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「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」についてのQ&A

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」についてのQ&A

平成17年3月18日

このQ&Aについては、現状に即したものとなるよう、追加、修正を含め適宜見直しを行っていく予定です。


第1 基本的考え方

2 本指針の適用範囲
該当箇所 質問 回答
(1) 「医学的に確立されている臨床検査」は本指針の対象とならないとされていますが、「医学的に確立」とは、どのような基準で判断すればよいのでしょうか。 「医学的に確立」されているとは、例えば医療保険適用となっている、学会においてガイドラインで示されているなど、一般的に当該検査の妥当性が認められている場合であり、探求的な位置づけで行われるものはこれには該当しません。このような当該検査の社会的評価及び位置づけを踏まえ、総合的に判断するものと考えます。
マウスゲノムにヒトゲノムを導入する実験は本指針が適用されますか。 導入にあたっては、ヒトゲノムの解析を行うのが一般的と考えられることから、その導入までの解析に関しては本指針の対象となります。なお、実験全体としては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」が適用されます。
ヒト試料や臨床情報を販売する会社や非営利の研究資源バンクはこの指針の適用範囲かどうか示してほしい。 ヒトゲノム・遺伝子解析研究のために、研究を行う機関に対し、「16 用語の定義」(1)に規定する試料等を提供するのであれば本指針が適用されます。
(2) 指針施行後(平成13年4月1日以降)、旧指針を遵守して実施している研究についても、本指針は適用されますか。また、当該研究に本指針を適用する場合に、倫理審査委員会へ再申請する必要はありますか。 本指針の適用を受けます。研究計画に変更がない場合は倫理審査委員会への申請は必要ありませんが、本指針に対応するための研究計画の変更等により、倫理審査委員会の審査を受ける必要が生じる場合があります。なお、研究計画の軽微な変更は、「9 倫理委審査委員会の責務及び構成」(5)細則に規定されているとおり迅速審査により対応できるものと考えます。
 
3 保護すべき個人情報
該当箇所 質問 回答
(1) 連結不可能匿名化情報が個人を特定できる情報が取り除かれているか否かを判断するのは、研究を行う機関の倫理審査委員会でしょうか。 研究責任者がまず、連結不可能匿名化に当たるか否かを判断し、研究計画書の立案の際にその根拠も記載することになります。(「7 研究責任者の責務」(3)細則に研究計画書に記載すべき事項として、「個人情報の保護の方法」が挙げられています。)その研究計画について、匿名化の方法が個人を識別できないものとなっているかを含め、倫理審査委員会での審査を経て、最終的には研究を行う機関の長が適否を判断することになります。
対象となる試料提供者がたまたま1施設に1症例のみであれば、この対象者は、個人が同定できる可能性があります。このような場合、連結不可能匿名化はできないということになりますか。 施設名を伏せること等により個人を識別できる可能性を排除できないのであれば、連結不可能匿名化はできないことになります。
(2) 「個人情報を連結可能匿名化した情報は、研究を行う機関において、当該個人情報に係る個人と個人情報とを連結し得るよう新たに付された符号又は番号との対応表を保有していない場合には、個人情報には該当しない。」とありますが、対応表を保有していない場合というのは、具体的に何を示すのでしょうか。 例えばA病院が提供者から試料の提供を受け、連結可能匿名化した後、別法人のB研究所に提供された情報は、B研究所にとっては対応表を保有していない連結可能匿名化した情報となります。したがって、この場合、当該情報は、B研究所においては本指針で定義する個人情報に該当しないことになります。
なお、A病院とB研究所が同一法人内にある場合は、対応表がA病院で管理されている場合であっても、当該法人として対応表を保有していることになりますので、A病院から提供された連結可能匿名化された情報は、B研究所においては個人情報となります。
ある研究を行う機関(A機関)において連結可能匿名化された情報の対応表を、他の研究を行う機関(B機関)で保管する場合、当該連結可能匿名化された情報はA機関において、個人情報に該当しますか。 連結可能匿名化情報が個人情報であるか否かは、単に対応表の所在する場所によって決まるものではありません。例えば、A機関の指示により、B機関が特定の個人を識別できる情報をA機関に提供するといったことが行われるのであれば、A機関の保有する連結可能匿名化された情報は、A機関に対応表がない場合でも、個人情報に該当すると考えられます。なお、本指針では、個人情報管理者が匿名化を行うこと、また、その際に作成された対応表の管理等を適正に行うことを規定しており、本来、匿名化を行った機関が対応表を管理するべきです。
(3) 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究において扱う情報が、個人情報に該当しない場合であっても、遺伝情報、診療情報等個人の特徴や体質を示す情報は、本指針に基づき適切に取り扱われなければならない。」とありますが、具体的にはどのような措置を求めているのでしょうか。 「6 研究を行う機関の長の責務」(5)に示された当該情報を適切に管理することの重要性の研究者等への周知徹底、当該情報の管理、責任の明確化、研究者等以外の者による当該情報の取扱いの防止等の措置を執ることや、「11 遺伝情報の開示」に示された遺伝情報の開示に係る措置を求めています。


