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厚生労働省発表
平成13年9月21日

平成13年民間主要企業夏季一時金妥結状況について

 平成13年民間主要企業の夏季一時金妥結状況の概要は以下のとおりである。
 この集計の対象は、原則として東証又は大証の一部上場企業のうち、資本金20億円以上かつ従業員1,000人以上であり、労働組合のある企業276社である。
 集計企業の妥結時期は、概ね平成12年秋から本年夏にかけての時期である。

1. 妥結額は 783,113円、対前年比は 2.86%増となった。(第1表)

(1) 妥結額は 783,113円、対前年比は 2.86%の増となり、対前年比でみると昨年夏季(0.54%減)と比べ、3.40ポイント上昇した。夏季一時金が前年比プラスとなったのは、平成10年以来3年ぶりのことである。(注1)
(2) 産業別にみると、妥結額の対前年比の最も高い産業は、石油製品(12.44%増)で、以下、電気機器(11.02%増)、食料品・たばこ(8.90%増)、紙・パルプ(6.85%増)などの順となっており、逆に最も低い産業は、車輌(9.05%減)で、次いで、建設(6.95%減)、化学(4.80%減)、卸・小売(3.69%減)などの順となっている。
 また、妥結額の最も高い産業は、建設(886,018円)で、以下、電力(878,074円)、新聞・印刷(873,515円)、食料品・たばこ(873,101円)などの順となっており、逆に最も低い産業は、車輌(468,846円)で、次いで、卸・小売(581,317円)、鉄鋼(611,690円)、繊維(636,991円)などの順となっている。
(3) 妥結額の企業間のばらつきを四分位分散係数によりみると、本年夏季は0.14となり、昨年夏季(0.14)と同じ値になった。(注2)
(4) 要求状況については、月数要求など要求額が不明な企業が多いが、要求額の把握できた102社でみると平均要求額は825,271円であった。

(5) また、電気機器などの業種で多く導入されており、業績などを基にして決まった数式により一時金の額を決定する、いわゆる「デジタル方式」を採用している企業は14社であり、その平均妥結額は826,815円であった。

2. 年間臨給制を採用する企業の割合は、昨年より減少し、73.6%となった。(第4表)

 夏冬の一時金について年1回一括して労使交渉する年間臨給制を採用している企業の割合は、本年夏季は73.6%(203社)となり、昨年夏季(75.6%、217社)を 2.0ポイント(14社)下回った。
 これを実施形態別にみると、春闘時又は夏季闘争時に夏季一時金と年末一時金をあわせて決定する方式である夏冬型が、200社(98.5%)と大半を占めている。
 なお、年間臨給制を採用していない企業(73社)は、各期型で妥結した企業である。

(注1)

 対前年比は、前年と比較できる同一企業について加重平均で算出したものであり、今回の妥結額と平成12年の妥結額を比較した前年比とは必ずしも一致しない。

(注2)

四分位分散係数= 第3四分位数―第1四分位数
2×中位数


担当
労使関係担当参事官室
参事官 東 明洋
調査官 林 元夫
参事官補佐 阿部 充
電話 03-5253-1111
内線(7766,7767)
夜間直通 03-3502-6735



第1表 平成13年民間主要企業夏季一時金妥結状況(加重平均)

