厚生労働省
平成１４年８月

１．医療関係

（１）医療機器関係

○ 医療安全に資する医療機器等についての税制優遇措置の創設 〔所得税、法人税〕

　医療安全対策に資する医療機器等について、特別償却（２０％）及び税額控除（５％）を講じる。

＜対象機器＞
　医療事故防止対策の基準を満たすシリンジ・ポンプ、輸液ポンプ、人工呼吸器、自動調剤機等

○ メディカル・フロンティアに資する救急用医療機器についての特別償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　メディカル・フロンティアに資する救急用医療機器（取得価額２，７００万円以上）についての特別償却制度（２０％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

＜対象設備＞
　ポータブル超音波診断装置、経頭蓋超音波モニター、生体情報モニター

○ 医療用機器に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　５００万円以上の医療用機器に係る特別償却制度（１４％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 看護業務省力化機器に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　看護業務省力化機器に係る特別償却制度（１６％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

＜対象設備＞
　特殊寝台、特殊浴槽、自動尿量測定機

（２）医療提供関係

○ 社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続 〔事業税〕

　医療とりわけ社会保険診療報酬の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。

○ 医療法人に係る事業税（社会保険診療報酬以外分）の軽減措置の存続 〔事業税〕

　医療法人の行う医療の公共性・非営利性に鑑み、引き続き軽減税率を適用する。

○ 医療法人・特定医療法人に係る法人税率の引下げ 〔法人税〕

　医療の公共性を確保し、かつ、多くの規制を受けている医療法人の経営の安定を図るために、医療法人の法人税率を公益法人の収益事業と同率の２２％に、また、特定医療法人については、公共法人と同じく非課税とする。

○ 社会保険診療報酬の所得計算の特例の存続 〔所得税、法人税〕

　社会保険診療に係る費用として必要経費若しくは損金に算入する金額について、引き続き概算経費率による算出を適用する。

○ 特定医療法人に係る要件の緩和 〔法人税〕

　差額ベッド割合（２０％以下）の引上げをはじめとして、特定医療法人の要件を緩和する。

（３）医療施設関係

○ 改正医療法の構造設備基準に適合した病院への建て替えに係る特別償却制度の適用期限の延長及び有床診療所への拡充 〔所得税、法人税〕

　医療法改正後の構造設備基準に適合した医療機関への建て替えに係る特別償却制度（基準取得価額の１５％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長するとともに、同様の要件を満たす有床診療所の建て替えについても、本制度の適用を拡充する。

○ 療養病床に係る割増償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　療養病床に係る割増償却制度（５年間８％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 国立病院・療養所の再編成に係る移譲等を受けた場合における登録免許税の軽減措置の適用期限の延長 〔登録免許税〕

　「国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律」に基づき、公的医療機関の開設者等が国立病院・療養所の移譲等を受けた場合における登録免許税の軽減措置の適用期限を平成１５年度末までの１年間延長する。

（４）その他

○ 造血幹細胞移植・臓器移植のあっせんに係る患者負担の医療費控除の適用 〔所得税、住民税〕

　移植を受けるために必要不可欠なドナーあっせん等に係る患者負担を、医療費控除の対象に追加する。

○ 試験研究費総額の一定割合の税額控除制度の創設等 〔所得税、法人税〕

　医薬品・医療機器の研究開発促進のため、医薬品・医療機器企業等の試験研究費総額の一定割合を税額控除する制度の創設等の措置を講じる。

○ 試験研究用に供する償却資産を取得した場合の特別償却制度の創設 〔所得税、法人税〕

　医薬品・医療機器の研究開発促進のため、その試験研究用に供される償却資産については、即時償却とする制度を創設する。

○ 産学官連携特別試験研究税額控除制度の創設 〔所得税、法人税〕

　医薬品・医療機器企業等が公的研究機関又は国内大学等と共同研究等を実施した場合に、その試験研究に係る費用の一定割合を税額控除する制度を創設する。

○ オーファンドラッグ等研究開発促進税制の創設 〔所得税、法人税〕

　オーファンドラッグ等の研究開発促進のため、医薬品・医療機器企業等が行うオーファンドラッグ等の研究開発に係る試験研究費の一定割合を税額控除する制度を創設する。

○ 産業活力再生特別措置法の抜本強化に伴う税制上の所要の措置 〔所得税、法人税、登録免許税、不動産取得税〕

　医薬品・医療機器産業において、国際競争力を強化する観点から、企業の壁を超えた大胆な事業再編や産業再編が行われる場合について、税制上の支援措置を講じる。

○ 中小企業技術基盤強化税制の適用期限の延長等 〔所得税、法人税〕

　医薬品・医療機器産業の中小企業者等の試験研究費について、当期試験研究費の６％を税額控除する措置を拡充するとともに、適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 中小企業者の機械等に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　医薬品・医療機器産業の中小企業者が２３０万円以上の機械及び装置を取得した場合の特別償却制度（１１％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 国民健康保険税の課税限度額・軽減基準額の見直し 〔国民健康保険税〕