第2 研究者等の責務

6 研究を行う機関の長の責務
該当箇所 質問 回答
(2)細則 統括的な責任を有する者に関して、大学院の場合は研究科長、大学附置研究所の場合は研究所長のように、大学(法人)組織では部局長に相当するものが統括的な責任を有する者と理解してよろしいでしょうか。 ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する上で研究責任者等に対し監督上必要な命令を行い、当該機関の研究全般について統括できるものであれば良く、例えば大学(法人)組織では部局長に相当する者がこれに相当すれば、統括的な責任を有する者とすることができます。
(3) 個人情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他個人情報の管理のため、組織的、人的、物理的及び技術的安全管理措置は、機関として統一して措置する必要があるのでしょうか。 安全管理措置を講じる責務は研究を行う機関の長にあり、研究を行う機関として適切な安全管理措置を講じる必要があります。ただし、安全管理措置は、取り扱う情報の性質に応じて、必要かつ適切な措置を求めるものであり、当該部署で取り扱う情報の性質に鑑み、個々の個人情報を取り扱う部署における安全管理措置を定めることができます。
連結可能匿名化を行った場合でも、対応表が同じ研究を行う機関に存在する限りは、匿名化された情報も個人情報に該当するとされていますが、安全管理措置については組織的、人的、物理的及び技術的安全管理措置の全てを講じる必要があるのでしょうか。 匿名化された情報については、指針に定められた「8 個人情報管理者の責務」等を遵守することにより、匿名化の時点で既に一定の安全管理措置が講じられているものと考えています。したがって、「3 保護すべき個人情報」(2)の細則のとおり、講ずべき具体的な安全管理措置の内容については、匿名化の時点で既に講じられた安全管理措置の内容と併せて、研究を行う機関全体として適切なものとなるよう定めるものと考えています。
研究者等は、具体的に個人情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他個人情報の管理のためにどのような安全管理措置を講じる必要があるのでしょうか。 研究者等は、研究を行う機関の長が定めた安全管理措置に従って、個人情報を取り扱うことが求められます。また、研究を行う機関の長は、研究者等に個人情報を取り扱わせるに当たり、個人情報の安全管理が図られるよう、研究者等に対する必要かつ適切な監督を行う必要があります。
個人情報の共同利用に際して、その安全管理措置は一機関内に適応される規定では充分でないと考えられます。個人情報の機関間、研究者間の移動における安全管理措置について、明示的に示す必要があるのではないでしょうか。 個人情報を扱う際には、共同研究機関の各々が安全管理措置に基づいて措置を行うこととなります。なお、個人情報の機関間の移動等については、本規定の細則に示すとおり、情報の受け渡しにおける留意事項も安全管理措置の中に含まれると考えられます。
(3)細則 具体的にはどのような安全管理措置を講じなければならないのですか。 具体的にどのような安全管理措置を講ずるかは、取り扱う個人情報の性質に応じて、研究を行う機関の長の責務として定めることになります。
個人情報を処理するコンピュータは、他の一切のコンピュータと切り離す必要がありますか。 取り扱う個人情報の性質に応じて判断することとなりますが、技術的安全管理措置の一つとして、他の一切のコンピュータと切り離す措置をとることも考えられます。ただし、他の適切な技術的安全管理措置がとられているのであれば、必ずしも他の一切のコンピュータと切り離す必要はないと考えます。
細則に、組織的、人的、物理的及び技術的安全管理措置に含まれる事項が記されていますが、この「含まれる事項」を全て実施しなければならないのですか。 機関として組織的、人的、物理的及び技術的安全管理措置が講じられていることが必要であり、一般的には細則に示した「含まれる事項」の措置を講じるものと考えられます。ただし、「含まれる事項」に示された措置内容については、取り扱う情報の性質に応じて、研究を行う機関の長が十分に検討した上で、一部の項目を講じない場合でも、個人情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他個人情報の安全管理が図られるものと判断できる場合は、「含まれる事項」のすべては実施しないケースもあると考えます。
(5)細則 個人情報に該当しない匿名化された情報を取り扱う場合には、連結可能と連結不可能の区別に留意し、適切な措置を講ずるとありますが、留意する点とは具体的にはどのようなことでしょうか。 指針の個人情報に当たらない連結可能匿名化された情報は、対応表が存在することにより、漏えい等があった場合個人の識別ができることから、連結不可能匿名化に比べ一層の配慮が必要です。本規定により、研究者に対する周知の内容、程度や範囲に差を設けることができます。具体的には、研究を行う機関においてケースバイケースで判断すべきと考えます。
(6) 大学等からの委託を受けて匿名化された試料の遺伝子解析を行う場合、受託機関において倫理審査委員会での審議は必要ですか。また、委託機関の倫理審査委員会で承認を得ていることを確認する必要がありますか。 匿名化された試料の受託解析のみを行い、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を行わない場合は、受託機関は研究を行う機関ではないと考えます。従って、このような受託機関における倫理審査委員会での審議は、本指針では求められていません。また、その場合には「7 研究責任者の責務」(9)にあるように委託機関の倫理審査委員会で承認を得ていることを、委託機関の研究責任者が受託者に対して文書で示す必要があります。
(6)細則 委託する者が受託機関に対して査察等の現地調査を行うことなどは、現実的ではありません。委託を受ける者の業務を明確化した契約を締結することで対応できると考えます。また、委託契約書において、委託者が定める安全管理措置の内容を明示的に規定することと、当該内容が遵守されていることを確認することを併せて行う必要があるのでしょうか。 ヒトゲノム・遺伝子解析研究の業務に係る情報の適正な取扱いを確保する上で、その情報の取扱いの委託が行われる際には、安全管理に特段の注意が必要です。このため、委託を受けたものに対する必要かつ適切な監督の例として、契約による業務の明確化だけではなく、委託者が定める安全管理措置の内容を明示的に規定するとともに、併せて当該内容が遵守されていることを、現地調査や適切な様式による報告など、適切な方法で確認することを示したものです。
(7) 個人情報管理者若しくは分担管理者の監督の下に実際の業務を行う補助者を置くことができるとありますが、どのような範囲の業務を行わせることができるのでしょうか。また、研究担当者は補助者を兼ねることはできるのでしょうか。 補助者が「8 個人情報管理者の責務」に規定された業務を行う際には、補助者の業務内容をあらかじめ特定するなど、個人情報管理者の監督の下、個人情報の適切な取扱いが行われなければなりません。例えば、匿名化作業に当たり、試料提供者のデータ(氏名、研究事業名、投薬状況などの電子データ)にコード番号を入力し、さらに、試料にコード番号のラベルを貼る作業は補助者の業務の範囲と考えますが、その作業後は、補助者がこれらの情報を把握できないようにされていることが必要です。また、匿名化した試料等のコード番号と被験者名を記した対応表の保管やパスワードの管理等は、個人情報管理者若しくは分担管理者が行わなければなりません。なお、研究担当者が補助者を兼ねることも可能と考えます。
連結可能匿名化した患者由来の試料について、新たな臨床情報などのパラメーターとの連結が必要になった場合の情報の収集方法に関して、個人情報管理者または分担管理者が、患者名と必要な情報項目を指示して、補助者に診療録からの情報収集を行わせることは認められますか。 個人情報管理者若しくは分担管理者の業務の範囲は、「8 個人情報管理者の責務」に規定されたとおりであり、新たな臨床情報などのパラメーターの収集は業務の範囲外と考えます。また、補助者に患者名と必要な情報項目を指示して、診療録からの情報収集を行わせることは認められません。
(7)細則 看護師や臨床検査技師が個人情報管理者になってもよいのですか。また、補助者は、医師、薬剤師等でなくてもよいのですか。 個人情報管理者(分担管理者を含む)は、法律により業務上知り得た秘密の漏えいを禁じられている者であることが指針上求められており、看護師や臨床検査技師、地方公務員等についても、その職務に当たることが可能です。ただし、ヒトゲノム・遺伝子解析研究において、個人情報の適切な管理が求められる理由をはじめ、個人情報管理者等の職務についての理解を有し、職務を適切に果たし、責任を負うことが求められます。
また、補助者は、個人情報管理者や分担管理者のいわば手足であることから、補助者の業務遂行については、個人情報管理者が責任を持って監督することとなります。このような観点から、補助者については、医師や薬剤師等であることまでは特に求めていません。
「個人情報管理者若しくは分担管理者の監督の下に実際の業務を行う補助者を置くことができる」とありますが、指揮命令系統を明確にすれば、臨時職員や民間会社からの派遣者でもよいですか。 補助者は、責任、権限及び指揮命令系統を明確にした上で、研究を行う機関の長が任命することとなります。臨時職員等、新たに外部から雇用する場合には非開示契約を締結する等、研究を行う機関の長の責任の及ぶ範囲の者であることが求められます。
研究結果を公表する段階で論文のCo-Authorとして個人情報管理者の名前を入れることは可能でしょうか。 「6 研究を行う機関の長の責務」(7)の細則のとおり、個人情報管理者は研究責任者を兼ねることはできません。個人情報管理者が研究担当者でも研究責任者でもないことが、公表される論文または研究計画書から判定できるか、研究責任者が個別に判断することと考えます。
