援護の実施者は、「居住地」の市町村(居住地を有する場合)又は「現在地」の市町村(居住地を有しないか、不明の場合)である(身障法第9条、知障法第9条)。
(1) 居住地を有する障害者の施設類型ごとの援護の実施者について
施設に入所する場合、障害者が入所前に居住地を有しない者又は居住地が明らかでなかった者であるときは、入所前におけるその者の所在地の市町村が、援護の実施者となり、施設訓練等支援費の支給を行うこととなる。
(3) 平成15年3月末日まで都道府県が措置を行う居住地不明者の知的障害者援護施設入所者の施設訓練等支援費の支給について
平成15年4月1日より、知的障害者が居住地を有しない場合又は明らかでない場合の援護の実施者は、権限の委譲により、その者の現在地の都道府県から、その者の現在地の市町村へ変更となる。
2 支援費の申請から受給者証の交付までの事務
(1) 制度の利用に関する情報提供と相談
市町村は、障害者(利用者)や保護者等の関係者が、サービスを選択し利用するために必要な各種の情報提供を行い、利用の相談に応じることができる体制を整備する必要がある(身障法第9条、知障法第9条、児福法第21条の24)。
市町村は、利用者からの求めに応じ、居宅支援や施設の利用についてあっせん又は調整を行うとともに、必要に応じて事業者や施設に対して利用の要請を行う(身障法第17条の3、知障法第15条の4、児福法第21条の24)。
(3) 支援費支給申請の手続き
障害者、障害児の保護者は、必要に応じ、市町村等から各種の情報提供を受け、サービスの利用について相談し、援護の実施者である市町村に対して、利用するサービスの種類ごとに、支援費の支給の申請を行う(18歳未満の障害児の場合、申請者は保護者であり、支給の対象となるサービスは居宅支援のみ。)。
(4) 支援費支給決定(支給申請から支給決定までの流れ)
イ 居宅支援の場合
(5) 利用者負担額の決定
(6) 受給者証の記載事項等
・有効期限
(障害児の場合)
・交付年月日
(利用者負担に係る扶養義務者がいる場合)
* なお、事業者の記入欄を設け、事業者が、事業所名、居宅支援開始年月日を記入できるようにする必要があるか検討中である。
・有効期限
(利用者負担に係る扶養義務者がいる場合)
* なお、施設の記入欄を設け、施設が施設名称、入所年月日、退所年月日を記入できるようにする必要があるか検討中である。
イ 支給決定障害者又は居宅支給決定保護者が、支給決定期間内に当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき。
居宅生活支援費の円滑な支給のため、支給量の管理が必要である。
3 サービス利用から支援費の支払いまでの事務
支援費のサービス利用から支援費の支払いまでの流れ(代理受領)は次のとおりである。
4 基準該当居宅支援に関する事務
(1) 基準該当居宅支援の利用に関する情報提供と相談
市町村は、障害者(利用者)や保護者等の関係者に対して、基準該当居宅支援事業者等の情報の提供を行い、利用の相談に応じる。
* 市町村は、基準該当居宅支援事業者として認められる事業者を明確にしておくことが必要である。
(2) 支援費支給申請から受給者証の交付までの事務
「2 支援費の申請から受給者証の交付までの事務」と同じ。
(3) 基準該当居宅支援の利用から支払いまでの流れ(償還払いによる場合)
5 転入・転出時の事務
(1) 転入・転出による援護の実施者の取扱について
(3) 施設入所者の援護の実施者が、出身世帯の転居により変わる場合の手続きの流れ
6 支給量変更時の事務
○ 市町村事務の流れ
7 障害程度区分変更時の事務
○ 市町村事務の流れ
8 支給決定の取消し事務
(1) 支給決定の取消しが必要な場合
市町村は、次の場合、支給決定を取消し、当該取消しに係る支給決定障害者(障害児の場合は、居宅支給決定保護者)に、受給者証の返還を求める。
(2) 留意事項
