概要情報
事件名 |
宇都宮戸祭自動車教習所 |
事件番号 |
栃木地労委 平成 6年(不)第3号
栃木地労委 平成 6年(不)第4号
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申立人 |
合化労連化学一般関東地方本部関東全自動車学校労働組合 |
被申立人 |
有限会社 宇都宮戸祭自動車教習所 |
命令年月日 |
平成 7年 8月17日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が(1)赤腕章を装着して教習業務を行った分会員に対し、教習業務への従事の拒否を行ったこと、(2)会社から組合、分会等あての文書を改めて分会員個人あてに郵送したこと、(3)団交に際し、賃上げの根拠資料を提出しなかったこと、(4)就業規則及び協定書に基づく休日出勤等の業務命令を自ら拒否し、分会員らにも指導したことを理由に分会三役を懲戒解雇としたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 栃木地労委は(2)、(3)について不当労働行為であるとし、(2)については当該行為の禁止を、(3)については誠実に団交に応ずることを、また(2)、(3)双方について文書手交及び文書掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、被申立人からの申立人、申立人宇都宮戸祭自動車教習所分会等あての文書を 個別に当該分会員に郵送することにより、組合の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人からの平成6年2月22日付の春闘要求書について、誠実に団体交渉に 応じなければならない。 3 被申立人は、この命令書受領の日から1週間以内に、次の文書を年月日を記入の上、縦 55cm×横80cmの白紙に楷書で鮮明に墨書して、被申立人会社正面入口の見やすい場所に10日 間掲示しなければならない。 記 当社が貴組合、貴分会等あての文書を個別に分会員に郵送したこと及び貴組合から申入れ のあった平成6年2月22日付の春闘要求書について誠実に団体交渉に応じなかったことは、 栃木県地方労働委員会において不当労働行為であると認定されました。 ここに陳謝すると共に今後かかる行為を行わないことを誓約いたします。 平成 年 月 日 有限会社 宇都宮戸祭自動車教習所 代表取締役 Y1 合化労連化学一般関東地方本部 関東全自動車学校労働組合 執行委員長 X2 殿 同宇都宮戸祭自動車教習所分会 分会長代行 X9 殿 4 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1401 労務の受領拒否
自動車教習業務時の腕章装着は、正当なものとは認められないから、そのことを理由とした分会員の教習業務への従事の拒否は不当労働行為ということはできないとされた例
2620 反組合的言動
会社からの組合、分会等あて文書を分会員に同勤させるのは組合の内部問題であり、当該文書を改めて分会員個人あてに郵送したこと自体が組合内部の問題についての干渉であり、支配介入に当たるとされた例
2240 説明・説得の程度
賃上げの根拠となる資料を提出して説明すべきところ、組合からの資料の提出要求がないからといってまったく資料を提出しない会社の交渉態度は、誠意をもって団体交渉に応じたとはいえないとされた例
1102 業務命令違反
就業規則及び協定書に基づく休日出勤等の業務命令を自ら拒否し、分会員らにも指導したこと等を理由とする分会三役の懲戒解雇は不当労働行為であるとまではいえないとされた例
3301 不当労働行為とされなかった例
業務命令の拒否等を理由とする分会三役の懲戒解雇が事件の係属を意識して行われたものということができないとされた例
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集102集421頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 平成 8年 1月30日 1582号 9頁 
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