○ | 急速な少子高齢化が進展する中、我が国の経済社会の活力を維持していくためには、将来的には、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働ける社会を実現していくことが必要である。
このため、高齢者の雇用・就業の促進という観点を含め、採用から退職までの雇用管理全般について検討し、将来の社会の在り方について、当該社会における雇用慣行のイメージやその場合の条件整備の在り方を含めて幅広く意見交換を行うことを目的として、厚生労働大臣が国民各層を代表する者の参集を求めて「年齢にかかわりなく働ける社会に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)を開催することとした。また、有識者会議と併せて、学識経験者と労使の実務担当者からなる「年齢にかかわりなく働ける社会に関する研究会」を開催することとした。 |
○ | 第1回有識者会議は、4月2日(月)13時30分から15時30分まで、東海大学校友会館(千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル33階)望星の間において開催することとしている。 |
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年齢にかかわりなく働ける社会に関する有識者会議開催要綱
1 | 目的
急速な少子高齢化が進展する中、我が国の経済社会の活力を維持していくためには、将来的には、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働ける社会を実現していくことが必要である。
このため、高齢者の雇用・就業の促進という観点を含め、採用から退職までの雇用管理全般について検討し、将来の社会の在り方について、当該社会における雇用慣行のイメージやその場合の条件整備の在り方を含めて幅広く意見交換を行うことを目的として、国民各層を代表する者の参集を求めて「年齢にかかわりなく働ける社会に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)を開催する。 |
2 | 有識者会議の検討事項 |
(1) | 年齢にかかわりなく働ける社会の姿 |
(2) | 目指すべき社会の実現に向けた条件整備の在り方(募集・採用、賃金・人事処遇、退職等) |
3 | 有識者会議の運営 |
(1) | 有識者会議は、厚生労働大臣が国民各層を代表する者の参集を求めて、平成13年から開催する。 |
(2) | 有識者会議の座長は、互選により選出する。 |
(3) | 有識者会議の庶務は、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課において行う。 |
4 | スケジュール
概ね2年程度議論し、検討結果の取りまとめを行う。 |
「年齢にかかわりなく働ける社会に関する有識者会議」参集者
伊丹 敬之 | 一橋大学商学部教授 |
井堀 利宏 | 東京大学経済学部教授 |
岡部 正彦 | 日本通運株式会社代表取締役社長 |
草野 忠義 | 全日本自動車産業労働組合総連合会会長 |
小堀 暉男 | 三菱化学株式会社専務取締役 |
笹森 清 | 日本労働組合総連合会事務局長 |
ジョージ フィールズ | フィールズアソシエイツ代表 |
清家 篤 | 慶應義塾大学商学部教授 |
中村 桂子 | JT生命誌研究館副館長 |
南雲 光男 | 日本商業労働組合連合会会長 |
西村 健一郎 | 京都大学総合人間学部教授 |
野中 ともよ | ジャーナリスト |
樋口 美雄 | 慶應義塾大学商学部教授 |
福岡 道生 | 日本経営者団体連盟専務理事 |
堀田 力 | さわやか福祉財団理事長 |
宮崎 勇 | 大和総合研究所特別顧問 |
森 一夫 | 日本経済新聞社論説委員 |
山口 浩一郎 | 上智大学法学部教授 |
(敬称略・五十音順) |
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年齢にかかわりなく働ける社会に関する研究会開催要綱
1 | 目的
急速な少子高齢化が進展する中、我が国の経済社会の活力を維持していくためには、将来的には、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働ける社会を実現していくことが必要である。
このため、国民各層を代表する者の参集を求めて「年齢にかかわりなく働ける社会に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)を開催することとしたところである。さらに、有識者会議での議論と併せて、高齢者の雇用・就業の促進という観点を含め、将来の社会の在り方について、当該社会における雇用慣行のイメージやその場合の条件整備の具体的な在り方を含めて専門的立場から詳細に検討を行うことを目的として、学識経験者と労使の実務担当者からなる「年齢にかかわりなく働ける社会に関する研究会」(以下「研究会」という。)を開催する。 |
2 | 研究会の検討事項 |
(1) 年齢にかかわりなく働ける社会の姿 |
(2) 募集・採用、賃金・人事処遇、退職等の在り方 |
(3) 採用から退職までの条件整備の在り方 |
3 | 研究会の運営 |
(1) 研究会は、厚生労働省職業安定局長が学識経験者と労使の実務担当者の参集を求めて、平成13年から開催する。 |
(2) 研究会の座長は、互選により選出する。 |
(3) 研究会の庶務は、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課において行う。 |
4 | スケジュール
概ね2年程度議論し、検討結果の取りまとめを行う。 |
「年齢にかかわりなく働ける社会に関する研究会」参集者
大沢 真知子 | 日本女子大学人間社会学部教授 |
勝尾 文三 | 日本化学・サービス・一般労働組合連合政策室部長 |