(8) ヒトゲノム・遺伝子解析研究における受託解析を行う場合であって、取り扱う情報が個人情報ではない匿名化されたもののみであり、検体(Wet)を扱わない(Dry情報のみの情報処理)機関でも、倫理審査委員会を設置する必要があるのでしょうか。 倫理審査委員会は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究実施の可否等を審査するための諮問機関として設置されるものであり、取り扱う情報の性質に応じて設置するものではありません。匿名化された試料の受託解析のみを行い、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を行わない場合は、倫理審査委員会の設置は本指針では求めていません。
本指針では、学会に必ず倫理審査委員会を設置する必要がありますか。 研究を行う機関それぞれにおいて、倫理審査委員会が設置されるのが基本であり、「6 研究を行う機関の長の責務」(8)では、倫理審査委員会を当該研究を行う機関内に設置できない場合には、共同研究機関や学会等に設置された倫理審査委員会が代替してその役割を担うことができると規定しています。これは、学会に必ずしも倫理審査委員会の設置を求めるものではありません。ただし、学会等に設置された倫理審査委員会に諮問するのは、当該研究を行う機関の長であり、倫理審査委員会の答申を受け、研究実施許可を与えるものは研究を行う機関の長となることに留意する必要があります。研究の実施主体が学会の場合はこの限りではありません。
従来、医学部と付属病院それぞれに倫理委員会を設置していましたが、今後農学部でも共同研究に参加するようになりました。この場合、大学全体を1つの研究機関として、大学共通の倫理審査委員会を設置しなければならないでしょうか。 研究を行う機関の長の下、大学共通の倫理審査委員会を設置し、審査することは可能です。ただし、研究を行う機関の長の権限又は事務の全部又は一部を学部長等、統括的な責任を有する者に負わせている場合には、共通の倫理審査委員会の当該機関における位置付け等、研究を行う機関において整理した上で実施する必要があります。
倫理審査委員会は、研究を行う機関の長が設置することになっていますが、公立病院に対して、これを設置している地方公共団体が共通の倫理委員会を設置することはできますか。 公立病院の設置状況(法人の代表者が誰であるか等)によりますが、地方公共団体が共通の倫理審査委員会を設置し、審査することは可能です。ただし、研究を行う機関の長の権限又は事務の全部又は一部を病院長等、統括的な責任を有する者に負わせている場合には、共通の倫理審査委員会の地方公共団体における位置付け等、研究を行う機関において整理した上で実施する必要があります。
倫理審査委員会を持たない病院や企業が、大学が主たる研究を行う機関として取りまとめを行っているヒトゲノム・遺伝子解析研究に参加する場合、取りまとめを行う大学の倫理審査委員会が当該研究を承認していても、倫理審査委員会は必要ですか。 研究を行う機関がそれぞれ倫理審査委員会を設置することが基本ですが、試料等の提供が行われる機関が小規模であること等により、倫理審査委員会の設置が困難である場合には、共同研究機関等によって設置された倫理審査委員会により審査することは可能です。ただし、この場合、倫理審査委員会の設置の困難な研究を行う機関の長が、当該倫理審査委員会に審査を依頼し、それに基づき、当該機関において実施される研究の許可を与えることとなります。
(9) 研究計画について倫理審査委員会に審査を依頼したところ、当該研究の一部について別の倫理審査委員会で 審査を行う旨の意見が出された場合、どのように対処すべきでしょうか。例えば、先の倫理審査委員会において、研究計画の一部のみが承認されたときには、その部分のみを先行して開始することが可能ですか。 研究を行う機関の長は、倫理審査委員会の意見を尊重して研究計画の実施の許可を決定するものと定められていますが、研究計画の科学的妥当性に関する倫理審査委員会の適正な審査を確保する観点から、一般的には1つの計画としていた研究を分割し審査することは適当でないと考えます。このような状況が生じた場合には、研究を行う機関の長は、(1)倫理審査委員会の意見を踏まえて、別の倫理審査委員会に諮り、意見が出されるまで許可の決定は下さないこととする、(2)当該研究計画書について、一元的に審査できる他の倫理審査委員会に、改めて諮るといった対応をとることが考えられます。
(10) 共同研究において、試料等の提供を行う機関(A機関)の倫理審査委員会への申請が先になされた場合、当該機関の倫理審査委員会は、研究を行う機関(B機関)の倫理審査委員会で承認が得られるまで、審査を留保してもよいですか。逆に、研究を行う機関(B機関)の倫理審査委員会への申請が先になされた場合、当該倫理審査委員会は、試料等の提供を行う機関(A機関)の倫理審査委員会で承認が得られた段階で承認するというような条件付き承認を行ってよいですか。 基本的には各々の機関及び倫理審査委員会において判断するものと考えます。したがって、試料等の提供を行う機関(A機関)の倫理審査委員会において、研究を行う機関(B機関)の倫理審査委員会で承認が得られるまで、審査を留保することは可能と考えます。また、研究を行う機関(B機関)の倫理審査委員会において、試料等の提供を行う機関(A機関)の倫理審査委員会で承認が得られた段階で承認するというような条件付き承認を行うことも可能と考えます。
多施設共同研究において、主たる研究を行う機関での倫理審査が終わらないうちに、従たる研究を行う機関の倫理審査委員会は、機関の特有の問題がなければ迅速審査を開始してもよいですか。 複数の機関が参画する共同研究(多施設共同研究)において、主たる研究を行う機関が研究全体の推進及び管理を行う場合は、「9 倫理審査委員会の責務及び構成」(5)に示されたとおり、主たる研究を行う機関に設置された倫理審査委員会の承認が得られた段階で、他の共同研究機関の倫理審査委員会は、機関特有の問題がない限り迅速審査の手続きを執ることができます。
(11) 外部の有識者による定期的な実地調査とありますが、外部の有識者とは具体的にどのような立場の人を指すのでしょうか。また、調査を担当する者は1名でもよいですか。 ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況を把握するため、研究を行う機関の長が外部の有識者による実地調査を行わせるのは、実施調査の透明性を確保する観点からです。従って外部の有識者としては、当該研究を行う機関と独立した立場であることが求められます。また、調査担当者は1名でも構いません。
定期的な実施調査を1年に1回以上実施とありますが、研究期間が短期間(1年未満)のものについて、研究期間中に必ず調査を行わなければなりませんか。また、研究終了後に調査を行っても構いませんか。 研究期間が短期間(1年未満)のものについては、実施期間中に研究責任者からの報告等によって状況把握が充分に行われるのであれば、外部の有識者による実地調査が事後となっても構わないと考えます。
(19) 個人情報を正確かつ最新の内容に保つとありますが、常に新たな情報に更新し続ける必要があるのですか。 本規定は、利用(研究)目的に応じて、その達成に必要な範囲内で、適宜個人情報を正確かつ最新の内容に保つように努めることを求めているものです。
(20) インフォームド・コンセント取得時に個人情報の第三者提供が想定されず、第三者提供について同意を得ていませんでしたが、研究途中で個人情報を第三者提供することが生じた場合には、改めて提供者から同意を得る必要がありますか。 原則として、改めて提供者から同意を得る必要があります。ただし、本規定に示された例外に該当する場合は、この限りではありません。
(21) 「提供者の知り得る状態」とは、どのような状態ですか。 「提供者の知り得る状態」とは、提供者が知りたいと思ったときに知ることができるようにすることです。例えば、各機関が報道発表などで一度公表すればよいということではなく、インターネット上のホームページや事業所の窓口等への掲示・備え付け等、提供者が継続的に知ることができる状態に置くことが想定されます。
(24) 試料の提供者から、個人情報の内容が事実でないとしてその訂正等を求められましたが、研究に支障を及ぼすために訂正等ができない場合もあるが、その場合はどのように取り扱えばよいでしょうか。 個人情報の内容が事実でないという理由によって訂正等を求められた場合には、内容の訂正に関して他の法令の規定により特別の手続が定められている場合を除き、利用(研究)目的の達成に必要な範囲内において、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき訂正等を行わなければなりません。ただし、当該情報を用いて導き出した結果まで訂正を義務付けているものではありません。しかしながら、訂正された事実に関する情報に基づいて、評価等の結果等まで訂正を行うか否かは、機関において適切に判断すべきことと考えます。
(33) 苦情対応について、試料等の提供が行われる機関等の個人情報を取り扱う「研究を行う機関の長」のみが設置することでよいのでしょうか。個人情報を取り扱わない「研究を行う機関」へは、提供者等からの苦情や問い合わせ等は来ないと考えられます。 個人情報に関する苦情だけではなく、研究特有の苦情への対応も含めた規定であり、個人情報を取り扱わない研究を行う機関においても苦情や問い合わせ等の窓口を置く必要があります。
(34) 研究者等が自らの異動に伴い、匿名化された研究データを異動先に持ち出すことは可能ですか。 研究者等が自らの異動に伴い、匿名化された対応表を伴わない研究データを持ち出す場合には、研究を行う機関と研究者間における、または研究を行う機関間における研究データの権利及び義務についての観点から配慮が必要となるものと考えます。
(35) 遺伝カウンセリングにはセカンドオピニオンとしての意味もあります。遺伝子解析を行う者が当該研究に関する遺伝カウンセリングを行う場合は、研究重視に偏り、提供者に適切な対応ができない危険性も考えられます。遺伝カウンセラーが共同研究者の場合も同様です。遺伝カウンセリングは、当該研究に関わらない者が行うべきではないでしょうか。 指針に規定されている遺伝カウンセリングの目的を踏まえ、適切な者が遺伝カウンセリングに当たることが必要であり、試料等の提供が行われる機関の長が状況に応じ判断する必要があります。
 