転出による支給決定の取消しについては、サービスの連続性を確保しなければならない場合(身体障害者療護施設以外の施設入所者の出身世帯が転居し、援護の実施者は変更となるが、入所は継続される場合等)は、出身世帯が転出する市町村と出身世帯が転入する市町村とで、連絡調整を行い、転出する市町村での支給決定の取消日と転入する市町村での新たな支給決定の日が連続するようにし、空白の日が生じないように配慮する必要がある。(詳細は 「5 転入・転出時の事務」を参照)
9 措置を行う場合に関する考え方
(1) 法律の規定
市町村は、支援を必要とする者が、やむを得ない事由により支援費の支給を受けることが著しく困難であると認めるときは、措置を行うことができる。(身障法18条 知障法15条の32〜第16条 児福法第21条の25)
(2) 「措置」の対象となりうるケース
例えば、単独で支援費支給申請をすることが期待できない障害者の介護をしている者が急に死亡し、障害者ひとりとなり、周囲からの支援も期待できない状況で、緊急にサービスを必要とし、支援費支給申請を行う暇がないような場合が想定される。
10 苦情等への対応について
(1) 支援費支給申請に対する決定に関するものについて
11 施行前準備について
(1) 施行前に行うことができる手続き(施行前準備行為)
市町村は、平成15年4月1日の施行の前に、居宅生活支援費と施設訓練等支援費の支給の決定の手続きを行うことができる。(社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律附則第27条)
(2) 支給決定の手続きを行うために必要な事項
市町村は、支給決定の手続きを行うためには、関連政省令に基づき、市町村が行う事項について規則等で定める必要がある。
(3) 現行制度利用者の支援費制度に関するみなし規定
旧措置入所者に係るみなし規定(経過措置)
指定施設とみなされた既存措置委託施設の旧措置入所者については、施行後一年間は施設訓練等支援費の支給決定に係るものとみなされ、施設訓練等支援費を支給することができる経過措置が設けられている(附則第12条、第18条)。
(4) 留意事項
1 支援費を支給する市町村(援護の実施者)について
居住地とは、住民票の所在の有無ではなく、将来にわたり起居を継続することが社会通念上期待できる場所である。
ただし、出身世帯が転出するなどの事情により、利用者が退所後入所前の市町村と異なる市町村に戻ることが想定される場合は、出身世帯の転出先の市町村が援護の実施者となる。
また、身体障害者療護施設入所者が継続して二以上の身体障害者療護施設に入所している場合は、当該入所者が最初に入所した身体障害者療護施設の入所前の居住地の市町村が援護の実施者となる。
(2) 居住地不明者の施設訓練等支援費の支給について
都道府県がその者が入所前に居住地を有しない者又は居住地が明らかでなかった者の援護の実施者としてこれまで措置してきた、知的障害者更生施設、知的障害者授産施設、知的障害者通勤寮又は心身障害者福祉協会が設置する福祉施設(国立コロニー)の入所中の者については、平成15年4月1日からは、当該入所者が措置されたときの現在地の市町村が援護の実施者となり、施設訓練等支援費の支給を行うことを原則とする。
ただし、措置されたときの現在地が明らかでない場合は、当該施設の所在地の市町村が援護の実施者となり、施設訓練等支援費の支給を行うことになる。
(2) サービス利用に係るあっせん・調整、要請
・基準該当居宅支援事業者に関する情報
・相談支援に関する情報
・支援費支給申請の手続きに関する情報
・サービスの利用に関する情報
・支援費額、利用者負担額に関する情報 等
居宅支援
施設支援
身体障害者
知的障害者
障害児
身体障害者
知的障害者
身体障害者
居宅介護知的障害者
居宅介護児童
居宅介護身体障害者
更生施設支援知的障害者
更生施設支援
身体障害者
デイサービス知的障害者
