概要情報
事件名 |
大桑生コン |
事件番号 |
長野地労委昭和50年(不)第3号
|
申立人 |
全国自動車運輸労働組合大桑生コン支部 |
被申立人 |
株式会社 吉川工務店 |
被申立人 |
大桑生コン 株式会社 代表者清算人 Y1 |
命令年月日 |
昭和51年 3月11日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
受注量減を理由に会社を解散し、全組合員を解雇した事件で、親会社及び清算会社あて、原職復帰、バックペイ、組合脱退強要の禁止及びポスト・ノーティスを命じ、人事等に関する協議約款の将来における誠実な履行、損害賠償については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人株式会社吉川工務店及び大桑生コン株式会社は、申立人組合の組合員に対し、次の措置を講じなければならない。 (1) 昭和50年 2月20日の解雇がなかったものとして、解雇の日以降毎月17日限り、申立人組合の組合員が受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。 (2) 申立人組合の組合員を、被申立人株式会社吉川工務店の大桑生コン工場において、生コンクリート運送業務に従事させること。 2. 被申立人株式会社吉川工務店及び同大桑生コン株式会社は、申立人組合の組合員に対して、組合からの脱退を強要するなどの支配介入行為を行ってはならない。 3. 被申立人株式会社吉川工務店及び同大桑生コン株式会社は、下記の誓約書を申立人組合に手交するとともに、同文を縦1メートル、横2メートルの木板に墨書して、被申立人株式会社吉川工務店の大桑生コン工場入口の従業員の見やすい場所に、7日間掲示しなければならない。 記 誓 約 書 株式会社吉川工務店及び同大桑生コン株式会社は、全国自動車運輸労働組合大桑生コン支部の壊滅を意図して、同支部の組合員に対し同支部からの脱退を強要したり、大桑生コン株式会社の解散を理由に同支部の組合員を解雇しました。 これらの行為は、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を行わないことを誓約します。 以上、長野県地方労働委員会の命令によって掲示します。 昭和 年 月 日 全国自動車運輸労働組合大桑生コン支部 執行委員長 X1 殿 株式会社吉川工務店 代表取締役 Y2 大桑生コン株式会社 清 算 人 Y1 4. その余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1800 会社解散・事業閉鎖
Y工務店および会社が経営不振を理由に会社を解散し、申立人組合員全員を解雇したことは、会社の経営が行きづまったということは措信できないこと、会社を解散し、組合員全員を解雇した後に別会社を設立し、非組合員らを雇用しようとした一連の画策が、親会社であるY工務店の意図に基づき行われたものであること、組合が結成以来ストライキを含む闘争によって、労働条件について成果をあげてきたことについて会社が嫌悪していたと認められることなどからY工務店と会社の行為は不当労働行為である。
4915 親会社
T社は、親会社Y工務店の生コン工場の生コン運送を目的に設立されたものであること、T社の物的設備はミキサー車以外何もなく、必要な施設はY工務店のものを使用していること、T社の運送業務・運賃契約の締結、申立人組合員の人事・労務・福利などについてはY工務店が支配的立場にあること、さらに組合活動の面においても、申立人組合員とY工務店は対向関係にあることなどから、Y工務店は本件救済申立てについて、被申立人としての適格を有する。
|
業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集268頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 昭和51年 8月10日 909号 74頁 
労働判例 1976年 8月 1日 252号 73頁 
|