10/09/21   障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第7回)議事録  日  時:平成22年9月21日(火)13:00〜17:05  場  所:厚生労働省 低層棟2階講堂  出席委員:佐藤部会長、尾上副部会長、茨木副部会長、朝比奈委員、伊澤委員、       伊東委員、石橋委員、氏田委員、大久保委員、大濱委員、小澤委員、       小田島委員、小野委員、柏女委員、河崎委員、川崎委員、門屋委員、       北野委員、君塚委員、倉田委員(代理出席)、駒村委員、近藤委員、       斎藤委員、坂本委員、佐野委員、清水委員、水津委員、末光委員、       竹端委員、田中(伸)委員、田中(正)委員、中西委員、中原委員、       奈良崎委員、西滝委員、野原委員、橋本委員、東川委員、平野委員、       広田委員、福井委員、藤井委員、藤岡委員、増田委員、三浦委員、       三田委員、光増委員、宮田委員、森委員、山本委員、渡井委員 ※会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますので、  併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=CtPWbyhHPQo) ○佐藤部会長  定刻になりましたので、ただ今から障がい者制度改革推進会議総合福祉部会を開会いた します。  部会長の佐藤でございます。  まず、初めに山井政務官よりご挨拶をいただきます。 ○山井政務官  皆さん、こんにちは。とても暑い猛暑が続きまして、少しは過ごしやすくなってまいり ましたが、それでもまだまだ暑い中、全国から本日の第7回障がい者制度改革推進会議総 合福祉部会にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。本日も多数の委員の方 々にお集まりいただきまして、これから4時間の会議が予定されておりますが、何とぞよ ろしくお願い申し上げます。  民主党政権ができてから1年がたちました。その中で、大きな出来事の一つが障害者自 立支援法を廃止して、新たな総合福祉法をつくるということを長妻前大臣が宣言をさせて いただきました。それに基づきまして、この部会で議論をしていただいております。また、 今年4月から、半歩前進でありますが、低所得の方に関しましては、障害者サービスに係 る自己負担が無料という応能負担に転換させていただいております。  そして、この夏につきましては、先日も皆さん方にご報告したとおり、概算要求の中で 障害者福祉の予算を入れ込ませていただきましたが、その中で特別枠という形で、今後、 政策コンテストというものにもかかる予算もございますので、何としても障害者福祉の予 算が、来年度予算で満額付くように私たちも全力で頑張ってまいりたいと思います。まさ にその点に関しましては、皆さん方とともに声を上げていきたいというふうに思っており ます。  今後の一つの課題としましては、この総合福祉部会の議論と並行して、まずは来年度の 概算要求を満額確保するということに力を入れていきたいと思っております。そして、2 番目はこの障害者福祉の総合福祉部会の新しい法律についての議論を進めていくことであ ります。それについては、やはり財源をどう確保していくのかということとも切り離して は議論はできないと思っておりますので、どうやって財源を確保するのか、そして、より 良い障害者福祉をどう進めていくのか、このことを継続的に皆さん方と議論をさせていた だきたいと思っております。  もう新聞報道でもご存じかと思いますが、本日、長妻前大臣から細川新厚生労働大臣へ の引き継ぎが行われました。また、私自身も1年間、皆さん方に大変お世話になりました けれども、この度交代することになりまして、私の任期がちょうど本日2時までですので、 あと55分間、この場におらせていただきたいと思います。私にとりましては皆さん方との 出会いというのは、非常に生涯の宝でもありますので、そういう意味では、この1年の間 に全力で取り組んできた政務官の仕事を、午後2時に皆さん方とともに一区切りつけさせ ていただくということは、非常に何か歴史というか、運命的なものを感じております。  とはいえ、今日も民主党の障害者PTの谷参議院議員も出席させていただいております が、私や長妻前大臣も含め、今まで障害者福祉に取り組んでまいりました政務三役も、今 後は党の障害者PTの中で、引き続き障害者福祉の充実のために取り組んでいきたいと思 っております。また、長妻前大臣も含め政務三役、今後は厚生労働省からは離れますが、 逆に皆さん方と厚生労働省との橋渡し役として、引き続き働かせていただきたいというふ うに思っております。  今日も4時間という長丁場でありますが、どうか、皆さん、よろしくお願いします。あ りがとうございます。(拍手) ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  先ほど山井政務官に、障害者福祉は山井さんのライフワークですよねと確認したところ、 そのとおりですというお話でした。4月27日に第1回目の部会をここで持ったときにも、 山井さんは世界に誇れる障害者福祉を皆さんの力でつくってほしいという挨拶をしていた だきました。引き続き障害者総合福祉法をつくる我々の取組に対して、力強いご支援をい ただくようにお願いをしたいと思います。  本日の会議は、報道関係者及び関係者の方に傍聴していただいております。ムービーカ メラが会場全体を通して撮影可能な状態になっておりますので、カメラに映りたくないと いう方がおられましたら、挙手もしくは他の方法でお知らせいただきますよう、お願いい たします。  これ以降は、スチールカメラの方は退出されますが、ムービーカメラはそのままで結構 です。  委員の出欠状況と資料の確認について、事務局よりお願いいたします。 ○東室長  こんにちは。担当室の東です。  委員の交代についてまずご報告させていただきます。北浦委員の後任といたしまして、 社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会理事、水津正紀委員です。まず、水津委 員から簡単に自己紹介の方をお願いいたしたいと思います。 ○水津委員  北浦前委員の後任の全国重症心身障害児(者)を守る会の水津でございます。  私の子どもは、先輩たちが懸命な運動によって築かれた重症児福祉施策の下に、医療と 福祉の2つの機能を持った重症心身障害児施設で暮らしています。懸命に必死になって生 きております。時には私が面会に行ったときには笑顔を見せます。私は元気付けられます。 ぜひ、このように引き続いて子どもの笑顔が見られるような施策を今後も願っておるとこ ろでございます。ひとつよろしくお願いいたします。(拍手) ○東室長  どうもありがとうございました。  続きまして、委員の出欠状況ですが、本日、ご欠席の委員は、荒井委員、岡部委員、野 澤委員、福島委員の4名の方です。また、倉田委員の代理として栗原参与にご出席いただ いており、出席委員は51名です。  続きまして、資料の確認をさせていただきます。  お手元に障がい者制度改革推進会議総合福祉部会第7回の議事次第があるかと思います が、これを見ていただきますと、今日の配布資料が載っております。資料1−1から1− 3までは論点についての意見ということで、分野ごとにまとめております。ただし、小野 委員から提出された論点に対する意見が事務局のミスで、この1から3に入っておりませ んので、単独で小野委員名義のものがあるかと思います。これについてはこの配布資料に は書いてございませんが、お手元にはあるかと思います。資料2は今回の論点に関する現 在の制度状況についての厚労省の資料No.3ということで上がっております。それ以下、参 考資料として各委員からの意見が8まであります。  また、追加参考資料としては、山本委員から障害児・者実態調査について提出されてお ります。このほか、構成員名簿がお手元にあると思います。新しい委員を書いてございま すのでご参照ください。それと、部会長からの書面として名前は書いていないんですが、 論点G、H、Iについて9月21日に議論していただきたいポイントという1枚物と、論点 G、H、Iへの構成員のおもな意見というものがあるかと思います。加えまして、広田委 員から講演録が参考資料として出されておりますし、氏田委員から発達障害とともに生き るというカラー刷りのパンフレットがあるかと思います。  資料としては以上でございます。 ○佐藤部会長  以上、お手元にあるでしょうか。  本日の会議は午後5時までを予定しております。会議の予定時刻までに議事を終えるこ とができるよう、円滑な議事進行について、皆様のご協力をお願いしたいと思います。特 に今日は6時から別の会議がこの会場で予定されていまして、会場の設営などの修正も必 要となりますので、5時定刻ということを守っていくようにご協力をお願いしたいと思い ます。  また、ご発言に際してのお願いがございます。まず、発言をされたい方は挙手もしくは その他の方法でお知らせいただいた上で指名を受けて、その後、お名前を述べられてから ご発言をいただきたいと思います。また、発言に際しては必ず卓上のマイクのスイッチを 押して、マイクが作動していることを確認してから発言をお願いいたします。時間がない 中ではありますが、なるべく簡潔にゆっくりと発言をお願いします。  以上、情報保障という観点から必ず守っていただきますよう、お願いいたします。  また、前回、山本委員から提案のあったイエローカードの運用についてですが、推進会 議のほうで導入されているものと同じものを用意してみました。赤、黄色、青のカードの それぞれの意味ですが、赤いカードは、難しい言葉があるのでストップしてくださいとい う意味です。話す人が難しい言葉を使ったときに出します。赤いカードを出されたら、話 す人はより易しい言葉を探したり、本人が支援者から説明する時間を持てるように、発言 を少しの間、控えるようにします。黄色いカードは、もう少しゆっくり分かりやすくとい う意味です。早口でついていけないときに出します。話す人はスピードを落として話すこ とになります。青色のカードは、同意します、分かりますという意味です。