与36日目 本剤による薬剤性間質性肺炎を疑う。
    投与38日目
    (投与中止日)
    本剤中止。
    中止1日後 ステロイドパルス療法(コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg×3日間)開始。
    KL-6は101U/mL。
    中止2日後 抗核抗体異常なし(×40)。
    中止3日後 動脈血酸素飽和度改善し,胸部X線写真上,間質性肺炎の像が軽快。
    中止5日後 胸部X線写真上で間質性肺炎消失。
    中止6日後 胸部CTでも間質性肺炎の軽快を確認。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与
    22日前
    投与
    29日目
    投与
    34日目
    中止
    1日後
    CRP(mg/dL) 0.1 0.1 10.6 20.4
    LDH(IU/L) 442 463 607 595
    白血球数(/mm3 5200 5300 7700 8700
    血液ガス分析結果
      
    投与34日目
    (O22L/mm3吸入)
    中止3日後
    (O210L/mm3吸入)
    pH 7.476 7.442
    PaO2(mmHg) 54.1 97.1
    PaCO2(mmHg) 28.1 30.2
    HCO3(mmol/L) 20.7 20.6
    併用薬:レボドパ・塩酸ベンセラジド,ブロチゾラム,硫酸マグネシウム,ゾピクロン,塩酸アマンタジン,フルバスタチンナトリウム,ドンペリドン



    【5】 ロキソプロフェンナトリウム

    販売名(会社名)
    ウナスチン錠(模範薬品研究所)
    オキミナス錠(日本薬品工業)
    オプロニック錠(摩耶堂製薬)
    オロロックス内服液60mg(太田製薬)
    カンファタニン錠(東和薬品)
    ケンタン細粒,同錠(メディサ新薬)
    コバロキニン錠(小林化工)
    サンロキソ錠(三恵薬品)
    シラブル錠(大洋薬品工業)
    スリノフェン錠(グレラン製薬)
    ツルメリン錠(鶴原製薬)
    ノブフェン錠60mg(日本ヘキサル)
    ブテロン錠(サンライフ)
    ポナペルト錠,同細粒(富士カプセル)
    リンゲリーズ錠(陽進堂)
    レトラック錠60mg(三和化学研究所)
    ロキソート錠(日新製薬)
    ロキソニン錠,同細粒(三共)
    ロキソプロフェン錠60「サンスター」
    (サンスター)
    ロキソプロフェン錠「EMEC」(サンノーバ)
    ロキソマリン錠(大正薬品工業)
    ロキフェナック錠(東菱薬品工業)
    ロキフェン錠60mg(龍角散)
    ロキフラン錠,同細粒(長生堂製薬)
    ロキプロナール錠(寿製薬)
    ロキペイン錠60mg(共和薬品工業)
    ロゼオール錠,同細粒(辰巳化学)
    ロブ錠(大原薬品工業)
    ロルフェナミン錠,同細粒(日本医薬品工業)
    薬効分類等 解熱鎮痛消炎剤
    効能効果 1.下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
       慢性関節リウマチ,変形性関節症,腰痛症,肩関節周囲炎,頸肩腕症候群
    2.手術後,外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
    3.下記疾患の解熱・鎮痛
       急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)


    使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
    [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状ショック,アナフィラキシー様症状(血圧低下,蕁麻疹,喉頭浮腫,呼吸困難等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    消化管穿孔:消化管穿孔があらわれることがあるので,心窩部痛,腹痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    無菌性髄膜炎:無菌性髄膜炎(発熱,頭痛,悪心・嘔吐,項部硬直,意識混濁等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと(特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい。)。
    〈参   考〉 企業報告


    症例の概要

    NO. 患者 1日投与量
    投与期間
    副作用 備考
    性・
    年齢
    使用理由
    (合併症)
    経過及び処置
    1
    20代
    発熱
    (間質性肺炎)
    180mg
    4日間
    無菌性髄膜炎
    混合性結合組織病を原疾患に持つ患者。
    投与1日前 40℃の発熱。上気道炎症状。
    投与開始日 近医受診し,急性上気道炎の診断。
    本剤,セフジニルの投与開始。
    投与2日目 症状改善なく,40℃の発熱持続のため受診。インフルエンザを疑い,リン酸オセルタミビルを追加投与。
    投与3日目 吐気出現。
    投与4日目
    (投与中止日)
    再度受診し,38℃以上の発熱,髄膜刺激症状,肝障害を認め,同日入院。
    中止1日後 髄液検査,リコール上細胞数87/3と上昇,培養したが陰性のため,無菌性髄膜炎と診断。プレドニゾロン20mg,グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤2A静注開始。
    発熱,吐気,肝機能改善傾向。
    中止8日後 回復。
    中止12日後 転院し,プレドニゾロン15mgに減量。ルンバール(腰椎穿刺)を行い,正常化を確認。
    企業報告
    臨床検査値
      
