概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(福井配属) |
事件番号 |
福井地労委 昭和62年(不)第2号
福井地労委 昭和62年(不)第3号
福井地労委 昭和62年(不)第4号
福井地労委 昭和62年(不)第5号
福井地労委 昭和62年(不)第6号
福井地労委 昭和62年(不)第8号
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申立人 |
国鉄労働組合北陸地方本部福井県支部 |
申立人 |
国鉄労働組合北陸地方本部 |
申立人 |
X1 ほか73名 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 6月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員74名に対し本来業務から旅行センター等へ出向・配転を行ったことが争われた事件で、74名に対する配属・出向発令の撤回、公正な方法による配属等の発令、同問題に関する団交応諾、他組合員との差別取扱いによる支配介入の禁止及び文書交付を命じ、陳謝文の掲示及び手交については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、次の措置を講じなければならない。 (1)西日本旅客鉄道株式会社設立委員が西日本旅客鉄道株式会社設立委員会委員長名でなし た別表IおよびII記載の申立人らに対する昭和62年4月1日付け配属発令および西日本旅客 鉄道株式会社がなした別表II記載の申立人らに対する同年10月 1日付け発令をそれぞれ撤 回し、かつ、組合所属のいかんによらない公正な方法による配属等の発令をすみやかに行 うこと。 (2)前記公正な方法による配属等の具体的実施に関し、申立人国鉄労働組合北陸地方本部また は同国鉄労働組合北陸地方本部福井県支部から協議ないし団体交渉の申入れを受けた場合 は、誠実にこれに応じること。 2 被申立人は、申立人組合に所属する組合員に対する今後の配属等に関し、他の労働組合所 属の組合員と差別取扱いをすることによって申立人組合の組織・運営に支配介入してはなら ない。 3 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に、次に記載する文書を申立人国鉄労働組 合北陸地方本部および同国鉄労働組合北陸地方本部福井県支部に交付しなければならない。 誓 約 文 年 月 日 国鉄労働組合北陸地方本部 執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合北陸地方本部福井県支部 執行委員長 X3 殿 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った貴労働組合所属の別表IおよびII記載の組合員に対する昭和62年4月1日付け 配属発令および別表II記載の組合員に対する同年10月1日付け発令は、いずれも不当労働行 為であると福井県地方労働委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さ ないよう誓約します。 4 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
国労組合員74名を62年4月1日付けで旅行センター及び営業課分室に配属したことが不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
本件62年10月1日付け組織改正に伴い本件申立人X4ら62名を従前とほとんど変わらない勤務場所等の配属発令したことが、組織改正を理由として同人らを異職種に固定化しようとした不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
国労組合員4名を62年11月4日付けでベーカリーショップあるいは駅の居酒屋へ配転したことが、不利益取扱いについての具体的事実及び程度が明白となってないとして棄却された例。
1301 出向
国労組合員3名に対する62年10月21日あるいは同年11月4日付け出向発令は、不利益取扱いについての具体的事実及び程度が明白となっていないとして棄却された例。
3900 「不利益の範囲」
本件旅行センター及び営業課分室への配属により、当該組合員は精神的、経済的不利益を受けたものと推認された例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件申立人X1は現在鉄道輸送部門で運転士として勤務しているが、同人に対して一旦、本件4月1日付け配属がなされた以上不当労働行為に該当しないとはいえず、却下すべき事由は認められないとされた例。
4417 条件付命令・協議命令
本件配属発令の救済について、当該配属等の具体的実施に関しては、地本又は支部との協議により調整することを命じた例。
4905 経営補助者
金沢支社は法人組織の公正部分にすぎず、労組法7条にいう使用者に当たらないとして、会社のみを当事者として表示した例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が62年3月10日付けで行った人事異動は、国鉄が設立委員に代わって行った措置で、その行為の責任は設立委員が負うべきであり、新会社が責任を負うべきであるとされた例。
5121 挙証・採証
本件被申立人は62年4月1日付け配属に関与していないという形式論に終始するのみで、個別具体的に申立人らに対する反論及び反証を行わないので、労委として大量観察方式を採らざるをえないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集86集1001頁 |
評釈等情報 |
 
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