１	一般被保険者分と退職被保険者等分とを合わせた収支状況については、収入合計は９兆６，３７０億円で対前年度５．７％（５，２４０億円）の増加である。支出合計は、９兆３，７１１億円で対前年度６．１％（５，４２１億円）の増加である。 　収支差引額は、２，６５９億円で対前年度６．３％（１８０億円）の減少であり、精算額控除後差引額（国庫支出金精算額等を考慮した収支差引額）は、２，０５３億円で対前年度８．７％（１９５億円）の減少となっている。
２	収入が増加した主な要因は、国庫支出金が対前年度９．２％（３，０２７億円）の増となったことが挙げられる。これは、医療費の増加に伴い、療養給付費等負担金等が対前年度９．９％（２，４５１億円）増加したためである。なお、保険料（税）収入については、厳しい経済情勢の影響により課税標準額の減少傾向が続いていることもあって、対前年度３．３％（１，０６１億円）の増加にとどまっている。 　支出が増加した主な要因は、老人医療費が伸びたこと等により、老人保健拠出金が対前年度１４．６％（３，４００億円）となったことが挙げられる。また、保険給付費についても、対前年度２．８％（１，５７１億円）増加している。
３	一般被保険者分の収支状況については、収入合計７兆８，１１６億円、支出合計７兆５，９３８億円で、収支差引額が２，１７８億円、精算額控除後差引額が２，０５３億円となっている。これを単年度収支差引額（精算額控除後差引額から「基金繰入金」、「繰越金」、収入のうち「その他」に含まれている「介護円滑導入給付金」（２９０億円）を除いたもの）でみると、赤字額は対前年度比で７９．３％（８１６億円）増加し、その総額は▲１，８４５億円となり、赤字基調が続いている。 　さらに、一般会計繰入金（法定外）のうち赤字補填を目的とした繰入金分（２，３０２億円）を加味した場合、赤字総額は▲４，１４７億円とさらに大きくなる。
４	また、単年度収支差引額でみた場合の赤字保険者は２，０１２保険者（全体の６２．２％）で、対前年度に比べて保険者数で２９０保険者、赤字額では５２２億円それぞれ増加し、赤字保険者全体の赤字総額は▲２，００８億円となっている。 　なお、精算額控除後差引額の状況でみると、赤字保険者は２６７保険者（全体の８．３％）で前年度に比べ９保険者増加し、赤字額も７９億円増加して▲９９９億円となっている。
５	平成１４年度においては、高齢者の給付と負担の見直しや国民健康保険制度の財政基盤の強化等を内容とする健康保険法等の一部改正が行われ、国保財政の改善が期待される。 　しかしながら、今後とも少子高齢化の進展や就業構造の変化、経済の低迷等に伴い、市町村国保を取り巻く状況は依然として厳しいことが見込まれることから、保険料の賦課徴収やレセプト点検の充実等保険者としての一層の経営努力が必要である。

