平成22年度 第3回水質検査の信頼性確保に関する取組検討会議事録     日  時:平成22年7月1日(木)14:00〜17:00   場  所:中央合同庁舎7号館9階金融庁904会議室   出席委員:安藤座長、浅見委員、伊佐治委員、小笠原委員、齋藤委員、渋谷委員、        杉本委員、寺嶋委員、西野委員、西村委員、沼尻委員、山崎委員、        吉田委員、森説明員、大川説明員 ○松田室長補佐  それでは、定刻よりも少し時間が早いですが、本日出席される委員の皆様方は席に着かれたと いうことですので、ただいまから「平成22年度 第3回水質検査の信頼性確保に関する取組検討 会」を開催いたします。  委員の皆様方には御多忙中にもかかわらず御出席いただきまして、大変ありがとうございます。  それでは、お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。議事次第に配付資料一覧を記載し てございます。配付資料を読み上げます。  資料1−1「埼玉県衛生研究所の取組(大川氏提出資料)」。  資料1−2「社団法人日本水道協会の取組(西野委員提出資料)」。  資料1−3「食品等検査の信頼性確保に関する取組(森氏提出資料)」。  資料2「取組の基本的方向性について(骨子)」。  資料3「具体的な方策の例について」。  資料1−1から資料1−3まではタイトルと資料の名前が違いますが、ここはそういうことで ございます。  あと、参考資料は2つございます。  もし資料に不足等がございましたら、事務局にお申し付けいただくようお願いいたします。  本日の検討会につきましては、松井委員が欠席でございます。  事務局でございますが、水道課から粕谷課長が出席しております。  また、昨日付で吉口水道水質管理官が水資源機構に異動になりまして、本日はオブザーバーと して参画いただいております。後任の管理官につきましては、少しの間空席ということでござい ます。  あと、本日、委員等ヒアリングにおきまして、埼玉県衛生研究所の大川主任研究員に出席いた だいております。併せて、もう一人、財団法人日本適合性認定協会認定センターの森さんに参画 いただくことになりますが、森さんは所用のため2時半ごろに到着予定でございます。  マスコミの方におかれましては、恐縮ですが、カメラ撮りは会議の冒頭のみとさせていただい ておりますので、御協力をお願いいたします。  それでは、これ以降の議事進行は運営要領に基づきまして座長の安藤先生にお願いしたいと思 います。よろしくお願いいたします。 ○安藤座長  それでは、私が進行役をしてまいります。  今日は非常に暑い中で、議論も熱くなるのではないかと思っています。これ以上暑くなったら どうしようかという気もいたしますが、しばらくの間御容赦をお願いいたします。  それでは、最初の議題についてでございます。「(1)委員等ヒアリングについて」です。前回 の検討会に引き続きまして、水質検査の現状について紹介いただくこと、食品等の他の分野の検 査の取組みについても御紹介いただき今後の取組みの検討に役立てていきたいという考え方でご ざいます。  本日は都道府県地方衛生研究所の取組みの事例として、埼玉県衛生研究所の大川主任研究員か ら御説明いただき、水道GLPという取組みにつきましては日本水道協会の西野委員から御説明 いただきます。もう一つ、いわゆる水道とは違った分野、つまり食品等の他の分野の検査の取組 みについて日本適合性認定協会の森さんから説明をいただこうと考えております。その後、ヒア リングをお願することにしたいと考えております。大体1人当たりの説明としては、質疑も併せ て25分程度を予定しております。  それでは、お願いいたします。 ○大川氏  御紹介いただきました埼玉県衛生研究所水担当の大川と申します。ちょっと風邪を引いており まして、話が聞きづらいかもしれません。よろしくお願いいたします。座らせていただきますが、 よろしくお願いいたします。 (PP)  まず埼玉県の水道概要からでございますが、水源といたしましては、利根川と荒川の水源をい ただいておりまして、県の企業局といたしましては5浄水場があります。  それから「61事業へ」とありますが、これは事業体の方へ供給しているということになります。 上水道、簡易水道、今のところ105となっておりますが、22年4月1日現在になりますと、事業 体とすれば合併等がございまして92事業体になりました。  供給といたしましては、水道水の供給というのは99.7%と非常によく普及しているところです が、埼玉県では99.7%ということであります。  その中で水質検査の概要といたしましては、私の関係で県内で営業されております登録検査機 関というのは58社ございます。県内の事業所を持つ側といたしましては、7社が県内で検査を実 施されているという状況でございます。  50項目の水質検査をどのようにされているかということになりますと、自己検査といたしまし ては3事業体が実施しております。これはさいたま市、企業団が1つ、水質管理センターの3つ でございます。  委託ということで20条の登録機関へ79、一部ということで4、これを合わせますと大体90% が登録検査機関へ委託しているという形です。  水道事業体から自己検査へお願いしますということにしているんですが、残念ながら私の衛生 研究所に対しましては事業体から50項目の検査依頼は現在ありません。それは非常に残念でござ います。 (PP)  0と言いました中で、一応5年ぐらいさかのぼりまして見ましたところ、平成10年辺りにはこ のような数の依頼を私の方で実施しておりました。  11年の浄水・井戸水0というのはわからないんですが、このような状況で衛生研究所と登録検 査機関の方で分けながら実施したということであります。  平成14年辺りから大体登録機関の方へ出したらどうだということがございまして、大分少なく なりまして、16年度はちょうど46から50項目に改正があったときだと思いますけれども、この 時点で依頼がありません。それ以降22年までないという状況であります。  しかし、依頼検査の電話等はありまして、50項目の検査をしたいんですけれどもという電話等 はあるんですが、金額等を聞かれまして、検討させてくださいということで、その後は音沙汰な しという状況で現在にきております。 (PP)  今、私たち衛生研究所の方でどのような業務をやっているかということでお話させていただき ます。  「1 依頼検査」ということで、当然50項目の検査がきた場合について、どの項目もできるよ うな状況での把握、50項目の検査ができる体制にしておりますが、料金が23万5,200円という状 況であります。前回、私も傍聴させていただいたんですが、これが安いのか高いのかというのは ちょっとわからないんですけれども、県の手数料条例で決めた値段が23万5,200円ということに なっております。  保健所等からの依頼検査は12項目です。理化学10項目プラス細菌2項目の12項目につきまし ては依頼検査でやっておりまして、年間約500検体の検査を実施しております。  続きまして、水質管理目標設定項目ですが54施設といいますか、この項目については一応事業 体27施設ぐらいのところから私の方に依頼検査としてきております。プラス農薬41項目という のは、情報提供ということで農薬についての検査料は取っておりません。水質管理目標設定項目 は昨年まで13項目だったんですが、今年から改正がありまして12項目になったんですけれども、 この検査料が9万3,070円という金額で、県では年間約500万円ぐらいの収入をさせていただいて おります。  「2 行政検査」がちょっと問題になるんですけれども、緊急時における行政検査ということ で、私では何か問題がありますとすぐに行政検査ということで対応させていただいております。 昨年度におきましては、工場の汚泥処理の関係で鉛が流失したということで、鉛及び化合物につ いての検査を時間等関係なくやらせていただきました。  あと、保健所からの依頼でプール水の関係なんですけれども、プール水でどうしてもそれなり の細菌数が出てしまう。残留塩素0.4という基準があるんですが、それ以上出しているんだけれど も、細菌数が200以上を超えてしまう。1,000とか2,000になってしまうということで、何回検査 をしてもそういう状況になるのでということで、私の方にやってくださいということでやりまし た。私の方で検査しましたら、当然基準内の200以内に入っております。それはどういうことな んだろうということをやってみましたところ、どうも登録機関の方に出されている。登録機関は 県内の登録機関ではなくて遠くへ運搬されているようだ。そういう運搬の時間プラス細菌ですの で、ボックスに保冷剤を入れていない状況で運んで中が暑くなり細菌数が増えていたという状況 で、あくまでもこれは登録機関の単純ミスだったと聞いております。  「3 調査研究」ということで、私の方ではゴルフ場農薬がございます。ゴルフ場が非常に大 半ということがございまして、一時農薬の関係があったものですから、そういう関係で実施して おります。  それから、クリプトスポリジウム実態調査です。埼玉県はクリプトが問題になりまして、その 関係で調査を実施しております。利根川につきましては相当長く、17年度から実施しております。 昨年から荒川水系の方でも実施させていただきました。これは10か所と書いておりますが、利根 川が6、荒川が6で12の間違えでございます。よろしくお願いいたします。どうしても時期的な ものが非常に多いものですから、昨年から実施しているものにつきましては、今年も荒川で1か 所だけ非常に多くの数を出しておりまして、今、検討している状況であります。  界面活性剤調査ということで、これも非イオン・陰イオンというものを平成8年辺りから実施 しておりまして、17年からアルキルフェノール及びビスフェノールAを分解物ということで実施 させていただいております。  原水中の医薬品ということで、最近、文献等でもいろいろ河川における医薬品の状況、動物用 医薬品ということで問題化されてきておりますので、私方といたしましても実態把握ということ で昨年度から実施することにいたしました。医薬品につきましては、今のところ12項目、動物用 の医薬品については64項目、合計で76項目を28検体やっております。  「4 精度管理」です。内部精度管理につきましては、私の方でそれなりの検査に対しまして は回収率等、多くのものについてそれなりの検討会等を開き内部の精度管理についてはその都度 対応している状況でございます。  外部精度管理は当然厚生労働省の方が主催になっております毎年の精度管理に参加させていた だいておりますし、埼玉県の方では県主催で我々が入っております58登録機関、ほかの行政機関 等にも参加していただきまして、私方が主催の外部精度管理を実施している状況です。  「5 研修指導」ということで、市町村の事業体の職員に対しまして、新しく職員になられた 方とか2年、3年目の人を対象に毎日検査の実習と、研修という意味で少しお話させていただい たり、そういう機会を持ちまして情報交換をやっている状況であります。また、検査の結果につ きまして、埼玉県の生活衛生課のホームページに載っています。 (PP)  先ほど言いました外部精度管理の概要でございますが、私のところは埼玉県水道水質管理計画 の中にございまして、作業部会の中に監視部会、研修部会、精度管理部会というものがございま して、そのうちの精度管理部会がこれに該当いたします。あくまでも県内で水質試験を実施して いる検査機関の精度の向上を図るということでやっておりまして、当然登録検査機関も一緒にや っていただいている現状であります。 (PP)  私たちが5年間に行った精度管理実施項目でございますけれども、17年度からやりましたとこ ろ、このように2種類を検討してやっております。昨年度につきましては、ホルムアルデヒドが 国の精度管理と一緒だったということでありまして、私の方といたしましても、どういうものを やろうかというのは部会で決まるものですから、やっております。  それから、22年度予定の考え方で、非イオン界面活性剤ということになっているんですが、非 イオン界面活性剤はちょっと難しいのではないかと考えておりまして、今からどのようなことを やろうかということで検討している段階であります。 (PP)  続きまして、昨年実施しました蒸発残留物、ホルムアルデヒドについての概要でございますけ れども、参加機関は46機関でした。登録検査機関につきましては強制ということではございませ ん。全機関には通知で参加してくださいということをお話しますけれども、任意ということで参 加していただいているものですから、49機関のうち大体57%、33の検査登録機関に参加していた だいております。項目的には蒸発残留物が46機関、ホルムアルデヒドが39機関でありました。 (PP)  判定です。これはなぜかといいますと、試料の配布、項目について決めるのは、お話しました ように部会で決めるわけでございますけれども、決まった後につきましての配布の仕方、数値の 取り方、最後の判定までは私方の衛生研究所で全部やっておりまして、数値を県の方に上げると いう形をとっております。  今回の蒸発残留物とホルムアルデヒドの判定基準は、このようにZスコアの絶対値が3以上か つ誤差率が10%、範囲を超えた場合の変動係数が10%を超えた場合ということで、国の精度管理 よりは非常に緩くなっているのではないかと考えております。  また、ホルムアルデヒドについては変動係数が20%を超えた場合ということにしておきました。  その結果、再分析機関が蒸発残留物については4機関、ホルムアルデヒドについては2機関で ありました。この6機関につきましては、全部登録機関でございます。  原因といたしましては、蒸発残留物についてはアルミ製の蒸発皿の使用は誤差が生じるという ことがわかっているんですが、一応そういうものを利用していたということ。それらか、希釈操 作ミス、単純ミスですけれども、そういう状況で外れたということで、再検査ということになり ました。一応そのような話をしましたところ、再分析では問題なく終わったということになりま す。  ホルムアルデヒドにつきましても、試薬が古かったとか汚染されていたということ、配布試料 の希釈、操作ミスということで、これはよく振っていなかったとかいろいろな状況を理由として 挙げてまいりましたので、そういうところを直しましたところ、一応2機関につきましても範囲 に入っていたということで報告を終わらせていただきました。 (PP)  こちらの方からこういうふうに話をしてくださいと言ったときに、水質検査と食品検査の違い はどういうことなんだということで、私方もどうなんだろうということで非常に悩みまして、一 応3つの点ということで、私の方で考えてみました点を挙げさせていただきます。  マトリクスの点からの違いということで、水質検査では妨害物質がほとんど存在しないという こと。マトリクスとしては同一のものとして扱われる可能性がある。したがって、検査法をマト リクスの違いによって使い分ける必要もなく、統一した検査方法で実施できるのではないかと考 えました。  精度管理の点から見ますと、変動というものを考慮する必要がないといいますか、精度管理は 食品検査に比べますと複雑にならないのではないかという点で、マトリクスの点からの違いを考 えてみました。 (PP)  次に検査感度ということで考えてみました。どうしても食品検査と水質検査を見ますと、食品 検査というと大体ppmの数値になると思いますが、水質検査はppb、pptの段階までまいります。 やはり1オーダー高い検査を実施しているものですから、それだけ低濃度になりますと、どうし ても変動係数は大きくなるということが考えられるということで、食品検査における精度管理目 標値と同様な設置で管理することが可能なのかどうか。それから、濃度に合わせて変動係数の許 容値を大きくすることが適切なのかどうかというのは検討が必要になってくると思います。 (PP)  検査値の影響ということで考えみましたところ、飲料水ということで書いておりますが、生活 に大きく関わっていることから影響が大きいということ。そのために水質検査の精度管理はより 厳密なものが求められるということ。  精度管理の組織上の管理運営につきましては、食品検査はGLPというものが非常に関わって おりますので、組織上の管理についてはそんなに違いはないと思うんですけれども、技術上の管 理運営については内部・外部精度管理、作業書等異なる部分があることから、これを踏まえた精 度管理が実施できる査察システムの構築が望まれると考えております。食品検査ですと濃縮が10 倍ぐらいなんですけれども、水質検査ですと500倍、1,000倍の濃縮の検査を実施しております。 そうしますと、当然変動係数といいますか、ちょっとした数字の違いによって相当の幅が出てき ます。その辺の幅をどこまで考えたものができるかという考え方は、内部精度管理といいますか、 組織の中で運営していく上でどのように管理者が運営し、より理解して内部精度管理をうまくで きるかということが非常に大きな問題になるのではないかと思います。外部精度管理のときには、 いただいた資料の結果を出せばよろしいというだけのことでございますので、また内部と外部で はまるっきり違う体制ができるのではないか。これが大きな問題としてあると思って、私自身は 考えてみました。 (PP)  必要な取組みの中にも先ほど御案内させていただきましたものがありますけれども、いろいろ な面を考えまして、当然機械の管理というものが非常なウェートを占めます。メンテナンスのウ ェートも必要だと思いますし、単純ミスですけれども記入ミスというものも大きなウェートを占 めますし、試薬の調整もある程度1,000ppmなり100ppmというものをつくりますけれども、その 保管期間の中で何か月で変えるか、それとも1年で変えるかというような使用期限の問題も大き なウェートを占めると思います。  それから、検査法ですが、水質検査につきましては今のところ公定法というものが1本化され ているものですから、その中で検査方法の共有化ということで、個人による変更防止ということ が出てくるのではないか。  それと、先ほど申しました精度管理において、内部精度管理の考え方、見方、やり方というも のが、検査をやっていく上においては非常に大きなウェートを占めると思います。そういう技術 評価というものが求められると思います。  外部精度管理への参加というのは当然必要なことですし、1回でいいのか、2回実施してほし いのかとかいろいろあるようですけれども、今のところはいろいろな面で参加させていただいて おりますし、してほしいと思います。  それから、都道府県でも、前回の栃木県はそういう試みはなくなったというお話があったよう な気がいたします。埼玉県では県の主催で外部精度管理も実施しております。  行政の役割として必要なことということで、やはり民間移行をする中で、抜き打ち、クロスチ ェック的なもの、行政の役割として必要といいますか、見ていきたいという考え方を持っており ます。  最後に事業体につきましては、今のところ民間さん等に出す場合については取りに来ていただ いて、結果が出るまで全部やっていただけます。しかし、事業体としてそれではよくないのでは ないか。埼玉県では専門性を持つために事業体とのコミュニケーションをとらなければいけない のではないかということで、年に1回ですけれども、集めて研修会をやっておりますし、事業体 の方々には結果だけではなくて、内容についてできるだけ把握していただけるような事業体のシ ステムを組んでいただきたいという考え方を持っております。  以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。  ただいま埼玉県の衛生研究所の取組みということでお話をいただきましたが、御質問ございま すか。いかがでしょうか。どうぞ。 ○西野委員  日本水道協会の西野ですけれども、わかりやすいお話ありがとうございます。  