概要情報
事件名 |
白水会 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 4年(不)第23号
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申立人 |
紀泉病院労働組合 |
申立人 |
泉州地方労働組合連合会 |
申立人 |
せんしゅうユニオン |
被申立人 |
医療法人 白水会 |
命令年月日 |
平成 5年12月 3日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、法人が、(1)団交の場で「組合員の範囲について」の意見を表明したこと、(2)「非組合員の範囲について」の意見を表明する形で文書の配布をしたこと、(3)法人側の提案内容や見解についての文書を掲示したこと、(4)スタッフ管理会議を医師を除いて開催したことが不当労働行為として争われた事件である。 大阪地労委は、(2)について不当労働行為に該当するとして文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人各組合に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 泉州地方労働組合連合会 執行委員長 X1殿 せんしゅうユニオン 執行委員長 X2殿 紀泉病院労働組合 執行委員長 X3殿 医療法人白水会 理事長 Y1 当病院が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 平成4年4月14日の団交において、医師を組合代表として交渉のうえ、「理事及び監事以外の非組合員の範囲については、病院と組合が協議、決定する」旨の確認書を締結しているにもかかわらず、せんしゅうユニオン紀泉病院分会結成からまだ日の浅い同年5月12日、組合員の範囲について、「労組法第2条第1号により、管理職、監督の地位にある者、企業の機密に関与する者は組合員となることがおかしいとされていますが、当病院もそのように考えます。次回の団交で、このことを組合側に示し、現実に主任以上の者は組合員とはなれないとの申入れをするつもりです」と記載し、就業規則第4条(管理職及び機能の規定…理事者、事務長、部長、課長、医師)などを引用した理事長名の文書を、団交に先立って、医局以外の各職場に配布したこと。 2 申立人らのその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2625 非組合員化の言動
非組合員の範囲につき協議を行う確認者がある以上、病院が団交の場で非組合員の範囲に関する意見を表明し、提案することは、組合の自主性に干渉するものではなく、協議自体を直ちに支配介入とすることはできないとされた例。
2620 反組合的言動
病院の5、12付文書は、組合の機先を制する形で理事長名で、主任以上の者は組合員となれないとの見解を表明したもので、これを各職場に配付したことは、職員に心理的な圧迫を与えるものの、言論の自由を超えた支配介入であるとされた例。
2625 非組合員化の言動
病院の5、28付文書は、団交における病院側協定書を掲載し、非組合員の範囲の提示を記載したもので、これを病院食堂に掲示しても、単に報告内容の掲示であり、直ちに支配介入までとはいえないとされた例。
2620 反組合的言動
スタッフ会議における発言内容は、5、28付文書と同趣旨の、団交における証明の報告であったと認められ、これが直ちに支配介入であるとまではいえないとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集98集276頁 |
評釈等情報 |
 
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