厚生労働省発表 平成14年12月26日 |
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労働者派遣事業の事業運営状況については、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)に基づき、各派遣元事業主から当該事業所の事業年度毎に労働者派遣事業報告書(以下「報告書」という。)が厚生労働大臣に提出されているところである。
このたび、平成13年度中(平成13年4月1日から平成14年3月末日まで)に事業年度が終了し報告書を提出した派遣元事業所(一般労働者派遣事業所4,728事業所、特定労働者派遣事業所6,843事業所)の事業運営状況について取りまとめたので、その概要を公表する。
【概要】
2 派遣先件数 ・・・ 約35万件(対前年度比17.9%増)
3 年間売上高 ・・・ 総額1兆9,462億円(対前年度比16.4%増)
4 派遣料金(8時間換算)(注3)
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(注1) | 「派遣労働者数」は、ここでは一般労働者派遣事業における常用雇用労働者数及び登録者数並びに特定労働者派遣事業における派遣労働者数の合計とした。 「登録者」には、過去1年間に雇用されたことのない者は含まれていない。 |
(注2) | 「常用換算派遣労働者数」は、ここでは一般労働者派遣事業における常用雇用労働者数及び常用雇用以外の労働者(常用換算)数並びに特定労働者派遣事業における派遣労働者数の合計とした。 「常用雇用以外の労働者(常用換算)」は、一定の期間を定めて雇用され、その間派遣された労働者等(登録者のうち派遣された者を含む。)を常用換算(常用雇用以外の労働者の年間総労働時間数の合計を当該事業所の常用雇用労働者の1人当たりの年間総労働時間数で除したもの)したものである。 |
(注3) | 「派遣料金」は労働者派遣の対価として派遣先から派遣元事業主に支払われるものである。 |
(参考1) | 一般労働者派遣事業とは、特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業(主として、登録型の労働者を派遣する事業)であり、許可制となっている。 |
(参考2) | 特定労働者派遣事業とは、その事業の派遣労働者が常用雇用労働者のみである労働者派遣事業であり、届出制となっている。 |
1 | 集計事業所数 平成13年度中に事業年度が終了し報告書を提出した一般労働者派遣事業所数は4,728所(前年度増減比17.5%増)、特定労働者派遣事業所数は6,843所(同8.5%増)であり、全体では11,571所(同12.0%増)であった。このうち派遣実績のあった事業所は、一般労働者派遣事業が3,845所(提出事業所に占める割合81.3%)、特定労働者派遣事業が3,779所(同55.2%)、合計で7,624所(同65.9%)となっている。 ⇒表1、2 |
2 派遣労働者数
(1) | 実際に派遣された派遣労働者数(※1)は1,747,913人(対前年度比26.1%増)、常用換算派遣労働者数(※2)は612,096人(対前年度比14.0%増)であった。 具体的には、一般労働者派遣事業では、常用雇用労働者が157,450人(対前年度比14.6%増)、登録者数(※3)が1,449,352人(同30.2%増)であった。また、常用雇用以外の労働者(登録者が労働者派遣される場合)の常用換算(※4)は313,535人(同18.7%増)であった。 一方、特定労働者派遣事業では、常用雇用労働者が141,111人(同4.2%増)であった。 なお、派遣労働者数について、派遣実績のあった1派遣元事業所当たりの平均をみると、一般労働者派遣事業の常用雇用労働者は40.9人(前年度40.3人)、常用雇用以外の労働者は81.5人(同77.5人)、特定労働者派遣事業の常用雇用労働者は37.3人(同37.9人)となっており、前年度と比較すると一般労働者派遣事業は増加、特定労働者派遣事業はやや減少している。また、登録者について、報告書を提出した1派遣元事業所当たりの平均をみると、306.5人(同276.8人)となっており、前年度よりも増加している。 ⇒表3
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(2) | 平成13年6月1日現在で、政令で定める26業務(p19参照)に労働者派遣されていた派遣労働者数の割合を業務の種類別にみると、一般労働者派遣事業では、事務用機器操作45.3%、財務処理12.4%、ファイリング8.3%の順で多く、特定労働者派遣事業では、ソフトウェア開発33.0%、機械設計29.5%、事務用機器操作16.4%の順で多くなっている。
⇒表4 |
3 派遣先
(1) | 労働者派遣の役務の提供を受けた者(派遣先)の数は、一般労働者派遣事業では319,924件(対前年度比18.8%増)、特定労働者派遣事業では25,918件(同8.5%増)となっている。この結果、全体としては345,842件(同17.9%増)となっている。
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(2) | また、派遣先の数について、派遣実績のあった1派遣元事業所当たりの平均をみると、一般労働者派遣事業では83.2件(前年度79.0件)、特定労働者派遣事業では6.9件(同6.7件)と、いずれも前年度より増加している。
⇒表5 |
4 売上高
(1) | 労働者派遣事業に係る売上高は、一般労働者派遣事業では1兆5,606億円(対前年度比21.5%増)、特定労働者派遣事業では3,856億円(同0.4%減)となっている。この結果、合計は1兆 9,462億円(同16.4%増)となっている。
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(2) | また、売上高について、売上のあった(※5)派遣元事業所当たりの平均をみると、一般労働者派遣事業では4億7百万円、特定労働者派遣事業では1億2百万円となっている。
⇒表6
