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平成14年7月5日

厚生科学審議会疾病対策部会
クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(第2回)の概要について

  1. 本日、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会
     (委員長:北本 哲之 東北大学医学部教授)が開催されました。

  2. 「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班」(平成13年度までは「遅発性ウイルス感染に関する調査研究班」)クロイツフェルト・ヤコブ病サーベイランス委員会より、平成13年4月より平成13年12月までに調査された症例を加えた解析結果が報告・検討されました。
    (1) 平成11年4月1日から平成13年12月末日までに得られたクロイツフ ェルト・ヤコブ病患者に関する情報は291件(重複して報告されている例を含む)でした。このうち、第1回委員会での報告以降116例に関する情報がサーベイランス委員によって収集され、116例中、3例は重複例であり、8例は委員会でクロイツフェルト・ヤコブ病が否定され、1例は過去の報告例の情報追加であり、5例は保留として今後とも情報収集を継続することとなりました。この17例を除く99例がクロイツフェルト・ヤコブ病と判定されました。現行のサーベイランス体制になってから新たに登録された症例は、前回の139例と合わせて238例となりました(表1)。なお、乾燥硬膜移植歴を有する症例が新たに12例報告され(過去に報告されていた6例を含む)(表2)、本委員会において把握された乾燥硬膜移植歴を有する症例は82例となりました。
    (2) プリオン蛋白遺伝子検索は135例(新規登録例では30例)で実施されており,このうち6例を除く129例で結果が判明し、そのうちプリオン蛋白遺伝子の病的な異常を認めたのは25例で、その内訳はコドン102が9例、同105が2例、同180が4例、同200が6例、同232が2例、extra-repeatinsertional mutationが1例、詳細不明が1例でした。

  3. また、過去のサーベイランス委員会で情報収集していたものの、委員会への報告が未実施であった症例9例と合わせ、本委員会で把握しているクロイツフェルト・ヤコブ病の症例の累積は、合計1,186例となりました。

  4. 感染症予防法に基づいて、クロイツフェルト・ヤコブ病と類縁疾患について平成11年4月から平成13年12月末までの2年9ヶ月間に合計319例の届出があった旨の報告がありました。

  5. 本年1月に変異型クロイツフェルト・ヤコブ病診療に関する情報収集のために英国に派遣した専門家による報告会が、各都道府県の専門医を集めて公開で開催された件が報告されました。

  6. 本年1月に「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル(改訂版)」が発行され、難病情報センターのホームページ上(http://www.nanbyou.or.jp/)に公開されたことが報告されました。

  7. 本年1月に各都道府県に原則1名以上のクロイツフェルト・ヤコブ病に関する専門医を選定した件が報告されました。

  8. 硬膜移植歴を有するクロイツフェルト・ヤコブ病の報告があった医療機関に対して、「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班」と厚生労働省疾病対策課の連名で、当該医療機関が患者(家族)へ硬膜移植歴のあるクロイツフェルト・ヤコブ病に罹患していたことに関する説明を実施しているか再確認する書簡を送付することが承認されました。

表1.患者の性・発病年の分布
  登録例全員 新規登録例
94(39) 44(44)
144(61) 55(56)
発病年 -1995 12( 5) 4( 4)
1996 4( 2) 0
1997 25(11) 6( 6)
1998 50(21) 15(15)
1999 78(33) 13(13)
2000 63(26) 55(56)
2001 6( 3) 6( 6)

(括弧内は、%)
238(100) 99(100)


表2.患者の発病時年齢分布[病態別]
年齢(歳) 全患者 CJD GSS FFI
孤発例1) 家族性2) 家族性3) 硬膜移植例
登録例全員
10-19 2( 1) 1( 1)     1( 5)    
20-29 2( 1)       2(10)    
30-39 5( 2) 3( 2)       2(17)  
40-49 18( 8) 9( 5) 3(20)   4(19) 2(17)  
50-59 55(23) 39(21) 4(27) 1 4(19) 6(50) 1
60-69 87(37) 74(39) 4(27)   7(33) 2(17)  
70-79 53(22) 47(25) 3(20)   3(14)    
80-89 16( 7) 15( 8) 1( 7)        
238 188 15 1 21 12 1
平均(歳) 63.0 64.1 61.4 52 55.0 52.6 57
標準偏差(歳) 12.0 10.9 11.9   16.7 10.4  
新規登録例
10-19 2( 2) 1( 1)     1( 8)    
20-29              
30-39 2( 2) 2( 3)          
40-49 10(10) 6( 8) 2(22)   2(17)    
50-59 19(19) 12(16) 2(22)   3(25) 2  
60-69 34(34) 27(36) 3(33)   4(33)    
70-79 21(21) 18(24) 1(11)   2(17)    
80-89 11(11) 10(13) 1(11)        
99 76 9 0 12 2 0
平均(歳) 63.2 64.7 60.8   56.6 56.5  
標準偏差(歳) 13.6 13.2 12.5   16.3 3.5  
(括弧内は、%)
1)プリオン蛋白遺伝子の検索を行っていない例を含む
2)プリオン蛋白遺伝子の異常を認めた例
3)プリオン蛋白遺伝子の異常を認めないが,CJDの家族歴がある例


照会先:厚生労働省健康局
    疾病対策課
担当 :名越、大竹
代表 :03-5253-1111
内線 :2368、2359


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