　所得の動向等を勘案し、国民健康保険税の課税限度額及び軽減基準額について見直しを行う。

２．雇用・能力開発関係

○ 教育訓練費用の一定割合を税額控除する制度の創設 〔所得税〕

　個人が教育訓練の受講に際して支払った費用の１０％（ただし、１０万円を上限とする）を税額控除する制度を創設する。

○ 雇用保険法改正に伴う税制上の所要の措置 〔検討中〕

　雇用保険法の改正に向けて検討を行っており、改正の具体的内容を踏まえた税制上の所要の措置を講じる。

３．子育て支援関係

○ 養育費の支払いについての税制上の措置 〔所得税、住民税〕

　家庭裁判所の調停等（児童を監護する親の扶養控除との調整を含む。）に基づき、児童を監護しない親が支払った養育費の一部又は全部について、所得から控除する制度を創設する。

○ 母子家庭自立支援給付金についての税制上の優遇措置 〔所得税、住民税〕

　母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案で新設する「母子家庭自立支援給付金」について、非課税措置を講じる。

○ 小児慢性特定疾患治療研究事業の見直しに伴う税制上の所要の措置 〔検討中〕

　小児慢性特定疾患治療研究事業の見直しを検討しており、検討の具体的内容を踏まえた税制上の所要の措置を講じる。

○ 慢性疾患にかかっている児童の家族支援を行う公益法人を特定公益増進法人への指定 〔所得税、法人税〕

　小児慢性疾患の児童やその家族等のための滞在施設等の支援を行う公益法人を特定公益増進法人として指定する。

４．高齢社会関係

○ 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金、勤労者財産形成給付金契約及び勤労者財産形成基金契約に係る積立金に対する特別法人税の非課税 〔法人税、住民税〕

　平成１４年度末まで課税停止中の厚生年金基金等の積立金に対する特別法人税について、恒久的に非課税とする。

○ 確定拠出年金の拠出限度額の引上げ 〔所得税、法人税、住民税〕

　平成１３年度に導入された確定拠出年金の普及を図るために、拠出限度額を引き上げる。

５．介護関係

○ 介護費用に係る所得控除の創設等 〔所得税、住民税〕

　要援護高齢者等の介護に要する費用に係る控除制度を創設する等の措置を講じる。

○ 介護老人保健施設の割増償却制度の適用期限の延長 〔法人税〕

　介護老人保健施設に係る割増償却制度（５年間１０％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 老人性痴呆疾患療養病棟の割増償却制度の適用期限の延長 〔法人税〕

　老人性痴呆疾患療養病棟に係る割増償却制度（５年間８％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 介護サービス事業を行うＮＰＯ法人（特定非営利活動法人）に関する税制上の支援の充実 〔法人税、事業税等〕

　介護サービス事業・地域助け合い活動を行うＮＰＯ法人に関する税制上の支援を拡充する。

○ 民間介護保険加入者に係る所得控除の創設 〔所得税、住民税〕

　民間介護保険の加入者の支払保険料に対し、現行の生命保険料控除・損害保険料控除と別枠の所得控除を創設する。

６．就業環境・勤労者福祉関係

○ 中小企業等基盤強化税制の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　中小企業労働力確保法の認定を受けた事業協同組合等又はその構成中小企業者が取得等をした労働時間短縮又は職場環境改善に資する設備に係る特別償却（３０％）又は税額控除（７％）の特例措置の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 住宅の取得等をした場合の所得税額の特別控除措置の適用要件の緩和 〔所得税〕

　住宅ローン減税の適用を受けていた者が転勤等で一度転出した後再居住した場合について、住宅ローン減税の再適用を認める。

○ 住宅用家屋に係る登録免許税の軽減措置の適用期限の延長 〔登録免許税〕

　住宅用家屋に係る所有権保存登記等に対する登録免許税の税率に係る軽減措置の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

７．障害者関係

○ 身体障害者居宅生活支援事業等の用に供する資産に係る非課税措置の継続 〔固定資産税〕

　平成１５年度から障害者の福祉サービスの利用が措置制度から支援費制度へ移行することとなるが、障害者に対する居宅サービスの事業所に係る固定資産税の非課税措置を継続する。

○ 介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業の第二種社会福祉事業への追加に伴う税制上の所要の措置 〔法人税、固定資産税等〕

　介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業が新たに第二種社会福祉事業に追加されたことに伴い、これらの事業について他の社会福祉事業と同様の税制上の取扱いをする。