推進会議と同 じように、これを部会でも採用してみてはということですが、皆さん、いかがでしょうか。 (拍手)  それでは、部会でも、赤、黄色、青のカードの使用を採用することといたしますので、 よろしくお願いいたします。  それでは、議事に入らせていただきます。  まず、資料番号のない資料ですけれども、論点G、H、Iへの構成員のおもな意見とい う5ページ物の資料を見ていただきたいと思います。  論点分野G、利用者負担について、皆様から寄せられた意見の概要を1ページから2ペ ージの真ん中辺までにかけて紹介してあります。これを私のほうでまず紹介をさせていた だいて、それから、今日、皆さんにご議論いただきたいポイント、これも資料番号がない んですけれども、議論していただきたいポイントという1枚物の紙のG、利用者負担につ いてというところの数行を紹介をさせていただきます。その上で、厚労省からこの利用者 負担の部分に関する現状の説明について紹介を受けた上で、25分か30分くらいの時間かと 思いますけれども、このテーマに関してGの利用者負担のテーマに関して、ご議論をいた だくというふうにしたいと思います。  それで、おもな意見というところを見ていただければと思いますけれども、最初の部分 が現状の利用負担、原則1割負担という、それにプラス軽減措置という現状の制度につい ての評価を中心にした意見をいただいて、その後、これからの総合福祉法では利用者負担 をどう考えたらいいかということの意見を寄せていただいております。  自立支援法の利用者負担制度については、利用抑制となった、障害は自己責任とするも のだと、あるいは十分な所得保障なしに実施された、障害が重いほど大きな負担となる、 介護保険への統合のためであって問題であるなどのいろんな指摘があり、現行の利用者負 担の制度は改めるべきだということが、皆さんの一致した意向かなというふうに思われま した。同時に、4月からの低所得者の福祉サービスと補装具の部分の無料化については、 評価するという意見が多かったと思います。同時に、しかし、中間所得層の負担が重い、 あるいは配偶者とか障害児の場合の家族などが含まれているために、依然として家族の負 担が重いなどの指摘も見られました。  自立支援医療についても、低所得者は無料にすべきとの意見が多く見られました。なお、 一般医療機関での乳幼児の医療費は近年、自治体の施策もあってほぼ無料になってきてい るのに、医療型障害児施設や障害児施設医療費は応益負担で、むしろ逆転しているので、 これを解消すべきだという意見だとか、自治体の重度心身障害者医療費助成制度などを含 めて、障害者の医療費の公費負担制度について総合的に見直す必要があるとか、あるいは 慢性病の患者、難病患者などは保険外の負担がかなり重いと、医療機関への交通費だとか 家族の滞在費などを含めて多額の負担なので、せめて保険医療の部分の自己負担はなくし てほしいなどの意見もありました。また、定率負担を原則とする医療制度の下では、現状 の自己負担はやむを得ないのではないかという意見も見られました。  今後の利用者負担の在り方についてですけれども、障害は自己責任ではなく社会全体で 支えるべきであるので、支援の負担はゼロにするべきだという意見が多く見られました。 同時に、原則はゼロ、利用者負担無しが望ましいけれども、過渡的な措置で応能負担にす るのがよかろう、あるいは負担ゼロを求めると所得保障の改善が望めなくなるのではない か、あるいは人権上重要な支援はゼロにして、その他は応能負担とするなどの対応も必要 ではないかという意見も見られました。  いわゆる実費負担については、所得保障を前提に実費は自己負担とするという意見が多 く見られました。その場合、食費は食材料費のみを自己負担として、調理等の人件費は障 害のために調理ができないために必要なことなので、徴収するべきでないという意見が多 く見られました。この食材料費の自己負担も所得保障の現状の不十分の中では応能制とす るべきだとか、生活保護水準以下の収入の場合には自己負担させるべきではないとか、入 院中の特に更生医療などの入院中の自立支援医療の食費は医療の一環であり、自己負担さ せるべきではないというような意見も出されました。さらに、通所施設の交通費の補助と か、グループホーム等にも補足給付をというような意見も見られました。  支援と実費の利用者負担のどちらについても、応能負担とする場合の負担者の範囲につ いては、障害者の場合、成人の場合には本人のみとするという意見が多く、配偶者を含め てもよいという意見も同時に見られるという分布でした。障害児の場合には、本人のみと するという意見と保護者を含めてもよいという意見が、半々くらいに分かれているという 分布だったかと思います。本人のみとする場合に、税制上の扶養控除などの制度との整合 性の議論も必要ではないかという指摘もありました。そして、応能負担の場合の負担能力 の基準を、本人の所得が平均賃金の10倍以上とするべきではないかという提案も見られま した。これは利用者負担のために、少しでも利用を躊躇するというようなことがあっては ならないということの象徴的な指摘かなというふうに思われました。  このほか、自立支援医療と福祉サービス、地域生活支援事業等を合算すべき、それから、 加算の制度と利用者負担の連動は早急な見直しが必要だというような意見、それから、応 益負担のために利用をやめた人に戻ってもらうように、特別な働きかけが必要ではないか というような意見が出されました。  こういうのが皆さんから出された意見のおよその動向かなというふうに思います。その 上で、この後、厚労省の説明の後で議論していただきたいテーマとしては、1枚物を見て いただきたいわけですけれども、新しい総合福祉法の下での利用者負担をどう考えるかと いう基本問題なわけですけれども、多くの委員が障害に伴う費用(障害のない市民には発 生しないような費用)と、それから、障害に関係しない費用(障害があってもなくてもか かっている費用)とに分けて、そういう費用の種類をまず分けて、あるべき姿としては障 害に伴う費用のほうは無料とすると、障害にかかわらず必要とされる費用については、所 得保障の充実を前提にしてではありますけれども、全額自己負担でというふうに考えてい る、そういう考え方の方が非常に多かったなというふうに思われます。こういう考え方、 分け方の考え方をどう考えるかということについて、ご議論いただければというふうに思 います。  こういう考え方は応益でもないし、応能とも違う考え方だと思いますので、しかし、に もかかわらず、応能負担が現実的ではないかというような意見も多く見られたわけで、こ ういうあるべき姿論と、それから、当面の対応と、この辺の整理をどうするのかというよ うなことについても、ご意見があればお伺いできればというふうに思います。  ということで、厚労省からの説明をお願いできればと思います。 ○中島課長  厚生労働省障害保健福祉部企画課の中島でございます。利用者負担にかかわります現行 制度につきまして、お手元にお配りしております資料2、現在の制度の状況等について− No.3−というものに基づいて、簡潔にご説明を申し上げます。  まず、1ページをご覧いただけますでしょうか。論点として応益負担の問題について、 どう考えるかということでございます。  まず、福祉サービスに係る利用者負担ということでございますけれども、1ページの下 から2つの丸のところでございます。下から2つ目の丸、負担上限月額につきましては、 自公政権下で平成19年4月、平成20年7月と段階的に負担上限月額は引き下げ、さらに平 成21年7月には資産要件の撤廃という形で、利用者負担の軽減を図ってきたというところ でございます。そして、一番下でございます。先ほど私どもの山井政務官のほうからのご 挨拶にもございました政権交代後は、新たな制度ができるまでの間、本年4月から低所得 の障害者の方々につきましては、福祉サービスに係る利用者負担を無料としているという 形で、100億円強の予算措置を講じておるということでございます。  3ページでございます。3ページの参考2というところに、利用者負担率の推移という ところがございます、米印の1にございますけれども、この利用者負担率と申しますのは、 支給額全体に対して、利用者にご負担いただいている額が何%を占めるかということでご ざいますけれども、本年4月の段階で0.37%を利用者にご負担いただいているというデー タでございます。  参考3でございます。昨年11月、大臣、山井政務官からご指示をいただきまして、自立 支援法前後で利用者の方の自己負担がどのように変化したのか、実態をしっかり把握する ようにということでご指示をいただいて、調べたものがこの参考3に要約として書かせて いただいております。(1)のところにございますけれども、自立支援法施行前後で見ますと、 全体として9割弱の方々が、食費、光熱費等も含めましてですが、実負担額が増加したと、 約8,518円増加しておるということでございます。(2)でございますけれども、特に低所得の 方については9割強の方々の負担が増加しておると、こういう実態があったということで ございます。その下、補装具につきましては、基本的には福祉サービスと同様の考え方で ございます。  4ページでございます。4ページの一番下の丸でございます。これも大臣、政務官のご 指示がありまして、障害者自立支援法の違憲訴訟原告団・弁護団の皆さん方と厚生労働省 で、基本合意文書を本年1月に交わさせていただきましたが、そこでは5ページでござい ます、「厚生労働省は、自立支援法につきまして立法過程において十分な実態調査の実施 や障害者の意見を踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担(定率負 担)の導入などを行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活へ の悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷付けたことに対し、原告らを初めと する障害者及びそのご家族に心から反省の意を表明する」という形で、合意文書に明記を されておるというところでございます。  6ページでございます。自立支援医療についての利用者負担でございます。