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厚生労働省発表
平成15年4月8日
担当
雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
課長宮野甚一
育児・介護休業推進室長平野良雄
課長補佐森本頼子
  電話03-5253-1111(内線7864)
  夜間直通03-3595-3275

「両立指標に関する指針」の策定について

 厚生労働省では、労働者が仕事と家庭を両立しやすい雇用環境の自主的な整備をさらに進めるため、企業が両立支援対策の進展度合いや不足している取組を自ら点検、評価できる「両立指標に関する指針」を策定するとともに、本日の男女共同参画会議において、厚生労働大臣から報告した。

1 両立指標の策定の経緯

 両立指標については、平成13年6月の男女共同参画会議の決定「仕事と子育ての両立支援策の方針に関する意見」及び平成13年7月の閣議決定「仕事と子育ての両立支援策の方針について」において、具体的施策として「企業の両立指標を開発・公表する」とされたものである。
 これを受けて、厚生労働省では、「両立指標研究会」(座長佐藤博樹 東京大学社会科学研究所教授)を開催し、両立指標の検討を依頼していたところであるが、この結果を受けて、今般、「両立指標に関する指針」(別添資料1)を策定したものである。

2 両立指標の概要

 この両立指標は、育児休業制度の内容等仕事と家庭との両立がしやすい制度の規定状況、利用状況等の合計61項目について幅広く評価を行い、評価結果を点数化して定量的に評価するものである。

3 両立指標の活用

 今後、厚生労働省では、企業や使用者団体等に対して広く両立指標の周知・広報を行い、その活用を呼びかけるほか、インターネット上に「ファミリー・フレンドリー・サイト」(仮称)を立ち上げ、企業が両立指標の項目をチェックすることにより、容易に同業種等の企業の中での位置等を把握したり、診断コメントを得られるシステムを構築し、さらに普及を図っていく予定である。

《別添資料》

両立指標に関する指針
「仕事と子育ての両立支援策の方針に関する意見」(平成13年6月19日男女共同参画会議決定)(抄)
「仕事と子育ての両立支援策の方針について」(平成13年7月6日閣議決定)(抄)
次世代育成支援に関する当面の取組方針(平成15年3月14日少子化対策推進関係閣僚会議)(抄)

《参考》

 男女共同参画会議(第10回)
 平成15年4月8日(火)18:00〜18:45 於:官邸



両立指標のポイント

○策定の目的
 企業が、自らの仕事と家庭の両立支援対策の進展度合いや不足している点を、客観的に評価できるようにするための指標として策定。



 評価結果に基づき、企業が不足している対策等を自ら把握して、自主的により一層両立対策に取り組むことを期待

○両立指標のコンセプト
1. 企業の取組を幅広く 評価する
(1) 育児や介護のために休業できる制度等
(2)仕事をしながら育児や介護ができる制度等
(3)(1),(2)の制度の利用状況
(4)制度を利用しやすい環境づくり
(5)その他の仕事と家庭との両立がしやすい制度等
これら5つのカテゴリーに分類される

合計61項目について評価

2.企業の取組を客観的に評価する
 → 項目ごとの評価結果を点数化して定量的に評価

○指標内容
 下記の5つのカテゴリーに分類された質問に回答し、得られた得点を加算して評価する。

(計 61項目 満点は415点)

1.両立支援(休業) ← 育児や介護のために休業できる制度等 10項目 計100点
例)Q 育児休業制度はどのような内容ですか?‥期間及び回数が法定を上回る(15点)法定どおり(0点)
2.両立支援(勤務時間短縮等) ← 仕事をしながら育児や介護ができる制度等 10項目 計 80点
例)Q 子の看護のための休暇制度がありますか?‥はい(15点)いいえ(0点)
3.利用状況 ← 1,2の制度の利用状況18項目 計100点
例)Q 男性で育児休業を取得した従業員はいますか?‥1割以上(10点)1人以上(5点)いない(0点)
4.環境づくり ← 制度を利用しやすい環境づくり 8項目 計 55点
例)Q 両立支援への考え方が方針として明文化されていますか?‥はい(15点)いいえ(0点)
5.人事労務管理 ← その他の仕事と家庭との両立がしやすい制度等 15項目 計 80点
例)Q 配偶者出産休暇制度がありますか?‥はい(5点)いいえ(0点)

○両立指標の利用方法
(1)  両立対策の取組や、制度の利用状況をみるチェックリストとして使用する
(2)  各企業において時系列で取組の進捗状況をみる、目標を設定して達成度を測る
(3)  カテゴリーごとのバランスをみて、どの分野の取組が進んでいないかを把握する
(4)  多くの企業の取組データを集積し、同業種、同規模、同地域等の企業の中での自社の位置を知ることができるようにする
(5)  企業自らが指標結果を公表することにより、対外的な企業アピールに使用する

○両立指標の活用促進策
(1)  インターネット上の「ファミリー・フレンドリー・サイト」(仮称)の構築
 各企業がサイトにアクセスすることで、各企業の状況が診断されるとともに、他社平均値との比較ができる
(2)  各都道府県労働局による広範な周知・広報
(3)  使用者団体等への活用要請
(4)  厚生労働省実施「ファミリー・フレンドリー企業表彰」の選考に活用

○ファミリー・フレンドリー・サイト
 診断チャートイメージ(例)
図
<コメント>
 制度は整っているものの[1.両立支援(休業)2.両立支援(勤務時間短縮等)]、制度の利用が少ないようです[3.利用状況]。従業員が制度を利用しやすい環境づくりに取り組むことが必要です。従業員にアンケートを行うなどにより、制度の利用が少ない原因を明らかにしましょう[4.環境づくり]。従業員が休暇を取得しにくい社内の雰囲気があることも考えられます[5.人事労務管理]。

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