○ 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長及び適用要件の緩和 〔所得税、法人税〕

　障害者を多数雇用する事業主が、一定の機械等を取得等した場合の割増償却の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長するとともに、適用要件を緩和する。

○ 障害者を多数雇用する事業所に係る不動産取得税及び固定資産税の軽減措置の適用期限の延長及び適用要件の緩和 〔固定資産税、不動産取得税〕

　障害者を多数雇用する事業所が所定の助成金を受給して不動産を取得した場合の不動産取得税及び固定資産税の軽減措置の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長するとともに、適用要件を緩和する。

○ 障害者を多数雇用する事業所等に係る地価税及び事業所税の課税標準の特例の適用要件の緩和 〔地価税、事業所税〕

　障害者を多数雇用する事業所等に係る地価税及び事業所税の課税標準の特例の適用要件を緩和する。

８．たばこ対策関係

○ 分煙環境の整備に係る特別償却制度の創設 〔所得税、法人税〕

　受動喫煙からの保護を目的とする分煙環境を整備した場合の特別償却制度を創設する。

９．生活衛生関係

○ 生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔法人税〕

　生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度（８％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 生活衛生同業組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限の延長 〔法人税〕

　生活衛生同業組合等の留保所得の特別控除制度（積立金の３２％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 生活衛生同業組合等の貸倒引当金の特例措置の適用期限の延長 〔法人税〕

　生活衛生同業組合等の貸倒引当金に係る損金算入限度額の特例措置（通常の１１６％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 中小企業者等の事業基盤強化設備に係る特別償却制度等の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　中小企業者である生活衛生関係営業者等が事業基盤強化設備等を取得した場合の特別償却制度（３０％）または税額控除（７％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 中小企業者等の機械等に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔所得税、法人税〕

　中小企業者である生活衛生関係営業者等が２３０万円以上の機械および装置を取得した場合の特別償却制度（１１％）の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

１０．その他

○ 特殊法人等改革に伴う税制上の所要の措置 〔法人税、事業税等〕

　特殊法人等整理合理化計画に基づく特殊法人等改革に伴い、税制上の所要の措置を講じる。

＜対象法人＞
　医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、労働福祉事業団、全国社会保険労務士会連合会、勤労者退職金共済機構、日本障害者雇用促進協会、雇用・能力開発機構、社会福祉・医療事業団、心身障害者福祉協会、社会保険診療報酬支払基金、厚生年金基金連合会、石炭鉱業年金基金、日本労働研究機構

○ 雇用・能力開発機構の独立行政法人化に伴う税制上の所要の措置 〔消費税、登録免許税、不動産取得税〕

　雇用・能力開発機構が移転就職者用宿舎及び勤労者福祉施設を地方公共団体及び民間法人に対して譲渡等を行う場合に課される消費税について、これを非課税とする。また、民間法人に課される登録免許税及び不動産取得税について、これを非課税とする。

○ 死亡牛化製処理場に係る税制上の特例措置の創設 〔固定資産税、事業所税〕

　牛海綿状脳症対策特別措置法の基本計画に基づき、死亡牛の化製処理を行う設備等に対する特例措置を創設する。

○ ＰＦＩ事業の推進を図るための税制上の所要の措置 〔不動産取得税、固定資産税、都市計画税〕

　ＰＦＩ事業の推進を図るための税制上の所要の措置を講じる。

○ 産業活力再生特別措置法に係る税制上の特例措置の適用期限の延長 〔所得税、法人税、登録免許税、不動産取得税〕

　産業活力再生特別措置法に係る税制上の特例措置の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律（ＷＡＣ法）に基づき整備される特定民間施設に係る特例措置の適用期限の延長 〔特別土地保有税等〕

　高齢社会の進展を踏まえ、「まちづくり」に資する民間事業者による総合的な健康福祉施設の整備を促進するため、特別土地保有税の非課税措置等の適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 消費生活協同組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限の延長 〔法人税〕

　消費生活協同組合等の留保所得の特別控除制度（積立金の３２％）のの適用期限を平成１６年度末までの２年間延長する。

○ 自賠責共済の運用益等にかかわる責任準備金の非課税制度の創設 〔法人税等〕

　自賠責共済の責任準備金として積み立てている運用益等について、非課税での積立とする。

○ 外形標準課税の導入についての雇用に配慮した検討 〔法人事業税〕

　外形標準課税の導入については、雇用に十分配慮して検討する必要がある。

問い合わせ先：政策統括官付社会保障担当参事官室
　　　　　　　政策第２係 （内線７６９３）
　　　　　　　政策統括官付労働政策担当参事官室
　　　　　　　政策第２係 （内線７７１６）