デイサービス児童デイ
サービス身体障害者
療護施設支援知的障害者
授産施設支援
身体障害者
短期入所知的障害者
短期入所児童
短期入所身体障害者
授産施設支援知的障害者
通勤寮支援
知的障害者
地域生活援助
国立コロニー
・居宅生活支援費、施設訓練等支援費の別
・申請年月日
・対象者の氏名、生年月日、性別、居住地、電話番号
保護者氏名、居住地、電話番号、続柄
氏名、電話番号、続柄
サービスの種類、利用の有無、事業者、施設名、介護保険の利用状況等
支給決定を行った場合には、
支援の種類、支給期間、障害程度区分及び利用者負担の額
支援の種類、支給量、支給期間、利用者負担の額
イ 施設支援の場合は、施設受給者証
・受給者番号、居住地、氏名、生年月日、性別
支給決定に係る障害児の氏名、生年月日、性別
・支給市町村名
・障害の種別(身体障害・知的障害・障害児)
・居宅支援の種類(居宅介護・デイサービス・短期入所・知的障害者地域生活援助)
・支給期間
・支給量
・利用者負担(本人・扶養義務者)
住所、氏名
・受給者番号、居住地、氏名、生年月日、性別
・交付年月日
・支給市町村名
・障害の種別(身体障害・知的障害)
・支給期間
・障害程度区分
・施設種別
・利用者負担(本人・扶養義務者)
住所、氏名
(7) 居宅生活支援費支給における支給量の管理
(身障法第17条の8、第17条の13、知障法第15条の9、第15条の14、児福法第21条の14)
そこで、居宅支援事業者が居宅支援を提供した際、例えば利用者宅にある記録表に記入するなどにより、利用者及び居宅支援事業者が、その時点での支給限度量の残量や居宅支援の利用状況を把握できるようにし、利用者及び居宅支援事業者が支給量管理を容易に行え、市町村の審査支払い事務が円滑にできる仕組みについて検討中である。
事業者は、領収書を居宅支給決定障害者に発行するとともに、サービス提供証明書を基準該当居宅支援を提供した月末に作成し、利用者に発行する。
(4) 特例居宅生活支援費の代理受領について
この場合、費用の立替、請求の手続きが居宅支給決定障害者にとって負担となることも考えられるため、あらかじめ基準該当居宅支援事業者と市町村の間で、償還払い支給の受領委任の契約を行った上で、居宅支給決定障害者からの委任を得ることにより、支給方式を代理受領の取り扱いとすることを検討中である。
基準該当居宅支援事業者が当該市町村に多数あるような場合は、市町村と事業者との間で個別に代理受領契約を結ぶほかに、市町村の規則等において、代理受領の枠組みを定めた上で基準該当居宅支援事業者に代理受領の申し込みをさせ登録する方式も可能である。
なお、基準該当事業者の少ない市町村については、登録といった形式をとらずに、市町村と事業者との間で、あらかじめ個別に契約を締結する方法も考えられる。
市町村は、代理受領契約を結んだ基準該当居宅支援事業者名を、障害者による選択の幅の拡大のため、周知することが必要である。
委任の方法としては、特例居宅生活支援費の申請の際に、居宅支給決定障害者が当該事業者に受領を委任する旨を記入する方法等が考えられる。
(2) 本人の転居により援護の実施者が変わる場合の手続きの流れ
(4) 留意事項
ただし、そのような場合であっても、速やかな申請を勧奨し、速やかに支給決定を行うことにより、可能な限り早期に、支援費制度の利用に移行する必要がある。
(社会福祉法第75条第2項、身障法第9条、知障法第9条、児福法第21条の24)
(2) サービス内容に関するものについて
* 特例居宅生活支援費の場合についても準用
* 特例居宅生活支援費の場合についても準用
したがって、市町村はこれらの入所者に対しては、改正法施行の日から一年の間に、当該入所者の施設訓練等支援費の支給決定に関する手続きを行うことが必要である。経過措置の対象者は次のとおりである。
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