2つばかり質問させていただきたいんですけれども、県で行っている精度管理の項目なんです が、17年度から挙がっていて、先ほど部会で決められているということでしたが、実際にその部 会でどういう考え方があって決めているのかということがわかれば教えてほしいのと、例えばこ こにVOC項目が1つもないんです。それはなぜなのかということはわかりますか。わかる範囲 で教えてもらいたいと思います。あと、pHというのは勿論値が決まらないといけないと思うんで すけれども、どういうふうにやるのかということについて教えてもらいたいと思っているのが1 つ目の質問です。  もう一つ、去年の蒸発残留物の中でアルミ製蒸発皿の使用で何か所かアウトになったところが あるということでしたが、これは全体の中でアルミの皿を使っていたところは何か所ぐらいある んですか。そのうちの何か所がアウトになったかということがわかれば教えてください。 ○大川氏  最初の精度管理の項目の決め方でございますけれども、私は精度管理部会に入っておりません ので詳しい内容はわかりませんが、どのようにするかというのはある程度の基準の改正とか、ほ とんどは何年かしますとまた戻ってくるというような状況のサイクルとしてやっている状況であ ります。それから、注目されるということも少しは入っているのではないかと思いますし、VO Cについてなぜやらないのかというのは、私ではわかりません。  それとpHなどについては毎日検査という項目がございますので、そういう面を充実させる意 味で簡単なという言い方はおかしいんですけれども、一応毎回このような状況にしておりまして、 あとは機械を使ったり、例えば17年度ですとTOCというのは基準値が変わったりという状況で させていただいたということがありますけれども、VOCについてどのようやったかというのは わかりません。  2番目の質問で、アルミの皿ということにつきましては1か所でございます。 ○西野委員  1か所ですか。 ○大川氏  1か所でございます。1か所が使っておりまして、数的にも量的にも200mg/l超えという値を 出してきたという結果でございます。 ○西野委員  ちなみにどのぐらいの量ですか。要するに、水道事業体ですと、普通2けたぐらいになるのが 多いのではないかと思います。 ○大川氏  そううですね。約50mg/lぐらいの値を提供したんですけれども、200〜250mg/lの値を出してき たという結果でございます。  以上です。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○伊佐治委員  スライドの2ページで「2 行政検査」ということで、緊急時における行政検査とありました。 先ほど鉛の例を挙げて説明いただいたと思うんですけれども、私どもは水道事業体なものですか ら、行政検査というものはイメージ的には例えば県の行政の方から、これは異常なので、測定し なければいけないので衛研さんが測定されたというイメージを持つんですけれども、あくまでも こういった緊急時の測定検査をするか、しないかの判断は、事業体ではなくて行政がされるとか、 そういう意味で行政検査ということなんでしょうか。 ○大川氏  ほとんど行政の方で判断をするということがありまして、前回の説明で聞いていたのは緊急時 にどうするのか。登録機関で出すのかどうかという問題がちょっとあったような気がいたします けれども、私ども行政からしますと、そういう問題がありますと、できるだけうちの方で受ける、 行政の方で受けて、問題があればそれに対応するという形にする。あくまでも県庁の中に水道担 当がありますので、そちらの方に問題がいったものにつきましては、全部そちらの方で行政検査 として処理をするという形をとっております。 ○伊佐治委員  そうした場合には、やはり事業体から県の行政に事故情報が入って、その上で必要な検査につ いて指示がくるというイメージですか。 ○大川氏  そうですね。あくまでも我々とすれば、何かあってはまいりませんものですから、できるだけ そういうものに対応しなければいけないということで、幅広く考え方を持っておりますので、や らせていただきます。  それから、先ほど見ました利用水等の検査でもちょっとおかしいという疑問が保健所長からの 行政依頼できたものでございまして、やはり状況を考えて、どうしても行政でやってほしい、お 金も出せないという状況があった場合につきましては、できるだけ行政処理をするということで 対応しております。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○齊藤委員  行政の役割ということで、抜き打ちのクロスチェックをやってはどうかという御提案なんです けれども、検査機関を持たない事業体が多い中でクロスチェックをやる場合、どのような方法が 考えられるんでしょうか。 ○大川氏  検査機関を持たないというのは、どういうことですか。行政のことですか。 ○齊藤委員  事業体の方です。 ○大川氏  登録機関につきましては、事業体としてそういう規約があったような気がしています。あくま でもこれは我々県と登録機関との考え方で、今は厚労省の方が登録機関の関係は全部持っており ますので、我々もできません。できるだけできない部分を少しでも手助けできればという考え方 で、我々地方の衛生研究所、地方の県の方でもそれなりの対応をさせていただけるような、目が 届かない部分を少しでもできたらという考え方でございます。 ○齊藤委員  わかりました。要するに、各依頼する事業体がやるということではないということですね。 ○大川氏  そうではございません。 ○齊藤委員  わかりました。  それともう一点ですが、事業体とのコミュニケーションとして年に1回の講習会等を行うとい うのは非常にすばらしいんですけれども、依頼する事業体がなくなってきてしまったような状況 の中でも行っているということなんですね。 ○大川氏  はい。それは全く関係なく61事業においてやられているところにつきましてはできるだけ若い 人、新採の人、2年、3年目の人を対象にやはり水質検査というものはこういうものだ、浄水場 等でやっているのは今ほとんど機械でございます。濁度にいたしましても、機械で0.2度なりを見 るという状況になりますので、濁度とはこういうものだ、試料とはこういうものだ、臭気につき ましてはこういうものだというような毎日検査を主に検査されている状況での実習と説明をさせ ていただいておるということです。 ○齊藤委員  わかりました。ありがとうございました。 ○大川氏  なお、参加数は大体40施設ぐらいのところから参っております。 ○安藤座長  そのほかにございますか。どうぞ。 ○西村委員  検査精度の判定基準のところで、評価基準から外れた機関さんが何機関かあると思うんですけ れども、そのときの原因というのは、何か悪かったときにその機関さんが自主的に原因を究明さ れて答えてきたのか、それとも担当の方々が見られたのか。希釈ミスは大体見ればわかるんでし ょうけれども、その他の原因についてはどのような経緯でその原因を明らかにしているんですか。 ○大川氏  国の精度管理と同じで、機材、試薬、どんな物を使ったかというのは相当厳しく私の方で全部 チェックいたします。その中でこれは使ってはいけないのではないかということで、先ほどもお 話しましたアルミ製の皿を使っていたというのはちょっとまずい、陶器のものを使ってください というお話をさせていただいて、私の方で指示をしたということがございます。  あと、希釈ミスというものも非常に大まかな機材を使っているような状況がございまして、例 えばホールピペットを使いなさいとか、それに準ずるものを使いなさいということを指摘いたし まして、同じサンプルなんですけれども提供いたしまして、その結果をこちらにまた報告してい ただきたいということになります。 ○西村委員  わかりました。どうもありがとうございました。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西野委員  アルミ皿は告示法では使っていいことになっているはずなんです。何か所も使っているところ があります。 ○大川氏  そうですか。私どもの上水試験法ではあれだったような気がしたんですが、その辺は上水試験 法の方で見てしまったものですから、使ってはいけないということではないんでしょうけれども、 そういう誤差が生じるという話が書いてあったような気がいたします。 ○西野委員  それは付着するのでということで、下の方で言っているんですけれども、アルミは結構使って いる事業体も多いんです。だから、アルミイコールだめだと言われてしまうと、ちょっと困ると 思いました。 ○大川氏  私は上水試験法で見たものですから、アルミ皿に乗せると重量にばらつきが生じるという指摘 があったものですから、それを活用させていただきました。すみません。 ○西野委員  私の方でつくっているものなのでわかるんですけれども、告示法で一応いいことになっている ものをだめだと言ってしまうと、ちょっと問題があると思っています。 ○大川氏  それにつきましては訂正させていただきます。すみませんでした。 ○安藤座長  そのほかにございますか。どうぞ。 ○寺嶋委員  2点ほどお伺いしたいんですけれども、まず1点目は7枚目のスライドで県の精度管理に参加 している登録検査機関は58機関中33機関ということで御説明いただいたわけなんですが、これ に参加することを条件として、例えば事業体の入札参加資格にしているとか、参加していないと ころはだめだといったような対応をしている事業体さんというのはあるかどうかということ。  もう一点は、その下のスライドで「検査精度の判定基準」ということでお示しいただいている んですけれども、この評価基準というのはおおむね今の厚生労働省の精度管理でも行われている 基準だと思うんですが、一方で、2枚後のスライドで、特にこの基準が水質検査については少し 厳し目だということで御紹介をいただいたんだと思うんですけれども、個人的なお考えで結構な んですが、8枚目のスライドの基準値はもう少し緩くした方がいいのではないかとお考えなのか どうか。忌憚のないところを教えていただければと思います。 ○大川氏 最初の登録機関の58機関のうちの33機関についてですが、私の方ではそういう条件 などは一切つけておりませんので、あくまでもこれがどこへどのような内容でとか、登録機関と 事業体とが契約している内容についてはわかりません。  続きまして、一番難しいところを指摘されまして、私の方でも非常に困っている状況で、判定 基準というのは非常にウェートを占めるものですから、できるだけ基準は緩めたいという考え方 はあるんですけれども、先ほど申しましたように、水質検査というのは濃縮というものが非常な ウェートを占めているものですから、その辺での私たちの考え方とすれば、判定基準はこのぐら いで収めたいという気持ちでおります。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○渋谷委員  同じく4ページの21年度の実施結果で、先ほどの参加機関の話なんですけれども、私も埼玉県 でここにも参加しています。先ほどの細菌検査は私どものものでなくて実はほっとしているんで すが、部会の中で結果を持ち寄って、たしか私が知り得ている話ですと、機関ごとの実名がわか る形で部会の中で検討会を積んでいると確認しているんですけれども、それでよろしいんでしょ うか。 ○大川氏 部会というのは、今、渋谷先生からお話がありましたように、県の職員、民間の登録 機関の方が出席されて構成しているもので、約10名ぐらいで部会の活動をしております。その中 では、私の方でつくりました結果につきましては全部公表という形で、全機関の名前が出ている 状況で判断をしております。ですから、どこが悪いのかということは全部わかると思うんですけ れども、それは表に出るわけではございませんので、あくまでも検討委員会の中での対応でござ います。 ○安藤座長  どうぞ。 ○吉田委員  今の件でちょっとお伺いしたいんですけれども、そうすると、水道事業体側は58あるうちの33 の精度管理に参加した登録機関の名称はわからないのですか。 ○大川氏  事業体はわかりません。私の方に聞くなり県に聞けば、どこが参加していますということは公 表できと思います。 ○吉田委員  問い合わせをすればオープンにできるということですか。 ○大川氏  またこんなことを言ってしまうとまずいのかもれませんけれども、県の委員会での報告がどこ まで出ているかわかりませんが、あくまでも登録機関で参加しているのはここですという話はで きると思います。埼玉県の水道水管理計画の中の登録検査機関のどこかはわかりませんけれども、 委託しているということは全部こちらに載っております。ですから、どこへ委託を出しているか はわかりませんけれども、市町村と事業体がどこの機関へ出しているのはわかります。どこの登 録機関かはわかりません。 ○吉田委員  例えば県内の水道事業体が水質検査を委託に出そうとした場合、衛生研が実施している精度管 理に参加しているところを入札参加者として選ぶための情報が与えられるのかどうかということ でお聞きしたんですけれども、そこはオープンになっていないということですね。 ○大川氏  それはオープンになっていないです。 ○吉田委員  わかりました。 ○安藤座長  時間も押しておりますが、そのほかにいかがでしょうか。  私の質問に簡単にお答えいただきたいんですけれども、3枚目のスライドで、10年から15年ま での検体数が出ていますが、14年でさっと減った。この理由は何なんでしょうかというのが1つ です。減った理由が当然あるでしょうが、それは例えば県の方針だとか、そこら辺はいかがでし ょうか。 ○大川氏  県の方針といたしまして、この辺りから民間でできることについては民間へ出しましょうとい う話が持ち上がっておりまして、私の方でもこの辺りから改正等があった段階で全部を民間委託、 利用水等についても今まで行政でやっていたものを民間委託、ビル管の検査等につきましても行 政でやっていたものを県の方針として民間委託できるものはしていただきたいということがあり まして、そういうものにつきまして、民間の方へ出したという経緯でございます。 ○安藤座長  もう一つは手数料条例で23万5,200円という設定をなさったとなっていますが、これは当然根 拠があってということですね。 ○大川氏  あります。23万5,200円につきましては、1項目ずつ人件費、試薬、機器等の計算式がござい ますので、それに基づいた結果でございます。そういたしますと、1検体の件数の値が非常に高 くなります。そこでセット計算というものを設けました。その中で50項目についてはいろいろと 検討した結果、その値段に落ち着いたものであります。1項目にしますと5,000、6,000円という 金額になると思います。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○山崎委員  21年度の精度管理で21年度実績を載せてあるんですが、例えば登録検査機関は58分の33です ね。これは2〜3年の間に数字が変わってきているのか、ほぼ58分の33なのか。その辺のこと がもしわかれば教えてください。 ○大川氏  21年度は結果として33だったんですけれども、項目によっては増えておりまして、20年度は 多分40機関ぐらいあったと思います。  これは余談でございますけれども、先ほどの今年度実施する非イオンにつきましては、話かけ ているんですけれども、今のところ非常に少ないという報告をいただいておりまして、多分20に いけばよろしいのではないかと考えております。 ○山崎委員  項目によって変わってきたということですね。 ○大川氏   そうです。 ○山崎委員  ありがとうございます。 ○安藤座長  よろしゅうございますか。  それでは、また何か御質問があればお受けいたしますが、埼玉県の衛生研究所の状況は以上に いたします。どうもありがとうございました。 ○大川氏  どうもありがとうございました。 ○安藤座長  それでは、続きまして、日本水道協会の西野委員から日本水道協会の状況をお話いただきます。 よろしくお願いいたします。 ○西野委員  日本水道協会の西野でございます。この場所で説明させていただきます。座らせていただきま す。  表題は日本水道協会の取組みということですが、私はお手元にお配りしております資料で説明 させていただきます。  日本水道協会は上水道の事業体が入っているんですけれども、水質検査の専門研修というもの を2年に1回やっています。これは今1週間なんですけれども、2年前までは2週間やっていま した。これは全体の座学でやっているんです。  今日お話するのは、平成17年度から日本水道協会の中に水道水質検査優良試験所規範というも のを設けまして、その審査に当たっていますので、そのことについてお話をしたいと思っており ます。  資料の一番最後の紙を見ていただきたいんですけれども、これはA4の縦になっていますが、 裏表あります。昨日現在で63番まで認定検査機関があり、先ほど20条と水道事業体と勘定をし てみましたら、水道事業体は47か所で、20条は16か所でした。違っているかもしれませんが、 私がささっと見たときにはそういう感じでした。そういうことであります。  また一番最初に戻っていただきまして、1枚目の1ページの番号を打ってあります見出しのと ころは、名刺にこういうマークで入れられますということがあって、別に人格を保証しているわ けではありません。マークが入っているからといって関係ございません。  これからお話するのは2ページ目の「内容」のところに書いてございますけれども、今日はま ず「1.水道水の安全性の保証」ということで、皆さん御存じですけれども、やらせていただき ます。  「2.水道水に関する品質管理システムとその比較」をやらせていただきます。  「3.水道GLPの概要」を少し詳しくやらせていただこうということであります。  これも全体で20分ですね。 ○安藤座長  20分ぐらいでお願いします。 ○西野委員  3枚目のスライドは「水道水の安全性の保証」ですけれども、もともとは2つ目のポツに書い てありますように、水道水の安全性は水道水の水質基準を守ることで保証されていることになっ ている。  その下のポツにいきますけれども、ただ、基準を守るといっても水質検査によって値を出すわ けですから、高い信頼性がないと何とも言えないわけで、これを求めるのは当然です。  一番下のポツですが、もともと水道事業体というのは、水道事業体、検査機関を含めまして自 己認証をしていたわけです。自らでいい。これは時代とともに変わったのか、一時水道水の信頼 を損なったということで変わったのかわかりませんけれども、最近ではやはり第三者が認証、認 定をしないと信用がなくなってきたということが感じられると思います。  専門的になりますけれども、これからISO9001と水道GLP、ISO/IEC17025の比較 をしていきたいと思います。4番目のスライドをごらんください。縦方向にいわゆる要求事項が 書いてあります。下半分が品質保証、システムに関する要求事項です。番号があっているかどう かわかりませんけれども、4.1〜4.4ぐらいまでが品質システム、4の番号と私たちは言っていま す。上半分が技術的要求事項で5の項目以降ということです。水道GLPでは6という項目もあ りますけれども、こういう項目であります。  横軸に水質検査項目があります。これは今50になるかどうかわかりませんけれども、50項目で す。図は重複して書いています。ISO9001は下半分のところから書いてございますので、下半 分となると全部を埋めているわけではございませんが、言ってみればシステムの保証をしている。 こういうシステムでやっているということを保証していると見ていただければよろしいかと思い ます。  めくっていただきまして、ISO/IEC17025は同じように見ていただきますと、認定する機 関が多いですので、水道では検査項目ごとに実際にはとるということです。