現在の制度 の状況についての1つ目の丸でございます。釈迦に説法でございますけれども、自立支援 医療につきましては、更生医療、育成医療、精神の通院医療という3種類がございまして、 医療費の自己負担額を軽減する、具体的には医療保険における自己負担額を軽減するとい う形で、自立支援医療制度というのができているということでございます。  このことにつきましては8ページでございます。8ページの一番下のところでございま す。先ほどの基本合意文書におきましては、自立支援医療に係る利用者負担の措置につい ては、当面の重要な課題とするということが明記されているわけでございまして、前回の この部会で概算要求の状況についてご報告いたしました際に、この問題については年末に 向けて、引き続き検討するということにしておるということを、ご報告を申し上げたとこ ろでございます。  9ページでございます。サービス利用料とは別途、食費や光熱水費等の実費負担につい ての現行制度ということでございます。現在の制度の状況のところでございますけれども、 この実費負担につきましては、低所得者の方々に対する負担を軽減するという観点から、 施設入所者については障害児、障害者とも補足給付という形の制度を設けておりまして、 手元金なり、食費等の実費負担額といったものを軽減するという措置をとらせていただい ているということでございます。また、3のところでございます。通所サービスをご利用 の低所得者の方々には、食事提供体制加算ということで、食材料費相当額のみに減額をす るという制度を設けておるというところでございます。  10ページでございます。10ページの論点、利用者負担を求める場合の負担を求める範囲 について、どう考えるかということでございます。  真ん中の現在の制度の状況の下の方の丸の下のほうでございます。所得を判断する際の 世帯の範囲ということでございますけれども、障害者につきましては、平成20年6月まで は住民基本台帳上の世帯の方々にご負担をお願いしていたのに対し、平成20年7月からは 障害者ご本人とその配偶者という形に改めさせていただいたということでございます。障 害児につきましては、保護者の属する住民基本台帳上の世帯ということになっておるとい うことでございます。  11ページの一番最後の部分でございます。障害者について、ご本人と配偶者に利用者負 担の範囲というものを設定させている考え方といたしましては、民法上、配偶者には扶助 義務が課せられていることということを考慮いたしまして、現行制度では負担上限月額を 算定する際の世帯の対象とさせていただいているというところでございます。  以上でございます。 ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  そうしましたら、議論していただきたいポイントという1枚紙の利用者負担についてと いうところありますような利用者負担の在り方そのものについて、ご意見をいただければ と思いますが、15分くらいの時間しかないのですけれども、何名かの方にご意見をいただ ければと思います。いかがでしょうか。坂本さん、お願いします。 ○坂本委員  坂本でございます。厚労省の中島さんにお尋ねしたいですけれども、この利用者負担と いう考え方ですけれども、どうもよく分からないところがあります。いわゆる社会保険方 式で福祉を進めていく、サービスを進めていくという立場に立てば、利用者負担というの は一定程度、理解はつきますが、税金の場合、どういう考え方で、この利用者負担という ものが設けられてきた経過があるんでしょうか。ちょっとそこを教えていただきたいと思 います。 ○佐藤部会長  お願いします。 ○中島課長  確かに社会保険方式の下でも、医療保険、介護保険等は利用者負担をいただいていると いうことでございます。それで、自立支援給付、自立支援医療等についても利用負担があ る。これは税財源なのになぜ利用者負担があるのかというご質問ということだと思います が、基本的には社会保険方式、税方式を必ずしも問わずに利用者負担を徴収させていただ いている一般的な考え方としては、まずは給付に要する費用というものをやはりみんなで 公平に負担し合おうという考え方がまず一つあると。  2つ目が利用される方々の間の公平性というものをどう考えるのかという観点から、利 用者負担の制度というものがある。これはとりわけ定率負担等については、そうした考え 方が全面的にあるということでございます。いわゆる利用者間の公平という考え方。  それから、もう一つはサービスを利用される方と利用されない方の間の公平というのを どう考えるのかというところの観点から、やはりサービスを利用される方については、そ れ相応の利用者負担というのをいただくというのが公平なのではないかというような観点 から、一般論でございますけれども、利用者負担というものの制度的理由としては、今の ような形で整理されているのではないかと思っております。 ○坂本委員  よく分かりましたが、私はここのところをやっぱりはっきり打ち出しておかないと、後 の議論が混乱をして、こういう場合は気の毒だからとか、かわいそうだからとか、手を差 し伸べるべきだとか、感情に流されて収集がつかなくなるのではないかというように思う わけです。ですから、この利用者負担はこういう意味で求めています、これは社会保険制 度ではないけれども、こうですということを皆さんに、特に委員の皆さんにはっきりお示 しいただいて、議論を進めていくようにお願いしたいと思います。 ○佐藤部会長  ほかの論点に移る前に、今の利用者負担のそもそもの根拠、考え方ということが、今、 話題になりましたので、その関連の発言とか、ご意見があればと思います。いかがでしょ うか。駒村さん、それから、山本さんの順でお願いいたします。 ○駒村委員  ありがとうございます。駒村でございます。今日、恐縮なんですけれども、一回、中座 をしなければいけないので、この部分が最適な部分かどうか、少し誤解があってはいけま せんけれども、一応、見ておかなければいけない視点も一つ触れておきたいと思います。 私も一番社会に最も不利な方の境遇を改善することで、この問題は非常に重要だと思って おりますが、ただ、お金の問題、利用者負担の問題に限定されてはおりませんけれども、 やはり財源問題というのはどこかで視野に入れておかないと、必ず後でつじつま合わせを しなければいけなくなると思います。現在、社会保障給付は全額で100兆円に接近している という状態で、そのうち27兆円がいわゆる公費、一般会計から出されているものでござい ます。この100兆円という規模は、公共事業で防衛費が合計で10兆円ぐらいですから、その 10倍を使っているという状況であります。  非常に残念なことに、これは当然、増やさなければいけないと思いますけれども、障害 者福祉関連の予算は自立支援医療を含めても1.1兆円で、社会保障給付に占める割合は1% 程度だという状況でありますので、これは当然、増やさなければいけないと思います。た だ、社会保障は100兆円のうち、90兆円まで医療、介護、年金ということでございまして、 わずか10兆しか残りのお金がない、福祉予算はないと。そのうちの12%が障害者というこ とになっているわけです。  一方、財政状況はこれもご存じのとおり、私は経済学者でお金の話ばかりして恐縮です けれども、政府の歳出入は、租税収入は37兆円ということで必要な経費の41%しか確保で きず、44兆円を借金で飛ばしているという状況であります。こういう状況で先ほど政務官 もおっしゃったように、非常に財政のやりくりがアクロバット、私はいろいろな分野も見 せてもらっていますけれども、アクロバットのような状況になって、子どもも年金も非常 に難しい、あるいは政策形成をコンテストで決めなければならないというような状況で、 しかも各分野、全部、うちが一番プライオリティが高いよと主張するだろうと思います。  こういった中で、やっぱり財政論も視野に入れると、ここにいらっしゃる皆さんも、や っぱりここで議論している一番不利な状況の人たち、これは正直に国民にも見ていただい て、一緒に広く負担をしていただくようなアピールもする必要があると思います。私が申 し上げたい点は、理想としてはなるべく低くするというのが望ましいのかもしれませんけ れども、一方では財政的制約もあると、そこはクールな議論もしておいて、ある意味、中 長期の戦略を立てて優先的な配分も考えなければいけないだろうと、ここだけ申し上げて おきたいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  山本委員、お願いします。 ○山本委員  山本眞理です。今の厚労省のご説明は私は全く納得できませんが、しかし、仮に利用者 間の公平あるいはみんなで負担し合うんだというお考えを前提とするならば、なぜ、育成 医療、更生医療に関しては入院にも使えて、精神障害者の場合は入院に使えないのか。非 常に精神科病院への入院というのは自立ではないと、自立支援にならないから病床はゼロ を目指すという方針が明確に出ているのだったら、私はそれなりに納得できるけれども、 とても出ていない状況でどうしてそういうことになっているのか、つまり、育成医療、更 生医療と精神科通院のみなのか、なぜなんですか。 ○佐藤部会長  部会の考え方はどうかというのを固めるのが一番大事な仕事ですので、一つ一つ現状の 制度について、厚労省に聞くということでは必ずしも無いと思いますけれども、どうでし ょうか。利用者負担をめぐる基本の考え方はどうあるべきかということに関してのご意見 で、小野委員、お願いします。小野委員の次は広田委員、お願いします。 ○小野委員  事前の資料の中に入っておりません。別刷りで私の意見を今日、配布をしていただきま した。参考資料できょうされんの当事者の会で利用者部会がまとめた意見も、参考資料と して配布をさせていただいていますので、ぜひ、それは目を通していただきたいというふ うに思います。参考資料3としてあります。  利用者負担に関わる論点についてですけれども、この利用者部会の意見の中にもありま すし、私の提出しました意見でも述べさせていただきましたが、今日、佐藤部会長のほう から最初に整理をしていただいたように、障害に伴う費用については原則無料で、障害に 関係しない費用については実費を負担するという方向は、大筋、考え方としては僕は評価 というか、賛成をしたいと思います。  