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閣議付議案件
平成13年11月9日(金)
閣議終了後解禁
職業安定局雇用政策課
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「経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案」について


 厚生労働省においては、「経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案」を作成し、本日、同法案の国会提出について閣議に付議し、閣議決定がなされた。
 なお、法律案の概要は、別紙のとおりである。


(別紙)

 経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案の概要
〈雇用対策臨時特例法案〉

1.法律案の趣旨
 現下の厳しい雇用失業情勢の下で、産業構造改革・雇用対策本部においてとりまとめられた「総合雇用対策」のうち、法的整備を必要とする施策について、平成16年度末までの間、臨時の特例措置を講ずるためのもの。

2.法律案の概要

(1)職業訓練の受講者に対する雇用保険の給付の拡充
 公共職業訓練を受講している45歳以上の中高年齢者について、訓練の受講終了後、必要に応じ、訓練延長給付を受けつつ再度の受講ができることとする等の措置を講ずる。(雇用保険法の特例)

(2)経営革新に伴う労働者の雇入れ等に対する助成
 中小企業者が経営革新を行い、中高年齢者を雇い入れた場合等に助成を受けることができるものとする。(中小企業労働力確保法の特例)
(注)経営革新:「新商品・新サービスの開発等」、「商品・サービスの新たな生産・販売方式等の導入」等により、経営の相当程度の向上を図ること

(3)中高年齢者の派遣期間の延長
 再就職が厳しい状況にある中高年齢者について、派遣期間の制限を現行の1年間から3年間に延長する。(労働者派遣法の特例)

3.施行日等

平成14年1月1日(平成17年3月31日をもって失効)


 経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案要綱

第一 目的(第一条関係)
 この法律は、最近における経済社会の急速な変化に伴い、雇用及び失業に関する状況が悪化し、多数の中高年齢者(四十五歳以上の者をいう。以下同じ。)が離職を余儀なくされることが見込まれること等の事情にかんがみ、中高年齢者の再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法その他の法律に関する臨時の特例措置について定め、もって中高年齢者の雇用の安定に資することを目的とするものとすること。

第二 雇用保険法の特例(第二条関係)
 一 中高年齢者である受給資格者(六十歳未満の者に限る。二において同じ。)に対して公共職業安定所長が指示する公共職業訓練等には、当該中高年齢者の申出に基づきその再就職を容易にするものとして公共職業安定所長が特に指示したものを含むものとすること。
 二 中高年齢者である受給資格者のうち、公共職業安定所長がその指示した公共職業訓練等を受け終わってもなお職業に就くことができず、かつ、再就職を容易にするために公共職業訓練等を再度受けようとするものであると認めるもの(その者が受ける公共職業訓練等の期間の合計が二年を超えないものに限る。)に対して、当該公共職業訓練等を受け終わった後の失業している日について、政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度として所定給付日数を超えて基本手当を支給することができるものとすること。

第三 船員保険法の特例(第三条関係)
 一 中高年齢者である失業保険金の支給を受けることができる者(六十歳未満の者に限る。二において同じ。)に対して地方運輸局長又は公共職業安定所長が指示する職業の補導には、当該中高年齢者の申出に基づきその再就職を容易にするものとして地方運輸局長又は公共職業安定所長が特に指示したものを含むものとすること。
 二 中高年齢者である失業保険金の支給を受けることができる者のうち、地方運輸局長又は公共職業安定所長がその指示した職業の補導を受け終わってもなお職業に就くことができず、かつ、再就職を容易にするために職業の補導を再度受けようとするものであると認めたもの(その者が受ける職業の補導の期間の合計が二年を超えないものに限る。)に対して、当該職業の補導を受け終わった後の失業している日について、政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度として所定給付日数を超えて失業保険金を支給することができるものとすること。

第四 中小企業労働力確保法の特例(第四条関係)
 一 中小企業経営革新支援法に規定する経営革新計画について同法による承認を受けた中小企業者は、労働環境の改善その他の雇用管理の改善に関する事業(三において「改善事業」という。)であって経営革新に伴って実施することにより良好な雇用の機会の創出に資するもの(中高年齢者を雇い入れるものに限る。)についての計画を作成し、中小企業労働力確保法による認定を受けることができるものとすること。
 二 政府は、一により認定を受けた中小企業者(以下「認定中小企業者」という。)であって経営革新に伴い新たに労働者を雇い入れ、又は職業に必要な技能及びこれに関する知識を習得させるための教育訓練を実施し一の認定を受けた計画の目標を達成したものに対し、雇用保険法の雇用安定事業等として必要な助成及び援助を行うものとすること。
 三 認定中小企業者が中高年齢者である労働者を募集しようとする場合であって、同一の事業協同組合等の構成員である他の中小企業者であって募集に係る労働条件その他募集の内容を記載した改善事業についての計画の認定を受けているものに当該募集を行わせようとするときは、当該同一の事業協同組合等の構成員である中小企業者は職業安定法による厚生労働大臣の許可を要しないものとすること。

第五 労働者派遣法の特例(第五条関係)
 派遣先が、専門的な知識、技能又は経験を必要とする業務等以外の業務に、中高年齢者である派遣労働者を従事させる場合について、派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供を受けることができる期間の上限を、現行の一年から三年に延長するものとすること。

第六 施行期日等
 一 この法律は、平成十四年一月一日から施行するものとすること。(附則第一条関係)
 二 この法律は、平成十七年三月三十一日限り、その効力を失うものとすること。(附則第二条関係)
 三 その他所要の規定の整備を行うものとすること。(附則第三条から第八条まで関係)


〔参考〕

1 職業訓練の受講者に対する雇用保険の給付の拡充(雇用保険法関係)

  ○ 受給者に対する受講指示と訓練延長給付の支給 

・ 支給対象者数:約11万5千人、支給金額:約470億円(平成12年度)

 【改正内容】中高年齢(45〜59歳)の訓練受講者に対し、必要に応じ、再度の受講指示を行う。このため、1回目の訓練の効果の検証、カウンセリングを行い、受講指示を的確に行うために必要な期間(最大30日)、基本手当を支給。

図

【効果】 中高年齢者に対しより効果的な訓練を実施し、再就職の促進を図る。

2 経営革新に伴う労働者の雇入れ等に対する助成(中小企業労働力確保法関係)

  ○ 新分野進出等を行う中小企業に対する助成措置の概要

・ 雇入れの助成(賃金相当額の1/4)・教育訓練費用等の助成(訓練経費等の1/2)
・ 雇用管理改善の事業の経費の助成(経費の1/3)

 【改正内容】経営革新を行い中高年齢者を雇い入れる中小企業を助成の対象に追加
       (助成内容:上記の新分野進出等に準ずる内容を検討中)

 【効果】 中小企業の経営革新のための人材確保、中高年齢者の雇用の受け皿の充実

3 中高年齢者の派遣期間の延長(労働者派遣法関係)

  ○ 労働者派遣事業の現状

・ 全派遣労働者数:約107万人
・ 事業所数:約2万事業所
・ 派遣期間:専門的な知識等を必要とする業務(26業務)は3年間上記以外の業務は1年間に限定

 【改正内容】派遣期間の制限(1年間)を中高年齢者について3年間に延長

 【効果】 中高年齢者の派遣就業による雇用機会の拡大


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