7 研究責任者の責務
該当箇所 質問 回答
(1) 研究計画書の改訂の際、共同研究者のみの変更など目的の変更はなく、提供者に影響が少ないと思われる場合でも、インフォームド・コンセントを取り直す必要があるのでしょうか。またこの必要性を判断するのは、倫理審査委員会でしょうか。 研究計画書の変更により、インフォームド・コンセントの説明文書に変更があれば、取り直すことが必要です。説明文書の変更を伴うかどうかについては、最終的には研究を行う機関の長が倫理審査委員会の意見を踏まえ、判断することとなります。
(6) 「地域住民等一定の特徴を有する集団」について、その範囲が不明確ではないでしょうか。 「地域住民等一定の特徴を有する集団」の範囲は、研究計画に応じて研究を行う機関が判断すべきものと考えます。
本項目において「研究実施中も」とありますが、提供者の興味などに対して、誠意を持って取り組むため、研究終了後も問い合わせの機会を与えるべきではないでしょうか。 研究終了後も、提供者からの問い合わせに対して、研究を行う機関の長の判断において適切に対応することが望ましいと考えます。
(8) 「共同研究機関」であっても「外部の機関」として、試料の使用制限がされるのでしょうか。 所属研究機関以外の研究機関でありさえすれば、共同研究機関であるかどうかにかかわらず、外部の機関となると考えられます。この際、本項に記載されているような使用制限があるので留意する必要があります。
例えば複数の研究を行う機関が別々に試料の提供を受ける対応を行う場合でも、同一の共同研究としてこれを行う際には、匿名化作業、対応表および同意書の管理は、その共同研究の中心的な機関で集中的に行うことは可能でしょうか。 匿名化やインフォームド・コンセントの取得の責任が明らかになっている限り、共同研究の中心的な機関で集中的に行うことは可能と考えます。ただし、本項に規定されているとおり、提供者又は代諾者等の同意があること、倫理審査委員会の承認を受け、研究を行う機関の長が許可した研究計画書に記載されていることが必要です。
 
