概要情報
事件名 |
大阪府労委平成23年(不)第43号
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事件番号 |
大阪府労委平成23年(不)第43号
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申立人 |
X労働組合
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被申立人 |
Y株式会社
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命令年月日 |
平成24年9月7日
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命令区分 |
棄却
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重要度 |
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事件概要 |
被申立人会社が申立人組合の執行委員長Aに対し、定年退職後の再雇用に当たって同人の希望する1日10時間勤務、年間労働日数250日という勤務形態の選択を認めなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
大阪府労委は、申立てを棄却した。
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命令主文 |
本件申立てを棄却する。
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判断の要旨 |
申立人組合は、被申立人会社では定年退職後の再雇用については、本人の希望により、フルタイム勤務でもハーフタイム勤務でもいずれでも選択できる扱いとしていたのにもかかわらず、組合の執行委員長Aにのみフルタイム勤務を認めなかった旨主張する。
しかし、Aと同じ立場にある指導員で、平成18年4月1日からの高年齢者雇用安定法改正施行の前後に60歳定年となった後、会社にフルタイム勤務での再雇用契約を認められた者は皆無であるのだから、このような実態からは、同人の定年退職時(23年6月)に会社において定年後再雇用の契約についてフルタイム勤務とハーフタイム勤務の選択が認められる扱いがあったとまでみることはできない。
組合はまた、会社が団交においてフルタイム勤務を認める発言をしていた旨主張する。
しかし、団交における発言内容をみると、会社は繰り返し、現在、会社においてはフルタイム勤務とハーフタイム勤務の選択肢は与えていない旨及び選択に関する個々人の希望を聞いたのは、別組合から契約社員Nとの扱いの差について問題提起され、それを受けて行った平成20年のただ1回しかなかった旨を述べており、これらの説明に特段の矛盾はないといえる。さらに、組合自身も、団交において、フルタイム勤務の選択肢がないことを前提としてこれを問題視する発言を行っている。以上のことからすれば、団交での両者のやりとりからみても、会社においてフルタイム勤務とハーフタイム勤務を選択することができる扱いがあったとみることは困難である。
以上のとおり、Aの定年退職時において、そもそも会社にフルタイム勤務とハーフタイム勤務の選択を認める扱いがあったとは認められず、その他に不利益取扱いであることを示す事実の疎明もないのであるから、会社が同人の再雇用に際して1日10時間勤務、年間労働日数250日という勤務形態の選択を認めなかったことは、同人が組合員であるが故に行われた不利益取扱いに当たるとはいえず、また、組合に対する支配介入に当たると認めることもできない。
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掲載文献 |
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