水道事業体では重金 属でとったり、更に隣の右側にあります揮発性有機化合物でとったり、場所によっては微生物も とってといるところがありますけれども、要するに検査方法単位でとっていくということで、細 長く上の方まで、最終的には測定のトレーサビリティーまで求められて、非常に厳しいことで評 価されるということがISO/IEC17025でございます。  ちなみに、今日吉田委員がみえていますけれども、東京都は水道事業体の中では一番最初にI SO/IEC17025を取っています。  6枚目のスライドは水道GLPの要求事項で、後でもう少し中身をお話しますけれども、技術 的事項まで見ています。しかも全項目について見ます。審査もそれに基づいてやっております。 ただ、後で話しますけれども、ちょうど妥当性試験は公定法で決めてございますので、妥当性も 確認しますが、測定の最終的なトレーサビリティーの厳しさまでは要求していないということで ございます。標準物資の使用などはありますけれども、そこまでは求めないが、どちらかという とISO/IEC17025に近い方の分類になるかと思います。  7枚目のスライドを見ていただきたいんですけれども、これは今お話した中身で、真ん中の図 だけ見ていただければいいんですが、左半分がシステム要件、右半分が技術的要件とISO9001 とISO/IEC17025と水道GLPについては、こういうふうに分かれますということです。要 するに9001は左半分しかないということになります。  8枚目のスライドですけれども、これも水道GLPとISO/IEC17025とISO9001を比 較したものでございます。  今お話した中身の3番目「審査内容」というところから見ますと、一番左側に水道GLPがご ざいますけれども、管理的要求、技術的要求、技術能力というものを審査要件にしております。  ISO/IEC17025は、一番下の技術能力というのは実際に技能確認もしています。  当然、一番右の9001につきましては、技術的要求事項はものによってはあるかもしれませんけ れども、技術能力までは見ないことを示しています。  「審査員」も見ていただきますように、システム審査員以外に、左側の2つは技術審査員が伴 う。  水道GLPと真ん中の17025で一番違うのは、水道GLPは必ず告示法でなければ取れません。 これは絶対に取れません。ただ、ISO/IEC17025は妥当性が確認されますと、告示法に限ら ず取ることができます。水道の水質検査に関しては、ここが一番の違いです。  9枚目のスライドを見ていただきますと、水道GLPの説明になります。これは日本水道協会 が定めた品質保証で、要求事項は既にホームページに載っておりますが、ISO9001とISO/ IEC17025の一部を水道の水質検査の実情に合わせて具体化したものが要求事項になっており ます。だから、水道の水質検査に特化したものだということになります。  規範の認定に当たりましては、日本水道協会の第三者といいますか、水道GLP認定委員会と いうものが組織されまして、その中で認定の審議が行われて決定することになります。  先ほど言い忘れたんですけれども、水道GLPの要求事項でISO/IEC17025は東京都が一 番に取ったと言いましたが、水道GLPの一番最初は今日見えている大阪市でございます。言う のを忘れていましたので、お話しておきます。  10枚目のスライドからはほとんど品質管理システムで要求するものと水道GLPも同じでして、 まずシステムの文書を作成しなさい。これは大体水道の事業体は余り得意ではございません。検 査するのは得意なんですけれども、平成17年ぐらいまでは遅れていたということになります。と にかくシステム文書をつくらなければいけないということがあります。これはすべての品質管理 システムも同じだと思います。  11枚目のスライドですけれども、責任を明確にするということで、水道GLPの中にもいろん な役割があります。その役割を明確化してもらわなければいけないということでございます。  12枚目のスライドで、特に試験結果の保証策、併せて技術力の保証として水道GLPで要求し ているものを9項目掲げてございます。  適正な教育訓練を実施してほしい。ここでは適正と書いてございますけれども、採水というの は結構大変で重要なんです。だから、例えばこれについて委託をしたりしまったり、更にほかの ところに出したり、ほかの者がやったりということですと問題ですので、そういうものも含めて 教育訓練をしっかりやって、その記録をとって、当然評価もしてほしいとしているのが1番でご ざいます。  2番目が技術管理責任者による試験結果の最終チェックです。とにかく技術の最高責任者は最 後に出すものは全部関与してくださいということでございます。  3番目は先ほど言いました公定法での実施と自らの標準作業手順書の作成です。要するにノウ ハウを入れたものをつくってくださいと言っております。だから、告示法の別表だけを書いてあ っても、そのまま認めるわけにはいいきません。  4番目ですが、必ず値を出すに当たっては挟み込み、標準物質で挟み込みをして結果を出すと いうことを確実にやってもらっています。要するに、最初にスタンダードをはかって、最後にま たスタンダードがぶれていないということを確認して値を出すということを完全にやってもらう ことにしております。  5番目は適切な検量線です。勿論検量線は告示法には細かく書いてございませんので、スタン ダードの数とかレンジ、相関係数を厳しく言ってあります。基本的にスタンダードの数は0を含 んで5点以上ということを原則にしていますけれども、レンジも一斉分析などでは非常に困るん ですが、決められた範囲内のものでスタンダードは0〜5個の間に入れてくださいということで す。  6番目、高濃度試料の取扱いを原則水道水と同時に取り扱わないでください。環境関係の試料 ですと1,000倍とは言いませんけれども、かなり高濃度で水道水と一緒の雰囲気でやりますと汚染 されます。そういうことで、原則、同時に取り扱わない。勿論機械で測定するときには間に洗浄 などを挟み込まなければできませんけれども、特に試験雰囲気は同時にやってもらっては困りま す。水道の方では高濃度試料というのはございませんけれども、そういうものを要求しています。  それから、内部精度管理の適正項目、適正頻度での実施です。精度管理をやるには当然50項目 全部はできませんけれども、ふさわしい項目というものがあります。先ほど埼玉県の方からもお 話ありましたけれども、あの中でどれがふさわしいか、ふさわしくないかということを言うわけ にはいませんが、精度管理になじむ項目についてはやってください。だから、あとの金属類とか 揮発性有機化合物は年1回以上の頻度で最低やってください。それで、先ほどVOCはどうです かと聞いたのはここにあるんですけれども、これは最低の条件です。そのほかは適宜私どもで確 認した項目をやってくださいということになっています。  8番目は国への外部精度管理への参加を義務づけております。Zスコアは国の方は3超で是正 措置でございますけれども、毎年水道GLPをとっているところは3月に結果を聞いているんで すが、2超できちんと是正措置をとりなさいということにしております。  適切な記録の作成と保存ということで、結果書だけではなくて原簿を含めてきちんと記録類は とっておきなさいということです。  あと、日常どのようなことをするかというのは、この辺は当たり前のことを書いてございます。 時間も全体として押していますので、ここは見ていただければわかります。20番までは飛ばした いと思います。時間があればまた後ほどお話しますけれども、20番までは実際に運用上必要なこ とを書いてございますが、これは飛ばさせていただきます。  21番目のスライドを見ていただきたいんですけれども、これは何回か座談会をやっています。 今日は『日本水道新聞』と『水道産業新聞』の方が見えているんですけれども、どちらでも座談 会をやっていただきましたが、そういう中でどのようなことがよかったかということを聞きます と、こういう5つばかりの答えが返ってきています。  まず検査結果の意義が再確認され、技術力が向上する。これは全部水道の事業体だけの回答だ と理解してください。  2番目、取得の過程で職員の和が育まれ、最後に一丸となれる。審査を受けるとほっとするの かどうか知りませんけれども、最初は厳しい中でやっていると思いますが、最終的には一丸とな れる。  3番目、何かあったときに何をなすべきかの筋道が明確化された。要するに手順が明確に書か れています。それから、SOPというのは自分のためにつくるのではなくて、ほかの人が見てわ かるようにつくってほしいということも要求していますので、とにかく筋道、何をすべきかとい うことがわかる。  4番目、記録化によりチェックが容易になるとともに、トレーサブルな記録が保管されるとい うことで、書けていけばどういう値が出ているかわかる。当然のことですけれども、そういうこ とがすべて残っているということになります。  5番目、とにかくつくったことで技術の継承に役立ったということを聞いております。  22番目のスライドにまいりますが、最初から完璧なものはないということで、当然なんですけ れども、20条の方は国からの届出などがありまして結構書類などが整っているんですが、水道事 業体はわからない。試行錯誤でつくっているところもありますので、とにかく完璧なものはない んだけれども、2番目にあるように運用しながら改善してください。認定時がスタートラインだ と思っていただいて結構ですということです。  それから、当然のことながら、つくったら、そのとおり実行してほしいということを言ってい ます。  一番最後の23番目のスライドですけれども、申請から認定までのスケジュールはどうかといい ますと、仮に年度の4月から8月までに文書類とか水道局側のシステム文書類が作成できて8月 の終わりに申請したとしますと、事務局が申請を受理して9月1日から試行運用するわけですけ れども、2か月間以上はやってもらうことにしております。  その下にいきますけれども、試行運用の中で臨時の内部監査、臨時のマネージメントレビュー を必ずやっていただきます。その間に右の方にいきますけれども、書類審査です。これは丸1日 かけます。4人で大体1日かけてシステム側だけは見ます。SOPまで全部見られませんので、 それはそれ以後になりますけれども、システム側の書類審査をまずやります。  その後、申請者側が質問に対して回答してきたり、不適合を是正したということになりますと、 ここでは11月になりますけれども、現地審査にいきます。その際、立ち会っていただくことにな りますが、現地審査は新規の場合は今のところ2日間かけて実施します。そのうち1日目はシス テム側、2日目が技術審査ということで、ほぼ主要な項目については全部見てくることになって、 その後、問題を是正しますと認定委員会にかけられまして、めでたく認定が取得されるというこ とになります。  ただ、先ほどお見せしました最後のページにありますように、いまだに新規のところが多くて、 申請されてもこういうようにスムーズにいかないので、半年待ちなどがいっぱいあります。そう いう状況で、その後、この表の一番下に書いてありますように、認定の2年後にサーベイランス 審査というものをやります。  23のスライドの一番下、認定4年後に更新審査というものがあります。更新審査というのはほ とんど初回の審査と同じようなものなんですけれども、初回よりも実は厳しく見ていきます。な ぜかといいますと、PDCAでレベルアップしていくことが原則ですので、そういう目で更新に 臨んでいます。  一番最後のページの10番目までが、今、更新を終わったというところでございます。  協会の方ではこれをやっていますと、当然実費はいただきます。新規のところですと、延べ20 人日ぐらいの日数といいますか労力がかかります。最近は22人日から25人日ぐらいの時間がか かって、1か所の審査が終了するということになります。  以上でございます。 ○安藤座長  ありがとうございました。概要が非常にわかりやすく御説明いただきました。  何か御質問ございますでしょうか。どうぞ。 ○浅見委員  大変貴重な内容の御説明をいただいてありがとうございました。  後の御説明との比較もあると思うので、審査員の方をどういうふうに設定していらっしゃるか と、もしこういうシステムをもうちょっと数多くした場合には、どういう障害がありそうかとい うことを教えていただきたいです。 ○西野委員  審査員はシステム審査員と技術審査員に分けて資格を付与しているんですが、基本的にシステ ム審査員はISOでいいますと、少なくとも内部監査員の講習は受けている人のレベルと考えて います。勿論そこで私どもの部長なり事務局長が判断することになりますけれども、簡単にいう とそういうことです。もっと、文書にはきちんと書いてあります。  それから、技術審査員というのはまずは実務経験を重要視しています。実務経験だけで言いま すと10年以上の水道の水質検査経験としております。これが一番の最低線と考えていただければ よろしいかと思います。  あとは問題点でしたね。 ○浅見委員  そうです。 ○西野委員  実は私もこの中の審査に行っているんですけれども、今日は水道GLPを取っているところの 方が多いんですが、最初は発足のころに審査員がどういうことをしていいかわからなくて、協会 には7地方支部があるので、その中で水質のエキスパートの方、寺嶋さんとか伊佐治さんみたい な方にお願いしたことがあったんですが、現職の方は時間的な余裕がないということが1つと、 検査は得意だけれども、システムは不得意だという方もいらっしゃるんです。技術審査員といっ てもシステムを半分は知っていなければいけないということもありますので、そこがあります。  一番最後はすべてそうなんですけれども、報告書を正確に書くということが必要なってきます。 見たことを正確に書いて認定委員会に報告しなければいけないということがございますので、そ こを見る目です。そこが一番ネックです。 ○安藤座長  そのほかはよろしいですか。どうぞ。 ○小笠原委員  先ほど実費をいただくということで20日ないし25日というお話をされていましたが、具体的 に幾らぐらいかかるかということ。  もう一点は、23ページでは4年後に更新審査というものがありますね。これは4年ごとに更新 していくということなんでしょうか。4年、8年、12年という具合に認定をしていくんですか。  この2つです。 ○西野委員  実費は20人日もらうわけにいきません。私どもは全体の水質検査のレベルアップということを 考えているんです。水道事業体を含めて20条の方も結果的には水道事業体に出すわけですから、 このレベルアップもしなければいけないということで、実質もらっているのは書類審査が2人分 と、現地に行く2日間、合計6人日分の人件費と交通費です。大まかにいいまして、交通費を除 きますと、初回審査のときは大体90万円ぐらいかかります。それから、サーベイランス審査のと きには35万円ぐらいかかります。更新審査のときには70万ぐらいだと思います。その間にいろ いろな情報交換などがありますので、2年目には5万円の維持手数料というものと、4年目には また5万円の維持手数料がかかります。特に審査はしませんけれども、先ほど言いましたように、 毎年逐次改正で試験法も変わっていますので、試験法が変わりますと全部SOPを確認しなけれ ばいけないですし、影響確認も全部しています。Zスコアも全部提出してもらって、私どもの中 でまとめているということもございますので、そういう費用を含めて、5万円はいただいていま す。だから、90万円、5万円、35万円、5万円、70万円です。90万円は1度しか出てこないん ですけれども、先ほど言いましたように、更新は4年に1回ということになります。 ○小笠原委員  わかりました。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。よろしいですか。  1つだけお伺いしたいんですけれども、最初に水質の専門研修を2週間とおっしゃいましたね。 ○西野委員  今は1週間です。 ○安藤座長  その対象の方というのは、どういうふうになるんですか。 ○西野委員  専門研修をやっているのは基本的には水道事業体です。2週間のときは来てくれるのは40人弱 だったんです。1週間にしましたら、その倍以上になってしまったんです。多分20条の方もOK だったと思います。ただ、座学が主体なんです。 ○安藤座長  これは大きな水道事業体も小さな水道事業体もということになるんでしょうけれども、40人と いうことですね。 ○西野委員  今はその倍の70人ぐらい来ています。大きな水道事業体は来ません。大きな水道事業体はどち らかというと講師をお願いしたりしていますので、来ません。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。よろしいですか。  御質問がないようでしたら、次にまいります。続きまして、日本適合性認定協会の森先生にお 願いいたしております。よろしくお願いいたします。 ○森氏  日本適合性認定協会、通称JABと言っておりますが、森と申します。よろしくお願いいたし ます。  本日は、食品衛生の登録検査機関のシステムを中心に、一部ISO/IEC17025とGLPの違 いを皆さんちょっと混乱されているところもありますので、それを説明したいと思っております。 よろしくお願いいたします。 (PP)  まず最初にGLPについてですが、これは皆さんよく御存じの話です。いわゆるサリドマイド ですとか食品添加物関係で不都合が起きて、その原因が最初のデータ出しにいろいろ問題があっ たということで、サリドマイドにつきましてはドイツで起きたんですが、アメリカのFDAがい ち早く試験データの信頼性確保ということで取組みを始め、1976年にGLP法案を提案しており ます。これは1960年代サリドマイド事件が発端であるということです。 (PP)  1978年までにいろいろと検討され、最終規則が公布されますが、それまでにFDAが米国内の 試験施設に対する予備査察を行ったところ、オリジナルデータが紛失しているとか信じられない ことがいっぱい起きていました。 (PP)  これではやはりいけないということで、1979年からFDAのGLPが施行されたということで す。この基本的な対象は市販薬も含めて薬、化学物質等々です。この中で組織だとか職員、手順 書等々について、いわゆる新しく開発された薬もしくは化学物質をFDAであるとか国に届け出 るときのデータというのは、こういう施設で作成されたデータでないと認めないということを言 ったものがFDAの出したGLPです。 (PP)  これを受けまして、OECDがこれは非常にいいということで、1981年にGLPの基準制定を しました。  1989年にGLPの適合確認に係る決定勧告が採択され、加盟各国にこれを入れなさいというこ とを言ったわけです。  こういうことを受けて、日本でもGLP制度というものが医薬品等を中心に導入されました。  1997年になりますと、OECDの加盟国以外であってもGLP基準を導入した試験所のデータを 受け入れるMADという相互承認制度が導入されました。 (PP)  日本のGLPにつきましては、1992年に医薬品から化審法ということで始まっております。  一方、お米ですったもんだしましたGATTウルグアイ・ラウンドでの合意により1995年に WTOが設立されています。この同じ年に食品衛生法が大幅に改正になり、指定検査機関制度が導 入されました。  指定検査機関制度が導入されると言っても何をするのか。15年ほど前に大騒ぎした記憶がある んですが、そこで1996年に具体的に試験室が行うべき内容が製品検査業務管理要領として通知さ れております。1997年には、食品衛生検査施設、つまり地方自治体の保健所、衛生研究所にも導 入されています。  2003年に食品衛生法の改正が行われて、公益法人以外の民間機関が可能になったということで、 門戸が開放されております。 (PP)  食品衛生法第8章で登録検査機関について規定されていますが、食品衛生法の第31条から四十 数条で決められているのは、非常にアバウトです。そこで食品衛生法の施行規則もしくは食品衛 生法規則というものが順次出され、そこで細かい事項が規定されています。  第31条の登録の申請ですが、施行規則の中で検査員の履歴書、製品審査部門と信頼性確保部門 の関係、要するに監査する側がどのようになっているのか明らかになる書類などの提出が要件と なりました。  第33条は登録の基準で、第1号の登録の要件で製品検査の種類ごとに保有すべき設備が別表と して細かく決まっている。これがだんだん実状に合わなくなり、現在では実質的に合っているも のに変わっております。  といいますのは、例えば残留農薬等の公定法は、地方の衛生検査とか保健所、どんなところで も試験可能というのが厚生労働省の方針ですから、GCとかLCが主体でした。それがポジティ ブリスト制が始まりますと、GC/MSもしくはLC/MSが試験法に採用されましたが、外部 査察等でLC/MSMSを使っていて指摘されたということもあります。いわゆるより実質的な ものということで、運用ができるような形に変わってきております。 (PP)  それから、登録の基準の信頼性の確保について、食品衛生施行規則で、先ほどの第2号の信頼 性の確保のための措置の内容が規定されております。  まず検査を行う部門を製品検査部門といいます。そこに専任の管理者、区分責任者を置きます。 これは専任ですから、区分責任者は実際には試験をしてはいけません。管理に専念しなさいとい うことです。区分につきましては、理化学的検査、微生物学的検査、動物を用いる検査がありま す。一つの区分が幾つかに分かれてもいいんですが、分かれていくといわゆる専任の管理者、区 分責任者が多くなりますので、ちょっとつらいものがありますから、この辺は試験室の規模に合 わせてということになります。 (PP)  信頼性の確保のための措置として、業務管理及び精度の確保に関する文書の作成について、別 表の13に定める標準作業書云々というものがいろいろと定められております。 (PP)  ハ)という形で、製品検査の業務管理及び精度の確保を行う専任の部門を置くことということ で、信頼性確保部門とございます。これは製品検査部門から独立をしなさいということがここで 決められております。 (PP)  食品衛生法の第8章の中では、第35条の検査機関の義務、第36条の施設の変更届けとござい ます。ここの中で勝手に廃止しても、所在地を変更してもいけないと言っております。これは登 録申請をしたときにとりあえずここの施設ですと言っていて、いつの間にかそこの施設がなくな ったりとか場所が変更していたりすることを避けるために、登録をしたときの施設というのはそ のまま維持、管理しなさいということです。  第37条では業務管理に関する規程を決めなさい。手順書なんですが、業務開始前、要するに登 録をする時点で厚生労働大臣の認可が必要です。登録の手続というのが平成7年に始まったとき は、私どもも監視安全課の方々がいわゆるGLPGメンという形でずっと回ってこられたので、 そこがするのかと思っていたのですが、結局は厚生局が申請窓口となりました。私どもは本部の ある厚生局に開始前に手順書等も全部含めて出しました。業務規程の中には製品検査の実施方法 SOPや、製品検査の手数料算出根拠の資料もあらかじめ提出いたします。こういうものの書類 審査が行われまして、登録が行われるということです。  先ほどの第36条と関係するんですが、第38条は無許可での業務停止です。これはやめてしま ってもだめだ。一部も含めてです。ですから、最初のときにいろんなことができますと言ってい て、いつの間にか一部をやめてしまうということを禁止しております。 (PP)  食品衛生法に基づきまして、施行規則で業務規程に定めるものとして業務を行う時間とか休日 もあります。それから、試験を実施できる件数の上限、業務を行う場所、検査項目ごとの手数料。 あとは、責任者の選定であるとか解任ということも、登録したときにはこういう人でしたが、い つの間にか区分責任者が若い人に変わっていたということがないようにする。結局、最初のとき に届け出たことを勝手に変えるなということです。そういうことがしっかり決められております。  登録検査機関における製品検査の業務管理について、食安監発第0323003号、課長通知で更に 詳しいことが出されております。これは食品衛生法施行例、食品衛生法施行規則というものを補 完した細則です。ここでは組織、各種標準作業書、手順書、内部点検、精度管理、どういうデー タ、記録を残さなければいけないのか、保存の方法、3年とか5年という保存期間も全部決めら れております。最後に外部査察です。  実際は厚生局による立ち入りです。私はこの4月から日本適合性認定協会JABに正式に移っ たんですが、それ以前は財団法人日本冷凍食品検査協会で、輸出入の試験・検査などを中心に行 っていました。外部査察を受ける立場で厚生局の査察がどのようなものであるかを簡単にご紹介 します。  厚生局は、定期的に年1回登録検査機関を立ち入りをしております。厚労省は95機関と言って おりますが、これは機関数です。冷凍食品検査協会や日本食品分析センターさんのように1つの 機関で複数の施設を持っているところが幾つかあります。多分施設数は約120ぐらいになってい るはずです。ここに毎年1回立ち入りが入る。  また、毎年厚生局の立ち入りの方法がどんどん変わってきておりまして、今後またどう変わる かわかりませんが、以前は輸出入の実績が多いところに重点的に査察に入っており、ほとんど入 っていない施設もあったんですが、それもどうかということで、今は1年に1回は必ずすべての ところに入るようになっているようです。  登録検査機関は命令検査とか指導検査という形で依頼者、輸入業者さんからお金をいただいて 試験をしているんですが、それ以外に検疫所が年間計画をつくってランダムにモニタリング検査 というものを行っているんです。そのときに検査機関と検疫所の検査がたまたま一致する場合が ございます。そういう場合にはデータを全部比較します。仮に検疫所のモニタリングのデータと 登録検査機関が出したデータが違っていれば、これは即立ち入りです。  あとは違反を出したからということで通常は臨時の査察は入らないんですが、輸入元、輸入国、 例えばアメリカだとか中国から異議が出された場合には、輸出入に関しましては厚労省、いわゆ る日本国、国と国という形になっておりますので、査察が入ることもあります。メーカーが直接 我々の検査機関の方に文句を言ってきて立ち入り調査をすることはあります。  そのほかに明らかに不適切な事例があった場合には、すぐに入ります。実は去年までは通常は 数日前に連絡がありました。大体地方厚生局も幾つかに分かれておりますので、規模もそこの管 轄になっている登録検査機関の数が違いますから、一概には言えませんが、2〜3日前もしくは 4日前、1週間前という形で連絡がありました。今後の情報としましては、どうも抜き打ちにな るという予定らしいです。実際に私が昔いた冷凍食品検査協会でも昨年突然監査に来ましたとい うことで、来られたことが1件あります。抜き打ちです。今後はそうなるのではないかと思いま す。といいますのは、やはりあらかじめデータを整理するとか、書類を準備するということがあ りますので、それを避けるようです。  実際の査察ですが、通常は3名で、うち技術者は1名です。技術に詳しい方が必ず1名入って いるようです。幾つかの登録検査機関に聞きましたら、1名の方がチームリーダーで書類の審査 をする。もう一名の方はどちらかといったら記録係のような形だそうです。通常は10時から入っ て16時ぐらいまでです。午前中は事務所で書類の審査をされます。午後は試験室の現場確認、い わゆるウォーキングスルーという形で、実際の標準品の管理であるとか、てんびんの校正の方法、 LCの保守点検の記録、現場での試験室の検査員に対するインタビュー等が行われております。 それ以外は書類審査の続きということです。  通常は、1件の試験の依頼ごとに、申請書から報告書まで全部合わせてということで一件書類と 言っていますが、どれかの受付の番号を指名し、それに対してずっと報告書の発行までを流れに 沿って審査されます。  審査終了後はコメントのみで報告書は出されません。立ち入り調査で検出された事項につきま して、不適格に当たるか当たらないかということを戻られていろいろ協議されて、不適格事項が あれば後日連絡があるということになっております。これにつきましては、後で是正をして回答 を出すということです。  直接的な顧客が試験室を選ぶ際に重視する要素としては、当たり前の話なんですが、大体値段 ですとかスピード納期、そのほかに検査機関が持つ知識や経験、そこの機関が持っている能力等々 になりますが、分野で異なりますが、一般的に価格が上位にランクされる。  そこで、不当な価格競争を防ぐためにどうしたらいいのかということが重要かと思うんですが、 ここで顧客ということです。ISO9001が2000年に改正になったときに、言葉が昔の依頼者、ク ライアントからカスタマー、顧客ということにすべて変わっております。ISO/IEC17025 もこの時点で変わりました。ここの直接顧客というのはいわゆる依頼者です。ただし、ISOで 決めた顧客というのはそのデータを最終的に利用する人、もしくはそれで恩恵を受ける人、被害 を受ける人という形になりますので、消費者ですとか規制当局ということになっております。で すから、以前言っていたクライアント、依頼者というのはどうしても直接的顧客に限定されがち です。依頼者と顧客では、試験所に期待するものが異なるということです。ですから、先ほどの 依頼者ということになっておりますと、どうしても値段、スピードということなんですが、カス タマー、顧客というものは質、もしくは試験データが世界的に通用するものかということを消費 者、規制当局というものが要求する。ここが大きな違いです。  試験施設、機関さんをだれが評価するかによるう分類があるんですが、第一者評価活動という のは内部監査がこれに入ってきます。例えば大きなメーカーさんが自分のところに試験室を持っ ている。この試験室がちゃんと機能しているかどうかを社内の中で別途内部監査をするところが 自分のところを評価する。これは第一者の評価活動と言っていて、自分のところの製品やサービ スが安心できるかものかどうか。これはISOの仕組みですから、試験室だけではなくて製品も サービスもすべてです。  第二者評価というのは、製品やサービスの購入者による評価になるんです。本来広い意味でG LPはここに入るのではと考えています。一番最初にGLPのところでちょっと御説明させてい ただきましたが、国が認めた製薬もしくは化学物質に問題が起きたということで被害が生じた。 それがサリドマイドも含めていろいろな問題が起きたときに、厚労省やその許認可をしたところ に消費者は目が向くわけです。だれがデータを出したかはわからないんです。GLPをきっちり しないと、許認可をする人、厚労省ですとか環境省とかFDAが責任が持てないので、データを 出すいわゆる試験施設に対していろいろ守るべき要件を出すわけです。  ですから、GLPというのは細かいことを示します。こうしてくれ、ああしてくれということ です。ISO/IEC17025とGLPが違うのはスタンスが違うということなんです。こういうこ とでないと私はこのデータを採用して、これがいいかどうかが判断できない。食品衛生のGLP でいけば、本来検疫所がしなければいけない輸出入の検査を検査機関に任せるわけです。先ほど 言いましたように、何か問題があればアメリカとかヨーロッパなどの国が言ってくるわけです。 そういうことになりますと、国と国になるので、細かいことまでいろいろと必要要件を決め、な おかつ発注した、認めたところがしっかりと仕組みを調査するというのが第二者評価活動なんで す。  ISO/IEC 17025での試験所認定はそうではなくて第三者評価です。輸出入試験については国が国 の登録検査機関を見るわけですから、それは国にとって都合の良い、日本の目線で認可している のではないか。日本にとって都合のいいような形で認可している登録機関が出したデータをどう してアメリカが受け入れなければいけないのか。もしくは中国が受け入れなければいけないのか というのが最近の傾向なんです。  水道水については、日本国内ということですから、厚労省が責任を持って消費者に提供すると いうスタンスであればGLPなんです。ただ、これから日本も観光立国になりますね。一番いい 例は中国が北京オリンピックをやった。今、万博をやっておりますね。そういうときには中国の 国民だけが満足して、問題があったら自国の国民だから黙らせるという話ではなくて海外から人 が来る。今、私たちは外国に行ったときに、そこの水というのはどうも信用できないということ でペットボトルを飲むわけです。だけれども、本当はそうではなくて、水質が合う、合わないと いうのはあるんですが、海外の方が来られたときにも水道行政というものが日本国民だけでOK ではなくて、海外的にも認められるということでISOを取っていただければうれしいと、これ はコマーシャルですけれども思っております。  第三者というのは、まさしく消費者なんです。お水を飲んでいる側の目線で見るという形にな っております。ですから、使用者側の利害もしくは組織とは全く独立したところがやっている。 これがISO/IEC17025とGLPの大きな違いなんです。あと細かい手順書がどうこうという 話ではなくて、いわゆるスタンスが違うということです。  それとILACという国際的な試験所認定組織がありまして、私どもJABはAPLACという 下部の地域の組織に属しています。私どものところで認定を受けていただくと、ILAC−MR A、複合シンボルを証明書に付けることができます。正直いいまして、ISO/IEC17025の認 定機関も2種類ありまして、国内でのみ通用するものと海外でもOKですというものがあって、 MRAが付くのは私どものJABと経済産業省関係のIAJapanと言われているところです。 ですから、幾つかのところが認定を取得されていますが、それは日本国向けで、ILAC−MR Aは付きません。ここはフィットフォーパーパスで目的によるものですから、日本国内だけなの で世界的には関係ないと言えば問題ないです。  ILAC-MRA相互承認とはどのようなものかということですが、実は私が今日ちょっと遅れてき たことにも関係あるんですが、今週月曜日から金曜日までAPLACからJABに審査が入って います。月曜日が初回ミーティングで、今回は5名来られました。所属する地域ごとに相互評価 が行われるです。それを全部とりまとめてILAC、国際ということになんですが、APLAC といいますのはAPECと同じ経済範囲ですので、アメリカですとかシンガポール、香港、イン ド、タイなどから来られています。それで4年に1回の相互承認評価をしています。月曜日は1 日中5名の方がいろんな分野の書類を見られました。私も火曜日に実際の審査について、審査す るところを評価されました。まだ結論が出ていませんが、不都合があったのではないかと思いつ つ、実は今ひやひやものなんです。そういうことになっております。  あとは我々の中で認定委員会ですとか技術委員会、審査員の評価システムというものを全部決 めていますが、技術員もしくは審査員はどういうふうにして審査員として受け入れて、評価して、 研修しているかということを今日も書類審査されている最中です。認定委員会の開催について、 再度確認したいことがあるとのことで急遽呼ばれたので、ちょっと来るのが遅くなったというの が実情でございます。こういうことを受けてAPLACの相互承認委員会で審議され、承認され る仕組みになっています。  先ほどちょっと言いました米国の最近の動向なんですが、そもそもGLPというのはある物に 対しての許認可のところの話で、特に薬品もしくは化学物質等です。アメリカでは試験所の認定 は第三者機関に任せようという動きになっております。FDAは厚労省ですけれども、ORAと いうのはFDAの規制問題事務局と言っていますが、ここが実際にいろいろと試験をやっています。 ORAが管轄する13の試験所では既にISO/IEC17025を取っております。  CDRHはFDAの下部組織で、放射線を出す医療器具や電気器具を管轄している機関ですが、 いわゆるマンモグラフィーというような乳がん診断機器の校正を行う機関もISO/IEC 17025を取得しております。  USDAの方は、いわゆる肉、魚という加工前の食品を扱っています。ここのFISSも全国 の試験場でISO/IEC17025を取得しているということで、先ほど言いましたように二者間で の話なのか消費者が入るのかというところで若干変わってきております。  あと、先ほどの食品衛生で登録検査機関向けに業務管理要領が出されているんですが、FDA もORA(規制問題事務局)が自分のところの13の機関だけではなくて、民間の機関やそれ以外の ところも閲覧できるようウェブ上に手順書等を公開しています。このまま日本語訳にしたら自分 のところのマニュアルになるのではないかというぐらいなかなかよいものです。  ボリューム1は、FDA ORAの品質方針です。  ボリューム2はISO/IEC17025そのままです。マネージメントシステムと技術的事項の要 求事項です。  問題はボリューム3です。これがボリューム2の要求事項のそれぞれの手順書、アプリケーシ ョンという細かいものが全部入っています。ここの中をよく見ると、こうやりなさいということ が本当によくわかります。  ボリューム4はトレーニングです。これはウェブ上をクリックしますと、例えば微生物試験で あるとか化学試験の質問事項が入っています。その後ろの方にキーワードというところがあって、 模範解答が書かれており、自分で勉強できるシステムになっています。これはなかなか使えます。  今、アメリカもちょっと最近変わってきたということです。どうしても規制当局だけで行うに は限界もあるかと思います。  長くなりまして、済みません。以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。  いかがでございましょうか。どうぞ。 ○浅見委員  大変興味深いお話ありがとうございました。  以前伺ったかと思うんですけれども、手数料といいますか、検査料は幾らで落札したかという 報告はございますか。 ○森氏  皆さんのお手元に資料としてお配りしております。これは先ほど言いました施行規則等でこう しなさいということが入っております。資料1−3の別表でこういう機械を持ちなさい、人を増 やしなさい。その次を開けていただきますと、検査手数料、認可申請書のサービスに関する事項 が書かれています。具体的なことは3枚目なんですが、ここのところに人と施設の直接物件費、 間接物件費が書かれています。更に指定検査機関に係る検査手数料、認可申請ということで、丸 が入っているところの下半分のところで細かいものが決まっておりまして、例が次のページでご ざいます。薬品類というのは使い切ってしまいますから、例えばアセトニトリルとかヘキサンが 2,000円だったらそのまま2,000を書きなさい。消耗機材は1回の検査、例えば使い捨てのもの、 それ以外のピペットですとかメスフラスコというものは金額の5%を1回当たりに上げろ。もう 少し耐性のあるもの、例えば最近よく使われているマイクロピペットの本体の方は購入金額の 2%です。これは分析機器です。GC/MSとかLC/MS、天秤は備品になりますので、これ は金額の0.01%です。そうでないと何千万もする機械ですので、とんでもない金額になります。 こういうものを実際に入れ込んで計算します。  人件費については3の下のところで、試験に関わっている人たち全部のお給料を平均します。 間接というのはそこの機関の事務をやっている人や理事であるとか役職者の金額です。そういう ものから人件費で出していく。  