平成21年7月13日
中央労働委員会事務局調整第一課 課長 中山 明広 労働専門職 藤嶋 篤史 Tel 03-5403-2126 Fax 03-5403-2262 |
労働委員会で行う個別労働関係紛争のあっせん件数について〈平成20年度〉 |
個別労働関係紛争のあっせん件数が対前年度比で28.3%増
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平成20年度の都道府県労働委員会で行う個別労働関係紛争のあっせん新規係属件数は、前年度より28.3%増の481件(前年度375件)となった。解決率は61.0%(同64.4%)、平均処理日数は解決36.1日(同29.3日)となった。 新規係属件数の多い労働委員会は、北海道77件、宮城県43件、鳥取県27件となっている。 (表1)(PDF:143KB) あっせんを行う都道府県労働委員会は、現在44労委であり、東京都、兵庫県、福岡県の労働委員会では、あっせんを行っていない。 |
新規係属件数 | 解決率 | 処理期間 | ||||
1ヵ月 | 1ヵ月超 | 2ヵ月超 | ||||
以内 | 2ヵ月以内 | |||||
16年度 | 318 | (対前年度) | 67.8% | 65.8% | 26.6% | 7.6% |
17年度 | 294 | (△7.5%) | 61.8% | 54.6% | 29.1% | 16.3% |
18年度 | 300 | (2.0%) | 65.0% | 65.6% | 28.0% | 6.4% |
19年度 | 375 | (25.0%) | 64.4% | 68.2% | 27.9% | 3.9% |
20年度 | 481 | (28.3%) | 61.0% | 59.5% | 28.8% | 11.7% |
(注1) | 解決率は、取下げ等を除く終結件数に対する解決件数の比率。 |
(注2) |
処理期間は「申請書受付日〜終結日」で計算。 |
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あっせんの紛争内容については、解雇212件(前年度149件)、賃金未払い93件(同59件)が大幅に増加した。 (表2)(PDF:139KB) |
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都道府県労働委員会の行う「個別労働関係紛争のあっせん」とは |
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職場において、労働者と使用者との間で、賃金、解雇、配置転換など労働条件に関係して紛争が発生し、当事者間で解決を図ることが困難な場合、労働委員会において、労働問題の専門家である委員があっせん員となり(公労使三者構成等)、紛争を解決する制度を、「個別労働関係紛争のあっせん」という。 |
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※1 | 各都道府県労働委員会で名称・制度内容・処理方法は異なる。 | ||
※2 | 個別労働関係紛争のあっせん制度は、平成13年10月に施行された「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき始められた。 |
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他の個別労働関係紛争処理制度に比べ、次の5点が特色とされている。 |
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(1) | 労使委員があっせん手続きの当初から関与することによって、当初不参加であった相手方が参加に応諾することも多く、相手方の参加率が高い | ||
(2) | 公労使三者構成の委員によるきめ細かな調整が行われ、高い解決率を実現 | ||
(3) | 1ヵ月以内で約7割、2ヵ月以内で約9割が終結、など迅速な解決が実現 | ||
(4) | 1回目のあっせんで不調であっても、2回目、3回目の粘り強い調整があり得る | ||
(5) | 無料である(弁護士等は不要) | ||
(出典:「個別紛争処理制度委員会 最終報告書」) |