9 倫理審査委員会の責務及び構成
該当箇所 質問 回答
(1) 倫理審査委員会から審査の結果が口頭で研究責任者に伝えられたことをもって、研究を開始してもよいですか。 「9 倫理審査委員会の責務及び構成」(1)において、倫理審査委員会は、審査の結果を研究を行う機関の長に対して文書により意見を述べるものと定められており、倫理審査委員会から審査の結果が、口頭で研究責任者に伝えられたことをもって、研究を開始することはできません。また、「6 研究を行う機関の長の責務」(9)において、研究を行う機関の長は、倫理審査委員会の意見を尊重し研究実施の許可をするか否かを決定することと定められています。したがって、倫理審査委員会の意見を文書で受けた研究を行う機関の長が許可することにより、研究を開始できることになります。
(4)細則1 倫理審査委員会における外部委員の割合はどの程度が妥当ですか。 外部委員については、倫理審査委員会における議論の中立性・客観性を十分担保する上でも、全体の半数以上であることが望ましいと考えます。
倫理審査委員会における女性委員の割合はどの程度が妥当ですか。 細則において「男女両性で構成されなければならない」とされている以上、最低1名は女性の委員を入れる必要があります。しかし、何パーセント以上でなければならないとの規定はなく、研究を行う機関が適宜判断して構いません。
外部委員に報酬を支払ってもよいですか。 倫理審査委員の報酬については、指針に規定はなく、指針にいう「公正かつ中立的な審査」が確保される常識的な範囲において、審査に対する謝金や交通費の実費等を支払うことは差し支えないと考えられます。
(4)細則3 倫理審査委員会が定めなければならない事項として、「審査記録の保存期間」が挙げられていますが、具体的に何年を目安としたらよいですか。 保存期間についての規定はありませんが、常識的には最低でも研究が行われている期間は保存されている必要があります。


