事件番号・通称事件名 |
大阪府労委平成26年(不)第68号 |
申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
Y会社(「会社」) |
命令年月日 |
平成29年4月11日 |
命令区分 |
全部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、平成25年12月2日付け、同月4日付け、同月
24日付け及び同月27日付け団交要求書により、組合が申し入れた、①36協定について、②平成25年夏期賞与及び冬期賞与
について、③正月勤務について、④申立外会社との契約の経過と内容及び大阪労働局からの是正勧告について、⑤アルバイトの冬
期賞与について、等を議題とする団体交渉申入れ(本件団体交渉申入れ)を無視し、団体交渉を拒否したこと及び同月10日、組
合との合意がないまま一方的に冬期賞与を組合員らに支給したことが不当労働行為に当たるとして救済申立てのあった事件で、大
阪府労働委員会は、会社に対し、文書手交を命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければ
ならない。
記
年 月 日
組合
執行委員長 A様
会社
代表取締役B
当社が行った下記の行為は、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると認めれらました。
今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
記
(1) 平成25年12月2日付け、同月4日付け、同月24日付け及び同月27日付け団体交渉申入れ(アルバイトの冬期賞
与に係る議題を除く。)に応じなかったこと(2号・3号違反)。
(2) 平成25年12月10日に、貴組合員らに対し、冬期賞与を支給したこと(3号違反)。 |
判断の要旨 |
1 争点1(25.12.2団交申入れ、25.12.4団交申入
れ、25.12.24団交申入れ及び25.12.27団交申入れに対する会社の対応は、労働組合法第7条第2号及び第3号に
該当する不当労働行為に当たるか。)について
(1) 本件団体交渉申入れにおける議題のうち、アルバイトの冬期賞与についてを除く団交議題について団交が開催されていな
いが、組合の要求事項が具体性を欠く等の会社の主張は団体交渉に応じない正当な理由として採用できない。
(2) したがって、会社は,アルバイトの冬期賞与についての議題を除き、正当な理由なく、組合の本件団交申入れに応じてい
ないのであるから、かかる会社の対応は団交拒否に当たるととともに、組合を軽視し、組合員の信頼を損なわせる行為であるとい
え、組合を弱体化する支配介入に当たる。
2 争点2(会社が、平成25年12月10日に平成25年冬期賞与を支給したことは、労働組合法第7条第3号の不当労働行為
に当たるか。)について
会社は、冬期賞与について、団交申入れに応じ、合意形成に向けて、団交で協議すべきところ、組合と全く団交を行わないま
ま、一方的に冬期賞与を支給したといえ、かかる会社の対応は、組合を著しく軽視したものである。
また、平成25年12月10日に冬期賞与を支給するに当たり、本来であれば、支給前に、合意形成の場である団交で説明すべ
きところ、会社は、組合が希望した同月6日及び7日の団交開催にいずれも応じないまま、組合の頭越しに組合員に仮払を要求す
るならば支給を留保する旨伝え、直接、意思確認しており、かかる会社の行為は、組合員を組合から分断する行為であるといえ、
組合を無視ないし著しく軽視しているといわざるを得ない。
したがって、平成25年12月10日に、会社が冬期賞与を支給したことは、組合に対する支配介入に当たる。 |
掲載文献 |
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