概要情報
事件名 |
あすなろ福祉会 |
事件番号 |
東京地労委 平成13年(不)第1号
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申立人 |
全労協全国一般東京労働組合 |
被申立人 |
社会福祉法人あすなろ福祉会 |
命令年月日 |
平成15年 5月 6日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
社会福祉法人が、団交予定日の10日前までに団交申入れを行うとする労働協約に違反したとして、組合に対し謝罪や労働協約を遵守する旨の誓約等を求め、謝罪等がないことを理由にその後の組合からの団交申入れに応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、労働協約を遵守する旨の誓約がないこと等を理由に団体交渉を拒否することなく、誠意をもって応じることを命じた。 |
命令主文 |
被申立人社会福祉法人あすなろ福祉会は、申立人全労協全国一般東京労働組合が、(1)平成12年度冬期賞与、(2)勤務番変更、(3)日常業務のルール化、(4)有給休暇の変更方法及び弔慰見舞金の支払基準、(5)施設の安全確保、(6)年末保育体制及び(7)13年9月5日付組合員X1あて「懲戒処分留保通告書」の問題について団体交渉を申し入れたときは、12年9月25日付団体交渉申入書及び同年10月11日付文書に関する謝罪、主張の撤回がないこと、並びに労働協約を遵守する旨の誓約がないことを理由に拒否することなく、誠意をもって応じなければならない。 |
判定の要旨 |
2235 その他組合の態度
2244 特定条件の固執
団体交渉申入れは交渉予定日の10日前までに申し入れるとの労働協約に違反したことについて、組合の態度にも問題がなかったとはいえないものの、10月3日以降は、組合が労働協約に従った団体交渉申入れを行っているにもかかわらず、会は、これに対し一切応じておらず、会が団体交渉に応じなかった理由には、いずれも正当な理由が認められないのであるから、7条2号の不当労働行為に当たるとされた例。
4505 その他
組合が救済内容としている8項目の団体交渉議題は、いずれも労働条件に係るものであり、義務的団体交渉事項であると認められるが、労働条件の破棄の件は、会が組合に申し入れた交渉事項であり、組合からは申入れを行っていないこと、及び組合が別途救済を求めていることから、労働協約破棄の件を除く7項目の議題に係る団体交渉の応諾を命じることが相当であるとされた例。
4612 P.Nに替えて他の措置を命じた例
組合は、救済内容として謝罪文の交付・掲示をも求めているが、本件の救済としては、団体交渉に誠意をもって応じることを命じることで足りるとされた例。
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業種・規模 |
社会保険、社会福祉 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集126集58頁 |
評釈等情報 |
 
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