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     平成13年11月22日
厚生労働省大臣官房統計情報部
 人口動態・保健統計課疾病傷害死因分類調査室
  TEL 03_5253_1111
  担当(室長) 齋藤 内線7492
     (係長) 及川     7493


ICD−NA(国際疾病分類 神経疾患への適用)第2版の
日本語版の刊行について


1.日本語版刊行の経緯
 我が国において現在使用されている「疾病、傷害及び死因分類」は、世界保健機関(WHO)により作成された「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回修正」(ICD−10)に準拠したものです。WHOは、このICD−10を各領域に合わせて普及をはかることを目的として、分野ごとに補助分類を作成し公表しています。
 今回、神経疾患の領域を広く補完するためにWHOより公表されている  ICD−NA第2版の日本語版を作成し刊行することとしましたので、お知らせします。この日本語版は、厚生省(当時)の厚生統計協議会第四部会における専門委員会(委員長 大國眞彦日本大学名誉教授)での検討を経て作成されたもので、ICD−NAの日本語版の刊行としては今回がはじめてとなります。


2.ICD−NAの使用による利点
 ICD−NAを使用することにより、診療、研究及び行政などの多様なユーザーにとって、以下の利点が得られます。
 1) 神経学的疾病に単一のコードを与え、一貫性のある分類を使用することに より、専門医が詳細な診断を行うツールとして使用できる。
 2) 発生が希で、その予防と管理が重要と考えられる神経疾患の疫学データの収集が可能となる
 3) 神経疾患において、世界的に共通な記録システムとして国内及び国際レベルのいずれにおいても、疫学データの収集、各神経疾患の発生率の比較、各疾病の危険因子の特定が可能となる。

ICD−NAが神経疾患における重要な疾病の統計データの収集のみならず、診療録管理や学術研究等に広く活用されることを期待するところです。



国際疾病分類
神経疾患への適用
第2版

ICD−NA

Application of the International
Classification of Diseases to Neurology,
Second Edition

厚生労働省大臣官房統計情報部


目 次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第・編 序・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
第・編 ICD−NAの使用の方法及び勧告・・・・ 18
第・編 中間分類項目リスト法・・・・・・・・・・ 21
第・編 神経学及び関連疾患の内容例示表・・・・・ 31
索引表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 403
薬物及び化学物質の索引表・・・・・・・・・・・・ 519

備考:WHO刊行のICD−NA第2版の原典には,第・編としてICD−O(国際疾病分類−腫瘍学)第2版からの関係部分の引用が掲載されているが,本書では当該引用は省略した。

(参 考)

1.「疾病、傷害及び死因分類」について
 疾病、傷害及び死因の統計は、各国の保健・福祉行政の企画、人口問題研究、または医学研究に重要な資料となるものであり、有用な死因統計及び疾病統計を得るためには、その統計に用いる分類が適正であることが必要である。さらに、これらの統計を国際比較するにあたっては、国際的な統一が要請されるところである。
 我が国で現在使用している「疾病、傷害及び死因分類」(昭和26年政令第127号第3条に基づく)は、厚生省大臣官房統計情報部(当時)に設置した厚生統計協議会に分野ごとの専門委員会を設け作成したものであり、平成6年10月に告示された。
 この「疾病、傷害及び死因分類」については、WHOにおいて平成2年の第43回世界保健総会で採択された国際疾病分類第10回修正(ICD−10)に準拠して作成されており、産業分類と並び我が国で重要な位置を占めている。

2.「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD)」について
  「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD)」とは、「国際疾病分類」とも呼称され、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や傷病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため設けられた分類である。
 この分類は、1900年(明治33年)に国際統計協会により制定されて以来、医学の進歩や社会の変化に伴いほぼ10年ごとに修正が行われてきている。
 第2次大戦後は世界保健機関(WHO)の所管となり世界保健機関憲章に基づいたものとなった。現在国際的には、1990年(平成2年)の第43回世界保健総会で採択されたICD−10が使用されている。



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