あとは右側のページなんですが、ここに書かれているような内容で一つひとつの試験項目に全 部を埋め込んでいきます。水道水だったら50個つくらなければいけないのでかなり大変です。1 回作成した後も例えば人件費が変わっていきますね。それから、人数が変わります。新しい機械 に変わります。そうすると、算出資料を作り直す必要があります。その都度、厚生局に提出しま す。ですから、厚生局も大変だと思います。  最後のページは直接物件費ですとか間接物件費の算出した内訳です。ですから、ここに全部持 っている機械器具を入れ込みます。こういうことを踏まえて実際の立ち入りでチェックされます。  それから、先ほど言い忘れたんですが、輸出入に関しましては倉庫に行ってサンプリングして こなければいけません。これは水道水と全く同じです。サンプリングする人も検査員でなければ いけないとなっています。資料の次のページに検査員の要件というものがありまして、大学もし くは高校卒であれば、経験何年が必要ということが書かれています。そうすると、サンプリング に行く、倉庫に行く人にも要求されます。ですから、ここのところがかなり足かせになり、とり あえず登録したが、実際に輸入食品の検査を実施するところが少ないということもあります。  以上です。よろしいでしょうか。 ○浅見委員  落札した価格を提出する必要はないんですか。以前、安い価格で落札してしまっている実績が 多いところを例えば重点的に見に行くということも効果的である可能性があるという話がありま した。 ○森氏  金額をまず厚生局に提出しています。登録検査機関の場合には立ち入り調査で年1回必ず行く んです。最初の方で施行規則の中にあったと思うんですが、財務諸表は5年間置いておくことに なっていますので、査察に行ったときに実際の手数料が確認されます。  それから、今、輸入業者さんへのサービスの一環で、検疫所のところに主な検査機関の料金表 が置かれています。検疫所の人も見ていますので、値段を安くはできないんです。輸入検査の場 合には、入札ではなくて輸入の乙仲さんが好きな検査機関に依頼するわけです。輸出入の場合は 毎日ですから、一つひとつ入札はしていられません。ですから、毎日この試験はこの機関が早い からここ、この試験はこちらということは確かに乙仲さんはやっていますが、我々も最初手数料 を登録してしまうと、金額が安いところに流れてしまうようなこともありますので、かなり情報 を収集してやらないといけない。ただし、ここまでの書類を出しますので、安くできないんです。 あとは100円、200円の世界で闘っています。そういう形になります。ですから、入札で値段が勝 手に下がる、安いところでやるとなると、大体検疫所などではわかりますので、要はどこか1つ のところに集中します。  あと、私どもが輸出入をしたら、必ず月ごとに何件受けたということを全部厚労省に出すんで す。厚労省、検疫所の方はそれを見ていて、数年前に不適切ということで登録を外されかけたと ころは試験所の規模に比べ試験量が多かったんです。それでおかしいということで立ち入りが入 って、問題点が見つかり、ペナルティーで何日間の業務停止ということになりました。ちょうど 指定検査機関から登録検査機関になるころに西と東で1つずつ、噂のあった機関がピックアップ されて指摘を受けています。それ以来、我々は恐くてできません。恐くてできないというか、で きない仕組みになったということです。 ○安藤座長  いかがでしょうか。どうぞ。 ○吉田委員  ちょっと教えていただきたいんですけれども、スライドの6番で、これは水道の場合も同じで すが、いわゆる指定検査機関から登録制度に変わった。今、料金について、資料1−3(参考) のところで細かく決まっていますというお話があったんですが、これは以前の指定検査機関制度 の場合のお話で、現在の登録機関制度の場合はどうなっているんですか。 ○森氏  それはそのまま続いています。 ○吉田委員  そうすると、登録機関の料金というものも認可料金なんですか。 ○森氏  そうです。 ○吉田委員  滅多にないというお話がありましたけれども、それより安いということはないんですか。 ○森氏  できないんです。 ○吉田委員  安く受注してはいけないという制度になっているんですか。 ○森氏  ページでいえば12枚目のところに、製品検査の業務に関する規程(業務規程)を決めないとい けないとあります。業務開始前に認可を受けなければいけない。その認可を受ける業務規程に手 数料を規定しなければいけない。ですから、業務規程の中に全部手数料が入るんです。 ○吉田委員  水道の場合も同じような料金が書かれているということなんですけれども、それは特にそれを 下回って受注してはいけないという制度ではないという認識でよろしいんですね。 ○松田室長補佐  認可制度ではありません。業務規程については届出をしなければならないということになって いますが、それ次第の認可制度ではないということです。 ○吉田委員  違いがあるということですね。 ○松田室長補佐  はい。 ○吉田委員  わかりました。 ○森氏  あとは規則ですとか課長通知などの形でこういうものが出されますので、これはこれを下回ら ざるを得ないということです。 ○吉田委員  もともと登録制度に移行したというのは、行政の在り方の改革の流れで食品衛生法もそういう ふうになったということですか。 ○森氏  そうです。 ○吉田委員  わかりました。 ○安藤座長  どうぞ。 ○西野委員  関連してですけれども、逆にこのおかけでやっているところがすごくもうかってしまう。安く しなくていいんだから、競争がなくなっているということは心配しなくていいのかということで す。 ○森氏  それは先ほども話がありましたように、輸入業者さんは値段と時間と納期を見て行きます。で すから、例えば生物などの輸入の場合には少々高くてもいいので早くやってくれるところ、乾物 ですとか冷凍食品などの場合には急がないから安いところ、業者さんはその辺の情報はすごいで す。ですから、我々の方も何かが変われば料金を全部変えていきますね。登録検査機関で輸出入 の試験をきっちりやろうと思うところは、そんなに高い値段にしていたらお客さんは来ません。  ただし、各都道府県には、輸出入の試験をほとんど行っていない登録検査機関があるんです。 先ほど言いましたように95機関ありますので、このうちで実質的にお客さんが来て輸出入の試験 をやっているところは3分の1あるかという感じがしております。半分はないと思います。それ 以外のところは登録検査機関ということで一般のメーカーからの依頼の受注、もしくはほかの分 野、例えば環境計量等の入札の要件になっていたりしますね。そういうことで登録されておりま す。ですから、輸出入に関しては申請した金額に拘束されますけれども、それ以外のところは別 に関係ありませんから、値段をダンピングしようが関係ないです。輸出入というか認可範囲です。 とりあえず1項目で登録されているところもあるかと思います。 ○西野委員  そうすると、極端な話ほかは全部安くしてしまっていいわけですね。 ○森氏  そうです。地方行政においては地方の年末年始であるとか、最近は地方の衛生研究所からアウ トソーシングするようなものがありますね。それは登録の項目でないとアウトソーシングできま せん。ですから、1項目だけやってそれ以外のところでアウトソーシングしてダンピングという ことはあり得ないわけです。 ○安藤座長  寺嶋委員、先ほど手が挙がっていましたね。ございますか。 ○寺嶋委員  ほぼ同じ質問になるかと思うんですけれども、要するに登録検査機関であっても一部の業務に ついては、届け出た内容でしか検査ができないと考えてよろしいんでしょうか。 ○森氏  許認可の部分についてはそうです。 ○寺嶋委員  それは今おっしゃられた輸出入製品の検査とかそういうものであって、食品会社が自ら検査し たいというときは別枠だということですね。 ○森氏  そうです。 ○寺嶋委員  そうしますと、水道の水質の検査精度、特に検査機関については登録検査機関制度ということ になっておるんですけれども、その中についても必要な部分についてはまた指定検査機関なりそ ういう認可制度に戻すことを考えた方がいいということをおっしゃられているんでしょうか。 ○森氏  指定登録というのはよくわからないんですが、登録のときに認める基準が食品衛生の場合には 細かいことまで決まっていて、ダンピングもしくは不適切な時間で、微生物試験でこの時間では できないでしょうという時間設定でやって、そういうことができない仕組みになっているという ことです。ですから、指定検査機関に戻せという話ではなくて、厚労省が通知や規則で出した要 件に基づいていれば、株式会社だろうが何だろうか登録してください。そのかわり1年に1回は 本当にやっているかどうか見せてもらいますという制度だと思っています。 ○安藤座長  どうぞ。若干時間もありますので、簡単にお願いいたします。 ○渋谷委員  登録のときにいわゆる技術力といいますか、検査結果について担保されているかどうかは確認 するんでしょうか。MLAPMLAPMLAPではそういったことはやっていると思います。 ○森氏  食品衛生検査の登録については、技能試験を受けているということだけしかないです。具体的 にありません。ただし、このほかにいろんなガイドラインがありまして、精度管理のガイドライ ン云々があって、こういうものをやって、ちゃんとデータも記録しなさいというものがあります。 ○安藤座長  どうぞ。 ○小笠原委員  今は登録検査機関についての手数料等々のお話ですが、財団設立のときに食品検査をしますと いう寄附行為で認可を受けますね。設立のときには検査手数料というのは関係していないんでし ようか。 ○森氏  最初に検査機関に登録するときの料金が規則で決まっています。今日持ってきている資料では ないんですが、1回目のときはこうしなさいというのは法律で決まっています。今、記憶にない んですが、たしか20万で、更新の手数料が13万になっていたと思います。 ○小笠原委員  実際に食品検査をするときの手数料、検査料は、財団設立のときには条件にはなっていなかっ たんでしょうか。今、財団法人でおやりになりますね。 ○森氏  私ですか。 ○小笠原委員  はい。今の説明は違うんですか。今の検査機関として手数料を決めて、それが認可事項になっ ているので簡単に変えられないというお話が大きな流れだと思うんですが、例えば水道水質の検 査機関として財団法人のところもあるわけです。財団法人の設立のときに、寄附行為で水質検査 をしますと当然書かれるわけですが、そのときの記憶がないので教えてほしいんです。 ○森氏  それは全然関係ないです。 ○小笠原委員  それは関係ないんですね。 ○森氏  はい。それは関係ないです。登録検査機関への登録の話です。財団法人の寄付行為では手数料 等の取り決めはありません。本質的に株式会社だろうが、財団だろうが何だろうが、要は健全に 会社運営をしていればダンピングはできないはずなんです。 ○小笠原委員  わかりました。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  今日、森さんには水道とは違った食品衛生というものを中心に、GLPあるいはそのほかの制 度がどうなっているか、そのデータを担保するにはどうなっているかということをお伺いいたし ました。それに対して水道の水質検査データというのは、これからどうしていったらいいのか。 当然この会が設けられたということからすると、今のお話も含めてどうしていくかということに なろうかと思います。  森さん、どうもありがとうございました。 ○森氏  どうもありがとうございました。 ○安藤座長  それでは、お三方のヒアリングは以上にさせていただきます。  続きまして、次の議題「(2)取組の基本的方向性について」です。前回の検討会において、水 質検査を取り巻く状況を踏まえ、取組みの基本的な方向性について議論いただきましたが、2回 の検討会で提出された意見を踏まえて、事務局と相談して取組みの基本的な方向性の骨子の資料 を用意して討議をお願いしたいと考えております。  それでは、事務局から御説明をお願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、資料2につきまして、説明したいと思います。  まずこの資料につきましては、第2回の検討会のときに取組みの基本的方向性について検討の 視点を基に議論いただきました。そこで関係者の取り組むべき姿勢、水道事業者、登録検査機関、 厚生労働省の取組みごとに前回までに各委員の方から提出された主な意見を基に方向性を示して いるものでございます。テーマごとに現行制度でのアンケート結果などの水質検査を取り巻く状 況について、関連のある部分を背景に示しまして、その上で意見を整理しているということでご ざいます。  「(1)水道水質検査に関する関係者の取り組むべき姿勢」でございます。  「背景」につきまして、水道事業者、登録検査機関、厚生労働省が制度として求められている 部分、水道事業者の水質検査が登録検査機関に委託せざるを得なくなっている部分、水道水質検 査に関する特徴を示す部分を書いております。  2ページは「方向性」でございます。これについては、方向性の枠囲いの下に「第2回検討会 までの主な意見」が書かれていますが、こういうものも含めて上での方向性ということで示して おります。読み上げます。  「方向性」。  「水質検査は水道水質管理の基本となる業務であり、水質検査を自ら行う場合も委託して行う 場合において、水道事業者等は水質検査の結果に責任を持たなければならない。  水道水の水質は非常に清澄であることが一般的であるが、常時清浄な水を供給することが求め られるものであり、水道事業者等は、原水の水質変動を監視しつつ、水質汚染事故が発生した場 合には迅速かつ的確に対策を行う必要があることから、水質検査の体制を確保することが不可欠 である。  自己検査体制を確保することが困難になり、水質検査を外部委託する水道事業者等が増加する 状況にあることから、1)水道事業者等による適切な登録検査機関への業務委託と検査結果の確 認、2)登録検査機関による水質検査精度や信頼性保証の確保、3)厚生労働省による登録検査 機関が検査精度を確保するための適切な指導・監督を行う等、関係者が一体となって水質検査の 信頼性を確保するように、具体的な措置を講じるべき。  一方、中小水道事業体では、水質検査に係る知識、経験を十分に備えた職員が少ない又はいな い状況にあることから、これらの水道事業体が求められる取組みを行えるよう一定の支援が必要 である」。  3ページ目にいきまして「(2)水道事業者等の水質検査」です。  これにつきまして、まず1つ目の○として、水道水質の精度管理の確保について書かれており ます。  「背景」として、水道事業体におきまして、登録検査機関に水質検査を委託するときに内部精 度管理の実施状況を把握していない場合がある。  また、水質検査を委託する機関を選定する際に、料金が安いことや近隣の機関であること、厚 労省の外部精度管理調査結果がよいことが多く挙げられている。その一方で、水道GLPなどの 精度管理の信頼性が高い機関を対象にする割合は余り多くなかったという背景があります。  あと、水道事業体が自己検査を行う場合において、内部精度管理や外部精度管理の実施を行っ ていないというケースも見られるということがあります。  「方向性」でございますが「水道事業者等において、水資検査を登録検査機関に委託する際に おいても、当該機関の精度管理の状況について、厚生労働省等の外部精度管理調査結果のみに委 ねるのではなく、自ら確認すべきではないか。  発注者において、登録検査機関の選定条件について、精度管理の保証を重視すべきではないか。 その際、水道GLP、ISO17025の資格を有する検査機関やこれらの資格に準じた技術的能力を 有することを示す検査機関を要件とすることも選択肢として考えられるのではないか。  一方、厚生労働省の外部精度管理調査は、良好な評価結果を示した水質検査機関であっても、 この1回の結果だけをもって、日常の水質検査の精度が確保されていると見ることには慎重に考 えるべきであり、階層化評価の結果は登録検査機関の優位性を決定づけるものではないことに留 意すべきではないか。  水道事業者が自己検査を行う場合において、内部精度管理や外部精度管理の実施を行っていな いケースもみられ、水質検査の精度の確保に一層努めるべきである」。  4ページ目にいきまして○の部分です。水道事業者などの水質検査委託時における適切な水質 検査実施の確保です。  「背景」として、水質検査は登録検査機関に委託する際に、指名競争入札により検査機関の選 定を行う。これによって検査料金が低くなる傾向にある。  2つ目に、水道事業体が水質検査を委託する際に登録検査機関以外の機関に委託する事例、水 質検査の依頼内容が明確でない事例、水質検査実施に必要なコストが見込まれない低廉な価格で 業務を委託する事例、事故などの水質異常における迅速な対応が考慮されていない事例など不適 切な事例が見られる。  また、一部の事業体では水質分析の成績書の提出だけを求め、水質検査の内容を把握しない場 合も見られるということがございます。  5ページ目にいきまして「方向性」です。  「水道事業者等は水質検査を実施する責任を有しており、水質検査を検査機関に委託する場合 も、検査機関において水質検査が適切に行われるように遵守すべき事項を明確にすべきではない か。  水道事業者等は、水質検査を登録検査機関に委託する際において、一定の価格競争が起こる場 合においても、水質検査の精度を確保するために必要なコストを負担した上で、適切な水質検査 実施の確保に重点を置くべき。  水道事業者等は、水質検査の適切な委託を行うために、精度が高い水質検査を確保するための 作業内容を仕様書に記載し、適切な検査の実施に必要な価格設定であるかを確認した上で、水質 検査を登録検査機関に委託し、水質検査内容や精度管理内容を確認できる体制をとるべきはない か。  不正行為が判明した場合は、委託契約に基づく措置を講ずるとともに、登録検査機関を監督す る厚生労働省にも通報することが考えられるのではないか。  水道事業体の中でも、水質検査のノウハウを持つ職員が不在若しくは少ない場合には、水質検 査結果のチェックが容易ではない場合もあることから、これらの水道事業体への技術的な支援策 として、標準仕様書、水質検査内容のチックリストや標準歩掛り等を検討するとともに、これら の職員に対する研修事業の実施など、都道府県等水道行政や地方衛生研究所、水道関係団体にお ける技術支援を検討すべきではないか」。  6ページにいきまして、水質異常時などの危機管理体制の確立です。  「背景」として、事故や豪雨など水道原水の水質汚染は非定常に発生。  また、供給者の要請に応えた水質検査を速やかに実施する機会もある。  水質検査委託契約の中で、緊急時の水質検査のとり決めがなく、臨時検査の速やかな実施に不 安がある事業体が存在する。  この点を踏まえ「方向性」でございますが、7ページにいきまして「水道事業者等は水質検査 を委託する場合において、突発的な水質検査の実施も考慮して検査を実施する体制を確保するこ とが必要ではないか。  水道事業者等は、日常の水質検査のみならず水質汚染事故にも迅速かつ的確に対応するため、 緊急時に速やかな水質検査の実施が可能な登録検査機関を重視すべきではないか。  水質検査委託契約の中に、事故等の水質汚染や供給者からの要請等に対応する緊急時の水質検 査の取り決めを明記して、必要なコストを負担した上で臨時の水質検査にも適切に対応すること が望ましいのではないか。  緊急時に、中小水道事業者が状況に応じた水質管理上の助言や支援を迅速に得られるよう、厚 生労働省や都道府県等水道行政担当部局との連絡体制の確保はもとより、近隣の大規模な水道事 業者との水質管理に係る連携ネットワークの形成を図ることが重要ではないか」。  8ページにいきまして「(3)登録検査機関の水質検査」です。  