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 第4章 健康状態と福祉制度

   健康状態
 表23は現在の身体の具合を尋ねた結果である。具合の悪いところがあると回答した者は1,025人(47.4%)、「いいえ」と回答した者は1,115人(51.5%)となっている。回答者の半数近くがどこか身体の具合が悪いと感じている。
 また、「ある」と回答した者のうち、「通院」、「売薬」などで対処している者が324人(31.6%)と約3割程度にとどまっており、何もしていない者が701人(68.4%)で約7割近くに達している。

表23 問23 現在、どこか身体の具合の悪いところはありますか。
  人数 有効%
はい      
  通院 202 9.3 19.7
  売薬 122 5.6 11.9
  何もしていない 701 32.4 68.4
有効回答数 1,025 47.4 100.0
はい(無回答) 22 1.0  
いいえ 1,115 51.5  
無回答 1 0.0  
合計 2,163 100.0  

 次に、病気や障害などについて、具体的な内容を複数回答で尋ねたものが表24である。
 多い順に「高血圧」256人(12.0%)、「胃・十二指腸潰瘍」153人(7.2%)、「ヘルニア」138人(6.5%)となっている。一方、「病気はない」と回答した者は865人(40.5%)と4割、「病気がどうか分からない」と回答した者は160人(7.5%)となっている。

表24 問24 現在、どのような持病や障害がありますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。
(複数回答) 件数 回答% ケース%
高血圧 256 9.7 12.0
胃・十二指腸潰瘍 153 5.8 7.2
糖尿病 126 4.8 5.9
肝炎 74 2.8 3.5
ヘルニア 138 5.2 6.5
皮膚の病気 41 1.6 1.9
アルコール依存症 51 1.9 2.4
結核 18 0.7 0.8
身体障害 64 2.4 3.0
その他 699 26.4 32.7
病気はない 865 32.7 40.5
病気かどうか分からない 160 6.0 7.5
有効回答数 2,645 100.0 123.9
有効回答者数 2,135 98.7  
無回答 28 1.3  
合計 2,163 100.0  
※回答%は有効回答数に占める割合、ケース%は有効回答者数に占める割合

 また、具体的な自覚症状についてまとめたものが表25である。多い順に見ていくと、「なし」676人(31.4%)で最も多いが、次に「腰痛」508人(23.6%)が多い。

表25 問25 路上(野宿)生活している間(路上(野宿)生活の長い方はここ1年以内)で、次のような症状がありましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。
(複数回答) 件数 回答% ケース%
めまい 329 7.3 15.3
しびれ・麻痺 338 7.5 15.7
咳がつづく 242 5.3 11.2
微熱がつづく 85 1.9 3.9
ひどい下痢が続いた・激しい腹痛 167 3.7 7.8
皮膚のかゆみや発疹 170 3.8 7.9
目やにが出る・目がかすむ 236 5.2 11.0
食欲不振 80 1.8 3.7
急激にやせた 112 2.5 5.2
ひどくだるい 188 4.2 8.7
耳鳴りがひどい 156 3.4 7.2
吐き気・嘔吐・胃の痛み 183 4.0 8.5
むくみ 104 2.3 4.8
頭痛 183 4.0 8.5
腰痛 508 11.2 23.6
よく眠れない 318 7.0 14.8
その他 452 10.0 21.0
なし 676 14.9 31.4
有効回答数 4,527 100.0 210.3
有効回答者 2,153 99.5  
無回答 10 0.5  
合計 2,163 100.0  
※回答%は有効回答数に占める割合、ケース%は有効回答者数に占める割合

 次に、障害者手帳や療育手帳などの各種福祉手帳の所持状況を尋ねた結果が表26である。「今持っている」が43人(2.0%)、「以前持っていたがなくした」19人(0.9%)、「障害はあるが持っていない」135人(6.3%)、「障害はないので持っていない」1,956人(90.8%)となっている。

