概要情報
事件名 |
川越観光自動車 |
事件番号 |
埼玉地労委 平成10年(不)第7号
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申立人 |
全労協全国一般東京労働組合 |
申立人 |
女性ユニオン東京 |
被申立人 |
川越観光自動車株式会社 |
命令年月日 |
平成13年 6月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、観光バスガイドから事務員に配置転換した後に組合に加入したX1に係る団交において、現職復帰を拒否したこと、団交において不誠実な対応をとったことが争われた事件で、誠実団交応諾、文書手交を命じ、その余の申立て(現職復帰等)を棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人らとX1の処遇の問題について交渉するに当たって、申立 人らに対して交渉に必要な関係資料の提示、回答根拠の具体的な説明をするな ど誠意をもって団体交渉に応じなければならない。 2 被申立人は、申立人らに対し、下記の文書を本命令書受領の日から5日以内 に手交しなければならない(下記文書の中の年月日は、手交する日を記載する こと。)。 記 平成 年 月 日 全労協全国一般東京労働組合 執行委員長 X3 様 女性ユニオン東京 執行委員長 X4 様 川越観光自動車株式会社 代表取締役 Y1 川越観光自動車株式会社が、全労協全国一般東京労働組合及び女性ユニオン 東京とYの処遇問題について交渉中であったにもかかわらず、事前に組合に何 ら説明することなく旅行業を廃業したこと並びに団体交渉において組合から旅 行業廃業の経緯や鶴瀬営業所の今後の位置付けについての説明、経営及び営業 政策に関する資料の提供を求められたにもかかわらず、資料の提示及び回答根 拠の具体的な説明をしなかったことは、埼玉県地方労働委員会において不当労 働行為と認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう誓約いたし ます。 3 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
会社は、X1が組合に加入する以前から同人の原職復帰の要求に応じておらず、このことは同人が組合員であるとの疎明もないことから、会社がX1を原職に復帰させない行為は、組合の組合員であることを嫌悪して行った不当労働行為とはいえないとされた例。
2240 説明・説得の程度
会社は、旅行業の廃業の理由等について何ら説明をしておらず、また、組合がX1の配転先の営業所の今後の位置づけについての説明、営業及び営業政策に関する資料の提供を求めたのに対し、資料の提示を拒否し、回答の根拠の具体的説明をしなかったことは、誠実に団体交渉に応じたものとはいえないとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
組合員が支出した立替金を支払わないこと、組合員に資格手当を支給しないこと、研修参加の際の乗車券・特急券を支給しなかったこと等は、主張する事実の疎明がなかったり、組合に加入後に新たに発生した事柄ではないから、会社が組合員であることを嫌悪して行った不利益な取扱いとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集120集95頁 |
評釈等情報 |
 
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