適切な検査を確保するための検査料金の確保ということで「背景」として、登録検査機関の受 託する際の水質検査料金については、受注競争や委託者の価格設定に応じて業務規程の料金より も安くなっている場合がある。  また、登録検査機関の受託件数にばらつきがある。一部の機関では多くの水質検査を受託して いる。また、検査員数や検査機器の保有台数と受託件数の関係に関連性は見出せない。  一部の登録機関では、検査料金を安くすることによって人件費の抑制や検査設備の保守などの 観点で問題が発生すると認識している。  あと、検査料金に設定では、人件費や物件費などが考慮されているが、算定根拠の公開につい て可能とする機関は必ずしも多くはない。  検査料金の過度の価格低下によって必要なコスト回収が困難となって、検査の品質の低下の懸 念が生じている。  食品衛生法では、先ほども紹介がありましたが、業務規程に定める検査料金について、その算 定根拠も併せて厚生労働省に届出することが義務づけられている。  こういうことで「方向性」として「登録検査機関が、一定の経営戦略をもって検査料金の設定 を行うことによって、登録検査機関によって検査料金が異なる事自体は問題ではないが、登録検 査機関が水質検査を適切に実施しないことによって、検査価格が不当に下げられることはあって はならない。  登録検査機関は、検査員や検査設備等の規模や能力に応じて、検査員の人件費、検査に要する 物件費や検査設備の保守点検等に係る費用をそれぞれ考慮したうえで、採水、運搬から水質分析 に至る水質検査を適切に実施することができる費用を明確にすべきではないか」。  9ページにいきまして、登録検査機関の適切な水質検査の確保でございます。  「背景」として、検査機関につきましては、組織体制を整備して標準作業書などのマニュアル 化を行うということで、統一的に正確な検査結果を得るための体制を構築して、水質検査の精度 の確保に努めることが求められています。  外部精度管理調査では、その一方で培地や試薬、器具や装置、試料の採取及び保存、試験操作、 検量線の作成の事項について検査法告示、標準作業書どおり検査が実施されていないことが明ら かとなっている。  また、登録検査機関が水道事業者などから直接契約せず設備保守管理機関から検査を受託する 場合、書面により契約の当事者、契約内容を明確にしない場合、別の登録検査機関に水質検査を 再委託する場合など契約形態が適切でない事例も明らかになっています。  試料採取や運搬についての標準作業書や検査法告示に定める検査方法と一致していない機関も 存在している。  こういうことを踏まえて「方向性」でございますが「登録検査機関は、検査方法について、標 準作業書を整備するだけではなく、水質検査の精度や品質管理保証体制を確保したうえで、標準 作業書に従って水質検査を適切に実施すべきではないか。  登録検査機関が遵守すべき水道法第20条の6に定める検査方法において、検査法告示や標準作 業書に定める検査方法に基づくこと等基本的な検査に関する行為を明確にすべきではないか。  登録検査機関の検査に関する不適正事例を踏まえ、検査法公定法について、1)培地又は試薬、 2)器具及び装置、3)試料の採取及び保存、4)試験操作(前処理、分析)、5)検量線の作成 の事項について、遵守すべき基礎的な作業を明確にしたうえで、登録検査機関の水質検査部門や 信頼性保証部門のチェックの強化を促進すべきではないか。  水質検査の信頼性を向上するため登録検査機関による自主的な取組を強化するとともに、日常 的な水質検査に関する検査員の水質検査法や水質管理に関する知識と技能の向上のための取組を 強化すべきではないか」。  10ページを飛ばしまして、11ページでございます。水道事業者などの水質検査に関する能力に 応じた登録検査機関の果たすべき役割です。  「背景」として、登録検査機関には浄水処理の工程管理や突発汚染事故時での対応などに対し て、経験を踏まえた相談や水道水質危機管理への貢献が可能な機関と、そうではない、水質検査 が実施可能な機関の2つのタイプがある。  登録検査機関の中には、水質検査の精度の確保はできるけれども、工程管理や水質変動あるい は突発水質汚染などへの対応には全く経験がなく、水道水質の危機管理に助言できない機関も存 在する。  「方向性」でございますが「浄水処理の工程管理や突発汚染事故等の危機管理対応について経 験と知識を有する登録検査機関は、技術基盤が脆弱な中小水道事業者等からの業務の受託にあた って、水質検査のみならず浄水処理の工程管理や水質危機管理に関する助言や相談を積極的に行 うことが望ましいのではないか」。  12ページでございます。「(4)厚生労働省の登録検査機関への指導・監督」でございます。  「背景」として、平成14年3月に閣議決定された公益法人に対する行政の関与の在り方の改革 実施計画に基づいて、平成15年水道法が改正されています。これによって一定に適合していると 認められる者から申請があったら、厚生労働省は登録しなければならないということがございま す。  一方で、立入検査などの規定が整備をされていて、厚生労働省は指導・監督を厳格に実施する ことで登録検査機関の適切な事務・事業の実施を担保する仕組みとなっている。  また、登録に当たっては、登録検査機関の業務対象区域を明らかにするということがされてお り、12時間以内の迅速な検査が可能な区域を対象としている。  その一方、登録検査機関では、試料採水後、半日を超えて検査を行っている場合もあり、生物 項目については検査法告示に定める検査法を遵守できておらず、輸送方法によって影響を受けて いる可能性もある。  登録検査機関は検査料金や受託件数上限等の内容を含む水質検査業務規程を定め、水質検査業 務の開始前に厚生労働大臣に届け出なければならない。  登録検査機関の受託件数や検査料金が業務規程に定める内容と異なる場合が見られ、過度に安 い金額で大量に業務を受託する場合においては、日常の水質検査業務における精度の確保が懸念 される。  厚生労働省が行う外部精度管理調査は、統一試料の送付、参加機関による検査、検査結果の回 収、階層化評価の実施、登録検査機関の一部への実地調査及び評価結果の芳しくない検査機関へ の実地調査による精度の改善の指摘による方法で実施されている。  これについての「方向性」でございますが「試料の採水や運搬についても水質検査の一環であ ることを踏まえ、登録申請時において登録検査機関が行う方法が適切か厚生労働省は確認すべき ではないか。  登録検査機関の検査区域について、登録検査機関が責任を持って速やかな検査を実施できる地 域を対象とするように、厚生労働省は審査すべきではないか。  水質検査業務規程において定める水質検査料金・受託上限について、登録検査機関の検査体制 や検査方法を踏まえた算定根拠も明示できるようにすべきではないか。  厚生労働省が行う外部精度管理調査は、調査結果から改善すべき点を明らかにすることで検査 機関の精度管理の自主的な向上に寄与することが期待される。この趣旨からすると、本調査によ る登録検査機関の評価について、標準試料の検査結果を踏まえ改善すべき点の是正措置の確実な 実施に焦点を当てるべきではないか。  厚生労働省は、外部精度管理調査とは別に、登録検査機関の日常の水質検査業務の指導・監督 を実施することが適切ではないか。水道法第20条の6に基づく登録検査機関が行うべき検査方法 において、検査の実施に伴う行為を具体化するとともに、水道法第20条の14に基づく保存すべ き書類において、登録検査機関の日常検査の内容を追跡できる資料を追加することによって、厚 生労働省による登録検査機関に対する指導・監督の実効性を高めるべきではないか。  厚生労働省は、登録検査機関への日条検査の指導・監督を行う体制を構築すべきであり、その 結果に応じて改善命令等の行政処分も含めて対応を検討すべきである」。  以上でございます。 ○安藤座長  ありがとうございました。  この検討会の第1回、第2回、今回の3回から「背景」と「方向性」ということでお出しいた だきました。何かございますか。どうぞ。 ○西野委員  確認です。私1回目と2回目に来られなかったので申し訳ないんですけれども、3ページの「I SO17025」というのは正確に書いた方がいいと思います。多分「ISO/ICE17025」です。 これは3か所ぐらい出てきますので、それは「ISO/IEC17025」にすべきだと思います。  あと、5ページ以降「方向性」の中に「ではないか」とありますが、この表現はどうして「で はないか」にしたのかということをお聞きしたいと思います。  出ていなくて申し訳ないんだけれども、7ページの「方向性」の中の一番最後のポツのところ に「緊急時に」と書いてあります。この緊急時というのはどういう意味なのかということ。  あと、水質管理に係る連携ネットワークをやった方がいいのは当然なんですけれども、水質検 査と直接関係するのか。例えばWSPの方でやるというのはよくわかるんですけれども、そこが 気になったところです。  その次も出てくるんですけれども、8ページの「方向性」の中の1つ目のポツの3行目「適切 に実施しないことによって」というのは、何をもって適切でないというかということなんです。 この後に出てくる検査機関の方で、告示法どおりにやっていないというのは適切でないというの がはっきりわかるんです。ところが、告示法に細かく書いていないから自分たちの判断でやって いるというのは何か所もあるわけです。それをもって適切でないと言ったら、言われる方は迷惑 な話なんです。だから、そこのところを聞きたいです。  9ページのところにも「適切な水質検査の確保」というのがすべてに影響するんですけれども 「方向性」のすぐ上のポツの終わりの方に「標準作業書や検査法告示に定める検査方法と一致し ていない」というのは明らかなんです。これはもう悪いに決まっているんです。  ただ、一番気になっているのは告示法です。抜け道というのは悪い表現ですけれども、例えば 検量線の数というのは指定していないものもいっぱいありますし、サンプル量も10〜100と書い てあれば、私たちがつくるときは、サンプル量は100というものを下げたのは濃いところは下げ なさいというつもりでつくったのに、受け方は10でやってしまう。濃縮するのも1割減らす、10cc を1cc減らすのと、100ccを90ccにするのではエネルギーもすごい違うので、この問題を告示法 は守っているんです。これは書くときにうまく書いてほしいんだけれども、明確にうたっていな い。  例えば用時調整などにつきましても、1回の用時調整で3日間連続して試験をやればそれでい いのかとかね。わかりますか。検量線はその都度つくりなさい。ところが、そのまま200検体ぐ らいずっと検査をやってしまえば3日ぐらいかかる。その間、検量線はつくり直さないとか。西 村先生は、「毎日つくるのは当たり前だ。」とよく言われます。当たり前というのはわかっている んですけれども、そこまで書いていないと、そういうことをやっているのが結構あるのではない かと思います。  いっぱい言ってしまいますが、11ページの「方向性」なんですけれども、浄水管理の方は別の ノウハウではないかと思います。検査ノウハウではないと思っています。当然これを別料金にし て、あるいは同じ料金の中でやればうちはできると言って売りにすればいいわけであります。勿 論あった方がいいんですけれども、ただ、うちはこういうことができるという自分のところの売 りだと思っているんです。とるときの売りではないかということなので、そこのところです。  あと気になったのは、12ページの「背景」ですけれども、3ポツ目に「12時間以内」書いてあ ります。細菌の検査は12時間と書かれているから、多分それで12時間と書いたんだろうけれど も、これが24時間になったらどうするのか。これもまた別問題でもあるので、その辺もちょっと 考えておいた方がいいのではないかと思っています。  以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。  事務局で幾つかについてお答えいただけますか。 ○松田室長補佐  今、西野委員からかなりいっぱい意見をいただきましたので、漏れがあればまた指摘してくだ さい。  最初の用語の指摘につきましては、このとおり修正していきたいと思います。  「方向性」が「ではないか」という語尾になっている部分については、今回はあくまでも安藤 座長と相談をして、基本的方向性についてまた委員の皆様方に御議論いただくために、あえて断 定的に書かずに問いかけをするような言い方をして、まだ議論としては収まってはいないんです けれども、こういう方向性でどうかという趣旨で、このような言い方をしているということがご ざいます。ただ、一部断定的に書いている部分もありますので、そこの部分については御容赦い ただければと思いますが、今回は議論していただくための考え方として、これでどうかという思 いを込めてこのように書いているということでございます。  いろいろ言われたものですから、ちょっとお待ちください。 ○安藤座長  7ページの水質管理というお話です。 ○西野委員  7ページは緊急時のところです。 ○安藤座長  「緊急時に」をどうしようかというお話です。 ○西野委員  緊急時の定義、何をもって緊急時と考えているのかということを教えてもらえればと思ってい ます。緊急時というのは事故相応なのかという、その辺のことです。 ○松田室長補佐  定義としてどうかと言われるとあれですが、水道法に基づく臨時検査が必要な場合を考慮して おりました。それがまず1つあります。  水質管理に係る連携ネットワークの形成の部分でございますが、これについては前回の検討会 でも大きい水道事業体の方が中小の水道事業体と連携をしていくこともあるのではないかという 御意見があったものですから、それであれば臨時検査が必要な場合において、中小水道事業体で はなかなか対応ができないものについて、近隣の事業体に協力をいただくものも必要ではないか ということをこちらの方に書かせていただいたということです。確かに水質検査に特化した部分 でいえば、少し範疇としては広いのではないかという御意見があるかもしれませんが、思いとし ては何か問題が起きたときの対応の部分で協力をするということで、必要ではないかということ で、こちらの方に書いているということでございます。  9ページの「適切に実施」については、我々としては検査法の告示、あとはもともと登録時に 提出されている標準作業書に従った方法を考えております。 ○西野委員  それだけでは私の意見としては甘いと思っているんです。それは大概のところは守っているん です。先ほど例で随分挙げたけれども、作業手順書を見ても、ほとんど自分のところのノウハウ はなくて、別表のまま書いているところも多分いっぱいあります。これは渋谷さんに聞いた方が いいのかもしれないけれどもね。そうすると、国に出すときは告示法どおり出して告示法どおり やるんだけれども、先ほど言ったように、例えば幅があるものは検量線の数も一切書かれていま せんから、そうすると、出す方の1点検量でもいいわけです。それから、サンプル数が10〜100 と書いてあれば、極端な話10でやってしまった方がずっと楽です。1つも告示法にそむいている わけではないんです。用時調整もそうなんです。そこが私は不適切だと思っているんです。 ○安藤座長  ということは、いわゆる告示法からもう一回という話ではないんですか。 ○西野委員  告示法を守ることは当たり前で、次は出す方の問題なんです。要するに発注する方です。 ○安藤座長  発注する方がどうするんですか。 ○西野委員  きちんと発注すればいいかもしれない。告示法は原理原則でしようがないでしょう。発注者に も責任があるんだから、発注者も十分にそこの辺を踏まえて、国がこうだよとやるのはいいと思 っています。  告示法に原理原則よりも細かいところまでいっぱい書きますと、また別の問題も出てくると思 います。それはまた別のところが出てきますので、今度は出す方にしっかりやってもらう。受け る方ではなくて、出す方に対しては指導しやすいですね。 ○安藤座長  出す方にしっかりやってもらうというのはわかりますが、出す方がそれだけのノウハウがある かどうかということですね。どこかでそれはこういうことだというものを示してあげなければい けないということですね。 ○西野委員  そういうことです。 ○安藤座長  理想としてはそういうことですね。 ○松田室長補佐  今、指摘された点については、前回もかなり議論があったかと思いますし、前回、西村委員と 渋谷委員からの御意見として、検査公定法の中で遵守すべき基礎的な作業で本来はもっと検量線 の点がどうかとか、今までは当たり前過ぎで明記していかなった部分を明記することも大事では ないかという御意見があったかと思いますので、その点については9ページの「方向性」の3つ 目のポツの部分について、検査法定法について遵守すべき基礎的な作業を明確にした上でという ことをこちらの方に書いております。ここの部分も併せて明らかにしていくということで、検査 機関の検査をチェックしていくことが大事なのではないかということで書かせていただいており ます。  先ほど出す側のお話もありましたが、その部分についても5ページ目の「方向性」の中で、発 注者責務ということで委託する際に適切に行われているかどうかを見ていく部分をしっかりしな ければいけないということを記載しているということと、また併せて水道事業体の中でもなかな か検査のノウハウを持っていない場合について、どのような取組みが必要かということで、水質 検査内容のチックリストや標準歩掛りなどをあらかじめ検討しておいて、このようなものを事業 体に対して支援するということで、標準的なものをお見せすることもあるということをこちらの 方に書いております。 ○安藤座長  今のお話は西野委員も御理解いただきましたし、事務局にも趣旨として御理解いただいたと思 います。  最後に11ページのお話が残っています。浄水処理の工程管理あるいは突発事故が書いてあるけ れども、これは検査とは直接関係ないのではないかというお話です。必要性というのは当然な話 だけれども、検査料金とはちょっと違うのではないでしょうかというお話でしたね。 ○西野委員  別のノウハウでやって、これが売りでしょう。検査機関の方の売りになるのではないか。例え ばこちらの検査機関はできないけれども、私の方はできますという売りになるのではないかと思 って、これは求めるのではなくて別のものではないか思います。 ○松田室長補佐  義務として、検査機関で行わなければならないというものでは勿論ないと思っております。た だ、一部の機関においては、こういった水質管理の部分についての業務もできるところがあるの で、そういう検査機関においてはこの点は積極的に働きかけをしてもいいのではないかという意 味で書いておりますので、西野委員のお考えと基本的に一致していると思っております。 ○安藤座長  その点は私も西野委員と同じ考え方なんですが、結局、水道の水質検査というのはどうあるべ きかということを考えた場合、本来は水道事業体が自らやるんだということです。どういう検査 をするかというと、定期検査と臨時検査をやることになっている。20条の登録機関についても本 来はそうあるべき話で、そこの部分の検査施設がないというだけの話ですから、それを担保しな ければいけない。担保するにはどうするかというお話でくくってきた。その中で「水質管理」あ るいは「工程管理」という言葉が出ているけれども、実はそういう意味が含まれていると御理解 いただいた方がいいと思います。 ○西野委員  いずれにしても、表現方法だけです。みんな大事だと思っているんですけれども、あとは表現 を適切にと思っています。 ○安藤座長  そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。 ○山崎委員  2〜3つお尋ねと意見ですけれども、5ページのところです。「方向性」のポツの2つ目ですけ れども、水道事業者が委託する際に一定の価格競争が起こる場合においても、水質検査の精度を 確保するために必要なコストを負担した上で、適切な水質検査実施の確保に重点を置くべきとい うのはそうだと思います。