ただ、私が出した資料の意見の中で、1ページ目の下のほうに、要するに全額無料にな れば発生しない問題ですが、冒頭、中島課長のほうから現行の利用者の負担の状況が出さ れて、課税世帯がまだ3万7,200円、9,300円が残っているという説明がありました。都内 区市町村の実態調査をした際に、昨年、調査をしたときに、課税世帯が25%残っている。 つまり、そこは上限3万7,200円を払っている、もしくは9,300円。その人たちが全て課税 世帯だからといって、負担能力があるかというとそうではない。  あくまでも課税、所得というのは前年度収入で認定をされていますので、前年度に障害 を負って、今年度に収入が断たれていれば、結局、3万7,200円の上限であったとしても、 負担能力は欠いているという問題がありますので、基本は障害に伴う支援については、無 料ということが原則だと思いますが、現行の課税、非課税のところでも、問題は残してい るということを併せて言っておきたいと思います。  それと、2ページのところで実費負担に関わって、やはり実費負担も適切な金額で、実 際のところ、法外な負担が課せられている実態があります。この点についても負担の在り 方のところで議論はしていくべきかなと。ただ、駒村委員から出された財源の確保の問題 については、確かに危惧される問題ですけれども、財源問題、財源確保ありきで出発した 議論が自立支援法でした。この問題は、そこから出発した議論で制度設計をしたら失敗を するというふうにやはり思いますので、念頭に置かなければいけない課題だと思いますが、 そこから出発はしないということが必要だと思います。 ○佐藤部会長  広田委員、お願いします。 ○広田委員  山井政務官、お疲れさまでした。それで、利用者負担ですけれど、山井政務官が厚生労 働委員の当時、私は自立支援法の与党側の参考人に立って、国会で前向きに議論していた だきたいと言ったんだけれど、議論しないで賛成、反対で、いつものこの国の国会らしか ったんですけれど、また、多くの課題はありましたけれども、精神障害者の社会的入院を 出すためには、どうしてもやっぱり市町村に精神障害者の福祉を義務付ける、その一点で 私は前向きに検討していただきたいということで、賛成も反対も言わなかったんですね。  ただ、あれは厚生労働省が、税がどうのこうのということは私は分かりません、定時高 校卒業で難しくて。要するにお金が無かった、支援費制度がよかったけれども、お金がな かった、町からボランティアが消えて、スタッフが増えたという、そういうことなんです ね。お金が無かったから法律を変えなければならなかったわけですから、今度、新しい法 律をつくる時に、この国はこれから財源が増えないと思います。スウェーデンではないか ら財源は増えない。少子高齢化の社会の中で、町に認知症がこれよりも増えるわけですよ。 そういう中で、財源が増えないマイナス成長の時代の中で、国民の皆さんが、税負担して くださる皆さんが、これならば障害者のためにと言えるようなことだと思うんですね。  私は個人的に今年4月から、トータルの福祉はどうかということで、高齢者福祉のボラ ンティアをやっていますが、生活保護で、1日1,000円ももらえない食費代で大変ですけれ ど、400円の食費を負担しているんですよ。家で食べてもお金はかかりますし、負担して、 とても栄養豊かなものを食べているんですね。  そういうことも含めて、ここで私たちが議論しなければいけないのは、スウェーデンの ような高負担のいわゆる高福祉のパラダイスではなくて、マイナス低成長に突入している。 全世界で一番大変ないわゆる高齢者、長寿ではないと思います、ただ、生かされている、 そういうふうな時代を迎えた今、私たちは重大な論議をしているということを認識しなが らやらなければ、また、支援費のように法律だけはできたけれど、破綻すると。そうなら ないように願って、富士山から灯油も降らなければ、私が住んでいる横浜港も灯油が出て こないので、赤字に転落してしまった。そういうことですから、みんなで心をちゃんとき ちんとして、新しい法律に向かっていただきたいということです。  それと、精神医療の入院の件ですけれど、今、措置入院は1%を切っていますが、30万 6,000人のうちの、かつてこの国は入院費をただにするために経済措置という時代がありま した、何割も物すごくお金を使って精神病院に患者を隔離・収容していた時代があったん ですね。そういうことを私は学んだ人間として、精神医療の被害者として、安直に精神医 療の入院費がただになるということが本当に本人のための医療かなと、本人のために安心 してかかれる精神医療になっているのかなということで、大変危惧をしております。  以上です。 ○佐藤部会長  川崎委員の手が挙がっていたと思いますけれども、時間の関係で川崎委員の発言でおし まいにしたいと思います。 ○川崎委員  どうもありがとうございます。精神の家族会の川崎です。この利用者負担の費用の種類 の分け方に関しましては、基本的には個人的には賛成いたします。こうなりますと、例え ば障害に伴う費用ということになりますと、精神のいわゆる医療費もここに入るのかなと、 すごく大きな枠の中でちょっと考えてしまいました。  それと、もう一つ、有無に関わらない利用者負担を所得保障の充実を前提にして、全額、 自己負担とされておりますけれども、具体的に私どもは所得保障の充実はすごく訴えてい るところなんですが、厚労省としては所得保障の充実をどのように考えていらっしゃるか、 ちょっとお聞きしたいと思いました。  以上です。 ○佐藤部会長  所得保障制度について質問というのに答えてもらいましょうか。簡単に中島さん、お願 いします。 ○中島課長  基本的に親会議、障がい者制度改革推進会議の方の論点として、所得保障というところ も大きな論点になっておりますので、その中で障害者の所得保障についてはご議論いただ くものだと、こう思っております。その中での大きな論点としては、まさに障害年金の給 付水準といったものを果たしてどのように考えるのか。しかし、その際の財政、財源の念 出といったものはどのように考えればいいのか、そのことは恐らく大きなテーマになるの であろうというふうに認識しております。 ○佐藤部会長  利用者負担問題は、自立支援法でも非常に重大な問題として取り上げられてきたので、 いろんなご意見があろうかと思いますけれども、これを新しい法律ではどうするかという のは、作業チームのほうでは1月からの第2期の作業チームを考えておりますので、今日、 発言できなかった方も必要であれば文書で意見を出していただいて、1月からの議論に反 映できるようにできればと思います。時間……。 ○福井委員  すみません、一言、お伺いします。最初から手を挙げていたんですが。 ○佐藤部会長  そうですか。そうしましたら、福井さんと君塚さん、簡単に一言ずつ発言を認めたいと 思いますのでお願いします。 ○福井委員  申しわけありません。日本てんかん協会の福井でございます。そのことについての議論 からと思って、最初から手を挙げておりましたので、一言、お願いいたします。自立支援 医療については、言ってみれば軽減措置の中に出ていたのですが、これだけ予算措置をさ れなかったということは非常に遺憾でして、私もこの文書の中に書いてあります。それで、 これについては至急やるべきだということで、意見の相違はなかったということなんです が、私は全国100万人のてんかん患者がどんなに自立支援医療の対象になるために頑張った かということを思うと、本当に切ない思いがするんですよね。  先ほど精神の通院の中にてんかんと書いてありましたが、最初、これが議論されました ときは重度かつ継続、つまり難治てんかんしか認めないということだったんです。私たち 全国100万人のてんかん患者の思いを受けて、てんかん協会はオーバーに言えば世を日に継 ぐ戦いで、厚労省にも日参しますし、各議員のところにも行きますし、全国でアンケート もとりますし、非常な猛烈な運動をして、てんかん全般でいいだろう。では、どういうの が重いのか、軽いのか、継続して治療するのは当たり前だということで、ようやく、てん かん全般を入れたんです。ですから、物すごく強い思い入れがあるわけですね。  それで、もう一つ、申し上げたいのは、今、てんかんセンターが身近なところにないた めに、書いてありますけれども、通院交通費が大変なんですね。欠格条項の見直しがあり ましたが、条件があります。それと、交通運賃の割引が精神、てんかんの場合はないんで すね。ですから、非常なんです。私は8年間、常務理事として全国の患者の要求をつぶさ に聞いてきましたが、本当に大変です。いつ起こるから分からない不安におびえながら暮 らしているということは、本当にてんかんの発作を持っている患者でなければ分からない のですよ。もう声を大にして申し上げたい。  ですから、この間、概算要求の自立支援医療の下のところに年末に向けて検討すると。 私は至急やっていただきたい。まさに、ここの総合福祉部会というところは、本当に予算 措置を至急やってもらいたいということで声を挙げていくところですので、全国100万人の 患者の声をぜひ至急、実現をしていただきたい。どんなに、通院だけではなくて入院もと いうこともあるんですが、てんかん協会は先日の総会で全ての会員の総意として、これを 意見として持ってきました。厚労大臣宛ての意見書も持ってきました。そういうことを特 に申し上げて、これは直ちに予算化していただきたいということを申し上げたいと思いま す。どうぞよろしくお願いします。 ○佐藤部会長  君塚委員、お願いします。 ○君塚委員  全国肢体不自由児施設運営協議会、君塚です。各論です。障害児の補装具の負担につい ても逆転が見られます。市町村格差がありますけれども、東京都の場合ですと15歳未満で 医療保険でつくると負担ゼロです。それに対して福祉制度を用いた作製をすると1割負担 になります。私自身、外来で多数の補装具を処方していますけれども、市町村福祉事務所 あるいは医療保険の支払い側との間でお互いに押し付けあうという形が時に見られて、私 たちも混乱することがあります。