概要情報
事件名 |
キング工業 |
事件番号 |
埼玉地労委昭和47年(不)第9号
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申立人 |
総評全国金属労働組合埼玉地方本部キング工業支部 |
申立人 |
総評全国金属労働組合埼玉地方本部 |
被申立人 |
キング工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和52年 6月 2日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
労務ニュース等の発行に際し、組合を中傷、誹謗し、地裁への仮処分申請・労委の審問傍聴のための年休使用を拒否又は制限し、組合の残業拒否闘争に抗議し、ストを欠勤扱いとして皆勤手当の一部をカットし、さらに組合役員3名を譴責処分に付した事件で、年休使用制限等の支配介入の禁止、皆勤手当カット分の支給、譴責処分の取消しを命じ、ポスト・ノーティスについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、労務ニュース等の発行に際し、申立人らを誹謗、中傷したり、申立人キング工業支部組合員が正当な組合活動をすることを理由とする年次有給休暇の使用につき、拒否又は制限したり、あるいは同支部の残業拒否闘争が労働協約違反であるかの如く抗議するなどして、組合の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、別紙申立人キング工業支部組合員11名に対し、同人らが昭和47年4月6日に半日ストライキをしたことを理由として控除した同年4月分の皆勤手当 1,000円を各人に支給しなければならない。 3 被申立人は、申立人キング工業支部役員であったX1、同X2、同X3に対する昭和47年4月13日付、同月18日付及び同月19日付の正当な組合活動を理由としてなした譴責処分を取消さなければならない。 4 申立人らのその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0211 その他の組合活動
1400 制裁処分
支援団体の構内導入及び会社周辺での抗議行動は、正当な組合活動の限界を超えたものとは認められず、これを理由に組合三役を譴責処分に付したことが不利益取扱いとされた例。
1204 スト・カット
半日ストを欠勤扱いとして、皆勤手当の一部をカットしたことが、不利益取扱いとされた例。
2620 反組合的言動
会社が発行した労務ニュースの内容が組合を中傷、誹謗する支配介入とされた例。
3102 争議対抗手段
組合の残業拒否闘争に対し、抗議書を発したことが支配介入とされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
地裁へ仮処分申請のための年休使用を時季変更権を行使して制限したことが支配介入とされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
労委の審問傍聴に行くための年休使用を時季変更権を行使して制限したことが支配介入とされた例。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集61集488頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1977年10月1日 280号 83頁 
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