もともと低価格の問題が出てきたのは一般競争入札によって価格がど んどん下がってしまっている。余りも一般的な価格の下がり方ではないということが非常に問題 になっている。それで検査はどうなのかということからこういう問題も出たと思うんですけれど も、その辺のところの契約の方法をどういうふうに変えていくかということも大きな課題の1つ だと思います。その中でこういう文書も出てきたと思いますが、具体的に必要なコストを負担し た上で、例えば最低制限価格を導入するとかちょっとそういう具体例をここに記入された方がい いのではないかと思います。  それから、9ページの「背景」の2つ目のポツですけれども、外部精度管理調査において云々 と言っていて「検査が実施されていないことが明らかに」というと、誤解を生じるのではないか。 これは一部の検査機関だと思います。多分実施調査をされたところがそうだったということで、 外部精度管理調査はかなり多くの機関が入っていますから、そういうふうにこれは誤解されるの ではないかと思います。実地調査をしたところがそうだったとか、そういう検査が実施されてい ない機関があっとか、そういう書き方にしたらどうかと思います。  先ほど適切に実施しないことということでいろいろ意見が出たと思うんですが、これについて は第1回、2回でいろいろ議論になった中で、例えば採水をする人が検査員でなかったりすると いうこととか、生物検査で12時間以内にやられていないところがあった。そういうことも適切に 実施しないということではないかと思ったんですけれども、これは私の思ったことです。  以上です。 ○安藤座長  ありがとうございました。  どうぞ。 ○松田室長補佐  1つ目の指摘につきましては、前回も最低価格の御指摘があったところなんですけれども、基 本的にはこういった契約方式の選択につきまして、水道事業体が所属する地方公共団体の中でど のような方法が望ましいのかと判断されることでもありまして、さまざまな取組みが考えられる だろう。そういう意味で、あえてここに1つの事例としてお示しすることは適当ではないという ことで、今の水質検査に必要なコストを負担して、適切な水質検査実施の確保に努めるべきでは ないかという文章にしているということがございます。  2つ目は9ページの外部精度管理調査の関連の記述で修正すべきではないかということだった んですが、これは9ページの何行目でしょうか。 ○山崎委員  「背景」の2ポツ目です。 ○松田室長補佐  検査が実施されていない一部の検査機関が存在することを明らかにとか、そういった趣旨に直 させていただきます。 ○安藤座長  そうしていただいた方がわかりやすいと思います。 ○松田室長補佐  もう一つの採水方法の取組みについては、具体的な方策の例において、この点はどのような方 法がよいかという点を事例として紹介しておりますので、後ほどこの点は議論していただければ と思います。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○吉田委員  何点か確認と要望になるんですけれども、この検討会では、「水道事業者が水質検査を20条機 関に委託する。そのときに20条機関の精度管理をどうするのか」ということと、「不正事例があ ったが、そのようなことをどうすれば防げるか」を検討する。そのほかにもいろいろ派生はある と思いますが、この二点が大きな視点だろうと思います。そういう中で、今、言ったような問題 がクリアーされるような対策をとらなければいけない訳ですが、幾つか気になるところがあるの で確認というか意見です。  1ページ目なり最後の12ページのところに、今やっている登録制度というのは規制緩和の流れ の中からで出てきている。水道法で定められた要件に適合していれば登録しなければいけないん だと書かれていますが、先ほどの食品のお話を聞いても、あの認可制度がいいかどうかというの は別かもしれませんけれども、ある程度入口段階、つまり登録をするときに不正なことを働くよ うな者をチェックできるような、もう少しハードルを高くすることは先ほどの食品の場合の話を 聞いているとできるのではないか。今回の資料では、いわゆる登録した業者が仕事をする中で、 それに対して指導や監督に努めるという方向性、つまり出口対策は書いてあるんですが、入口対 策についても視野に入れた検討が必要なのではないかということを感じました。  それから、先ほど西野委員から出ました7ページの緊急時に大規模な水道事業者との連携とい うことでございますけれども、私の認識としてはこういうふうにとらえました。各水系ごとに、 例えば私ども東京都の場合でも利根川水系とか荒川水系ということで、上流の中小も含めた水道 事業体と協議会をつくっていまして、水源水質事故のような緊急時にお互いが水質検査した結果 などを連絡し合って、自らの浄水場の浄水処理を自らが判断するために役立ててもらうとか、平 常時に様々な研修会を大規模の事業体が中心になってやるとかこういうことはありますので、そ ういった意味での記述であればこれはいい話だと思います。  ただ、水源水質事故時に他の事業体の浄水処理にまでいろいろサジェスチョンするというのは、 大規模な事業体でも無理な話ですから、その辺は誤解のような表現にしておく必要があると思い ます。  それと、標準歩掛りの設定ということが5ページの「方向性」の一番下のポツで出ていますが、 事務局にお聞きしたいのは、この標準歩掛りというのは何のためにつくるのか、つくる以上は、 その標準歩掛りの位置付けをはっきりしておかないといけない。と申しますのは、単に自ら積算 するのが難しいような事業体が見積もり合わせだけでやってしまうようなことを避けよう、適正 な価格の参考値にしようということで標準歩掛りをつくるのであれば、実際にそれで設計価格を 設定しても今と同じように低入札が起きてしまうことは回避できないと思います。もしも標準歩 掛りというものまたは標準価格を基にして低入札的なものを避けるためには、先ほど御意見があ りましたけれども、標準価格の何パーセン以下の入札があった場合は最低制限価格を切っている から、落札者としないというようなものとのセットで考えないと効果がないのではと思います。  更に標準歩掛りを設定する場合には、定期の水質検査の歩掛りだけではなく、中小事業体など で緊急時、臨時の水質検査もお願いするようなケースもあると思いますので、そういう場合の標 準歩掛りも用意しておくことが効果的だと思います。恐らく臨時の場合ですと、どこまで相手に 求めるかにもよりますけれども、いつでも呼んだら来てくれとう条件にすれば、相当高いものに なると思います。その辺も含め標準歩掛りというものを検討する必要が出てくるだろうと思いま す。  9ページ、10ページ辺りのところで、これは私がわからないので教えていただきたいのですが、 再委託は現行法上できないのかどうか。例えば第三者委託で、浄水場の管理とか給水栓の水質検 査まで委託する場合、20条機関の関係がどうなのかというのが1つ気になります。  「背景」のところにも書いてありますが、設備保守機関に検査を委託しているケースが実際に あったというアンケート結果ですから、そういうものが現行法上は認められていないのにそうな っているのかどうかということを教えていただきたいのと、そのような状況が起きないようにす るための対策が資料3に盛り込まれていなければいけないんだろうと思います。  それと先ほどの料金の話にも関わりますが、13ページの「方向性」の3ポツ目、水質検査業務 規程において水質検査料金の算定根拠も明示できるようにすべきではないかというのは、国に対 してそういう書類を出すわけですから、相手がそういう根拠も示せるようでなければ当然いけな いと思いますけれども、今の価格というのは定期的な水質検査の料金だけを載せているんだと思 います。これから中小の事業体で臨時の水質試験をお願いするようなところが出くることになる と思います。そうであれば算定根拠をきちんと示した上で、臨時の水質検査の料金というものも きちんと出させてチェックするべきではないかと思います。  取りとめもなく幾つか申し上げましたけれども、そんなことを感じております。 ○安藤座長  ありがとうございました。  大事なお話がどんどん出てまいりますが、この文章の中で読み取れない部分も多少あろうかと 思いますが、事務局からどうですか。 ○松田室長補佐  6つの御質問と御意見をいただいたということでございます。  最初に登録検査機関について、登録基準などもう少し入口の部分について狭めるという形で強 化することを検討すべきではないかという点でございますが、この点につきましては第1回の検 討会でも御紹介しましたけれども、平成14年3月に閣議決定をされた公益法人に対する行政の関 与の在り方の改革実施計画に基づきまして、余り行政の裁量の余地のない形で一定の人員や設備 などの要件を持っている場合には登録をしなければいけないという政府全体の方針に従って水道 法も同じ枠組みになっておりますので、登録基準という部分について強化をして、最初の入口を 狭めるということは、現時点では政府の方針と一致しない部分がございます。むしろ、そこの点 については立入検査や改善命令など指導・監督を厳格に実施するということで、入口は広げて、 更に指導・監督を強化するという部分の対応の中で、今どのような措置が必要なのかということ で検討をお願いしているということがございます。そのような意味で、まず現時点では今の制度 の中でできることは何かという点で御議論をお願いしたいということが1つです。 ○吉田委員  今回はその検討でいいと思っています。入口の対策をとることが本当に有効なのかどうかとい うこともあるんですけれども、仮に入口の対策をとれば、今のような問題がクリアーになるので あれば、長期的な視点ではそういう検討を当然していかなければいけないのではないかというこ とです。決して入口を狭めるということではなしに、今と同じように広く受け付けるんですが、 事によると受け付けるルールが少し緩過ぎるのではないか。本来もっと最初の段階で考えておか なければいけなかったことがあるのであれば、それを追加するべきではないか。今回は取り急ぎ やらなければいけないことがありますから、その部分は置いておいたとしても、必ずそういう本 質論に戻る必要もあるということです。 ○安藤座長  私が言うのはあれかと思うんですが「背景」を考えておいていただかないといけないんですが、 平成14年、15年のときに答申として出したものがあります。それに従って、水道ではGLPなり 信頼性なりを入れなければいけませんという考え方に立ちました。それで東京にもISO/IE C17025をお取りいただいた。それから、日本水道協会で水道事業をやるときは、しっかりとした 定着したものになったということがあります。つまり、それまでに水道では全くなかったんです。 私もそこに関与した1人として責任は感じますが、その考え方を入れるということが非常に重要 だった。それをまず御理解いただきたい。  その中で政府の方針があって、その限界はどこかというのがあって、勿論それも厳しく全部出 せばよろしいんでしょうけれども、それが余りにも厳しくやったら、一体日本の水道は立ち行く んだろうか。それも考えなければいけない。1,000万を超える1つの国のように水道事業体と何千 人という水道事業体は水道法という中ではひとくくりになっているわけですから、そこを考えて 14〜15年のときの答えになったということです。その状況が、今、問題点として浮かび上がって きた。そこで入口をどこまで狭められるか。それが料金という形でできるのかとか、そのほか査 察をちゃんとやれるのかとか、いろいろな問題を皆様方は伺っているという状況だと思います。  そういうことを前提として御理解いただきたいということで、事務局から何かございますか。 また幾つかの御質問に対してもお願いします。 ○松田室長補佐  今の点に補足しますが、まさに我々は平成15年4月に厚生科学審議会からいただいた答申を踏 まえて、現在の制度ができてているということでございます。  吉田委員から御指摘があったとおり、例えば登録時に申請書類においてもう少しきちっとした 書類を出す必要があるのではないかという部分については、今回の検討会を受けて改めて見直し をしていくということは考えられると思っております。  今回の前提としては、登録基準などの考え方は従前の考え方に従ってという部分だとは思うの ですが、今の制度を見ていく中で、実際に取組みがどのように進んでいるかという中で、こうい った登録基準等についても今のままでいいのかどうかということも含めて、将来的にわたってど のようなものが今の時代に合ったものなのかということは見ていかなければならないと考えてお ります。  これが最初の1つ目でございます。  2点目として、7ページ目の水質管理に係る連携ネットワークの形成とございます。先ほど西 野委員からも御指摘があった点でございますが、この点については吉田委員からも先ほどどのよ うな取組みが現実的に可能なのかという部分について御指摘いただきましたので、その点を踏ま えて、今後はどのような業務が考えられるのかという記載を検討していきたいと思っております。  5ページ目に戻りまして、ここでは標準歩掛りの点でございます。この点については、どのよ うなものを求めるかというお話がございました。これについては後ほど具体的な措置の部分で紹 介をさせていただきますが、水質検査を委託するときに、どのような内容で委託をすべきかとい う部分について、現在、日本水道協会さんに検討していただいておりまして、そういった適切な 委託内容をまず最初に検討する。その上で適切な委託内容を実現するためには、どれだけの料金 がかかるのかという部分を算定しなければいけない。ただ、算定をするに当たってもノウハウが 必要だろうということでございますので、歩掛りについても先ほどの特記仕様書と併せて、今後、 日本水道協会さんに検討をお願いしていくということが考えております。この取組みについては 後ほど紹介させていただきますが、そのように考えているということです。 ○西野委員  ちょっといいですか。今の説明でよくわかるんですが、今、吉田委員からどうやって出すのか という位置づけという話がありましたね。価格の考え方は我々も単価では幾らとかまとめたりと か考えているんです。当然吉田委員が心配なさっているような価格は出てくるんですけれども、 これをどう使うかといった質問でしたね。だから、つくるに当たって、そちらの方が逆に知りた いんです。 ○吉田委員  水道事業体が委託に出す際その価格で設計しなければならないのかとか、どういう位置づけの 価格なのか。例えば最低制限価格云々というものを取り入れるとすれば、その標準価格に対して 7割を切るような場合には落札者としませんよとか、そういう位置付けの価格なのか、それとも 単に設計の目安というだけのことなのかというのが気になったんです。 ○粕谷課長  私は最低制限価格に関してはかなり抵抗感を持っているので、彼に対しても割とシビアな意見 を言い続けていたんですけれども、例えば調査価格というものもありますね。何割切ったら詳し く調べてみようとかいろんな使い方があるのではないかという気はしますので、それは各地方公 共団体が財務規則などに応じてどう使うかという話でしょうが、ある一定の目安というものがや はりあった方がいいという気がしているということです。  それから、マイクを持ったついでですけれども、連携の話とか浄水工程へのアドバイスとかい ろんな話がありますが、今の議論を伺っていて、少し骨太の話とついでにこういうこともやった 方がいいという話などは、レポートを書くときにうまく書き分けた方がいいという気がしました。 その辺はとりまとめるに当たって気をつけたいと思います。 ○松田室長補佐  あと、再委託の話でございます。9ページ目と10ページでございます。これについては水道法 の20条の第3項の規定がございまして、そこの規定ではどう書かれているかというと、今、読み 上げます。水道事業者は水質検査を行うため、必要な検査施設を設けなければならない。ただし、 当該水質検査を、厚生労働省令の定めるところにより、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の 登録を受けた者に委託して行うときはこの限りでないと書かれておりまして、この規定からする と、例えば水道事業者さんが施設の保守管理業者さんに、ほかの施設の維持管理と併せて水質検 査を委託するという部分については問題があると言わざるを得ないと考えております。  ただ、第三者委託制度というものができておりますので、仮に第三者委託制度で施設の保守管 理業者に委託をするといった場合は、施設の保守管理業者が水道事業者ということになります。 その場合、水道事業者が別の登録検査機関に委託をするということについては、水道法上は可能 だと考えております。 ○吉田委員  20条機関に委託して、20条機関が更に別の20条機関に委託することについての制限はあるん でしょうか。 ○松田室長補佐  それについては、今、登録基準がございまして、登録基準において20条第1項に規定する水質 検査を行うために必要な検査施設を有し、これを用いて水質検査を行う者であることと書いてお りますので、基本的に水質基準項目については、登録検査機関が水質検査を行うということが前 提になっております。ただ、現時点の検査方法の中では、今、言われた登録検査機関が別の機関 に委託をするという部分については記載されておりませんので、この点は明確になっていない部 分があるということはそのとおりでございます。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。時間もオーバーしていますので、簡単にお願いいたします。 ○渋谷委員  先ほどの13ページの「方向性」の2つ目のポツにも関連するんですけれども、先ほど吉田委員 がおっしゃったように、今の登録ではある一定の要件をクリアーすればせざるを得ないというの はそのとおりだと思います。ただ、そこで運用基準なりをもう少し厳格に対応すべきだと思って おります。  1例を挙げますと、やはり検査施設が通常は1か所なんですけれども、複数持っている検査機 関もございます。そうしますと、例えば北海道を検査区域にしている東京の機関が出張所で12時 間をクリアーするために、細菌試験だけはそこでやってしまう。それ以外を東京に送って検査す る。そうすると、12時間は楽々クリアーできる。そういったものでいいのかということも、今、 多分明確にはなっていないと思います。それも認められる範囲なのかわかりませんが、仮に認め られた場合はそのときに検査員の要件として5人ということがありますけれども、どこに5人い ればいいのか。品質保証の部分はどうあるべきか。いろんな問題が実際にあります。今200もあ る検査機関は効率優先、コスト削減ということでやっていると思いますので、そういった具体的 なアンケート調査を基に登録の運用基準なりを具体的に示していくことが1つあるのではないか と思っております。  それから、1つ伺いたいんですけれども、3ページの「方向性」の2つ目のところで、水道G LPとかISOの資格を有する検査機関の後に「これらの資格に準じた技術的能力を有する」と いうことがありますが、同等とみなすような検査機関というのはどの辺を想定されているのかを 伺いたいと思います。 ○松田室長補佐  この点は前回までの意見を踏まえた表現にしているということですので、事務局としてはこれ 以上のものは考えていないということです。1例として示したということです。 ○安藤座長  ちゃんとした資格ができて、それに沿ってくださいというのが理想でしょうけれども、それが どこまでできるかはわかりませんが、そういうことをやはり考えなければまずいのではないかと 御理解いただければいいと思います。 ○森氏  済みません。先ほどのちょっと言い忘れたんですけれども、食品衛生では受け付けたところで はなくて、試験をしたところで証明書を出します。