この辺、整理して負担を改めて、補装具についても医療 との関係で見直すべきだと思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございます。  中島課長の説明の中でも皆で支えるというキーワードと、それから、公平・平等という キーワードが出てきたと思います。どういう観点から平等・公平にということを考えるの か、皆で支えるというのはどういうことなのかというふうなこと、同じ発想というか、基 盤に基づいてこの部会でも検討して、どういう意味で公平・平等を考えるのかというふう なことを議論して、市民的な理解、国民的な理解が得られるような、お金の問題は非常に 大事ですので、そういう結論を出す必要があるのかなというようなことを議論を聞いて感 じた次第です。  そろそろ1時間になりますので、今から15分、休憩をして、次の論点H、報酬と人材確 保というところに入っていきたいと思います。2時10分まで休憩をお願いいたします。  今の議論で使っています主な意見と、それから、議論していただきたいポイントという のは、傍聴の方にはまだ配られていませんが、今朝、用意したものなので配られていませ んが、ご希望の方は受付のところにありますので入手してください。よろしくお願いしま す。               〔休憩 13時56分〕               〔再開 14時10分〕 ○佐藤部会長  それでは、再開いたします。  論点分野H、報酬や人材確保等という領域についてです。  5ページのおもな意見の2ページ目をお開きください。2ページの真ん中から下のとこ ろですけれども、支援を提供する事業所に市町村から支払われる費用について、日額払い 方式と月額払い方式でどちらがよいかということの意見では、ほぼ同じぐらいの数の人た ちが日額払い及び月額払い、それぞれを支持するというような状況でした。  日額払いがいいというのは利用者の選択が保証されるというのがメーンの理由で、その ために事業の経営が困難になるという部分に関しては、日額制の責任ではなくて報酬単価 の改善などによって解決するべきだというような意見です。一方、月額払いを支持する委 員というのは、その理由として障害が安定しない精神障害者や児童などがサービスを利用 できなくなる、事業者が安定した運営ができない、日額払いは職員の日雇い化につながる などです。選択を保証するということに関しては、案分方式をとれば解決するではないか というようなことの意見が出されていました。  そして、日額支持派と月額支持派とを合わせた合計と同じくらいの人たちが両者の組み 合わせを提案する意見を出しています。例えば人件費を含む事務費は月額払いで、事業費 は日額払いとするとか、毎日、同じところに通おうと思っている人は月額払いを選択して、 幾つか複数の通所施設を利用しようとする人は、日額払いを選択するというようなことも あっていいのではないかなどの意見でした。  次に、人材確保や育成に関わる部分に関しては、事業所での事務負担の軽減を求めると いう意見が多く出されていました。そのためには、細かいいろんな加算制度を縮小して、 本体の報酬基準に組み込むことだとか、日額払い方式をやめることだとか、いろんな意見 が出されておりました。一方、事務量というのは責任を持った経理をやるというふうなこ とからも不可避であるので、そうした事務を反映した報酬単価にするべきだと、あるいは 事務職員の配置を必置にすることによって対応するべきだという意見でした。  そして、支援する職員の資格要件の在り方については、資格要件のハードルを下げてシ ンプル化するという必要はないのではないか、そうすることによって質の低下をもたらす ので好ましくないと、人材確保が困難だということは分かるけれども、それは賃金の低さ が原因なので、報酬単価の引き上げによって解決するべきではないかというような意見が 出される一方、高いハードルの資格要件を設けるよりも、採用後、実際の支援を通じて力 をつけていくという実践的な訓練を重視するということのほうが大事だと、障害者の個別 のニーズを実践をしながら研修していくということが大事だと、あるいはサービス管理責 任者・行動援護ヘルパーの資格要件が5年以上の実務経験というような条件は、非常に厳 し過ぎるので緩和をしてほしいとか、緩和の方向での意見も見られました。  人材確保のためには、賃金などの労働条件の改善が必要で、そのために常勤換算方式を 見直すこと、複数の職員が同じ職場で協力をしながら成長していけるような制度、研修の ゆとりなど、いろいろな改善課題、それから、職員の労働条件などをモニターするような 仕組みなども必要ではないかなどの意見が出されました。  この報酬と人材確保等について、厚労省から先ほどの資料での説明をお願いいたします。 ○中島課長  それでは、資料番号2番、12ページでございます。ルビ付き資料では13ページでござい ます。いわゆる報酬支払い方式について、どう評価するかということでございます。現在 の制度では1つ目の丸に書いてございますけれども、利用日数に応じて支払うという形で の日払い方式ということでございます。日払い方式と月払い方式のメリット、デメリット については、次の丸で書いてございまして、日払い方式は利用者のサービス利用の組み合 せが可能となる、それから、サービスを利用しない日は利用者負担を行う必要がないとい う形で、利用者サイドにとってメリットがある、そして報酬が支払われない分、公費負担 の適正化も図られるということでございます。ただ、一方で、事業者にとりましては、ご 利用者の欠席が増えると、経営が不安定になってしまうデメリットもあるといったものも あるということでございます。  13ページでございます。ルビ付き資料では14ページの下の方からでございます。現行制 度で日払い方式が導入されたことにより、事業者の経営基盤の不安定化をもたらされたと いうことが指摘されておりますので、現在、今からご説明するような仕組みをとっている ということでございます。まず、(1)でございます。報酬単価を設定するに当たって利用率 を加味した上で、一定の欠員等も存在しているということを前提に、報酬単価を設定して いるということが一つ。(2)は基金事業におきまして従前の報酬の9割相当額までの差額を 助成している、いわゆる9割保証というのをしておるということ、一つ飛ばして(4)でござ いますけれども、利用者さんが利用を中止された、入院・外泊された場合には、報酬を加 算する仕組みをとっているということでございます。  14ページでございます。ルビ付き資料では16ページの真ん中ぐらいからでございます。 こうしたこととともに、昨年4月の報酬改定では、全体で5.1%という形での報酬改定を行 ったということでございます。  この日払い、月払いにつきましては、現在の制度の考え方のところに書いてございます。 平成20年12月に取りまとめられた厚労省の社会保障審議会の部会報告でも、4行ぐらい飛 ばしていただいて、事業者の安定的な経営の観点から月払いに戻すべき、あるいは一部を 月払いにすべきとの意見があると、そしてまた、4行ぐらい飛ばしていただいて、他方、 利用者のサービス選択等の観点から日払い、昼夜分離を維持すべきとの意見があるという 形で、併記をされておるということでございます。  16ページでございます。ルビ付き資料では17ページであります。人材の確保と育成とい う論点でございます。  17ページでございます。ルビ付き資料では18ページでございます。障害福祉サービスに 携わる方々の職種と資格というところでございます。1つ目の丸でございますけれども、 障害福祉サービスの質を担保するという観点から、指導的役割を果たしていただくような 方については、一定の資格を求めているということでございます。管理者の方、サービス 管理責任者の方、居宅サービス、訪問サービスについてはサービス提供責任者の方々、そ して相談支援専門員、これらの方々には一定の資格を求めておるということでございます。  それから、20ページでございます。ルビ付き資料では21ページの下からでございます。 その他、一定の資格を有する者の配置を要するサービスということで、健康管理等の専門 性を有する支援が必要なサービスについては、一定の資格を有する者を配置するというこ とで、療養介護、生活介護、自立訓練には医師、看護師やPT、OTといった、こうした 医療関係職種の方々の配置も義務付けさせていただいておるということ、また、その下の 丸でございます、訪問系サービスについては、お一人でサービスを提供されることから密 室性等があるということで、一定の資質をより担保する必要があるということでありまし て、一定の研修修了者等のことを要件とさせていただいているということでございます。  その下、人材不足の解消及び事務の簡素化ということで、いわゆる処遇改善についてで ございます。  1つ目の丸でございます。昨年の報酬改定でプラス5.1%の改定をさせていただきました が、その基本的な視点の一つとして、良質な人材の確保というものを基本とさせていただ いたということ、そして次の行でございます、介護福祉士などの専門職を手厚く配置して いただいた事業所には、報酬を上乗せするという仕組みを導入したということでございま す。  次のページ、21ページでございます。ルビ付き資料では23ページの下からでございます。 こうした報酬改定による処遇改善と併せて、昨年10月からはいわゆる基金事業におきまし て、介護職員1人当たり1.5万円の賃金引き上げに相当する金額を事業者に助成する、いわ ゆる処遇改善事業というものも実施させていただいておるというところでございます。  私どもの方からは以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございます。  そうしましたら、資料番号のない1枚物の議論していただきたいポイントという紙を見 ていただきたいと思います。これのHが報酬や人材確保等についてということになってお ります。先ほど皆さんから出された意見の概要を紹介しましたけれども、通所施設や生活 の場での報酬支払い方式については、日額方式と月額方式、両方を組み合わせるという意 見などに分かれていました。だれにとっても分かりやすく、利用者の選択と事業者の運営 安定を可能にする支払い方式はどのようなものかということについて、これも時間がない 中で申しわけないんですけれども、15分ほど、何名かの方々に意見を出していただければ と思います。