第3 提供者に対する基本姿勢

10 インフォームド・コンセント
該当箇所 質問 回答
(3) インフォームド・コンセントを受ける際、自由意思に基づく文書による同意とありますが、文書は電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識できない方式によるものでもよいですか。 自由意思に基づく文書による同意には、原則として電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識できない方式によるものは想定されていません。しかしながら、本人の意思を確認するための手段としての社会的需要、研究現場におけるニーズを踏まえ、その方式の必要性等について今後検討されるべきものと考えます。
インフォームド・コンセントを受けるに当たっての十分な説明は必要ですが、研究を行う企業としては、研究の具体的な部分は外部に知られたくない情報です。研究の具体的な方法等を開示する必要がありますか。 試料提供者が研究に参加するか否かを判断する上で十分な説明は必要不可欠です。研究の具体的な方法を伝えなければ、試料提供者が研究に参加するか否かの判断ができないのであれば、具体的な方法等を説明する必要があると考えます。どこまで説明するかは、試料提供者への説明文章に記載される内容を、倫理審査委員会において十分審議された上で決定されるべきものと考えます。
研究対象者から調査票により情報を得た後に、その調査結果を基にして、更に同じ研究対象者から新たに試料を得て、遺伝子解析を行うことを一連の研究として予定していますが、研究開始時点でインフォームド・コンセントについてどのように対処すればよいでしょうか。 段階的に行われる研究計画においてインフォームド・コンセントを受ける際には、その研究計画の一部である将来的に行われる研究内容についても、研究対象者に知らせることが必要と考えます。したがって、疫学研究等の調査の開始時にインフォームド・コンセントや研究実施についての情報公開が行われる際に、同時に遺伝子解析研究に係るインフォームド・コンセントを受ける、あるいは、その際に遺伝子解析研究に係るインフォームド・コンセントを改めて受けることを明確に説明すべきと考えます。
「人の生命又は身体の保護のために、緊急に個人情報又は試料等の提供を受ける必要がある場合は、インフォームド・コンセントを受けることを要しない。」とありますが、事後において何らかの対応を取る必要はありますか。 本規定では、人の生命又は身体の保護のために、緊急に個人情報又は試料等の提供を受ける必要がある場合には、インフォームド・コンセントを受けることを要しないとしていますが、「6 研究を行う機関の長の責務」(17)に定められているとおり、試料の利用目的を提供者に通知等する必要があります。なお、個人情報の提供を受けた場合は、安全管理措置等の必要な措置を講じなければなりません。
(7)細則 試料等の提供を行う機関に所属していない者を、履行補助者として試料等の提供者又は代諾者等から同意を取る場合、どのような点に留意する必要がありますか。 本項に規定されているとおり、医師、看護師、薬剤師等、業務上守秘義務を課せられている者であって、試料等の提供が行われる機関と必要な契約を結んでいることに留意する必要があります。さらに、「10 インフォームド・コンセントの取得」(7)に定めるように、必要に応じ履行補助者の研修の機会を確保しなければなりません。
(10) 撤回の時期によっては廃棄の手続きに時間がかかる場合が想定されますが、この場合も確実に廃棄されたことを確認した結果を通知しなければならないのでしょうか。あるいは責任をもって廃棄することを通知することで差し支えないのでしょうか。
また、研究結果の公表前であっても既に解析や集計が終了している場合には撤回者の結果を取り除くことが困難な場合が想定されますが、この場合廃棄しないことも可能でしょうか。
さらに、試料及び研究結果の廃棄は既に匿名化してあった場合でも、廃棄に際して撤回者のものを特定して行うものと思うが「匿名化して廃棄する」とは具体的にどのような措置でしょうか。
本規定では、廃棄したことを通知するよう求めています。なお、廃棄までに時間がかかるような場合は、その旨説明しておくことが望ましいと考えます。廃棄の例外については本規定のとおりです。また、「匿名化して廃棄」とは、仮に第三者が当該情報を見た場合であっても個人を識別できないような措置を講じ、破棄することです。
(11)細則 「共同研究を行う場合は、1.共同であること、2.共同して利用される個人情報の項目、3.共同して利用する者の範囲、4.利用する者の利用目的及び5.当該個人情報の管理について責任を有する者の氏名 又は名称」とありますが、「2.共同して利用される個人情報の項目」の個人情報とは、何を示すのでしょうか。具体例を示してください。 例えば、アンケート等で入手し、匿名化せずに用いる氏名、年齢、性別、病歴といった情報です。
試料提供者等からインフォームド・コンセントを得る条件として「試料提供者への報酬」を支払うことは可能でしょうか。例えば、試料提供者から「試料提供に同意するが、診療費用、検査代など研究に関わる費用を無料にして欲しい」との要望があった場合、これに応じてよいでしょうか。 「10 インフォームド・コンセント」(11)細則にあるとおり、試料等の提供は無償とされています(細則の冒頭に、研究内容に応じて変更できるとありますが、これは、研究内容によっては説明文書への記載を要しない場合があることを述べたに過ぎず、原則を転換できるとしたものではありません)。研究を行う機関として交通費等試料提供を目的として必然的に発生する費用を実費として負担することは認められますが、試料等の提供の対価を支払うことは、認められていません。
「長期継続する研究の場合、研究を継続して実施するために必要な組織、体制等に対する研究機関としての考え方」について、インフォームド・コンセント取得時に当該事項の説明がなぜ必要なのでしょうか。また、具体的にはどのようなことを説明すればよいのでしょうか。 長期継続する研究については、研究の継続性が機関としていかに確保されているかが、提供者にとって重要となります。具体的には、研究を行う機関として、長期研究を継続する際の研究体制を明らかにするとともに、研究責任者や個人情報管理者が交代した際の対応等をあらかじめ決め、インフォームド・コンセントの際に伝えることが考えられます。
(12) 他の研究機関から試料の提供を受ける場合、インフォームド・コンセントの内容を文書によって確認しなければならないとありますが、インフォームド・コンセント時の説明文書の写しを試料と共に譲り受けるという形でもよいでしょうか。  確実にインフォームド・コンセントの内容を確認できればよいので、説明文書の写しで確認できるのであれば問題ないと考えられます。ただし、インフォームド・コンセント取得時の書類に個人情報が含まれている場合には、「6 研究を行う機関の長の責務」(34)及び「7 研究責任者の責務」(8)を満たしていることが前提となります。
 
