概要情報
事件名 |
京都市 |
事件番号 |
大阪高裁平成14年(行コ)第28号
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控訴人 |
X1 |
被控訴人 |
京都府地方労働委員会 |
被控訴人参加人 |
京都市 |
判決年月日 |
平成15年 1月29日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、京都市が、交通局の職員組合支部長に対し、係員から主任を経ないで係長に昇任させ組合員資格を失わせたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 京都地労委は、不利益取扱いに係る申立ては棄却し、支配介入に係る申立ては却下したところ、これを不服として組合員個人が行政訴訟を提起した。 京都地裁は、京都地労委の命令を支持し、組合員の請求を棄却したため、組合員個人が控訴したが、大阪高裁は、控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は、控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1603 組合活動上の不利益
組合支部長に対する主任を経ない係長への昇任については、従前の人事に照らすと、異例の人事であったことは確かであるが、主任を経て係長に昇任するという慣行があったことは認められず、また、交通局長は、職員任用規則に従い、その昇任の選考基準に沿って本件異動の発令をしたものであり、交通局側が平素から組合らに対して敵対した関係にあったとも認められないことから、交通局長に不当労働行為意思があったとまではいえず、労働組合法7条1号の不当労働行為に当たらないとした本件命令は適法であるとした原判決は相当である。
4811 労組法7条3号(個人申立)の場合
支配介入は労働組合に対する不当労働行為であって、その救済の申立ては労働組合がするのが原則であり、労働者個人は救済申立ての適格を有しないが、労働組合が御用化しているような場合で、組合員個人の申立てが認められることで労働組合の自主性や組織力が回復、維持されるような特段の事情がある場合には組合員個人による申立てを認めるべきであるとした原判決は相当である。
4811 労組法7条3号(個人申立)の場合
組合は、本件異動は不当労働行為には該当しないという趣旨の判断をするに至っており、控訴人が属していた反主流派の「めざす会」は、組合の主流派に対して批判的であるのは確かであるが、これらのことをもって組合が御用組合化しているという事実は認められず、また、支部長の異動後に組合活動が衰微したとも認められないことから、本件において支部長個人に申立てを認めるべき特段の事情はなく、支部長個人の支配介入にかかる申立てについては申立人適格がないとした本件命令は適法であるとした原判決は相当である。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
中央労働時報 2003年7月10日 1015号 37頁 
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