概要情報
事件名 |
加勢運輸 |
事件番号 |
福岡地労委 昭和53年(不)第38号
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申立人 |
総評・全国一般労働組合福岡地方本部福岡支部 |
被申立人 |
加勢運輸 有限会社 |
命令年月日 |
昭和55年 7月22日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合員9名に対し賃金改訂案受諾拒否以降の就労を拒否した事件で、就労拒否の撤回、原職復帰、バックペイ、ポスト・ノーティスを命じ、他の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人会社は、申立人組合の分会員X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9に対し昭和49年8月3日なした同月5日からの就労拒否を撤回し、同人らを原職に復帰せしめ、昭和49年8月5日から昭和50年1月20日まで及び昭和53年9月16日以降原職復帰までの期間同人らが得べかりし賃金相当額を支払わなければならない。 2. 被申立人は、本命令交付の日から1週間以内に、下記の文書を縦1メートル、横2メートルの白紙に明瞭に墨書して、会社の従業員の見やすいところに1週間掲示しなければならない。 記 昭和49年8月5日から昭和50年1月20日まで及び昭和53年9月16日以降今日まで貴組合の分会員X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9に対し会社がなした就労拒否は、福岡県地方労働委員会の命令により不当労働行為であると判断されましたので、その是正措置を講じるとともに、今後このような行為をいたしません。 昭和 年 月 日 総評・全国一般労働組合福岡地方本部福岡支部 執行委員長 X10 殿 加勢運輸有限会社 代表取締役 Y1 3. 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
5200 除斥期間
5201 継続する行為
本件申立ては、就労拒否の最初の日から1年以上経過した日に至ってなされたものではあるが、就労拒否の不当労働行為は最初の日以降継続し、分会員の執ような就労申入れに対してもこれを受け入れず、その間の営業再開の際にも分会員の就労を許さなかったのであるから、就労拒否は最初の日から今日まで継続せるものであると認められる。よって、労働組合法第27条第2項の除斥期間を適用する余地はない。
1800 会社解散・事業閉鎖
組合員9名に対し賃金改訂案受諾拒否以降就労を拒否し、作業所を閉鎖したことが分会員らの組合活動を嫌悪した不当労働行為とされた例。
4405 バックペイから他収入控除
就労拒否の期間中の収入等が明らかでないので、バックペイの支払いにつき、中間収入の控除を命ずることはできないとされた例。
4418 継続する行為を認めた例
5200 除斥期間
5201 継続する行為
会社の就労拒否の意思表示の日から1年以上経過した後になされた救済申立てにつき、就労拒否が最初から今日まで継続しているとして、労組法27条2項の除斥期間を適用する余地はないとした例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集68集134頁 |
評釈等情報 |
 
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