表26 問26 現在何らかの障害を抱えていますか。また障害を抱えている場合、障害者手帳や療育手帳(愛の手帳)などをもっていますか。
  人数 有効%
今持っている 43 2.0 2.0
以前持っていたがなくした 19 0.9 0.9
障害はあるがもっていない 135 6.2 6.3
障害はないので持っていない 1,956 90.4 90.8
有効回答数 2,153 99.5 100.0
無回答 10 0.5  
合計 2,163 100.0  


   福祉制度の利用状況
 路上(野宿)生活前又は路上(野宿)生活中に福祉事務所へ相談に行ったことの有無を尋ねた結果が表27である。「ある」と回答した者が714人(33.1%)、「ない」と回答した者が1,446人(66.9%)となっている。

表27 問27 路上(野宿)生活以前又は路上(野宿)生活中に福祉事務所へ相談に行ったことがありますか。
  人数 有効%
ある 714 33.0 33.1
ない 1,446 66.9 66.9
有効回答数 2,160 99.9 100.0
無回答 3 0.1  
合計 2,163 100.0  

 「ある」と回答した者の相談結果については表27−2でまとめている。「相談のみで終わった」が220人(32.3%)、「病院を紹介された、病院で受診した」が157人(23.1%)となっている。

表27−2 問27 路上(野宿)生活以前又は路上(野宿)生活中に福祉事務所へ相談に行ったことがありますか。(「ある」と回答した者の相談結果)
項目 人数 有効%
病院を紹介された、病院で受診した 157 22.0 23.1
病院へ入院 55 7.7 8.1
施設入所 76 10.6 11.2
食事、交通費等をもらった 87 12.2 12.8
生活保護を受けた(主に居宅保護) 47 6.6 6.9
相談のみで終わった 220 30.8 32.3
その他 39 5.5 5.7
有効回答数 681 95.4 100.0
無回答 33 4.6  
合計 714 100.0  

 また、「ない」と回答した者のうち、今後、相談に行く意思はあるかを尋ねたものが表27−3である。回答者のうち、今後、相談に行く意思のある者は、237人(19.6%)となっている。

表27−3 問27 路上(野宿)生活以前又は路上(野宿)生活中に福祉事務所へ相談に行ったことがありますか。(「ない」と回答した者の、今後、相談に行く意思の有無)
  人数 有効%
ある 236 16.3 19.5
なし 788 54.5 65.3
今はないが、状況によって行く場合もある 183 12.7 15.2
有効回答数 1,207 83.5 100.0
無回答 239 16.5  
合計 1,446 100.0  

 次に、緊急的な一時宿泊場所であるシェルターの利用希望について尋ねたものが表28である。「思う」と回答した者が831人(38.7%)、「思わない」が1,315人(61.3%)となっている。
 また、「思わない」と回答した者の理由を類型化して、まとめたものが表28−2である。
 この中で「他人に干渉されたくないから」と回答した者が427人(34.6%)と最も多い。

表28 問28 緊急的な一時宿泊所としてシェルターがありますが、今後利用したいと思いますか。
  人数 有効%
思う 831 38.4 38.7
思わない 1,315 60.8 61.3
有効回答数 2,146 99.2 100.0
無回答 17 0.8  
合計 2,163 100.0  

表28−2 問28 緊急的な一時宿泊所としてシェルターがありますが、今後利用したいと思いますか。([思わない]理由の内訳)
  人数 有効%
今の寝場所・私物が失われるから 17 1.3 1.4
今の生活形態が失われるから 52 4.0 4.2
プライバシーが確保されていないから 33 2.5 2.7
他人に干渉されたくないから 427 32.5 34.6
寝場所はあるから、他からの援助は必要ないから 153 11.6 12.4
就労できる見込みがないから 20 1.5 1.6
期間が短いから 73 5.6 5.9
ない・わからない 94 7.1 7.6
その他 364 27.7 29.5
有効回答数 1,233 93.8 100.0
無回答 82 6.2  
合計 1,315 100.0  