11 遺伝情報の開示
該当箇所 質問 回答
(1)細則 開示にあたって書面等を交付する場合、その書面の写しを不用意に第三者が閲覧することのないようにすべきと考えます。また、開示請求者に交付された書面が診断書や診療情報提供書のように、開示請求者が自己の遺伝情報を知ること以外の用に供されることを禁止すべきではないでしょうか。 開示の際、不用意に第三者に閲覧されないようにすることは、研究を行う機関における安全管理措置によって対応されるものと考えます。また、提供者本人から開示要求があった場合、原則はその使用目的の如何を問わず対応することとなります。なお、開示請求者が自己の遺伝情報を血縁者に伝えることによって、血縁者の生命等を害するおそれがあると考えられる場合には、血縁者に知らせることによる影響について、提供者に対して十分に説明することが求められます。
(3) 提供者の主治医は提供者本人ではないので、研究責任者が提供者の遺伝情報をその主治医に開示することはできないのでしょうか。 提供者の同意を受けた上で主治医に開示することとなります。
(3)細則 本項目の1の最後に「確認することとする」とあるが、だれがどのように確認するのか不明です。 確認を行う主体は研究を行う機関の長となります。また、確認する手段は、研究を行う機関において適正に判断すべきものと考えます。
 
13 研究実施前提供試料等の利用
該当箇所 質問 回答
(3) インフォームド・コンセントを受けた時に、ある遺伝子研究に対する利用目的の明示しかされていない試料を、数年後、別の研究に使用するとき、再度インフォームド・コンセントを受けなければならないですか。 試料等の提供時のヒトゲノム・遺伝子解析研究における同意の範囲内で研究を行う場合はA群試料として扱い、改めてインフォームド・コンセントを受けずに利用可能です。同意を超えて研究を行う場合はB群試料又はC群試料として取り扱うこととなります。
(5) C群試料の使用条件の1つに連結不可能匿名化されていることがありますが、個人が直接識別されることのない臨床情報(例えば血糖値等)を付した上で連結不可能匿名化することは可能ですか。 臨床情報が付されていても、個人を識別できないのであれば、連結不可能匿名化されていると考えます。
「ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について情報の公開を図り、併せて提供又は代諾者等に問い合わせ及び試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置が講じられていること。」とありますが、情報の公開とは、どのようなことが開示されていればよいのでしょうか。また、拒否の機会を保証する措置とは、何をすればよいのですか。 「研究の実施状況について情報の公開を図り」とは、施設のホームページ、研究を行う機関内での掲示やパンフレットの配布等により、C群試料が用いられる研究について情報を提供することと考えます。この情報には、当該研究の目的、C群試料を用いることのほか、一般には試料提供者は利用の拒否が可能であること(拒否の方法を含む)等が含まれるべきです。「試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置」の具体的内容については、例えば、研究を行う機関内に受付窓口を設置し、かつ、当該機関内の周知徹底や受付担当者を明確化し、提供者が照会してきた時に機動的に対応できる体制を講ずることが考えられます。
 
