労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  杉並区・杉並障害者福祉会館運営協議会 
事件番号  中労委 平成12年(不再)第9号 
再審査申立人  杉並障害者福祉会館運営協議会労働組合 
再審査被申立人  杉並区 
再審査被申立人  杉並障害者福祉会館運営協議会 
命令年月日  平成15年 7月 2日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  本件は、障害者福祉会館運営協議会が区から委託を受けて、運営していた知的障害者等の訓練事業について、(1)区が運営協議会に訓練事業を委託しないこととしたこと、(2)これに伴い、運営協議会が組合員を解雇又は雇止めしたこと、(3)区及び運営協議会が同問題について団交に応じなかったこと等が不当労働行為に当たるとして、争われた事件である。初審東京地労委は、区は労組法上の使用者には当たらず、また運営協議会が組合員を解雇等したこと及び団交に応じなかったことは不当労働行為に当たらないとして申立てを棄却した。組合は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は再審査申立てを棄却した。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  4914 経営委任をしている者
4918 自治体
運協の組織構成、委託訓練事業の運営、運協の財政状況、運協職員の労働条件等、区の訓練事業の廃止の経過を総合考慮すると、区の一定の関与が認められる部分があるものの、これは公財政を財源として委託する委託者の立場からの関与に留まり、これを超えて区が運協職員の基本的労働条件について積極的に関与していたとは認められないから、区は運協職員の基本的労働条件を現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位を有しているものといえず、組合員との関係において、労組法第7条の使用者に当たらないとされた例。

1107 その他
1800 会社解散・事業閉鎖
3105 事業廃止、工場移転・売却
運協が、委託訓練事業廃止につき、区の検討協議会の内容を組合に知らせずに役員会等での継続要望は行わない旨決定したことを組合に伝えることなく、直接各組合員に解雇等を通知したことは、不適切な対応であったといわざるを得ないが、運協は再就職のあっせんを行う等、運協職員の雇用の確保について可能な限り努力していたものの、組合は再就職のあっせんを拒否していたのであり、また運協職員の雇用問題等について繰り返し説明し、話合いを行ってきたが、結局組合との合意が得られなかったのであるから、区の委託訓練事業の廃止決定の通知を受け、運協が組合員に対して解雇等の通知をしたことは、やむを得ない措置であり、不当労働行為とは認められないとされた例。

2250 未妥結・打切り・決裂
解雇撤回等の交渉事項については、実質的に繰り返し交渉がなされており、今後交渉を重ねても行き詰まりが打開される可能性はないと考えざるを得ないから、運協が団交に応じなかったことには正当な理由があり、運協の対応は団交拒否には当たらないとされた例。

3201 不当労働行為とされなかった例
本件解雇等は、本件申立てを理由としたもので、労働組合法第7条第4号に当たるとする組合主張が、区は使用者に当たらない、運協の行為が本件申立てを理由として行われたとの疎明はないとして斥けられた例。

業種・規模  社会保険、社会福祉 
掲載文献  不当労働行為事件命令集126集886頁 
評釈等情報  中央労働時報 2003年11月10日 1019号 12頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京地労委 平成 5年(不)第5号
東京地労委 平成 6年(不)第41号 
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下)  平成11年11月16日 決定 
 
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