事件名 |
住友金属工業 |
事件番号 |
和歌山地裁平成 6年(行ウ)第6号
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原告 |
個人2名 |
被告 |
和歌山県地方労働委員会 |
被告参加人 |
住友金属工業 株式会社 |
判決年月日 |
平成12年 3月28日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社幹部が下級職制を利用して組合役員選挙に介入したこと
及び上司からの役員選挙での投票依頼の申出を拒否した組合員X1を除草作業等に従事させたことが不当労働行為であるとして争
われた事件である。和歌山地労委(平成3年(不)2、平成6年9月6日決定)は、申立てを棄却したところ、申立人個人はこれ
を不服として行政訴訟を提起したが、和歌山地裁は、原告個人の請求を棄却して地労委の命令を支持した。 |
判決主文 |
1 原告らの請求を棄却する。
2 訴訟費用は、原告らの負担とする。 |
判決の要旨 |
2624 組合人事への干渉
職場勉強会は、会社の業務遂行に資する面があり、研修施設を会場として提供する等の便宜供与は、このような性質の集会に対す
るものとして、さして過大とはいい難く、会社が、本件職場勉強会を特に優遇し、その便宜を図ったとの事情も窺えず、組合役員
選挙の投票方法等について定めた取決めは、事前の予定なく、本件分科会のフリートーキングの場を偶々利用して行ったというべ
きであって、会社の具体的な指示ないし関与を窺わせるべき事情は存せず、職場勉強会をもって、会社の指示のもとに実施された
選挙対策会議であると推認することは到底できないというべきとされた例。
2624 組合人事への干渉
以前の組合役員選挙において行われた使用者に準ずる上級職制が、具体的な選挙活動目標を掲げ、現執行部への信任や特定候補者
への支持を示唆することは、組合役員選挙への介入として法の禁ずるところであって、労務担当管理職らによる、選挙活動に奮起
すべき旨の発言や、具体的な得票目標を挙げ、組合の現執行部への批判票を押さえるべき旨の指示等は、不当労働行為に該当する
というべきであるが、右に類する介入行為が、本件役員選挙に至るまで、継続して行われていたことを直接に裏付けるに足る証拠
は何もなく、本件職場勉強会における不当労働行為を認めることはできないとされた例。
1302 就業上の差別
2624 組合人事への干渉
組合員X1に対する本件組合役員選挙の支部選挙における信任投票の強要については、その事実自体認められず、X1への除草作
業等の指示については、職場美化運動の一貫として指示されたものと認められ、不当労働行為を認めることはできないとされた
例。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集35集85頁 |
評釈等情報 |
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