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平成13年4月2日

血液凝固第VIII因子製剤の供給について

 本日、バイエル薬品から、出荷停止されている血液凝固第VIII因子製剤「コージネイト」について、別紙のとおり、出荷停止に至った理由及び今後の供給予定について報告を受けた。
 バイエル薬品(株)の報告及び他の血液凝固第VIII因子製剤の製造業者、輸入業者の供給予定を考慮すると、当面、我が国の必要とされる血液凝固第VIII因子製剤の供給は確保されるものと考えられる。

<参考1>コージネイトの出荷予定を考慮しない場合の供給シミュレーション

 コージネイトの出荷を見込まないでも、6月末までの安定供給は可能である。

  3月 4月 5月 6月
月末在庫 入庫予定 供給見込 月末在庫 入庫予定 供給見込 月末在庫 入庫予定 供給見込 月末在庫
単位数 38,643,500 9,825,000 21,550,000 26,918,500 15,134,000 16,475,000 25,577,500 9,776,500 18,575,000 16,779,000

<参考2>

 バイエル薬品(株)からコージネイトの供給が一時的に滞るため、血液凝固第VIII因子製剤の供給に関して要請があったことを受け、厚生労働省から、平成13年3月16日付けで日本赤十字社及び(社)日本血液製剤協会に対し、代替製剤の供給について特段の配慮を行うよう協力依頼を行った。


照会先
厚生労働省医薬局血液対策課
中井 有田
内線:2907,2906
夜間直通:03(3595)2395


平成13年 4月2日
厚生労働省医薬局
血液対策課長 殿
バイエル薬品株式会社
代表取締役社長
アンソニー・ウィン

米国バイエル社 コージネイトの一時出荷停止措置について

 今般の、米国バイエル社によるコージネイト一時出荷停止措置につきまして、現時点で入手しております情報を以下のとおりご報告申し上げます。

1. コージネイトが一時出荷停止に至った経緯について

 米国バイエル社のバークレー工場では、コージネイトについてその製造工程のすべての過程まで品質保証チェックを行き渡らせるべく、同社内査察の結果および昨年11月のFDA査察の指摘に基づき、製品出荷検査の強化・拡充を行いました。そのひとつとして、すべての製造工程におけるあらゆる環境モニタリングデータを評価・判定する一連の作業を今年1月に開始致しました。この環境モニタリングデータの評価時、コージネイトの製造工程の初期段階において、社内にて設定した管理指標を逸脱する微生物が認められました。

 この新たに導入したより厳格な出荷基準では、モニタリングデータについても、もし万一いずれかの製造過程で社内管理指標を逸脱していた場合には、それが製品の品質に影響していないことが出荷前に適切に検証されねばなりません。
 最終製品は安全性・有効性に関わる試験規格にすべて適合していますが、米国バイエル社は更なる検討が必要と判断し、3月9日に出荷を一時停止致しました。

 因みに、同社環境モニタリングは、常に製造環境が適切であることを保証するため、空気、設備、機械、水及び原料・中間品をサンプリングし、試験する作業です。最終製品がすべての出荷規格に適合することを保証する上で、これらのデータをもとに製造環境を管理することが重要視されつつあります。バークレー工場では従来から当該モニタリングを実施しておりましたが、それらデータをロット毎の出荷判定項目としてはこれまで採用していませんでした。

2.製品の安全性について

 コージネイトの製造工程には微生物を除去あるいは減らす工程がいくつもありますが、特に無菌ろ過工程では確実に微生物が除去されることが検証されております。無菌ろ過後の最終製品試験により製品に微生物の混入がなく、また発熱性試験により微生物由来の副産物の混入もなく安全であることを確認しています。

 1999年1月から今日までの試験データを詳細に調査した結果、出荷されたロットはすべて無菌性および発熱性物質についての出荷基準を満たしていました。

 さらに、過去3年間にわたりコージネイト(ヘリキセートを含む)について、細菌感染あるいは発熱性物質による反応に関連するようなすべての副作用報告について徹底調査を実施しましたが、製品由来と考えられる例はありませんでした。

 以上のように、市場にある製品の安全性は確認されています。

 今後、新たに出荷する製品につきましては、微生物試験データを総合的に評価するとともに、発熱性試験を追加実施し製品の安全性を確認いたします。

3. 今後の予定

 以上の結果に加え、FDAとの協議も行い、バイエル社は保留中の製品の出荷が可能であるとの判断をいたしました。製品の安全性・有効性を再度確認したうえで、早ければ現在から約30日程度で出荷を再開できるものと推測しています。また、通常の出荷の状態に戻るには約90日を要するものと予測しています。

以上

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