14 試料等の保存及び廃棄の方法
該当箇所 質問 回答
(1) インフォームド・コンセントによる同意の中に試料の廃棄の希望がない場合、研究機関において試料に財産権が発生し、後日提供者から廃棄の請求があったとしても応じられない可能性は生じないでしょうか。 インフォームド・コンセント取得時の説明事項として、「10 インフォームド・コンセント」(11)細則に「研究終了後の試料等の保存、使用又は廃棄の方法」を示しており、提供者からの円滑な協力を得るため、試料の取扱いに関する手続きについて、両者でできるだけ具体的に明らかにしておくことが望ましいと考えます。


第6 用語の定義

16 用語の定義
該当箇所 質問 回答
(1) 試薬メーカーではヒト組織より抽出したmRNA、mRNAから作製したcDNA並びにgenomic DNAをカタログ販売しています。これらの販売品は遺伝子クローニングのソースとして以前から提供されているものであり、研究用に広く一般に利用されています。このような一般的な試料を利用する場合も本指針が適用されますか。 「ソースとして以前から提供されているものであり、研究用に広く一般に利用されている」ものについては、「16 用語の定義」(1)のただし書きに示したとおり、本指針で規定した試料等には該当せず、本指針の適用の範囲外です。
(3) 「遺伝子発現に関する研究およびたんぱく質の構造又は機能に関する研究については、本指針の対象としない」とありますが、そのような研究では、倫理審査委員会の承認を得ることや、研究責任者の責務である研究を行う機関の長への報告等はしなくて良いのでしょうか。 「16 用語の定義」(3)の細則に規定されているとおり、たんぱく質の構造又は機能に関する研究であっても、子孫に受け継がれ得るゲノム又は遺伝子に関する情報を明らかにする目的として研究を実施する場合には、本指針の対象となります。なお、本指針の対象とならない場合、各研究機関において本指針の趣旨を踏まえた適切な対応が望まれます。
がんの転移しやすさ、悪性度に影響する遺伝子を広く探索する研究は、本指針の対象となり得ますか。同項目の細則にある「子孫に受け継がれ得るゲノム又は遺伝子に関する情報を明らかにする目的」として、本指針の対象となり得ますか。 がんの転移しやすさ、悪性度に影響する遺伝子を広く探索する研究は、「16 用語の定義」(3)の細則1に規定されているとおり、「子孫に受け継がれ得るゲノム又は遺伝子に関する情報を明らかにする目的」として、本指針の対象となり得ると考えられます。したがって、がんの研究であっても、少しでも生殖細胞系列変異又は多型変異を解析するものは、本指針の適用の対象となると考えます。
B型核酸ウイルスの核酸同定など、病原体又はウイルスの遺伝子解析を行う研究は、本指針の対象となり得ますか。 本指針の対象となる研究は、「16 用語の定義」(3)に規定されているとおり、ヒトゲノム及び人の遺伝子の解析研究であるため、病原体又はウイルスの遺伝子検査や、病原体及びウイルス又はその遺伝子の保存は、一般的にこれに該当せず、本指針の適用の対象外と考えます。
「体細胞突然変異」の範囲について、ある職業従事者に確率的に多く発生するがんが発見された場合、その摘出保存されたがん細胞(ホルマリン漬け)からがん遺伝子を取り出してその配列を決めることは「『病変部位にのみ後天的に出現し、次世代には受け継がれないゲノムまたは遺伝子の変異』の『研究』であって本指針の対象としないもの」に該当するか。厳密に考えれば病変部位以外のところを調べないと確実なことはいえず、正常部位の遺伝子検査はこの倫理指針が問題とするところであり、そうなると事実上対象としない研究はありえないと考えます。 「16 用語の定義」(3)細則1に規定されているとおり、次世代には受け継がれないゲノム又は遺伝子の変異を対象とする研究は、本指針の対象外となっており、その研究の実施に伴って確認のために行われる正常組織の解析についても、本指針の適用の対象外と考えます。ただし、偶然の理由により遺伝情報が得られた場合には、「16 用語の定義」(3)細則2に規定されている事項に留意する必要があります。なお、この様な研究であっても、本指針の趣旨を踏まえた対応が望まれます。
(4) 遺伝情報のうち、例えばアセトアルデヒド脱水素酵素のような酒類に対する体質を左右する遺伝子のように、疾病の発症に関与せず、個人の特質ではあるが比較的多くの人に認めうるために個人を特定し得るものでない場合、必ずしも個人情報と言えないと考えます。 個人を識別し得るものが個人情報であり、具体的な状況に応じて個別に判断することとなります。個人を識別し得る稀有な疾患も判断の際の要素となり得ます。しかし、本指針では、希少性の有無に関わらず遺伝情報は、適切に取り扱われる必要があります。
(5) 連結不可能匿名化され提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性がないことが必要とされていますが、具体的にどのような手続きを経ればその試料等が連結不可能匿名化されたと判断できるのでしょうか。 「16 用語の定義」(5)にもあるように、連結不可能匿名化については、データから名前、生年月日、住所、電話番号、診療録の番号など個人を識別する情報を消去するだけでなく、作成した対応表を消去する必要があります。
(11)細則 共同研究機関間において共同で利用される個人情報とは、どのような例があるか、具体的に示して欲しい。 例えば、アンケート等で入手し、匿名化せずに用いる氏名、年齢、性別、病歴といった情報です。
(19) 「試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用を含む同意が与えられている試料をいう」となっているが、この「同意」というのは、文書による同意に限られるのか、口頭による同意も含まれますか。 本指針においては文書による同意を求めています。

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