産業 集計
企業数
平均年齢 妥結額 対前年比 (参考)平成12年
妥結額 対前年比
 
1 建設 7 33.0 886,018 ▲6.95 943,637 ▲2.72
2 食料品・たばこ 18 38.0 873,101 8.90 803,398 ▲1.27
3 繊維 21 35.3 636,991 3.88 613,190 8.12
4 紙・パルプ 7 40.3 747,658 6.85 691,774 0.55
5 新聞・印刷 7 34.1 873,515 2.33 857,836 ▲3.09
6 化学 42 38.5 751,886 ▲4.80 785,828 1.07
7 石油製品 6 35.0 764,520 12.44 674,069 ▲0.40
8 ゴム製品 4 42.4 687,886 ▲1.93 701,393 ▲3.22
9 セメント 3 37.7 691,457 3.43 668,550 ▲3.76
10 鉄鋼 12 42.6 611,690 3.61 590,401 ▲3.74
11 非鉄金属 10 35.6 694,759 3.83 669,107 10.44
12 機械金属 24 38.8 764,000 5.19 726,281 ▲6.32
13 電気機器 28 37.7 796,604 11.02 717,547 5.27
14 造船 6 39.9 725,119 2.36 708,412 ▲9.45
15 車輌 2 40.4 468,846 ▲9.05 515,518 ▲7.07
16 自動車 9 38.4 869,387 0.09 868,645 0.69
17 卸・小売 17 35.9 581,317 ▲3.69 628,274 0.16
18 金融 1
19 陸運 25 41.5 824,927 ▲0.21 821,111 0.06
20 放送・通信 6 43.6 832,978 2.19 811,733 ▲10.10
21 電力 9 35.0 878,074 0.52 873,588 ▲0.05
22 ガス 4 35.7 815,846 0.03 815,576 ▲0.13
23 サービス 8 32.7 797,005 ▲1.82 751,027 ▲4.14
平均   276 38.6 783,113 2.86 758,804 ▲0.54
(注) 1  調査対象企業は、原則として、東証又は大証の一部上場企業のうち、資本金20億円以上、従業員1,000人以上の企業であって、労働組合のある企業である。
2 2集計企業の中には、平均方式や個別ポイント方式など妥結形式の異なる企業が存在するが、妥結額についてはそれらを合算して集計している。
3 対前年比は、集計企業のうち前年と比較できる企業(276社中271社)についての対前年比を算出したものであり、本年の集計企業の妥結額と平成12年の妥結額を比較した対前年比とは必ずしも一致しない。
4 金融については、集計企業が1社のため、全産業の平均には算入するが、産業別の集計は公表しない。



第2表 夏季・年末一時金妥結状況の推移

夏季一時金 年末一時金
主要企業 中小企業 主要企業 中小企業
(要求額) 妥結額 対前年比 妥結額 対前年比 (要求額) 妥結額 対前年比 妥結額 対前年比
昭和
45 168,349 138,892 22.2 86,769 25.2 190,008 160,202 19.2 106,373 20.8
46 207,761 157,864 13.7 99,100 14.2 208,422 168,511 5.2 114,489 7.6
47 225,940 166,938 5.7 108,348 9.3 238,196 196,388 16.5 135,141 18.0
48 275,305 206,857 23.9 141,824 30.9 321,799 279,569 42.4 195,916 45.0
49 395,303 302,721 47.0 202,814 43.0 453,913 352,470 27.4 241,899 23.5
50 434,806 325,029 7.4 202,890 0.04 429,671 334,698 -5.0 236,119 -2.4
51 423,668 332,389 3.0 217,560 7.2 449,587 366,318 10.5 260,961 10.5
52 442,243 363,937 10.3 237,300 9.1 457,104 389,455 6.5 276,383 5.9
53 449,307 381,757 2.2 246,285 3.8 485,686 422,882 5.5 290,962 5.3
54 478,610 420,706 11.5 270,104 9.7 534,120 465,793 10.3 324,246 11.4
55 498,580 447,985 10.3 297,369 10.1 537,309 482,672 8.7 346,848 7.0
56 543,121 480,752 7.6 315,694 6.2 561,962 515,705 7.2 364,184 5.0
57 563,289 504,711 5.2 326,872 3.5 585,545 533,109 3.2 370,354 1.7
58 594,366 512,314 1.7 328,683 0.6 594,111 547,257 2.7 378,022 2.1
59 595,506 535,123 4.5 342,638 4.2 623,675 575,577 5.2 395,461 4.6
60 630,123 565,657 6.0 357,858 4.4 644,636 600,594 4.4 407,543 3.1
61 620,123 557,980 2.1 361,098 0.9 642,507 609,853 1.5 406,577 -0.2
62 639,406 571,944 1.8 364,392 0.9 665,098 619,374 2.5 420,461 3.4
63 655,685 598,222 5.7 388,214 6.5 733,644 664,029 6.7 447,443 6.4
平成                    
691,701 645,864 8.1 417,106 7.4 777,275 720,540 8.5 477,568 6.7
2 744,461 697,946 8.0 447,340 7.2 779,661 765,542 6.8 511,900 7.2
3 750,522 736,444 5.5 470,712 5.2 795,687 794,011 3.6 532,095 3.9
4 781,251 759,721 2.7 479,132 2.1 846,686 796,447 0.2 533,128 0.3
5 799,143 751,793 -0.9 475,841 -1.2 817,570 786,656 -0.3 527,719 -1.7
6 785,904 749,982 -1.1 468,231 -2.1 778,783 796,035 0.1 523,303 -0.4
7 791,293 750,221 0.4 472,457 0.7 807,310 798,848 1.9 521,283 0.0
8 786,850 773,481 3.3 477,311 1.1 845,027 819,667 2.8 530,733 1.1
9 809,737 798,340 2.9 487,202 1.9 853,476 848,575 2.8 532,260 0.3
10 802,987 810,685 1.11 475,242 -3.8 805,457 833,801 -1.83 502,476 -6.5
11 831,231 768,230 -5.65 448,554 -7.4 863,548 801,235 -4.40 482,105 -5.5
12 825,417 758,804 -0.54 444,370 -1.6 787,827 799,232 0.76 480,300 -0.8
13 825,271 783,113 2.86              
(注)1  中小企業の集計対象は、従業員300人未満であって、労働組合がある企業である。
2 主要企業の45〜54年、及び中小企業の数値は1社あたりの単純平均である。
3 要求額は、月数要求・ポイント要求など要求額が不明な企業を除き、要求額が把握できた102社の平均額である。
4 対前年比は、集計企業のうち前年と比較できる同一企業についての対前年比を算出したものであり、本年の集計企業の妥結額と、前年の妥結額を比較した対前年比とは必ずしも一致しない。



