概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(千葉動労配転) |
事件番号 |
中労委 平成10年(不再)第24号
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再審査申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
再審査被申立人 |
国鉄千葉動力車労働組合 |
命令年月日 |
平成15年 4月 2日 |
命令区分 |
全部変更(初審命令を全部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、千葉動労に所属する運転士5名を習志野運輸区から千葉運転区又は京葉運輸区に配置転換したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、千葉地労委は、配置転換となった5名を原職に復帰させること及び習志野運輸区から千葉動労組合員を排除することによる千葉動労津田沼支部への支配介入の禁止を命じた。会社は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は初審命令を取り消し、本件救済申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件初審命令を取り消し、再審査被申立人の本件救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
3020 組合活動への制約
3700 使用者の認識・嫌悪
(イ)本件配置転換は、新たな人事方針である昇進基準による運転士試験に合格した新人運転士8名を習志野運輸区所属の運転士として発令した結果、同区の運転士7名が余力人員となり、他の運転職場への配置転換が必要になったことに基づくものであること、(ロ)新人運転士の所属を同区としたのは、技能講習で実際に運転し慣れた線区に従事させることが望ましいとの理由によるものであり、特に不合理な点は認められないこと、(ハ)本件配転は、余力人員が生じている千葉支社管内の要員事情をも勘案して、他の運転職場に運転士の再配置を行ったものであること、(ニ)本件配置転換に当たって、千葉支社は、長期在籍者を対象とし、見習運転士の養成を行う指導操縦者と、出向対象者となる50歳前後の以上の高齢者は除く、との人選基準を設け、本件配置転換対象者は当該基準に基づき人選されたが、この基準が不合理であることを示す特段の事情は認められず、これに基づく対象者の人選についても不当なものとは認められないこと、(ホ)本件配置転換等により、津田沼支部の職場における組合活動に影響が生じることは否定できないが、会社が津田沼支部の組合活動を嫌悪し、組合活動に支障を生じさせることを意図して本件配置転換を行ったものとまでは認められないこと、(ヘ)本件配置転換が、千葉動労によるストの影響力を減殺することを通じてその弱体化を図るためになされたものであると認められないこと等からすると、本件配置転換は、結果として同支部の組合活動に支障が生じうることは窺えるものの、他方において、本件配置転換は、業務上の必要性及び人選の合理性が認められ、配置転換として特に不自然なものとはいえないので、不当労働行為意思に基づいてなされたものとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集125集1189頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2003年10月10日 1018号 18頁 
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