いかがでしょうか。  近藤委員とそれから増田委員、福井委員の順でとりあえず、あと、野原委員、とりあえ ず、その4人の方にお願いいたします。 ○近藤委員  全国社会就労センター協議会、近藤であります。障害者自立支援法による報酬の日額方 式の導入によって、各施設あるいは事業所とも大変経営が圧迫されていることはご承知の とおりであります。その結果、多くの事業所で職員の大幅な非正規化を図らざるを得ない という状況になっております。日額方式により多様な福祉サービスの利用が可能となった ということについては、否定するものではありませんが、全体の収入に対する固定経費で ある人件費の比率は、65%から70%ぐらいになっております。また、新事業への移行は多 機能型を選択するところが多く、各事業の利用率が100%になっているところは稀であろう と思われます。また、実利用率はさらに落ちることになります。  そこで、意見といたしましては、あくまでご本人との選択による契約を前提に、概ね毎 日サービスを利用する場合は月額払いとし、そうでない場合は日額払いとする方式に是非 とも改めていただきたいと思います。特に、より高い賃金の支払いを目指している就労系 サービスは、利用する日のみの支援だけではとても大きな成果は得られません。このこと をぜひともご理解いただき、ご検討をお願いしたいと思います。  以上であります。 ○佐藤部会長  増田委員、お願いします。 ○増田委員  やどかりの里の増田です。私たちは自立支援法が入ったときに、日額払いという制度に 本当に目が点になるような驚きを感じました。日額払いの制度は応益負担と連動している ということで、利用者の負担を増やさない制度だというふうに説明を受けました。そして、 今、私たちは自立支援法を廃止し、新しい総合福祉法をつくるという論点、観点で議論し ているわけですよね。そして、今日、厚労省のほうからご提供いただいた資料の中で、メ リット、デメリットというふうにして整理をしていただいておりますけれども、これは現 行の自立支援法下におけるメリット、デメリットであって、新しい新法の中でほとんどの 方が応益負担はやはりおかしいという、そういう議論の中で、この考え方は多分、クリア していくものであるというふうに思います。  そして、私たち障害のある人を支援する仕事をしている者にとって、経験とそれからそ れなりの研鑽というのが欠かせないんですね。先ほどの近藤委員の意見にもありましたよ うに自立支援法以降、本当に非常勤化が進んでいて、細切れの職員、パッチワーク的な支 援というのをとらざるを得ない事業がとても増えてきています。これは実質的に障害のあ る人たちの支援の低下あるいは命を守ることが、非常に厳しい状況になっているというこ とを物語っていると思うのです。ですから、今回の資料のまとめの中に、日額払いと月額 払いは、委員はほぼ同数であったというふうなまとめもありますけれども、基本的には今 の自立支援法下で考えるのか、新しい新法で考えるのかというところにおいて、また、こ の意見は大きく変化するものではないかというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  福井委員、お願いします。 ○福井委員  日本てんかん協会の福井でございます。この問題は日額か月額かという以前に、日本の 福祉現場の労働者がどういう実態にあるのかということは、関係者の私たちが日々、心を 痛めているところなんですよね。それで、人が来ないとか、定着しないとか、中堅の職員 がやめたとか、この間、いろんな団体や組織の実態調査を見ても、ひどい実態が一層広が るばかりなんです。  今、厚労省から幾つかの福祉とか介護人材確保対策というのが出されまして、しかし、 ちょっと極論ですけれども、抜本的な改善にはなっていないじゃないですか。このことは、 私は重大なことだというふうに思うんですよ。ですから、日割りか月額かということであ れば、私が意見として書いたように、事業者の方もいらっしゃると思いますけれども、報 酬単価の切り下げ、それにさらに日々の通所者が減れば、事業所はそのまま収入減になる という構造になるじゃないですか。ですから、経営危機をどうにか回避するためには労働 者に転嫁する。ですから、今、増田さんが言われたように賃金切り下げとか、非正規化と してあらわれるんですね。  これが実施されたとき、てんかん協会には発作が起きて、朝、行くのをやめようかとい う子どもにお母さんが、お前、ちゃんと起きて行きなさいと、お前が行かないと先生の給 料が減るんだよというふうに言わざるを得ないという声が幾つか寄せられて、胸が痛む思 いがいたしました。私はやっぱりこういう制度は利用者と事業者の、つまり対立的な関係 に置くんじゃなくて、一体、言うまでもないんですけれども、福祉労働者とは何かという 点から考えないと、これが出たとき、私もびっくりしました。  そして、やっぱり日割り方式の導入というのは現場にも、それから、ひいては利用者に も大きな負担を与えているものだというふうに思います。ですから、もっと広いところで このことを議論することが大事で、私たちは新しい法律をつくろうとしているんですから、 そういう提起をしていきたい。報酬の引き上げが直接、国民負担とか利用料に影響しない 仕組みづくりをつくるというのは当然のことなので、それも検討していかなければならな いと思います。  ですから、申し上げるまでもなく、ここにいらっしゃる方は全てそう思っていると思う んですけれども、働く人たちの権利性とか、豊かな労働条件が保証されてこそ、利用者の 権利も主張されるんだというところを外さずに、厚労省のこの間の施策についてはご説明 をいただきましたけれども、抜本的な改善にはなっていないし、ここにまた新たに国連の 権利条約が出てくるんだと思うんですけれども、そういう視点でしっかりと働く人も利用 者も、本当に権利を保障されるような法律をつくっていくということでは、日割り制度が いいと言った方もいろいろとご意見もおありだと思いますけれども、私はもっと大局的に 考えて、この問題はしっかりと現状がどんなに悲惨なものであるかということは枚挙にい とまがありません。一言、申し上げました。よろしくお願いします。 ○佐藤部会長  野原委員、お願いします。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原です。個別に提起された論点の枠内では、なかなか発 言しにくいという問題があるんですけれども、先ほども言われたようにやっぱり私たちは 新しい総合的な福祉法をどうつくるかという、そういう観点でこういう論議に参加をして いるはずなんですね。実際問題、例えば先ほどの負担の問題一つをとってみても、やはり 既存三障害を中心にした自立支援法の枠の中での説明ということになるわけです。  しかし、実際は難病も含めてということをたびたび言われているんですけれども、難病 は研究事業で特定疾患として56疾患、実際には5,000から7,000疾患があると言われていて、 圧倒的にたくさんの人たちが通常の3割負担でしか医療を受けられないという、こういう 状況があるということについては、論点にすらなかなかならないという状況が現実の問題 としてあります。また、同時に、そういう問題についていうと、やはり既存三障害以外の 新しい障害、すなわち難病、高次脳機能障害だとか発達障害を含めた、そういうところに も十分注意がいくような論点設定や論議が求められているんじゃないかということを一つ 申し上げておきたいと思います。  もう一つは今の論議の後の人材の問題です。これもやはり現在行われている体系の中で の人材をどうして、報酬をどうしたらいいかということになると思うんですけれども、や はり新しい障害を福祉の中に加えるという角度から問題へアプローチすると、難病一つを とってみても難病の医学分野での専門家というのはいます、しかし、同時に地域で安心し て生活を送るそのために支援する専門家というのは、生活を含めて福祉的にどう難病患者 の支援の在り方ということについての専門家というのは、ほとんどいないと言っていい状 況なんです。  したがって、人材をこれから地域で普通の生活を送れる保障ということになると、現在 不十分ながら活動している人たちの数十倍、数百倍の人たちの育成が必要になると思いま す。何よりもトップである専門家の育成から必要だと、こういう問題が起こってきている と思うんですね。そういう問題にも、今後、十分留意して私たちも問題提起をしていきな がら、留意して皆さんのお知恵や検討をお願いしたいというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  伊澤委員と西滝委員、それから、中西委員と光増委員の順番でお願いします。 ○伊澤委員  伊澤でございます。よろしくお願いします。報酬の関係で申し上げると、日額であろう が月額であろうが、あるいはその合わせ技であろうが、どうであれ、地域の拠点的事業所 が安定的、継続的に運営ができるという、ここをしっかり見ていく必要性が当然あるとい うふうに思います。その場合にやっぱり支援の中身を少し精査してみる必要性があると思 うんですけれども、直接的支援と私たちは呼んでおりますけれども、実際、生活支援を直 接的に対面やあるいは共同歩調でやったりもいたします。  そういう直接的な支援をお通いになっていらっしゃる方々と対面でやりながらというこ とは、当然、そこは報酬のカウントに現在なりますけれども、でも、その方が例えばお休 みのときに今日はどうされましたか、そこで相談を受けたりとか、気分を伺ったりとかと かという、そういうやりとりもいたします。こちら側からそういうお問い合わせをするよ うな、そういう機会、場面は当然のことながら報酬の対象にはなっていないという現状が あります。  それから、時としてアウトリーチといいますけれども、その方の生活現場に赴いて、そ こでの相談をしたり、いろんな支援をさせていただいたりもしておりますけれども、それ も当然のことながら報酬の対象にはならないという、そういう現状があるということです。 ですから、直接的な支援の中身をもっともっと精査する中で、実はカバーできていないと いうところをちゃんととらえるべきじゃないかなというふうに思います。  