科目		12年度（実績）			13年度（見込）			合計の対前 年度増減額	合計の対 前年度比
		合計	一般被保険者分	退職被保険者等分	合計	一般被保険者分	退職被保険者等分
収入		億円	億円	億円	億円	億円	億円	億円	％
	保険料（税）	３２,０１０	２７,４９４	４,５１６	３３,０７１	２８,３８７	４,６８４	１,０６１	１０３.３
	国庫支出金	３３,０３０	３３,０３０	０	３６,０５７	３６,０５７	０	３,０２７	１０９.２
	療養給付費交付金	１２,９６９	０	１２,９６９	１３,２５２	０	１３,２５２	２８３	１０２.２
	都道府県支出金	９５３	９５３	０	９３４	９３４	０	▲１９	９８.０
	一般会計繰入金（法定分）	３,９５３	３,９５３	０	３,８０９	３,８０９	０	▲１４４	９６.４
	一般会計繰入金（法定外）	３,１９７	３,１９７	０	３,４６５	３,４６５	０	２６８	１０８.４
	基金繰入金	３４７	３４７	０	５８１	５８１	０	２３４	１６７.４
	繰越金	２,８２８	２,６４０	１８８	３,３１４	３,０２７	２８７	４８６	１１７.２
	その他	１,８４２	１,８１２	３０	１,８８７	１,８５６	３１	４５	１０２.４
	合計	９１,１３０	７３,４２６	１７,７０３	９６,３７０	７８,１１６	１８,２５４	５,２４０	１０５.７
支出	総務費	１,９９６	１,９９６	０	１,９８１	１,９８１	０	▲１５	９９.２
	保険給付費	５６,１５３	４０,８７８	１５,２７５	５７,７２４	４１,７９７	１５,９２７	１,５７１	１０２.８
	老人保健拠出金	２３,２９２	２１,９３６	１,３５６	２６,６９２	２５,０７１	１,６２１	３,４００	１１４.６
	介護納付金	３,８９９	３,８９９	０	４,４３６	４,４３６	０	５３７	１１３.８
	保健事業費	４２８	４２８	０	４５８	４５８	０	３０	１０７.０
	その他	２,５２２	２,３６９	１５３	２,４２０	２,１９５	２２５	▲１０２	９６.０
	合計	８８,２９０	７１,５０６	１６,７８７	９３,７１１	７５,９３８	１７,７７３	５,４２１	１０６.１
収支差引額		２,８３９	１,９２０	９１９	２,６５９	２,１７８	４８１	▲１８０	９３.７
国庫支出金精算額等		▲５９１	３２８	▲９１９	▲６０６	▲１２５	▲４８１	▲１５
精算額控除後差引額		２,２４８	２,２４８	０	２,０５３	２,０５３	０	▲１９５	９１.３
単年度収支差引額 （一般会計繰入に含まれている赤字補填額を加味した場合）			▲１,０２９ (▲３,２８４)			▲１,８４５ (▲４,１４７)

(注)	1	「単年度収支差引額」とは「精算額控除後差引額」から、「基金繰入金」及び「繰越金」等を除いたものである。
	2	「老人保健拠出金」の退職被保険者等分は、療養給付費交付金に含まれる退職被保険者等に係る老人保健拠出金の２分の１相当額を計上している。
	3	億円未満四捨五入のため合計金額と各科目の合算額とは一致しない。

（２） 単年度収支差引額黒字・赤字保険者の状況

（単位：億円）

年度 黒字保険者 赤字保険者 赤字保険者の内訳 新規赤字保険者 継続赤字保険者 保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金額 ８ １，１３２ ５０５ ２，１１７ △１，６４６ ５３５ △１７４ １，５８２ △１，４７２ ９ １，７０６ ８４３ １，５４３ △１，１３５ ３９５ △１０４ １，１４８ △１，０３２ 10 １，４３２ ５２１ １，８１７ △１，５４１ ８３６ △３７１ ９８１ △１，１７０ 11 １，２７８ ３８８ １，９６７ △１，５７８ ７３０ △２１９ １，２３７ △１，３５９ 12 １，５２０ ４８８ １，７２２ △１，４８６ ５１７ △２１８ １，２０５ △１，２６８ 13 １，２２３ １６３ ２，０１２ △２，００８ ８５３ △４３６ １，１５９ △１，５７２

（注） 各欄の計数は、各年度の財政状況（見込み）によるものである。

（３） 精算額控除後差引額収支黒字・赤字保険者の状況

(単位：億円）

年度 黒字保険者 赤字保険者 赤字保険者の内訳 新規赤字保険者 継続赤字保険者 保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金額 ８ ３，１３４ ２，８２０ １１５ △７１４ ４１ △１９ ７４ △６９６ ９ ３，１１７ ３，２２２ １３２ △６４５ ６１ △１７ ７１ △６２９ 10 ３，１２９ ３，２４３ １２０ △７８３ ４６ △２３ ７４ △７６０ 11 ３，０３２ ２，７７９ ２１３ △９１２ １３０ △６１ ８３ △８５１ 12 ２，９８４ ３，１９７ ２５８ △９２０ １５４ △８７ １０４ △８３３ 13 ２，９６８ ３，０５２ ２６７ △９９９ １３４ △３９ １３３ △９６０

