概要情報
事件名 |
ネッスル(賞与) |
事件番号 |
兵庫地労委昭和63年(不)第6号
兵庫地労委昭和63年(不)第10号
兵庫地労委平成 1年(不)第6号
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申立人 |
ネッスル日本労働組合 |
被申立人 |
ネッスル 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年 3月 8日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、別組合との間で締結した欠勤条項を申立人組合に適用して組合員の賞与を減額控除したことが争われた事件で、組合員に対する賞与の支給すべき額と支給額との差額の支払い及び文書交付を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、別表1ないし別表3記載の申立人組合の各組合員に対して、それぞれ別表1 ないし別表3の「差額」欄記載の金員を支払わなければならない。 2 被申立人は、本命令書写し受領後、1週間以内に、下記内容の文書を申立人に交付しなけ ればならない。 記 当社が、昭和62年夏季賞与、同年冬季賞与及び昭和63年夏季賞与において、貴組合の組合 員に対して行った減額控除は、いずれも兵庫県地方労働委員会において、労働組合法第7条 第1号及び第3号に定める不当労働行為に該当すると認定されました。 今後、このような行為をしないよう誓約します。 平成 年 月 日 ネッスル日本労働組合 本部執行委員長 X1 殿 ネッスル日本株式会社 代表取締役社長 Y1 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
賞与支給額の決定にあたり、組合活動について乙組合員には旧控除基準よりも有利な取扱いをしながら、甲組合員には新控除基準を適用して賞与から大巾な減額控除したことが不利益取扱いであるとされた例。
3103 労働協約締結をめぐる行為
2組合併存下において、会社が甲組合の存在を否定して一切の団交を拒否したり、乙組合との間にユ・シ協定があることを理由に、乙組合との間の労使間協定を甲組合員に一方的に適用したことが支配介入であるとされた例。
4413 給与上の不利益の場合
賞与支給額の決定にあたり適用する控除基準については、過去7回の賞与支給の際適用された旧控除基準に基づいて取り扱うのが適切であるとされた例。
4413 給与上の不利益の場合
賞与支給にあたり、新控除基準を排除し旧控除基準に準じて取扱う場合に62年夏季賞与以降両組合の組合員に支給されている6.2カ月分の賞与額をそのまま維持しても妨げないものとされた例。
4831 組織変更
ネッスル労組内に内部対立があり、その結果、会社内に2組合が併存するに至ったことは動かし難い事実であり、申立人組合の代表者も記録上明らかであるから本件申立は適法であるとされた例。
5008 その他
労委は、私法上の権利や労使慣行の有無にかかわりなく、事実上組合の団結権に対する侵害を除去するために必要かつ適切な救済命令を発することができるとされた例。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集92集139頁 |
評釈等情報 |
 
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