ですから、今、アウトソーシングしたら、そ こが発行所になります。それは水道でも一緒なんですか。そこから直接結果を出すわけですか。 ○西野委員  今のお話は特異例がありますということです。届出のときはこうだけれども、実際に増えたと きにはそうでしょうということが渋谷委員の言ったことです。 ○森氏  わかりました。 ○安藤座長  1つの機関なんだけれども、こちらの方でやっていてということです。  よろしいでしょうか。  まだまだ御意見があろうかと思いますが、まだ先がございます。もう時間はオーバーしていま すけれども、次に「(3)具体的な方策について」お願いいたします。資料3でしょうか。 ○松田室長補佐  その前に1つ事務局から報告したいことがあるんですが、時間が大変押してしまって恐縮なん ですけれども、実はこの会議室は6時までということになっています。大変申し訳なく思う次第 です。  資料3については一応資料を用意しておりますが、これについては説明をさせていただきまし て、その上で後ほどこの点について御意見がございましたらメールでいただけますでしょうか。 先ほどの資料2の「取組の基本的方向性ついて(骨子)」についても恐らく本日は意見を言えなか った委員もいるかと思いますので、メールで事務局へ送っていただくということでいかがでしょ うか。 ○安藤座長  よろしいでしょうか。私の不手際でだらだらと長くなりまして、申し訳ございません。皆様方 の御意見をなるべく吸収したいということで長くなりました。  それでは、次をお願いいたします。 ○松田室長補佐  それでは、資料3の紹介だけさせていただきます。  先ほど資料2の「取組の基本的方向性について(骨子)」を踏まえまして、厚生労働省や関係機 関において水質検査の信頼性確保についての具体的な方策の例についてお示ししてございます。  「(1)水道事業者等が水質検査機関に委託する際の取組に関する事項」でございますが、1つ 目のポツに水道事業者などが検査機関に委託するときに、検査が適切に行われるようにするため に、水道法の20条の3項に基づいて、委託に関する条件を明確化するということを記載しており ます。内容としては先ほども少し議論がありましたが、水道事業者は検査を実施する地方公共団 体の機関または登録検査機関と直接契約を行うこと。  委託契約は書面で行いまして、その場には検査項目や検査回数、委託料、臨時検査の取扱いも 含めて委託契約を書面で交わすということを書いております。  委託料が受託義務を遂行するに足りる額であることも入れております。これによって適切なコ ストを負担することになると思っております。  また、試料を採取した後に速やかな検査ができるかどうかという部分も議論がございましたの で、その点についても対応できるような条件を用意しております。  2つ目ですが、そういった委託契約の内容について水質検査計画において明確にして、公表す るということもあるのではないかということで書いております。  3つ目につきましては、能力に応じまして、水道事業者と検査機関に委託する際の入札条件例、 または特記仕様書例といったものを作成する必要があるのではないか。これについては別添に資 料をお示ししていますが、後ほど御説明をしたいと思います。日本水道協会さんに検討をいただ いております。  水道事業者さんの検査の能力に応じてチェックリストをつくるということもあるのではないか。 これについても契約内容や検査内容のチェックリストがあるということでございますが、現在、 日本水道協会さんに検討いただいているということでございます。  あと、先ほども議論がございましたが、標準歩掛りの作成についても日本水道協会さんに今後 検討いただくということでございます。  次に中小の水道事業体の職員の方を対象にして契約手続や検査内容の確認、水質検査計画に基 づく検査の省略や回数の削減などの研修事業の実施というものがあるのではないか。  先ほど緊急時の議論がありましたけれども、厚生労働省や水道行政担当部局との連絡体制の確 保、水道事業者との連携ネットワークの形成ということで書かれています。この点については、 より具体化していく必要があるということでございます。  一番最後には、水道事業体間の水質検査の共同化などの広域化の促進について書かれておりま す。  「(2)登録検査機関の水質検査に関する事項」ということで、登録検査機関の検査方法につい て、基本的な検査の実施行為を明記をする。ここで一番最初に検査方法基準に基づく方法による ことということを明記する。  2つ目に水質基準に関する分析を、原則、別の者に委託して行わないということを書いており ます。ただ、※で機器の故障があった場合はどうするのかとか、水質基準項目以外のものはどう するかという部分がありますので、これについては取扱いを検討する必要があると考えておりま す。  外部精度管理調査、内部精度管理調査を実施するということ。  あとは標準作業書に従って検査等を行うことなどを記載しております。  3ページ目にいきまして、標準作業書の中に試料の採取方法、運搬方法について追加をしてい く。また、試料の採取方法については検査員が行うことを明示したり、採水方法の注意事項、薬 品の添加のタイミングなどを標準作業書に盛り込んでいただく。  また、運搬方法についても同様に、運搬する場合の方法とか注意事項について明らかにしてい くように標準作業書を策定していただくという案が1つあるのではないか。  検査法公定法について遵守すべき基本的な作業内容を明確化するということで、4ページ目に いきまして、試料採取から分析までの時間の明確化する。空試験の実施。検量線濃度範囲や点数 の明確化、適切な濃度の標準試料の差し込み分析などがあるのではないか。具体的な内容は、水 道水質検査法検討会で検討いただくことが適当ではないかと考えております。  登録検査機関を保管すべき事項として、帳簿の備え付け事項に検査工程の内容、また試料の採 取から運搬、開始から終了までの開始日時と終了日時を明らかにしていく。試料採取を行った検 査員の氏名を記載する。水質検査の結果の根拠となる書類、クロマトグラムなどを備え付け事項 に追加するというのが考えられるのではないか。  登録検査機関の自主的取組みの促進として、倫理規範や業務要領の制定と普及、検査員に対す る研修というものがあるのではないかということを記載しています。  「(3)登録水質検査機関への指導監督に関する事項」ですが、いろいろ話題になっておりまし たが、登録及び更新の審査時において検査を行う区域の審査というものを強化していくというこ とがあるのではないか。検査機関が責任を持って速やかに検査を行うことができる区域であるこ とを説明できる地域を区域として認めるということがあるのではないか。そのためには、書類と してそのことを証明する書類を添付するということがあるのではないか。  水質検査業務規程の検査料金、受託件数上限についても算定根拠というものを併せて添付をし ていただくということがあるかと考えております。  5ページ目にいきまして、水質検査機関の受託実績について把握できるように見直しをしてい くということを考えております。  登録検査機関の日常検査に対する厚生労働省の検査の強化ということで、日常業務についても 適切な精度を確保できているかどうかということを見るための調査を行ってはどうかということ を期待しております。具体的には抜き打ち検査を実施して、水質検査の検体のクロスチェックを 行うことや検査データを確認するということが考えられるのではないかということを記載してお ります。  また、その結果については有識者検討会などに提出をして、評価などを行いまして、その結果 に基づいて登録検査機関の指導・監督を行うとい事があるのではないかということを記載してお ります。  日常検査の調査対象とする機関については、問題が生じる可能性のある機関ということで、主 に4つぐらい事例を示しておりますが、中から重点的に選定するということが考えられるのでは ないかということを記載しております。  あとは、外部精度管理調査についても自主的な精度管理の向上が目的だということですが、こ の点はもう少し階層化評価について是正措置の着実な実施も評価に含めることとか、水道事業体 の外部精度管理における率が低いということもありますので、こういう機関を対象にするという 形で見直しをしていくことが考えられるのではないかということで記載をしております。  最後に資料3別紙ですが、日本水道協会さんで検査セイドチームというものを立ち上げて、こ れについて熱心に検討していただいているということです。  2つございまして「I.入札条件の設定」ということで、入札に当たって資料の提出をいただ く。検査機関が一定レベル以上にある。併せて試料採取後に速やかに検査を実施することができ るということを確認するということで、品質管理システムの取得状況に関する書類、標準作業書、 定量下限値の一覧表、試料の運搬手段や経路といったものを最初に出していただく。  その上で特記仕様書については以下の内容とするということで「第1(基本事項)」と書いてい ます。  2ページにいきまして「第2(一般事項)」と記載しております。この中には再委託の禁止とい うことで、基本的には自ら水質検査を実施するということを明記しております。  「第3(採水)」ですが、採水するのは給水栓が多いかとは思うんですが、原水の水質検査を行 う場合もありますし、臨時の水質検査や水道法18条に基づく検査があるということですので、こ れに分けております。これについて検査項目と頻度、採水の日程や地点、試料容器、採水方法、 運搬方法といったものを最初に明記しているということをそれぞれの検査方法に応じて記載して おります。  3ページ目の下の方の「第4(検査方法)」については、水質検査などということで、検査方法 や現場での測定数値の取扱い、速報値の報告、再検査の実施、器具類の扱い、報告書の作成とい うことです。これについては検査結果だけではなくて、検査の根拠になる試料も付けてもらうと いうことを記載しております。  「2 検査結果の信頼性確保」ということで、受託する方の検査結果の信頼性確保について記 載しております。検査体制の整備、作業記録、機器の整備、内部精度管理の実施、検査資料の保 存や廃棄、検査結果算出過程で作成した資料の保存、立入検査やクロスチェックの対応というこ とも記載しております。  「3 提出書類」「4 安全管理」「5 支払方法」等について記載をしているということでご ざいます。  とりあえず資料3について説明いたします。 ○安藤座長  ありがとうございました。  時間もないんですが、資料3については皆様方からメール等で御意見をいただくということに いたしたいと思います。どうしてもという方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。 ○西野委員  補足していいですか。 ○安藤座長  もしよろしければ、資料3別紙も含めてお願いします。 ○西野委員  実は日本水道協会の方で仕様書の案とか中身のチェックリストをつくっているんですが、チェ ックリストが間もなくできるんですけれども、これに当たって基本的なことをお話しますと、一 般的な方がごらんになってわかるようなチェックリストにしようという方向でつくっております。 だから、細かく水質の専門的なことを入れないで、言ってみれば重要な順に多くても5つまで、 内容によっては3つぐらいということでつくる方向でやっていますので、もし御意見を聞かせて いただけるようでしたら聞きたいということでございます。 ○安藤座長  それはどういうことですか。 ○西野委員  委員さんにもしいい意見があれば教えてほしいということです。つくってからだと遅いので、 今そういう方向で進めているので、もしそういうことではなくて、もっと細かくつくれというこ とであれば教えてほしいということです。 ○松田室長補佐  それであれば、日水協さんの案ができた段階で我々事務局に送っていただいて、それで各委員 の方にお送りさせていただきます。 ○西野委員  ごめんなさい。方針として、今、作業を進めているわけなんです。それが出戻りになってしま うといけないので、今つくっている最中で勿論見てもらうんですけれども、今、私が言った方向 では水質の専門家以外の方がごらんになってわかるようなチェックリストで、なおかつ全項目を 入れないで重要なところを要点的に入れる。いっぱい並べてもしようがありませんので、そうい う方向で今つくっているんです。だから、このつくり方について、もし委員の皆さんの中で御意 見があれば、こんなことをしないでもっと細かくつくれということなどがあれば今のうちにお聞 かせいただけますと、手戻り、作業が戻りにならないのでということなんです。 ○安藤座長  このチェックリストを見るのは、小さな水道事業体の依頼する事務方が見るという意味ですか。 ○西野委員  今、松田補佐が説明したように、この特記仕様書の中に何とかチェックリストを参照しなさい ということが細かく書いてあるんです。仕様書の中に書いてもしようがない項目ですので、その チェックリストづくりをしているんです。私は一般の方が見てわかるような重要なものだけにし たい、ポイントだけをつかんだものにしたい。今それで進めているので、もしほかにもっといい 意見があれば聞かせてほしいということです。意見です。 ○粕谷課長  よろしいですか。その重要なことにどんなことが入っているかある程度示して頂かないと、足 りる、足りないも言えないので、西野さん、今の段階のものでいいから我々にもらえれば、委員 の先生にお伺いします。 ○西野委員  わかりました。 ○粕谷課長  案の案、その前の案でもいいから、とにかくたたき台みたいなものをつくっていただけません か。 ○西野委員  わかりました。この場では特に意見ということではなくて、厚労省からこんなところだという ことで一緒にやっていただきます。 ○粕谷課長  そうですね。 ○西野委員  わかりました。そうしましょう。 ○安藤座長  チェックリストを見る人がだれかによって随分変わるでしょう。本当に一般の人なのか、一応 知っている人なのか、詳しい人なのかによっても違うでしょうからね。 ○粕谷課長 簡水のことがあるので、それについては特に小笠原さんによく見ていただきたいと 思います。 ○小笠原委員  今、座長も言いかけたことなんですが、そういうチェックリストが必要になるというのは、や はり中小規模水道だと思います。したがって、今、日水協で検討されている方向でいいのではな いかと思います。 ○西野委員  うれしい限りです。 ○安藤座長  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○渋谷委員  今のお話の仕様書などですけれども、これは水道事業体に対してこういったことをやりなさい という形で、日水協さんがこれでやらなければだめだというような、あるいは強制的に指導して いくことになるんでしょうか。それは任意でしょうか。 ○安藤座長  それはどうですか。 ○松田室長補佐  強制というよりは任意の参考資料として、日水協さんの参考図書としてお示しいただくという ことで考えております。 ○西野委員  協会は会員に対しては勿論言えるでしょう。全体の行政は国でやっているので、協会の会員に は協会が言えばいいだけのことです。 ○小笠原委員  それらは契約に関することですから、参考の域を出ないと思います。 ○安藤座長  こういうものがそろっているといいということなのかもしれないです。絶対にこれでなければ だめとは言えませんということです。  どうぞ。 ○寺嶋委員  これまでのこの検討会で、登録検査機関以外に自主検査をやっている水道事業体での精度管理 が十分なのかどうかという疑問も出されていたところではないかと思います。ただ、今日見させ ていただいた資料3「具体的な方策の例について」は、その辺のところが余り盛り込まれていな いという印象を受けるんですけれども、今後そういったところについても検討していくことにな るんでしょうか。それとも今回はとりあえず資料3別紙程度にとどめておくということでよろし いんでしょうか。 ○西野委員  資料3別紙ではなくて、資料3ですね。 ○寺嶋委員  ごめんなさい。資料3です。 ○松田室長補佐  吉田委員からも前回御指摘があったところですが、基本的には今回事業体が検査機関に委託す る部分を中心にとりまとめていただくということがございます。ただ、補足として、水道事業体 が精度管理を実施していないということがアンケート結果でもわかっていますので、この点は厚 生労働省の外部精度管理調査に精度管理を受けていない方にもっと積極的に受けていただけるよ うに働きかけをしていくとか、そのような取組みはしていきたいと考えております。 ○安藤座長  これを機に、大きな水道事業体の体制をちゃんとつくってくださいという方向にいくんだろう と思います。 ○寺嶋委員  基本的に私が考えていましたのは、仮にこれが実施された場合、水質検査の質という部分にお いて登録検査機関で行われていることと、自主検査のところで余り精度管理なりGLPシステム に興味を持たれていないところの水質検査の質はちょっと差が出てきてしまうと思いますで、是 非それは一元化した方がいいというのが私の意見でございます。またメール等で意見を差し上げ たいと思います。 ○安藤座長  今の問題はまさに15年度の答申のときにも書いているんです。これをやることによって、実は 登録機関がよくなってしまう。中小の水道の水質がいいことになってしまうということです。い わゆる自前でやっている水道事業体をよくするには、こちらもやらなければいけない。そこで日 本水道協会にGLP体制をおつくりいただいたということだと思います。  時間もほとんどありませんが、何かございますでしょうか。どうぞ。 ○齊藤委員  今の寺嶋委員さんの件なんですけれども、群馬県の状況でいいますと、それに近い項目の検査 をできる事業体ははほとんど参加していると思います。す。県主催の精度管理についても大体や っていると思います。  前回のときに宇都宮さんの報告がありましたけれども、自分のところで行っていないという項 目の精度管理に参加できないという形で、参加していないところがかなりあると思います。検査 機関を持っているけれども、例えばVOCははかれないが金属とかそういう部分でしたら参加で きるような事業体も随分あるのではないか。そういう部分もあります。実情です。 ○安藤座長  ありがとうございました。それも多分これからいろいろ考えていくんだろうとは思います。  そのほかにいかがでしょうか。  時間がぎりぎりですので、途中で話が止まったようなことになって申し訳ございません。  今日は白熱した御議論をいただきました。3回の結果で大体の方向性というのは見えてきたよ うな気がいたします。まだ細かい点については詰めなければいけないこともございますし、皆様 方がお気づきの点をメールなり何なりでお知らせいただければありがたいです。それを踏まえて、 更にこれからいくんだろうと思います。お願いいたします。 ○粕谷課長  長時間にわたりまして、御議論ありがとうございました。  議事要旨なり議事録につきましては、また委員の先生方に御確認いただいた上で公開させてい ただきます。  次回は8月4日午後2時からということで予定しておりますが、そのときまでには水質管理官 が来てほしいというのが私の思いでありますけれども、いずれにしても、皆様方から資料2、資 料3について御意見なり御質問をいただければ、それを踏まえて方向性をきちんと示すような形 で、次回は報告のイメージとしてお示しして御検討いただきたいと思いますので、どしどし意見 をいただければと思います。今日発言し足りなかったと思われる点があろうかと思いますが、参 考にさせていただきたいので、是非とも御意見を賜りたいと思います。  今日は長い時間本当にありがとうございました。 <照会先> 厚生労働省健康局水道課水道水質管理室 代表 : 03(5253)1111 内線 : 4032 ・ 4034