概要情報
事件名 |
フジテック |
事件番号 |
中労委 昭和52年(不再)第31号
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再審査申立人 |
総評全国一般大阪地連フジテック労働組合 |
再審査被申立人 |
フジテック 株式会社 |
命令年月日 |
昭和54年10月 3日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
50年の夏季、年末一時金支給に際して、ビラ配布のため職場離脱した組合員について、一時金から倍額カットしたことが争われた事件で、初審命令は、組合が組合活動の具体的内容を会社に示したものについては控除した額の2分の1相当額(年5分の割合による金員の付加)の返還を命じ、具体的内容を示さなかったもの及びバックペイに対する消費者物価上昇率に相当する利子の付加とポスト・ノーティスについては棄却した初審命令中、2名の組合員の棄却部分をを取消し変更して救済申立てを認容したほかは申立てを棄却し、書面により追加して再審査を申立てた5名については申立期間徒過により却下した。 |
命令主文 |
1 再審査申立人が、昭和52年7月20日付書面(命令書別紙第2)により追加したX1他4名に関する再審査申立てを却下する。 2 初審命令主文第1項別表を変更し、同表中のX2及びX3に関する部分のそれぞれの始めに次を加える。
X2 49年12月20日 1時間15分
同 50年2月20日 1時間15分
X3 50年2月20日 1時間15分
3 その余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1203 その他給与決定上の取扱い
組合員2名の職場離脱は、会社に事前届出の上、従業員の定時通勤に間に合わせてビラ配布を行うためやむなくなされたと認められる一方、会社がこれにより格別業務に支障を来たしたとの疎明もなく、情宣活動に対する従来の会社の態度等を勘案すると、同職場離脱を理由として同人らの一時金から倍額控除を行ったことは、職場離脱に関する事前承認制についての労使の見解の不一致に便乗して組合員を不利益に取り扱ったものといわざるをえず、この部分について棄却した初審命令は失当である。
5124 その他の審査手続
再審査の対象となる範囲は再審査申立書に記載した文言により決定され、その文言の解釈は文言自体の意味はもとより、申立書の記載全体とか、事件の資料によって認められる諸般の事情を斟酌し表意者の意図するところを合理的に探求してきめるべきものと考える。本件の再審査申立書によれば、初審で棄却された部分のうちの一部を挙示しており、審査の対象をこの部分に限定したと読むのが自然であるところ、再審査申立人はその後具体的救済内容の追加と題する書面により再審査申立書に記載漏れの具体的救済内容を補充したが、再審査申立書の記載では棄却された部分の一部だけを例示的に記載したものと読むことは困難であり、また初審命令を読み間違えたとの事情も認め難い。それ故、具体的救済内容の追加と題する書面は、再審査における別個の救済申立てというべきであり、再審査申立期間経過後にかかるものとして却下を免れない。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集66集815頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和55年1月10日 643号 13頁 
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