（注） 各欄の計数は、各年度の財政状況（見込み）によるものである。

市町村国保の保険料（税）収納状況

（単位：％）

区分 平成９年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 市部平均 91.36 90.78 90.34 90.32 89.85 市部内訳 １２大都市 　　及び特別区 90.04 89.46 88.71 88.67 88.07 １０万人以上 90.74 89.69 89.51 89.59 89.54 ５万人以上 　　１０万人未満 91.18 90.72 90.44 90.32 90.02 ５万人未満 92.66 92.23 91.95 91.96 91.44 町村部平均 95.70 95.23 94.90 94.80 94.37 全国平均（市町村） 92.38 91.82 91.38 91.35 90.87

注:	市部内訳の規模は、国保被保険者総数（年間平均）により区分した。

保険料(税)収納率の増減別保険者数

年度	上昇	変化なし	低下	合計
12	1,381	79	1,782	3,242
	42.6%	2.4%	55.0%	100.0%
13 (速報)	994	19	2,222	3,235
	30.7%	0.6%	68.7%	100.0%

収納率別の保険者数

	85%未満	85〜 90%未満	90〜 92%未満	92〜 94%未満	94〜 96%未満	96〜 98%未満	98〜 100%未満	100%	合計
12	23	221	269	438	812	768	626	84	3,242
	0.7%	6.8%	8.3%	13.5%	25.1%	23.7%	19.3%	2.6%	100.0%
13 (速報)	27	264	301	520	814	726	505	78	3,235
	0.8%	8.2%	9.3%	16.1%	25.2%	22.4%	15.6%	2.4%	100.0%

（参考）

被保険者数、保険料（税）収納額及び１人当たり調定額の推移（一般被保険者分）

	平成９年度	１０	１１	１２	１３
万人 被保険者数 （対　前年度比）	３，５０６ (1.013)	３，５９４ (1.025)	３，６９５ (1.028)	３，７８６ (1.025)	３，８８７ (1.027)
万人 被保険者数（老人を除く） （対　前年度比）	２，５８４ (0.997)	２，６１３ (1.011)	２，６５２ (1.015)	２，６８０ (1.010)	２，７１１ (1.012)
億円 保険料（税）収納額 （対　前年度比）	２４，６５９ (1.052)	２４，９４８ (1.012)	２５，５２９ (1.023)	２７，４９４ (1.077)	２８，３８７ (1.032)
円 １人当たり調定額 （対　前年度比）	７４，５２９ (1.046)	７３，９６５ (0.992)	７３，９８４ (1.000)	７６，８７５ (1.039)	７７，２９０ (1.005)

（注１）	一般被保険者とは、国民健康保険の被保険者のうち退職被保険者を除いたものである。
（注２）	被保険者数は、各年度の年間平均数である。

課税標準額の推移（一般被保険者分）

	平成９年度	１０	１１	１２	１３
万円 １世帯当たり課税標準額 （対　前年度比）	１８６．２ (1.014)	１７６．２ (0.946)	１６４．８ (0.935)	１５５．３ (0.942)	− −
万円 １人当たり課税標準額 （対　前年度比）	９０．８ (1.032)	８７．２ (0.960)	８２．７ (0.948)	７９．０ (0.955)	− −

（注１）	「国民健康保険実態調査報告」による。
（注２）	課税標準額は、所得総額から基礎控除を除いた金額であり、各年度の前年分のものである。

概算医療費の伸び率の推移（対前年度比）

	平成９年度	１０	１１	１２	１３
国保	０．７	２．９	２．９	２．７	２．７

（注）	「平成１３年度医療費の動向」による。