概要情報
事件名 |
猪子歯科 |
事件番号 |
徳島地労委 平成13年(不)第1号
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申立人 |
猪子歯科女子労働組合 |
被申立人 |
猪子歯科医院 |
命令年月日 |
平成14年 3月22日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
(1)労働協約の一部条項の一方的破棄、(2)就業規則の一方的改定、(3)平成13年度春闘及び上記(1)、(2)についての不誠実団交が不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)誠実団交応諾、(2)団交で合意した退職金の支給に関する協定書の作成を命じ、労働協約の一部条項の一方的破棄及び就業規則の改定の撤回の申立てについては却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人が平成11年7月23日にした平成6年3月29日付け協定書の一 部解約通知の撤回を求める申立て及び被申立人が平成12年1月1日に施行し た就業規則の復元を求める申立てを、いずれも却下する。 2 被申立人は、平成11年7月23日に解約を通知した平成6年3月29日付 け協定書中の1の(2)の「労働条件に関する事項は、今後組合と協議決定の 上実施する。」との条項についての団体交渉に誠実に応じなければならない。 3 被申立人は、平成12年1月1日施行の就業規則において従業員に不利益に 変更した慶弔休暇日数及び休職期間についての団体交渉に誠実に応じるととも に、同年6月8日の団体交渉において合意した申立人組合員に対する退職金の 支給について、協定書を作成しなければならない。 4 被申立人は、平成13年度春闘について、経営状況を把握しうる資料を提示 するなどして、申立人と誠実に団体交渉を行わなければならない。 |
判定の要旨 |
5200 除斥期間
本件解約通知と就業規則の改定に関する不利益取扱い及び支配介入についての救済申立ては平成13年10月24日になされたが、本件解約通知は平成11年7月23日に行われ、就業規則は平成12年1月1日に改定されたもので、いずれも一回限りの行為と認められ、申立ての日までに一年以上経過していることから、労働組合法第二七条第二項に規定する申立期間を経過しており審査の対象とすることができないとして、労働委員会規則第三四条第一項第三号により却下された例。
2240 説明・説得の程度
2245 引き延ばし
2252 署名・調印拒否
労働協約の一部解約通知、就業規則の改定及び平成13年度春闘に係る団体交渉について、医院は、団体交渉期日の設定について誠意をもって努力しているとは認められないこと、団体交渉で合意した事項の書面化を拒否していること、団体交渉事項についての根拠の説明や経営資料の提示を一切拒否しており、組合との合意を得ようとの努力や説明義務を尽くしているとは認められないことから、かかる医院の団体交渉における態度は不誠実であり、労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為に当たるとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集122集544頁 |
評釈等情報 |
 
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