それと、もう一つは間接的な支援という言い方にもなりますけれども、障害を持った方 々が地域、町なかで暮らしをしていくときに必要な条件づくりや環境整備や、あるいは町 の人たちにいろんな情報を配信したりというようなことも、実は実践として多くの事業所 が取り組んでいて、それに対する評価というものも十分にはなし得ていないというような ことがありますので、その辺の観点からも見ていく必要性があるんじゃないかなというふ うに思います。  それから、人材の確保に関しましては自立支援法の中には、いわゆる常勤換算という常 勤職員に換算できる、そういう新しい新制度というか、新方式が持ち込まれた。そのこと によってやっぱり支援活動そのものの重みとか、重要性といったところが少し軽んじられ てというか、後景化したというか、そういう感じがしていてなりません。やはり支援活動 を担うといったときには、レギュラーの常勤職員がしっかりとした形で支援を担うという ようなことが、しっかりなされていくべき必要性があるんじゃないかなというふうに思い ます。  それともう一つ、ごめんなさい、現場の運営体制を見てみますと、一人職場で運営をさ れている事業所が結構多い。特にホーム系、居住支援系のグループホームなどは、そうい うところがかなりあったりもするわけなんですが、一人職場での厳しさというところもや はり要点、視点として入れながら、現場の人材を増強していくという、そういう要素も取 り込んでいく必要性があると思います。何か事が同時多発で起こったときにどうするかと いうことと、それから、何か決めなければならない判断を求められたときに、一人の判断 で事を決めてよいのかどうか、そういう迷いや、そういう事を進めていくときの踏み出し のつらさといいましょうか、そういったことも含めまして、現場職員の複数体制がカバー できるような、そういう補充の体系にしていく必要性もあるんじゃないかというふうに思 います。  関連で申し上げると、昨今、居住系支援、特にグループホーム、ケアホームの防災設備 の整備、防災対策ということが非常に論説として強いといいましょうか、そういう事情が いろいろ背景としてあって、当然、そうなんですけれども、防災対策の基本はやっぱり現 場の人員増ではないかと、基本形がですね、まず、そう思います。その上で設備整備など のそういう仕掛けや仕組みが、いろいろと取り揃えられていく必要性があるんじゃないか なというふうに思っていたりもしております。そういう意味も含めまして現場の人員増、 それを支える報酬体系というものの確立がぜひとも必要というふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  西滝委員、お願いします。 ○西滝委員  全日本ろうあ連盟の西滝です。報酬に関わるか、あるいは利用者負担に関わるか、両方 に関わると思いますけれども、意見を出したいと思います。自立支援法の地域生活支援事 業の中のコミュニケーション支援事業によって市町村で手話通訳の派遣事業が行われてお ります。その実態を見ますと、例えば要綱に手話通訳者の交通費は本人が負担することと 書き込まれた要綱が全国的にあるわけですね。これは障害に伴う負担でもなく、障害に関 係しない費用でもなく、つまり、手話通訳者というのは、社会資源に対して本人が費用を 負担するという制度になっています。  コミュニケーションは権利という考え方を持っていますので、我々は自由にどこに行っ てもコミュニケーションをしたいんですが、そのために手話通訳者の交通費を負担しなけ ればならないということについては、権利が保障されているとは思えないのです。そうい う弱点があることを参考に、新しい総合福祉法の在り方については、十分受け止めていた だきたいと思っております。 ○佐藤部会長  中西委員、お願いします。 ○中西委員  全国自立生活センター協議会、中西です。相談支援専門員の人材育成のことについてお 話ししたいと思います。これは支援費制度の時代の要件では、障害者団体などで相談業務 に当たっている者ということで、当事者、相談員を活用できたわけですね。ところが自立 支援法になってから、この要件が介護保険制度のケアマネジャーと同等の資格要件という ことで厳しくなりまして、障害者自身のケアマネジャーというのが激減したわけです。  我々は、当事者エンパワーメントネットワークという相談支援事業のネットワークも運 営しておりますけれども、そこにおいてもやはり最初は厚労省の研修などでも障害者の相 談員がいれば、それを積極的に登用してくださいというふうな触れ文を出して、都道府県 に人材の募集をかけてくださったわけですけれども、今、そういう形のものはなくなって おります。実際、都道府県の研修自体はこういう要件にかかわらず、とれるわけですけれ ども、実質的に相談支援専門員として配置される場合には、その資格要件が問題になって くるということで、実質的な業務遂行が難しくなっているという問題があります。  やはり当事者自身が相談員になるということは、知的、精神、身体、聴覚、視覚、あら ゆる障害にとって自分の障害のことが一番分かってくれる当事者が相談員ということで、 心を開いて話し合える関係が持てるわけですから、ぜひとも当事者相談員というのを育て るような枠組みを、今の通算して5年以上または10年以上というふうな枠組みを緩めるよ うな方向で考えていただきたいと思います。 ○佐藤部会長  光増委員、お願いします。 ○光増委員  グループホーム学会の光増です。報酬と人材を考えるときにすごく重要なのは、現在の 自立支援法で介護給付が障害程度区分による報酬がすごく決められていることと、訓練等 給付は事業と人員配置等で変わってくるんですけれども、根本的に新しい法律をつくると きは障害程度区分も撤廃されて、新しい支給決定をこれから論議するわけですので、皆さ んも先ほどから述べられたように、現場で働く人の給与がどこでもきちっと保障できるよ うな制度にして、かつ自分で日中選ぶ選択性も付加するような報酬体系に持っていけば、 現実的にはいろいろ難しさはあるかも分かりませんけれども、福祉の人材も確保して、あ る程度、働ける基本的な給与を保障して、かつ選べるサービスはプラスアルファですると か、いろいろ困難性を抱える人の特別な個別支援が必要な場合は、それに付加する報酬を 考えるというようなシステムづくりをしないと、区分とか報酬でずっと引きずられていて は、現場の職員が離れていくとか、非常勤職員とかパート職員が多くなる現実の根本解決 には至らないと思うんです。  特に先ほど伊澤委員も言っていましたように、グループホーム等で、あるいは少数人数 で行っている事業者が日額で経営が左右されるようなことは避けて、基本的には月額で、 ただし、日中活動の選択性を保障できるような報酬と選択性を保障すれば、この問題はあ る程度、目処が付いてくるのではないかと思います。 ○佐藤部会長  論点として提案させていただきました日額か月額かというのは、どうもそれが本質的な ところにあるのではない、かなり技術的なレベルの話だというようなことで、かなりクリ アされるのではないかなという感触を聞かせていただいたような感じがします。1月から の作業チームでの検討のテーマでありますので、まだ、ご意見がある方は文書等で、全体 にもあるいは作業チームにピンポイントで寄せていただくというようなことでお願いでき れば思います。  続きまして、論点I、その他ということで、いろんな課題があるわけですけれども、こ れらについてのご意見、皆さんから寄せられたものの概要を先ほどの5ページの文書で、 尾上副部会長から紹介をさせていただきます。ちょっと時間がありますので、休憩までに 説明とそれから厚生労働省の説明まで聞かせていただいて、その後、休憩にと思います。 5ページ物の資料の4ページに分野I、その他ということがありますので、お開きいただ ければと思います。 ○尾上副部会長  では、副部会長、尾上ですけれども、4ページ目から分野I、その他ということでまと めております。その他という項目だから別に重要ではないということでは決してなくて、 非常に多岐にわたる大切な課題が提起されているというふうに思います。その中で、後で 議論をしていただきたい点というのは、新体系への移行期間の経過措置問題というところ で議論をしたいというように思っていますけれども、それ以外のことを含めて、どんな意 見が出ていたかということを説明いたします。  まず、一つが介護保険との関係。介護保険との問題ということで、ご存じのとおり、基 本合意書では、介護保険との統合を前提としないということが明記されているわけですけ れども、そういった今後の制度の在り方ということで、財源や理念、そしてあと、支援の 在り方ということで、介護保険のほうがある意味で狭い意味での介護ということに対して、 障害の場合は人生あるいは生活全般にわたる支援、人によっていろんな表現があったんで すけれども、介護以外の様々な全般にわたる支援があるということを踏まえた検討が要る ということの上で、具体的な検討の論点として、先ほど議論いただいた応益負担の負担を 問題を初めとした利用者負担、そして、障害程度区分、今、変わる支給決定の仕組みとい うこと、そして、支援体系、サービス体系や、あるいはヘルパーの資格や事業所要件とい ったようなこともやっぱり検討課題ではないか。  そしてあと、市町村の負担が自立支援法では市町村負担が4分の1に対して、介護保険 の場合は8分の1というようなことも含めて、そういった様々な論点をちゃんと明確にし て議論していくべきではないかということが出されました。一方、介護保険も部分的に活 用すべきなどであるという意見も見られたというところであります。  そしてあと、現行の自立支援法第7条、介護保険優先条項と言われるものについては、 撤廃をすべきという意見が多くを占めました。撤廃をして利用者の選択ができるような、 並立したような制度というふうなイメージの方が多かったと思います。ただ、一方で、高 齢期になってから障害者になられた者などへの支援を想定をして、介護保険優先の原則は やっぱり維持すべきではないか、あるいは高齢期になってからの障害者の方に関しての適 用原則を別途定めるべきではないかという意見もありました。