概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(新幹線) |
事件番号 |
東京高裁平成 7年(行コ)第170号
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控訴人 |
東京都地方労働委員会 |
控訴人参加人 |
国鉄労働組合 |
控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部新幹線支部 |
被控訴人 |
東海旅客鉄道株式会社 |
判決年月日 |
平成 9年10月30日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合バッジ着用者を厳重注意処分に付したこと及び被処分者に対して夏季手当を減額支給したことが争われた事件である。 東京地労委は、厳重注意処分の撤回、バックペイ等を命じた。 会社がこれを不服として、行政訴訟を提起したところ、東京地裁が会社の請求を認容し、同地労委の命令を取り消したため、同地労委が控訴したが、東京高裁は控訴を棄却した |
判決主文 |
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人及び控訴人補助参加人3名の負担とする。 |
判決の要旨 |
0210 リボン・ワッペン等の着用
会社が、全社員を対象として、企業秩序の維持・確立を図るために、職場規律の乱れが指摘されていた国鉄時代とは異なる施策を採り、本件就業規則により組合バッジの着用を禁止したことは、十分合理性がある
1400 制裁処分
会社の本件組合バッジの着用者に対する厳重注意処分及び被処分者に対する夏季手当の減額支給措置は、やむを得ないものであったと認められ、会社が国労の組織を弱体化させるために、支配介入した不当労働行為であるとは認められない
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
勤務時間中の組合活動は、原則として労働者は就業時間中は使用者の指揮命令に服し、労務の提供を行うという義務に違反するものであるから、これを就業規則23条で明文で規定したことには合理性がある
0210 リボン・ワッペン等の着用
少なくとも文言上形式的には、本件組合バッジが就業規則20条3項にいう「会社が定める以外の胸章」に該当し、本件組合バッジの着用行為は勤務時間中の組合活動であり、同23条に違反することは明らかであり、したがって本件組合員等の勤務時間中のバッジ着用行為は、同3条1項の職務専念義務に違反する
0210 リボン・ワッペン等の着用
本件組合バッジの着用は、労務の提供の態様においては、職務専念義務に違反し、勤務時間中の着用による組合員に対する訴え行為は、着用していない組合員たる社員に対しても心理的影響を与え、それによって当該社員が注意力を職務に集中することを妨げるおそれがあるものであるから、この面からも企業秩序の維持に反するものであったといわなければならない
0210 リボン・ワッペン等の着用
国鉄改革法に従って新会社の運営を推進しようとする使用者及び分割民営化に賛成した他の労働組合との対立を意識させ、それによってこれらの者が注意力を職務に集中することを妨げるおそれがあるものであるという面からも企業秩序の維持に反するものであったことから、たとえ現実の職務遂行が害されるなどの具体的な実害はなくとも職務専念義務違反にあたる
0210 リボン・ワッペン等の着用
本件組合バッジ規制問題は、一連の国鉄改革問題から新会社の設立や組合バッジの規制に至った経緯、規制の趣旨、目的を抜きにして、単なる組合バッジの着用という一般論として抽象的に論じることはできず、国内外の鉄道関係組合員が勤務時間中に組合バッジの着用していることをもって、本件組合バッジの着用を正当化し、勤務時間中における、本件組合バッジの着用規制を不当とすることはできない
1401 労務の受領拒否
厳重注意を受けた本件組合員に対して昇給の欠格条項に該当するとして、本件措置を行ったことは、新会社設立の経緯に照らし、その合理的な企業秩序を維持・確立するための対応策として不相当であるとはいえず、不当労働行為と認めることはできない
3500 処分の時期
会社が全社員を対象として、企業秩序の維持・確立を図るために国鉄とは異なる施策をとり、本件就業規則により、組合バッジの着用を禁じ、再三にわたり注意・指導を重ねたにも関わらず継続したことを理由として、組合員らに対する本件措置に至ったことには十分合理性・相当性があったと言うべきである
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社の管理者の組合バッジを外させるための言動が、国労を嫌忌するがゆえに組織を弱体化させるために支配介入したものであるとか、正当な組合活動を制限した行為であるとは認められない
1401 労務の受領拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
本件夏季手当減額措置をもって、会社が組合を嫌忌するがゆえに組合の組織を弱体化させために支配介入した不当労働行為であると認めることはできない
6160 訴訟参加
共同訴訟的補助参加人である組合は、被参加人である労委の利益に反しないかぎり、労委が主張した事項であるか否かにかかわらず、主張することができる
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集32集486頁 |
評釈等情報 |
 
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