労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  社会福祉法人沖縄県身体障害者福祉協会(太希おきなわ) 
事件番号  沖労委平成25年(不)第3号 
申立人  沖縄(南部)一般合同労働組合、太希おきなわ自立労働組合、X2(個人) 
被申立人  社会福祉法人沖縄県身体障害者福祉協会 
命令年月日  平成27年11月27日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   組合員である申立人X2は、被申立人法人との間で、契約期間を平成24年4月1日から同年7月31日までとする「障害福祉サービス(太希おきなわ)利用契約」を締結し、法人の障害者支援施設「太希おきなわ」において昼間は「就労継続支援B型」(同年7月1日から31日までは「生活介護」)、夜間は「施設入所支援」のサービスを受けていた。
 本件は、法人が同年7月31日付けでX2を上記の施設から退所させたことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 沖縄県労委は申立てを棄却した。 
命令主文   申立人らの申立てをいずれも棄却する。 
判断の要旨  1 組合員X2は労組法の適用を受ける労働者といえるかについて
 認定した事実によれば、被申立人法人が運営する事業は利用者との対等な関係による利用契約を締結する形式によりながら、障害者自立支援法における給付金により運営されているのであって、利用者による生産活動は訓練として行われていたにすぎず、それによって法人が収益を上げる構造にはなっていない。
 また、当該生産活動によって得られた金銭について、材料費等の必要経費を差し引いた残額の全てが工賃として利用者に分配されていたところ、工賃の決定過程においてなされる生産活動に対する評価は障害福祉サービスにおける訓練に係る技能等の習得度を評価しているにすぎないというべきである。したがって、当該工賃に、従事した生産活動との対価性を見い出すことはできない。
 申立人組合らは、法人とX2との間に指揮命令関係が存在すると主張するが、①同人の生産活動につき、納期の達成が目標とされていた事実及び作業時間に拘束を受けていた事実は認められないこと、②作業の指示に関して、就労継続支援の訓練に係る指示・指導があるのは当然である一方、組合らが主張するような説諭・訓戒が行われた事実は認められないこと、③箱詰めに間違いが生じたときは職員が作業をやり直しており、利用者がやり直すことはないことからすれば、指揮命令関係の存在を認めることはできない。
 以上を総合すると、X2は障害福祉サービスの受給者であって、労組法の適用を受けるべき労働者であるとはいえない。
2 結論
 したがって、組合らの本件申立てについては、その余について判断するまでもなく、棄却を免れない。 
掲載文献   

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
沖縄県労委平成24年(不)第1号 却下 平成24年9月20日
中労委平成24年(不再)第55号・平成28年(不再)第1号 棄却 平成28年12月21日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約169KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。