事件番号・通称事件名 |
愛知県労委令和元年(不)第7号
不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
Y市・Y市教育委員会 |
命令年月日 |
令和2年7月27日 |
命令区分 |
却下 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、令和元年6月28日、7月24日及び8月8日にY市立
B1中学校長が、同年7月25日及び8月9日に同市B2中学校長が、それぞれ組合の組合二ユース配布に係る要求を拒否したこ
とが労働組合法第7条第3号に、組合ニュースの配布に係る組合からの団体交渉の申入れに応じなかったことが労組法第7条第2
号に、それぞれ該当する不当労働行為であるとして、同年10月25日に申し立てられた事件である。
愛知県労働委員会は、申立てを却下した。 |
命令主文 |
本件申立てを却下する。 |
判断の要旨 |
1 地公法は、労組法が一般職の地方公務員に関して適用されないこ
とを規定するところ(第58条第1項)、一般職の地方公務員である職員がその動務条件の維持改善を図ることを目的として組織
する団体であって地公法第53条の規定に基づき登録を受けたもの(「登録職員団体」)は、労組法上の権利を行使することがで
きず、労組法第7条に基づいて労働委員会に対して不当労働行為の救済を申し立てる権能を有しないと解される。
しかし、一般職の地方公務員である職員と労組法が適用される労働者を構成員とする労働団体(混合組合)は、地公法上の職員
団体及び労組法上の労働組合としての複合的な法的性格を有し、労組法が適用される組合員に関する問題に限っては、労組法上の
労働組合として労組法上の権利を行使することができ、労組法第7条による不当労働行為救済の申立てができるというべきであ
る。
2 本件申立てに係る不当労働行為が行われたとされる令和元年6月28日から同年8月9日までの間には、組合は登録職員団体
であったことが認められ、また、組合の構成員として、地公法が適用される現職教員7名のほか、退職後、就労及び求職活動をし
ていない教職経験者2名がいたことが認められるところ、同人らは労組法上の労働者とはいえないことから、組合には労組法が適
用される組合員がいなかったのである。
そうすると、組合は、当該期間において労組法上の権利を行使することができなかったのであるから、不当労働行為救済の対象
となる不当労働行為を想定することはできない。
なお、組合は、Aの加入により組合が混合組合となり、労組法の適用がある旨主張するが、Aが組合に加入したのは、本件申立
て後の令和2年2月5日のことであり、Aの加入により遡って労組法が適用となり、組合の主張に係る不当労働行為が労組法上の
不当労働行為となるものと評価されるものではなく、当該主張は採用できない。
3 したがって、本件申立てに係る各事実が不当労働行為に該当しないことは明らかである。 |
掲載文献 |
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