労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  富里商事 
事件番号  中労委昭和56年(不再)第4号 
再審査申立人  富里商事 株式会社 
再審査被申立人  ノースウェスト航空日本支社労働組合 外組合員24名 
命令年月日  昭和57年 6月16日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  ストに参加した申立人ら組合員24名に対し、ホテル支部の組合加入のための規約改正手続がとられていないから職場離脱に該当するとして、処分の対象となるなどと警告等をしたことが争われた事件で、警告等の撤回、従業員食堂へのポスト・ノーティス及び各組合員に対する文書手交を命じた初審命令について、使用者から再審査の申立てがなされ、中労委はポスト・ノーティスの文言の内容等を変更したほかは初審命令を支持し、再審査申立てを棄却した。 
命令主文  主     文
1 再審査申立人は、再審査被申立人組合が昭和55年4月8日から同年5月13日の間に行った時限ストライキに参加した再審査被申立人である別記第3(省略)記載の組合員に対して、同年4月10日付け、同年4月23日付け及び同年5月15日付け警告並びに通告書をもってなした警告並びに通告をそれぞれ撤回し、かつ、上記組合員に対し、今後上記各警告並びに通告がなかったものとして取り扱わなければならない。
2 再審査申立人は
(1) 再審査被申立人組合に対し、別紙第1及び同第4と同一文言の文書
(2) 再審査被申立人である別記第1(省略)記載の組合員16名に対し、別紙第2と同一文言の文書
(3) 再審査被申立人である別記第2(省略)記載の組合員14名に対し、別紙第3と同一文言の文書
(4) 再審査被申立人X1に対し、別紙第5と同一文言の文書をそれぞれ手交しなければならない。
3 再審査申立人は、本命令交付後1週間以内に上記別紙第1と同一文言を、縦1メートル、横2メートルの上質の白紙の表の全面に、かい書をもって明瞭に墨書し、再審査申立人が経営する肩書の成田インターナショナルホテルの従業員食堂の壁の従業員が見やすい位置に、1週間これを掲示しなければならない。
4 その余の本件再審査申立てを棄却する。
 別紙第1
 当社は、貴組合が昭和55年4月8日から同年5月13日の間に行った時限ストライキに参加した貴組合の組合員に対し、昭和55年4月10日付け、同年4月23日付け及び同年5月15日付けの各警告並びに通告書を発したことが、いずれも労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。よって、今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
  昭和 年 月 日
           富里商事株式会社
            代表取締役 Y1
ノースウェスト航空日本支社労働組合
中央執行委員長 X2 殿
(注:年月日は、手交文書にあっては手交の日付を、掲載文書にあって は掲載の日付をそれぞれ記入すること。)
 別紙第2
 当社は、ノースウェスト航空日本支社労働組合が行った時限ストライキに参加した貴殿に対し、昭和55年4月10日付及び同年5月15日付けの各警告並びに通告書を発したことが、いずれも労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。よって、今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
  昭和 年 月 日
           富里商事株式会社
            代表取締役 Y1
            殿
(注:別記第1記載の16名の組合員にそれぞれあて名を記入したうえ各 1通を手交すること、年月日は手交の日付を記入すること。)
 別紙第3
 当社は、ノースウェスト航空日本支社労働組合が行った時限ストライキに参加した貴殿に対し、昭和55年4月23日付け及び同年5月15日付けの各警告並びに通告書を発したことが、いずれも労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。よって、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
  昭和 年 月 日
           富里商事株式会社
            代表取締役 Y1
            殿
(注:別記第2記載の14名の組合員にそれぞれあて名を記入したうえ各 1通を手交すること、年月日は手交の日付を記入すること。)
 別紙第4
 当社は、貴組合が昭和55年4月18日17時から19時まで行った時限ストライキに貴組合の組合員清水芳雄殿が参加しなかったにもかかわらず、昭和55年4月23日付けの警告並びに通告書を同人に交付いたしましたことが、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。よって、今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
  昭和 年 月 日
           富里商事株式会社
            代表取締役 Y1
ノースウェスト航空日本支社労働組合
中央執行委員長 X2 殿
(注:年月日は手交の日付を記入すること。)
 別紙第5
 当社は、ノースウェスト航空日本支社労働組合が昭和55年4月18日17時から19時まで行った時限ストライキに貴殿が参加しなかったにもかかわらず、昭和55年4月23日付けの警告並びに通告書を貴殿に交付致しましたことが、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。よって、今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
  昭和 年 月 日
           富里商事株式会社
            代表取締役 Y1
 X1 殿
(注:年月日は手交の日付を記入すること。)
別 記
 第1
 第2
 第3 
判定の要旨  1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
ホテル支部の組合加入については必要な規約改正手続を経ておらず、従って組合からの指令に基づくホテル支部のストは無断職場離脱にほかならず、これに参加した組合員に対し警告等を発することは使用者として当然であるとの会社主張について、規約改正手続がとられていなかったとしても個人加入していることは明白であるとして、スト参加者に対する警告等を不当労働行為であるとした初審判断を支持した例。

業種・規模  旅館、その他の宿泊所 
掲載文献  不当労働行為事件命令集71集645頁 
評釈等情報  中央労働時報 1982年10月10日  688号 15頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
千葉地労委昭和55年(不)第1号/他 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和55年12月24日 決定 
千葉地労委昭和55年(不)第2号/他 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和55年12月24日 決定 
千葉地労委昭和55年(不)第3号/他 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和55年12月24日 決定 
東京地裁昭和57年(行ウ)第118号 請求の棄却  昭和59年 1月19日 判決 
東京高裁昭和59年(行コ)第3号 一審判決の一部取消し  昭和59年11月29日 判決 
最高裁昭和60年(行ツ)第62号 上告の棄却  昭和61年 2月18日 判決 
 
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