北浦 正行 | 社会経済生産性本部社会労働部長 |
木下 光男 | トヨタ自動車株式会社取締役人事部長 |
斉城 信夫 | 株式会社伊勢丹取締役人事部長 |
佐藤 博樹 | 東京大学社会科学研究所教授 |
土田 道夫 | 獨協大学法学部教授 |
樋口 美雄 | 慶應義塾大学商学部教授 |
藤村 博之 | 法政大学経営学部教授 |
松浦 清春 | 日本労働組合総連合会総合労働局長 |
森戸 英幸 | 成蹊大学法学部助教授 |
矢野 弘典 | 日本経営者団体連盟常務理事 |
山口 登守 | 日本労働組合総連合会労働条件対策局長 |
(敬称略・五十音順) |
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雇用対策基本計画(第9次)(抄)
−今後の労働市場・働き方の展望と対策の方向−
閣議決定
平成11年8月13日
III | 雇用対策の基本的事項 |
4 | 高齢者の雇用対策の推進 |
(1) | 長期的な高齢者雇用の在り方
急速に高齢化が進展する我が国において、その経済社会の活力を維持するためには、できるだけ多くの高齢者が社会に支えられる側から社会を支える側へ回ることが必要である。こうした発想の転換は、国際的な潮流となりつつあり、デンバーサミットを始めとした各種国際会議においても、アクティブ・エージング(活力ある高齢化)の実現ということが提唱されるに至っている。このため、将来的には、高齢者が、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働き続けることができる社会を実現していくことが必要である。
我が国においては、急速に高齢化が進展する中で、労働力供給すなわち労働力人口の年齢構成も急速に高齢化していく。こうした状況の中で、仮に、労働力需要の側の年齢構造が変化しないとすると、若年労働力が大幅に不足となる一方で、高齢者に関しては大幅な労働力過剰となる。
労働力需要の年齢構造を急速に変化させていく上では、従来の雇用慣行の見直しなど様々な課題があり、これらを解決していくためには、労使が率直に話し合い、政労使が協力して段階的な取組を行っていくことが必要である。
個々の企業においては、従来の人事管理制度の見直しを行いながら、高齢者が働き続けることができるような条件整備を図り、高齢労働力を一層活用していくことが必要となる。
そして、多くの企業において、年齢よりもその能力に基づく人事管理制度が普及するようになれば、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働き続けることができる社会の実現に近づいていくものと考える。 |
(2) | 向こう10年程度の間における取組(65歳までの雇用の確保)
向こう10年程度の間における年齢別労働力人口の変化を見ると、29歳以下の労働力人口が約400万人減少するのに対し、60歳以上の労働力人口は、団塊の世代が60歳台に差し掛かること、及び、公的年金(基礎年金部分)の支給開始年齢が引き上がっていくこと等により、約360万人増加することが見込まれている。
こうした状況を踏まえると、向こう10年程度の間における高齢者雇用の最重要課題は、労働力人口(労働力供給)の急速な高齢化に対応して、高齢者(特に60歳台前半層)の労働力需要を大幅に高めていくことであるということができる。
(1)で述べたような将来展望を踏まえると、個々の企業においては、従来の人事管理制度の見直し等を行いながら、向こう10年程度の間において、65歳に向けて定年年齢を引き上げていくことが必要である。
しかしながら、我が国の年功的な賃金が生活給的な側面も有しているなど、従来の人事管理制度の見直しに当たっては解決すべき問題点も多いことを考えると、当面は、60歳台前半層の高齢者の労働力需要を高めていくために、再雇用による継続雇用、あるいは、他企業への再就職という方策も視野に入れていく必要がある。
したがって、向こう10年程度の間においては、65歳定年制の普及を目指しつつも、少なくとも、意欲と能力のある高齢者が再雇用又は他企業への再就職などを含め何らかの形で65歳まで働き続けることができることを確保していくこととする。
このため、事業主が、人事管理制度の見直しや高齢期にも十分に能力が発揮されるようにするための職業能力開発などを行いつつ、定年延長又は継続雇用の拡充に取り組むことを促進していくため、各種の指導・援助を行うこととする。
また、継続雇用されない定年退職者の再就職が円滑に促進されるよう、事業主に対して、求人開拓や能力開発など各種の支援を行うことを求めていくとともに、国としても、そうした取組に対して助言・援助を行う。さらに、高齢期における再就職を促進していくため、事業主に対して、労働者募集の段階における年齢制限を緩和していくことを求めていくこととする。
なお、高齢期には、就業意欲や体力が多様化するので、それに応じた様々な形態の労働力需要を生み出すことも必要である。
このため、短時間勤務の雇用形態を普及させるほか、年齢にかかわりなく働き続けることができる就業の場として、高齢者の自営開業も促進する。
また、短時間雇用を始めとした普通勤務以外の雇用・就業機会に関するあっせん機能を強化する等の観点から、シルバー人材センター事業等について発展・拡充を図るとともに、高年齢者職業経験活用センターの在り方についても検討を行う。 |
(3) | 高齢期に向けた社会参加の促進
「アクティブ・エージング(活力ある高齢化)」を実現していくという観点から、定年退職後等の高齢者がその知識や経験を活かし、雇用・就業のほかボランティア活動など様々な社会参加を行っていくことを促進する。
また、定年退職後、それまで培ってきた知識や経験を活かした上で多様な社会参加を行っていくためには、在職中に退職後の準備を行うことが望ましいため、高齢期雇用就業支援センター等において、退職準備活動に対する支援を行う。 |
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