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厚生労働省発表
平成14年4月2日

厚生労働省労働基準局賃金時間課
課長    石井 淳子
課長補佐 田原 孝明
電話 03-5253-1111(内線5530)
    03-3502-6757(夜間直通)

平成14年度から時間額単独方式へ移行開始

−中央最低賃金審議会時間額表示問題全員協議会報告−

 中央最低賃金審議会(会長 神代和俊 放送大学教授)においては、平成12年12月15日に「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会報告」を了承しているが、その中で地域別最低賃金額の表示単位期間については、「現行の日額・時間額併用方式から時間額単独方式へ一本化することが適当」とされていたところである。
 これを受け、平成13年4月から中央最低賃金審議会時間額表示問題全員協議会において、地域別最低賃金額の表示単位期間を日額・時間額併用方式から時間額単独方式へ移行するための検討を行ってきたところであるが、中央最低賃金審議会時間額表示問題全員協議会報告が取りまとめられ、今般、本日開催された中央最低賃金審議会総会において報告がなされ、了承されたところである。
 厚生労働省としては、この報告を踏まえ、今後地域別最低賃金額が時間額単独表示方式に円滑に移行できるよう適切に対応していくこととしている。


別添

中央最低賃金審議会時間額表示問題全員協議会報告

平成14年4月2日

 地域別最低賃金額の表示単位期間については、中央最低賃金審議会が最低賃金額の決定の前提となる基本的事項の一つとして、できるだけ全国的に統一的な処理が行われるよう、その考え方を整理しこれを地方最低賃金審議会に提示することとされ、目安制度創設以来、数度にわたり検討が行われた結果、平成12年12月15日に中央最低賃金審議会で了承された「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会報告」において、表示単位期間については、現行の日額・時間額併用方式から時間額単独方式へ一本化することが適当である旨の報告が全会一致でまとめられたところである。
 しかし、同報告においては「各都道府県において定められている最低賃金額の日額と時間額との関係をどのように考えるかという課題があり、この他現在のランク別に金額で示す表示方式が適当かどうか等の論点も考えられる」とされ、時間額単独方式への移行に当たっての条件整備を図っていくため、具体的な検討を行う必要があるとされたところである。
 本時間額表示問題全員協議会は、地域別最低賃金額の時間額単独方式への移行に当たって、そのための課題を整理、検討したところであるが、今般、下記のとおり「時間額表示問題全員協議会報告」として取りまとめたので報告する。

1 時間額単独方式への移行について

(1) 現在、地域別最低賃金額の表示単位期間は日額・時間額の併用方式となっているが、賃金支払形態、所定労働時間などの異なる労働者についての最低賃金適用上の公平の観点や就業形態の多様化への対応の観点、さらにはわかりやすさの観点から時間額のみの表示が望ましいので、地域別最低賃金額については時間額単独方式への移行を急ぐべきである。

(2) この移行に当たっては、具体的にどのような金額で地域別最低賃金額の時間額を単独表示とするかという問題があるが、これまで各地域で自主的に定め適用している、現行の時間額からの移行を基本とするのが適当と考える。
 この場合、多くの地域においては移行に当たっての支障はないと考えられるが、これまで日額と時間額がそれぞれ地域の実情を踏まえて定められてきた経緯もあり、直ちに移行するのが困難な地域もあり得るので移行に向けての検討及び準備のための期間を設けることとし、それら地域においてはその期間を利用して、遅くとも平成16年度の地域別最低賃金額改正時からは時間額単独方式に移行できるよう地域における所定労働時間や賃金支払形態の状況等を勘案して必要な準備を進めることが適当である。

2 目安の表示方法について

 大方の地域においては平成14年度から時間額単独方式に移行が進められることを念頭におくと、地域別最低賃金額の金額改定に係る目安は平成14年度から時間額で表示することが適当と考える。


(参考)

中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会報告
(平成12年12月15日中央最低賃金審議会了承)抜粋

2 表示単位期間について

(1) 地域別最低賃金額の表示単位期間については、「最低賃金額の決定の前提となる基本的事項に関する考え方について(昭和56年7月29日中央最低賃金審議会答申)」において、「表示単位としては、賃金支払形態、所定労働時間などの異なる労働者についての最低賃金適用上の公平の点から、将来の方向としては時間額のみの表示が望ましいが、当面は、現行の日額、時間額併用方式を継続する。」とされたが、「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会報告(平成7年4月28日中央最低賃金審議会了承)」においては、「当面、現行どおり日額・時間額併用方式を維持することとする。」とされたところである。

(2) しかしながら、昭和56年から約20年を経過した今日、就業形態の多様化は更に進展しており、パートタイム労働者の比率は、昭和56年の10.2%から平成11年には21.8%と倍加するなど、賃金支払形態が時間給である者は増加し、また、一日の所定労働時間の異なる労働者が増え、そのばらつきは増加傾向にある。さらに、実際に最低賃金の影響を受ける労働者の就業実態をみると、主に賃金支払形態が時間給のパートタイム労働者が多くなっている状況にある。
 したがって、このような経済社会情勢の変化の方向性を見据え、最低賃金適用上の公平の観点及び実情を踏まえれば、表示単位期間については、現行の日額・時間額併用方式から時間額単独方式へ一本化することが適当である。

(3) 他方、表示単位期間を時間額単独方式とする場合、各都道府県において定められている最低賃金額の日額と時間額との関係をどのように考えるかという課題があり、この他現在のランク別に金額で示す表示方法が適当かどうか等の論点も考えられるところである。
 このため、表示単位期間については時間額単独方式への移行を基本としつつ、その実施に際しては、整理すべき具体的な課題について十分な検討を行い、結論を得ておく必要がある。特に、日額と時間額との関係については、都道府県によっては時間額表示の金額で日額に換算した場合、従来定められていた日額単位の最低賃金額を上回る場合もあり得ることから、移行に際して十分な議論が必要である。
 今後は移行に当たっての条件整備を図っていくために、具体的な検討事項につき可能な限り早急に検討を開始し、早期に結論を得るべく努力すべきである。
 表示単位期間については、当該検討における結論が得られ、条件整備が図られた段階で、日額・時間額併用方式から時間額単独方式に移行するものとする。

(4) なお、表示単位期間を時間額単独方式に切り替えるまでの間については、現行の日額・時間額併用方式を維持することとする。


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