 自立支援センターの利用希望を尋ねたものが表29である。「思う」と回答した者が835人(38.9%)、「思わない」が1,310人(61.1%)となっている。
 また、「思わない」と回答した者の理由を類型化して、まとめたものが表29−2である。
 「他人に干渉されたくないから」と回答した者が294人(24.1%)と最も多い。

表29 問29 一定期間入所して、食事、健康管理、生活相談や職業相談を受け、就労による自立をするための施設(自立支援センター)がありますが、今後利用したいと思いますか。
  人数 有効%
思う 835 38.6 38.9
思わない 1,310 60.6 61.1
有効回答数 2,145 99.2 100.0
無回答 18 0.8  
合計 2,163 100.0  

表29−2 問29 「思わない」理由
  人数 有効%
今の寝場所・私物が失われるから 4 0.3 0.3
今の生活形態が失われるから 55 4.2 4.5
プライバシーが確保されていないから 16 1.2 1.3
他人に干渉されたくないから 294 22.4 24.1
他からの援助は必要ないから 208 15.9 17.1
就労できる見込みがないから 247 18.9 20.3
期間が短いから 37 2.8 3.0
ない・わからない 94 7.2 7.7
その他 265 20.2 21.7
有効回答数 1,220 93.1 100.0
無回答 90 6.9  
合計 1,310 100.0  

 次に、生活保護制度の利用状況を尋ねたものが表30である。「ある」と回答した者が528人(24.5%)と、過去に生活保護制度を利用していたが、現在、路上生活をしている者がいる。また、「相談に行ったが利用したことがない」が95人(4.4%)となっている。

表30 問30 これまで生活保護制度を利用したことがありますか。
  人数 有効%
ある 528 24.4 24.5
相談には行ったが利用したことがない 95 4.4 4.4
ない 1,535 71.0 71.1
有効回答数 2,158 99.8 100.0
無回答 5 0.2  
合計 2,163 100.0  

 また、前設問で生活保護制度を利用したことがあると回答した者の利用方法を尋ねたものが表31である。「病院に入院」が287人(54.6%)と最も多く、全体の5割近くを占めている。

表31 問31 問30で「ある」と答えた方の利用の方法は次のどれでしたか。あてはまるものをすべて選んで下さい。
(複数回答) 件数 回答% ケース%
病院に入院して生活保護を受けた 287 47.8 54.6
施設に入って生活保護を受けた 111 18.5 21.1
アパートやドヤ等で生活保護を受けた 88 14.7 16.7
その他 114 19.0 21.7
有効回答数 600 100.0 114.1
有効回答者数 526 24.3  
無回答 2 0.1  
非該当 1,635 75.6  
合計 2,163 100.0  
※回答%は有効回答数に占める割合、ケース%は有効回答者数に占める割合

 次に、これまでに何らかの支援を受けたことの有無については表32でまとめている。
 「ある」が1,577人(72.9%)、「ない」が583人(27.0%)となっている。

表32 路上(野宿)生活をしてからこれまでに、何らかの支援を受けたことがありますか。
(複数回答) 件数 回答% ケース%
ある      
   炊き出し 988 30.1 62.7
   衣類や毛布の配布 891 27.2 56.5
   福祉や医療相談 326 9.9 20.7
   カップ麺や乾パン、パン券などをもらった 697 21.3 44.2
   臨時施設(宿泊券をもらった) 142 4.3 9.0
   その他 233 7.1 14.8
有効回答数 3,277 100.0 207.9
有効回答者数 1,576 72.9  
ある(無回答) 1 0.0  
ない 583 27.0  
無回答 3 0.1  
合計 2,163 100.0  

 また、その支援について何らかの役に立ったかを尋ねたものが表33である。「役に立ったと思う」が1,449人(92.8%)と全体の約9割となっている。

表33 問33 その支援は何らかの役に立ったと思いますか。
  人数 有効%
役に立ったと思う 1,449 67.0 92.8
役に立たなかったと思う 62 2.9 4.0
わからない 51 2.4 3.3
有効回答数 1,562 72.2 100.0
無回答 7 0.3  
非該当 594 27.5  
合計 2,163 100.0  


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