    投与81日前
    投与2日目
    投与4日目
    (投与中止日)
    中止12日後
    中止33日後
    赤血球数(×104/mm3
    404
    399
    ヘモグロビン(g/dL)
    12.9
    12.4
    ヘマトクリット(%)
    39.1
    40.3
    血小板数(×104/mm3
    32.1
    37.2
    白血球数(/mm3
    7500
    10400
    好酸球(%)
    0.7
    1.0
    0.2
    0.1
    好中球(%)
    63.7
    79.8
    78.2
    好塩基球(%)
    0.1
    0
    0.7
    0.1
    リンパ球(%)
    30.3
    6.0
    14.6
    16.5
    単球(%)
    5.2
    1.0
    4.7
    5.1
    アルブミン(g/dL)
    3.9
    S-GOT(U/L)
    30
    380
    1440
    22
    S-GPT(U/L)
    26
    254
    1210
    21
    Al-P(U/L)
    128
    161
    673
    158
    LDH(U/L)
    186
    522
    775
    162
    γ-GTP(U/L)
    23
    153
    90
    総ビリルビン(mg/dL)
    0.4
    総蛋白(g/dL)
    8.2
    7.6
    CRP(mg/dL)
    0.2
    10.5
    0
    髄液蛋白定量(mg/dL)
    69
    髄液糖定量(mg/dL)
    62
    髄液細胞数(/μL)
    6/3
    髄液細胞分画(Lym : Neu)
    3 : 3
    併用薬:セフジニル,リン酸オセルタミビル,塩酸サルポグレラート,ニコチン酸トコフェロール



    目次へ



     3. 使用上の注意の改訂について(その145)

     前々号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.187)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「2 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。

    〈抗パーキンソン剤〉
    塩酸タリペキソール
    [販 売 名] ドミン錠0.4(日本ベーリンガーインゲルハイム)
    [重要な基本的注意] 前兆のない突発的睡眠,傾眠,注意力・集中力・反射機能等の低下,ふらつき,めまい及び起立性低血圧がみられることがあるので,自動車の運転,機械の操作,高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
    [副作用(重大な副作用)] 突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので,このような場合には,減量,休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈抗パーキンソン剤〉
    カベルゴリン
    [販 売 名] カバサール錠0.25mg,同錠1.0mg(ファルマシア)
    [重要な基本的注意] 前兆のない突発的睡眠,傾眠,起立性低血圧がみられることがあるので,自動車の運転,機械の操作,高所作業等危険を伴う作業には従事させないよう注意すること。
    [副作用(重大な副作用)] 突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので,このような場合には,減量,休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈抗パーキンソン剤〉
    メシル酸ブロモクリプチン
    [販 売 名] パーロデル2.5mg(日本チバガイギー)他
    [重要な基本的注意] 著しい血圧下降,前兆のない突発的睡眠,傾眠があらわれることがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
    トルコ鞍底を破壊するように発育したプロラクチン産生下垂体腺腫の患者において,本剤投与により腺腫の著明な縮小がみられた場合,それに伴い髄液鼻漏があらわれることがあるので,このような場合には,適切な処置を行うこと。
    視野障害のみられるプロラクチン産生下垂体腺腫の患者に投与する際には,本剤投与により腺腫の縮小がみられ,一旦,視野障害が改善した後,トルコ鞍の空洞化により視交叉部が鞍内に陥入することによって,再び視野障害があらわれることがある。定期的に視野検査を行い,異常が認められた場合には,減量等による腫瘍再増大の危険性を考慮しつつ,適切な処置を行うこと。
    [副作用(重大な副作用)] ショック,急激な血圧低下,起立性低血圧急激な血圧低下,起立性低血圧により悪心・嘔吐,顔面蒼白,冷汗,失神等のショック症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,昇圧等の適切な処置を行うこと。
    胸膜炎,心膜炎,胸膜線維症,肺線維症胸水,心膜液,胸膜炎,心膜炎,胸膜線維症,肺線維症があらわれることがあるので,胸痛,呼吸器症状等があらわれた場合には,速やかに胸部X線検査を実施し,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので,このような場合には,減量,休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告
    Ferreira, J. J., et al. : Lancet, 355 : 1333(2000)