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(3) | 売上高をランク別にみると、一般労働者派遣事業では売上高1億円以上の事業所が約半数(49.6%)を占めているが、特定労働者派遣事業では売上高5,000万円未満の事業所が64.8%となっている。
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5 派遣料金
(1) | 一般労働者派遣事業の平均料金は16,321円と、前年の16,755円より2.6%減であった。政令で定める26業務について業務の種類別にみると、放送機器等操作が27,654円で最も高く、次いでアナウンサー(24,490円)、通訳、翻訳、速記(24,334円)、ソフトウェア開発(22,818円)、事業の実施体制の企画、立案(20,868円)の順で高くなっている。平成12年度と比較して上昇したものは、放送機器等操作(13.7%増)、放送番組等の大道具・小道具(9.4%増)等であり、逆に低下したものは、建築物清掃(8.9%減)、アナウンサー(7.2%減)等であった。 |
(2) | 特定労働者派遣事業の平均料金は24,544円と、前年の25,100円より2.2%減であった。政令で定める26業務について業務の種類別にみると、研究開発が29,400円で最も高く、次いでセールスエンジニア(29,354円)、ソフトウェア開発(29,102円)、事業の実施体制の企画、立案(28,470円)、放送番組等演出(25,897円)の順で高くなっている。平成12年度と比較して上昇したものは、アナウンサー(46.4%増)、インテリアコーディネータ(25.3%増)等であり、逆に低下したものは、セールスエンジニア(15.9%減)、建築物清掃(13.8%減)、放送番組等の大道具・小道具(12.7%減)、受付・案内、駐車場管理等(11.6%減)等であった。
⇒表8 |
6 | 海外派遣 海外派遣を行った派遣元事業所は17所(対前年度増減比45.2%減)であり、労働者派遣の実績のあった事業所に占める割合は0.2%となっている。 また、海外派遣された派遣労働者は35人(対前年度増減比75.5%減)であり、海外派遣を行った派遣元事業所1事業所当たりの平均人数は2.1人となっている。 ⇒表9 |
7 地域ブロック別
(1) | 実際に派遣された派遣労働者数について地域ブロック別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計の派遣労働者数は、南関東が57.9%、近畿が18.8%、常用換算派遣労働者数は、南関東が55.3%、近畿が16.9%となっている。平成12年度と比較して、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計の派遣労働者数については、北陸ブロック、四国ブロック、北関東・甲信ブロックで大幅に増加し、中国ブロックでは減少している。常用換算派遣労働者数については、南関東ブロック、北関東・甲信ブロック、北陸ブロックで増加し、中国ブロック、九州ブロックでは減少している。 具体的には、一般労働者派遣事業では、常用雇用労働者で南関東52.4%、近畿17.9%、東海9.2%の順、常用雇用以外の労働者(常用換算)で南関東59.1%、近畿17.6%、東海8.9%の順、登録者で南関東59.2%、近畿19.3%、東海7.8%の順、特定労働者派遣事業では、南関東49.9%、近畿14.2%、東海13.3%の順で多く、いずれも南関東の割合が最大となっている。 |
(2) | 派遣先件数について地域ブロック別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計は、南関東が54.7%、近畿が17.8%となっており、平成12年度と比較して北関東・甲信ブロックで大幅に増加しているが、中国ブロック及び九州ブロックでは減少している。 具体的には、一般労働者派遣事業では、南関東55.1%、近畿17.3%、東海8.9%の順、特定労働者派遣事業では、南関東49.0%、近畿23.3%、東海9.3%の順で多く、いずれも南関東の割合が最大となっている。 |
(3) | 売上高について地域ブロック別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計は、南関東が60.0%、近畿が15.9%となっており、平成12年度と比較して四国ブロック、北陸ブロック等で増加しているが、中国ブロック及び九州ブロックでは減少している。 具体的には、一般労働者派遣事業では、南関東61.6%、近畿17.0%、東海8.3%の順、特定労働者派遣事業では、南関東53.8%、東海14.3%、近畿11.3%の順で多くなっている。 |
8 | 派遣契約の期間 労働者派遣契約の期間(※6)については、一般労働者派遣事業では3月未満が71.8%となっており、6月未満のものが全体の約9割(90.5%)を占めている。特定労働者派遣事業では、3月未満が35.9%となっており、6月未満のものが全体の51.4%となっている。
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9 | 教育訓練 教育訓練の実績については、その種類(コース)は延べで42,858コースあり、対象者数は延べで976,594人であった。 また、教育訓練を行う方法をOJT(※7)及びOff−JT(※8)に区分してみると、一般労働者派遣事業ではOff−JTが9割(90.0%)を占めているが、特定労働者派遣事業ではOff−JTは約5割(54.9%)であった。 派遣労働者の費用の負担別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業のいずれも「派遣労働者の費用負担無」が95%を超えている。 ⇒表14
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※ | 各号番号は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令第4条の号番号を表します。 |
* | 25号「金融商品の営業」については、政令改正(平成14年3月29日)により追加。 |