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「中間とりまとめ」を受けた当面の雇用セーフティネット対策

平成13年6月29日
職業安定局
職業能力開発局

 6月26日、厚生労働大臣が副本部長を務める「産業構造改革・雇用対策本部」において「中間とりまとめ」が決定された。
 本部は、この「中間とりまとめ」の内容を具体的施策に結実するため引き続き項目の洗い出しを徹底して行うとともに、制度改革等、必要となる施策の内容の更なる具体化、スケジュールの明確化に鋭意取り組み、本年9月を目途に総合的な対策パッケージをまとめ、新市場・雇用創出のための対策を決定するとされているところであるが、完全失業率が4.9%(本年5月)と過去最高に並ぶなど予断を許さぬ現下の雇用情勢に照らし、厚生労働大臣の指示を受け、当面の雇用に関するセーフティネットの整備の観点から、直ちに下記の対策を実行するものとする。

1 円滑な労働移動と就業促進

(1) ハローワークの機能強化等を通じた再就職支援

1 公共職業安定所のリストラ企業に係る情報把握機能の強化
・ 雇用対策法に基づく「大量雇用変動届」の公共職業安定所長への提出の確実な履行を求め、その活用等によりリストラを実施するもの(リストラ企業)の情報を迅速かつ的確に把握
・ 改正雇用対策法等に基づき本年10月1日より提出が義務付けられる、「再就職援助計画」の作成及びこれに係る事業主に対する助成・支援の周知
2 離職予定在職者に対する相談・情報提供機能の充実
・ 大量に離職者が発生するリストラ企業の事務所に対し、臨時の相談支援コーナー(愛称:アシスト・ハローワーク)の設置
・ 総合的雇用情報システムの「携帯端末」を活用するとともに、大量に離職者が発生するリストラ企業の担当者にも貸与
3 職業紹介と職業訓練の連携の強化
・ 情報通信関連等の新規・成長分野に係る訓練コースに重点を置きつつ、離職者の就職に資する訓練の早期受講の積極的推進
・ 特に、委託訓練を含めすべての訓練コースについて、訓練修了前から求人情報の提供、就職指導、就職のあっせん等を組み込んで実施すること等による早期再就職の促進
4 募集・採用に当たっての事業主による年齢制限緩和の取組の促進
・ 改正雇用対策法の円滑な施行に向け、募集・採用時の年齢制限緩和についての指導を実施。その際、試行就業により中高年求職者の適性・能力を見極めた上で常用雇用に移行したいとする求人者等に対し「中高年齢者緊急就業開発事業」の利用を勧奨

(2) 不良債権処理の影響を受ける業界と連携した失業なき労働移動の支援(産業雇用安定センターの活用など(別紙1)

・ 官民連携の出向・移籍の専門機関である産業雇用安定センター本部に、不良債権処理に関係する業種に係る労働移動等に関する情報収集等に当たる「オフバランス化関連情報室」の設置(本日立上げ予定)
・ 不良債権処理に関する業種からの送出情報の機動的把握のための当該業種を中心とする企業に対する特別調査の実施(6月上旬実施及び10月実施予定)と受入企業の開拓の促進
・ 産業雇用安定センターに送出人材を登録した企業への職業能力開発関係情報の提供体制を強化。また、雇用・能力開発機構都道府県センターにキャリアカウンセラーを配置し、当該送出人材に係る職業能力開発計画の策定を援助し、助成金の活用等により訓練受講を支援するなど在職中からの能力開発・再就職支援の充実。なお、10月からは、同都道府県センターに約300人のカウンセラーを配置して「キャリア形成支援コーナー」を設け、総合的なキャリア・カウンセリングを開始
・ 建設業労働者の労働移動の円滑化のため、建設業団体と産業雇用安定センターの連携を図るとともに、建設業労働者の送出・受入情報をホームページを通じて提供する等により労働移動の円滑化を図る事業について本格実施に向けた準備作業を推進