    〈抗パーキンソン剤〉
    メシル酸ペルゴリド
    [販 売 名] ペルマックス錠50μg,同錠250μg(日本イーライリリー)
    [重要な基本的注意] 前兆のない突発的睡眠,傾眠がみられることがあるので,自動車の運転,高所での作業等,危険を伴う作業には従事させないように注意すること。
    [副作用(重大な副作用)] 突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止あるいは減量し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈抗パーキンソン剤〉
    レボドパ
    レボドパ・カルビドパ
    レボドパ・塩酸ベンセラジド
    [販 売 名] ドパストンカプセル,同散(三共),ドパール錠,同細粒(協和発酵工業),ドパゾール錠(第一製薬)
    ネオドパストン錠100mg,同錠250mg(三共),メネシット錠100,同錠250(万有製薬)他
    ネオドパゾール錠(第一製薬),イーシー・ドパール錠(協和発酵工業),マドパー錠(中外製薬)
    [重要な基本的注意] 前兆のない突発的睡眠,傾眠,調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
    [副作用(重大な副作用)] 突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので,このような場合には,減量,休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈消化性潰瘍用剤〉
    トロキシピド
    [販 売 名] アプレース錠100mg,同細粒(杏林製薬)他
    [副作用(重大な副作用)] ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,蕁麻疹,呼吸困難,血圧低下等の異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP,LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈その他のホルモン剤〉
    インスリンアスパルト(遺伝子組換え)
    [販 売 名] ノボラピッド注100単位/mLバイアル,同注300,同注300フレックスペン(ノボノルディスクファーマ)
    [副作用(重大な副作用)] アナフィラキシーショック(呼吸困難,血圧低下,頻脈,発汗,全身の発疹等),血管神経性浮腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈ビタミンA及びD剤〉
    ファレカルシトリオール
    [販 売 名] フルスタン錠0.15,同錠0.3(住友製薬),ホーネル錠0.15,同錠0.3(大正製薬)
    [副作用(重大な副作用)] 肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    〈他に分類されない代謝性医薬品〉
    シベレスタットナトリウム水和物
    [販 売 名] 注射用エラスポール100(小野薬品工業)
    [副作用(重大な副作用)] 白血球減少,血小板減少白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    10 〈アルキル化剤〉
    イホスファミド
    [販 売 名] 注射用イホマイド1g(塩野義製薬)
    [副作用(重大な副作用)] 心筋障害,不整脈:心不全,心室性期外収縮,心房細動,上室性期外収縮等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
    急性膵炎:急性膵炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,腹痛,血清アミラーゼ値の上昇等の異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    11 〈抗腫瘍性抗生物質製剤〉
    塩酸エピルビシン
    [販 売 名] ファルモルビシン注(ファルマシア)他
    [重要な基本的注意] 本剤の総投与量が900mg/m2以下であっても,うっ血性心不全を起こすことがある。特に,他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者及び心臓部あるいは縦隔に放射線療法を受けた患者では心機能検査を行い,慎重に投与すること。
    〈参   考〉 企業報告

    12 〈抗腫瘍性植物成分製剤〉
    ドセタキセル水和物
    [販 売 名] タキソテール注(アベンティスファーマ)
    [副作用(重大な副作用)] 骨髄抑制:汎血球減少,白血球減少,好中球減少,ヘモグロビン減少,血小板減少等があらわれることがあるので,血液検査を十分に行い,異常が認められた場合には,投与間隔の延長,減量,休薬等の適切な処置を行うこと。また,本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。
    間質性肺炎,肺線維症間質性肺炎,肺線維症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    心タンポナーデ,肺水腫,浮腫・体液貯留:心タンポナーデ,肺水腫,緊急ドレナージを要する胸水,腹水等の重篤な浮腫・体液貯留が報告されている。
    抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,低浸透圧血症を伴う低ナトリウム血症,尿中ナトリウム排泄の持続,意識障害等の症状があらわれた場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    13 〈合成抗菌剤〉
    トシル酸トスフロキサシン
    [販 売 名] オゼックス錠75,同錠150(富山化学工業),トスキサシン錠75mg,同錠150mg(アボットジャパン)
    [副作用(重大な副作用)] 痙攣,意識障害(意識喪失等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
    〈参   考〉 企業報告

    14 〈医薬部外品〉
    ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含有する医薬部外品
    [販 売 名] 薬用G・U・MデンタルペーストBB(サンスター)他
    [容器等への表示]
    1. ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含有している旨を,製品の直接の容器又は直接の被包に表示すること。
    2. 使用上の注意として次の事項を,製品の容器又は被包に表示すること。
      • 使用中にじんましん,息苦しさなどの異常があらわれた場合には直ちに使用を中止し,医師又は薬剤師に相談してください。特に,アレルギー体質の人や,薬などで発疹などの過敏症状を経験したことがある人は,十分注意して使用してください。
    〈参   考〉 企業報告
    松永佳世子,他:アレルギーの臨床,20(1):41-45(2000)


    お知らせ
     NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ,最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
    「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011
     なお,厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/)又は医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)からも入手可能です。



    照 会 先
    厚生労働省医薬局安全対策課
    担当:稲生、田宮
    03-5253-1111(内線)2750、2753
    
    


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