第3表 妥結時期別企業数

妥結時期 平成13年 平成12年
妥結企業数 妥結率 累計数 累計率 妥結企業数 妥結率 累計数 累計率
2月末まで 3 1.2 3 1.2 7 2.4 7 2.4
3月 170 65.4 173 66.5 178 62.0 185 64.5
4月 28 10.8 201 77.3 36 12.5 221 77.0
5月 26 10.0 227 87.3 29 10.1 250 87.1
6月以降 33 12.7 260 100.0 37 12.9 287 100.0
合計 260 100.0 260 100.0 287 100.0 287 100.0
(注1) 「2月末まで」の企業数は、2年以上の一時金をあわせて決定している企業等を含め平成13年2月末までに妥結した企業数である。
(注2) デジタル方式を採用している企業や妥結時期が不明な企業を除く数である。



第4表 年間臨給実施状況の推移

集計対象
企業数
B 年間臨給実施企業数
計(B/A) C夏冬型 C/B D冬夏型 D/B Eその他 E/B
昭和
49 276 132 (47.8) 35 26.5 95 72.0 2 1.5
50 271 103 (38.0) 49 47.6 52 50.5 2 1.9
51 272 109 (40.0) 59 54.2 48 44.0 2 1.8
52 279 125 (44.8) 77 61.6 45 36.0 3 2.4
53 280 134 (47.9) 82 61.2 49 36.6 3 2.2
54 280 145 (51.8) 92 63.4 50 34.5 3 2.1
55 288 154 (53.5) 90 58.4 58 37.7 6 3.9
56 287 154 (53.7) 93 60.4 56 36.1 5 3.2
57 286 158 (55.2) 99 62.7 54 34.2 5 3.2
58 288 164 (56.9) 101 61.6 59 36.0 4 2.4
59 288 165 (57.3) 101 61.2 59 35.8 5 3.0
60 288 177 (61.5) 108 61.0 62 35.0 7 4.0
61 288 169 (58.7) 100 59.2 62 36.7 7 4.1
62 285 173 (60.7) 103 59.5 63 36.4 7 4.0
63 293 181 (61.8) 113 62.4 62 34.3 6 3.3
平成                  
298 189 (64.3) 120 63.5 67 35.4 2 1.1
2 298 196 (65.8) 130 66.3 65 33.2 1 0.5
3 298 194 (65.1) 132 68.1 61 31.4 1 0.5
4 300 200 (66.7) 135 67.5 64 32.0 1 0.5
5 300 218 (72.7) 155 71.1 62 28.4 1 0.5
6 297 216 (72.7) 155 71.8 59 27.3 2 0.9
7 293 220 (75.1) 160 72.7 58 26.4 2 0.9
8 290 219 (75.5) 161 73.5 56 25.6 2 0.9
9 290 221 (76.2) 166 75.1 53 24.0 2 0.9
10 289 240 (83.0) 192 80.0 48 20.0 0 0.0
11 283 220 (77.7) 217 98.6 2 0.9 1 0.5
12 287 217 (75.6) 210 96.8 4 1.8 3 1.4
13 276 203 (73.6) 200 98.5 2 1.0 1 0.5
(注1) 「C夏冬型」は、春闘時又は夏季闘争時に夏季一時金及び年末一時金をあわせて決定する方式。
(注2) 「D冬夏型」は、秋季闘争時に年末一時金及び翌年の夏季一時金をあわせて決定する方式。
(注3) 「Eその他」は、夏冬型及び冬夏型の企業以外で、2年以上の一時金をあわせて決定している企業である。


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