2 求職者等に対する効果的な職業能力開発の推進

(1) 中高年ホワイトカラー等に対する能力開発の推進

 中高年ホワイトカラー等の再就職対策を強化する観点から、民間の様々な教育訓練資源を掘り起こし、多様な能力開発機会を確保

・ 民間教育訓練機関の団体等の協力を得つつ、専修学校等への委託訓練を積極的に推進する等により公共職業訓練の機動的実施(平成13年度計画 81万人(平成12年度実績 54万人))
・ 企業の有する指導的人材、教育訓練施設の情報をきめ細かく把握し、公共職業訓練等においてこれを有効活用
・ 中高年ホワイトカラー離職者向けの委託訓練の重点枠の確保(4月6日の緊急経済対策で設定した重点枠3万人を5万人に増枠)
・ 大学、大学院等を活用した社会人向けの高度人材育成のための職業教育訓練コースの開発及び当該コースへの社会人受入等の推進。今後、速やかに設置する厚生労働省と文部科学省との事務次官レベルでの協議組織での協議を踏まえ、その円滑な推進等を図る。

(2) 教育訓練給付制度の重点的、機動的な活用による早期再就職等の支援

・ 新規・成長分野を中心とした大学、大学院等における高度な社会人向け教育訓練コースの指定拡大を図るなど、教育訓練給付制度について、指定基準の見直しを行い、重点的、機動的な講座指定に努める方向で措置

3 再就職の促進に係る助成金の見直し等

 4月18日に成立し、25日に公布された雇用対策法等改正法の施行(10月1日)に合わせ、昨年来検討を重ねてきた助成金の見直し等に関し、特に、地域における雇用機会の創出関係の法改正事項及び再就職の促進に関係する助成金について、以下の方向でとりまとめていくこととした。

(1) 地域の実情に応じた雇用創出の推進体制の整備(改正地域雇用開発促進法)

・ 都道府県が策定し国が同意した計画に基づき、国は、都道府県の産業振興施策等と有機的関連の下に事業主団体等を活用して地域の雇用創出を推進する仕組みが設けられた。この仕組みの運用に当たっては、国の事業主団体等に対する援助事業が地域の実情に即して具体化され、効果的に展開できるようにする方向で措置
(2) 特定求職者雇用開発助成金の紹介要件の緩和等(別紙2)
・ 支給対象の重点化を図りつつ、特に45〜60歳未満の者については、雇用失業情勢に応じて機動的かつ効果的に助成対象にできるような仕組みを整備
・ 現在、公共職業安定所の紹介による雇入に限定されているものを、有料、無料の職業紹介所まで拡大する方向で措置

(別紙1)

産業雇用安定センターの概要

1.設立の趣旨

 事業主に対して出向等による労働力の移動に関する情報の収集、提供、相談等を行うとともに、事業主を対象としたセミナー、懇談会の開催を行い、従業員の失業の予防等雇用の安定確保を図ることを目指して、昭和62年3月、労働省(当時)と経済界、産業界の協力により出向・移籍の専門機関として発足した。

2.事業の内容

・ 各業界別の雇用の動向及び見通しに関する情報の収集及び提供
・ 出向等による労働力の移動の希望、受入れ可能の状況に関する情報の収集及び提供並びに相談等
・ 職業能力開発に関する情報の収集及び提供並びに相談
・ 事業主の行う雇用安定のための諸活動に関する調査、研究、啓蒙及び指導並びに必要な援助
・ 中高年齢者ホワイトカラ−労働者の雇用就業機会の確保事業

3.所在地

 台東区台東2−27−3 NSKビル


(別紙2)

特定求職者雇用開発助成金の概要(現行)

1.趣旨

 高年齢者、障害者等特に就職が困難な者を、公共職業安定所の紹介により継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して、賃金の一部を助成するもの。

2.支給対象事業主

 以下の者を継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主

・ 高年齢者(55歳以上の者)
・ 身体障害者、知的障害者、精神障害者
・ 各種手帳所持者 等

3.支給内容

・ 支給対象者に支払った賃金の1/4(重度障害者は1/3)
 (中小企業事業主は1/3(重度障害者は1/2))
・ 雇入れ後1年間助成(重度障害者は1年半)

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