ただ、共通した意見という のは、いずれにしても、壮年期以前からの障害者が介護保険の対象になった場合に、生活 やサービスが維持できないようになってしまう、そういうことは避けるべきだ、維持でき るようにすべきだという点は共通をしていたように思います。  そして、2つ目ですけれども、現行の特別対策等ということについて、激変緩和あるい は利用者負担の軽減という点については評価をするけれども、問題は、要は今後、新しい 法律をつくるときに、こういう特別対策が要らない、そもそもの点から、例えば先ほどの 議論にありました人件費や報酬がしっかり保障される、あるいは利用者負担も無理のない 利用者負担であるといった仕組みが要るのではないかということが多くの方から指摘があ りました。その上で現在の特別対策の中で、本来、正規の制度に組み入れるべき事項とい うことで、10幾つ、たくさんの項目が挙げられていましたけれども、例えば通所サービス 等利用促進事業という送迎に関わるものとか、あるいは相談支援体制特別支援事業であっ たり、あるいは重度訪問介護等の利用促進に関わる事業など、多数のメニューが挙げられ てきました。ここら辺は実際に効果を検証して、正規の事業に入れるべきものは入れてい くということが必要ではないかという意見が多かったです。  あと、通所・入所施設の新体系への移行期間、これが2012年3月までですけれども、こ れについては、それまでに移行を完了すべきだという意見と、総合福祉法は基本合意書で は遅くとも2013年8月までには実施されることになるのだから、その辺、移行しなくもよ いという意見がありました。これは、現場の混乱を避けるために必要だということが、ど ちらも理由として出されていたというのが特徴的かなと思います。ここら辺の議論は多分、 新法で今の自立支援法に代わる新しいサービス、新しい支援というのがかなり大きく変わ ると見るのか、あるいは今の支援体系を一定、手直しをするというふうな新法での支援体 系のイメージとも関係をしてくる論点かと思います。  あと、予算や財源確保その他ということですが、この部分については意見を出された全 ての委員から、法による支援の所要額についての推計、後年度負担も含めた推計が必要だ というふうに出されました。その額というのは、障害のある人が他の者との平等というこ とを担保するために必要なものということで、それをちゃんと積み上げていくべきだとい うことや、国際水準に見合った障害者福祉予算の確保、国際水準に見合ったというのがど の程度かというのはあるんですが、少なくとも今の低水準からは脱却をしていくというこ とが、まず必要ではないかということがありました。あと、同時に、すぐに行うべきもの と財源を確保した上で早急に行うべきものみたいな形の、短期、中期、長期といった一定 の時期を区切った上での検討も必要ではないかという意見もございました。  あと、この法律のモニタリングの機関については、必要であるという意見がほとんどで したが、ただ、モニタリングの機関をこの法の下で行うのか、今後、障害者基本法の下に モニタリング機関が設置をされるということになっていますので、それとの棲み分けや役 割分担が必要ではないかという意見がございました。  あと、不服審査、苦情解決、権利擁護機関についても必要という意見が多く見られまし たが、ただ、具体的な機能や役割ということで、不服審査、苦情解決、権利擁護機関のそ れぞれの位置付け等を整理した上で、あと、もう一つは差別禁止法との関係で整理が必要 だという指摘もございました。ただ、共通した仕組みとして、これらの仕組みが行政や事 業者から独立をしている、あるいは、そして障害者本人の権利擁護やエンパワーメント支 援を行うということ、あるいは実効性のある仕組みであることといったようなことでなけ ればいけないという共通の指摘がございました。  あと、その他ということでたくさんの、例えば心身障害者扶養共済の運営について等、 本当にいろんな大切な課題が出されましたが、複数の方から出されたのが自立支援法以降、 使われるようになった、サービス、報酬、営業、事業者といった用語についても、新法の 中で検討・変更すべきではないかという意見がございました。  以上の点を踏まえて、1ページ目にあります、ここの部分、多岐にわたる部分なんです が、特に論点I−2−3という新体系への移行期間について、先ほども申しましたとおり、 2013年8月までには総合福祉法が実施されるから、旧法の施設から短期間だけ廃止予定の 自立支援法施設に移行した上で、さらに総合福祉法の施設にさらに移行するとすれば、現 場が混乱するという意見がありました。  一方、逆に少なくともまずは自立支援法の新体系に移行しない場合、総合福祉法にも一 定の経過措置があるのだろうから、旧法の体系、そして自立支援法下の新体系と言われる もの、そして、総合福祉法の施設という3種類が乱立し、逆に混乱になるのではないかと いう意見ございましたが、いずれにせよ、これらは第1期の作業チームでの新法でのサー ビス体系をどのようなものとして想定をしていくのかという検討を踏まえた上で、第2期 で本格的議論する部分だとは思うんですが、ここの部分のそれぞれの立場からの意見を今 日、一定、深めておきたいというふうに思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  そうしましたら、中島課長、資料2のほうの説明をお願いいたします。 ○中島課長  それでは、資料2でございます。論点Iであります。25ページ、ルビ付きでは28ページ であります。  介護保険との関係ということで25ページの下、自立支援給付と介護保険制度との現行法 の適用関係ということで、ルビ付き資料では29ページの下の方にございます。現行制度で は、介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなるということでございま す。ただし、サービス内容や機能から、介護保険サービスに相当するものがない障害福祉 サービス固有のものと認められるもの、行動援護とか自立訓練、就労支援等でございます けれども、そうしたものを利用される場合、さらには市町村が適当と認める支給量が、介 護保険サービスのみによって上限等が設定されていることから確保することができないと 認められる場合等については、自立支援給付といったものが併せて支給できるという仕組 みになっておるということでございます。  介護保険との関係におきましては27ページでございます。大変申しわけありませんがル ビ付き資料ではちょっと書類の整理上のミスで落ちておりますけれども、先ほど尾上副部 会長の方からもご指摘がございましたけれども、いわゆる原告団・弁護団との基本合意文 書では、新たな福祉制度の構築に当たっては、現行の介護保険制度との統合を前提とはし ないということが明記されておるということでございます。  28ページ、いわゆる基金事業でございます。ルビ付き資料では31ページでございます。 この臨時特例交付金による特別対策事業、基金事業につきましては、その下に書いてござ います平成18年度補正予算、平成20年度補正予算、平成21年度補正予算という形で、累次、 積み増しが行われてきておるということでございます。下の方に事業例として書かせてい ただいておりますように、先ほどご説明いたしましたような日割り、月割りのところの9 割保障、さらには新体系移行に伴う従前額保障等、いわゆる事業者さんの経営の安定化、 さらには新体系移行の向けた各種支援策に用いております。さらには処遇改善事業、いわ ゆる1.5万円分という形でも用いており、さらに相談支援事業または訪問系サービスに係る 市町村負担の軽減等でも用いておるということでございます。  29ページの一番最後でございます。ルビ付き資料では32ページの下でございます。各都 道府県におかれては、この基金を活用して平成23年度末までに、こうした事業を実施して いただくという形になっておるということでございます。  次の論点、30ページでございます。新体系への移行の期間をどう考えるか。ルビ付き資 料では33ページでございます。これもまた釈迦に説法でございますけれども、新体系サー ビスの理念というのは、1つは三障害の一元化ということ、2つ目が24時間同一施設での 生活から、当たり前のことでありますけれども、昼夜分離の生活をしていただく、そして、 (3)地域移行といったものを積極的に進めていただく。(4)国民に分かりやすいサービス名称 としていくという形の理念の下、新体系サービスへの移行といったものが制度的に組まれ ているところでございます。なお、一部、誤解をされている向きもあるようでございます けれども、新体系サービスに移行する前からその入所施設におられる方については、移行 後においても引き続き入所は可能だという仕組みになっておりますので、利用者が施設か ら出ていかなければならないということはないということでございます。  31ページでございます。移行状況という上から2つ目の丸でございます。ルビ付き資料 では34ページの中ほどでございます。今年4月1日現在で既に移行を終えていただいてい る事業所は54.2%ということでございます。その下の丸、いまだ新体系に移行しておられ ない旧体系事業所のお考え、ご意向をお伺いした4月のアンケートでは、約4分の3に当 たる事業所は、既に平成24年3月までに具体的に移行するんだということで、移行時期を 決めて準備をしておられるというご回答をいただいておるというところでございます。  この新体系サービスへの移行については、厚生労働省としても31ページのところにあり ますように、(1)報酬ということで各種の加算、それから32ページ、ルビ付き資料では36ペ ージの中ほどでございますけれども、基金事業による事業所に対する収入の従前額保障と いったことを取り組ませていただいているというところでございます。  この新体系移行につきましては、33ページの一番下の部分、ルビ付き資料では37ページ の下でございます、今年2月の国会におきまして、長妻前大臣の方からご答弁を申し上げ ているのが私どもの基本的考え方でございます。34ページでございます。黒ポツ、「先ほ ども申し上げましたように、今の点について」、すなわち新体系移行について「我々も後 押しして進めていくということであります。そしてもう一つの議論としては……施設の在 り方、全体についても、新しい法律体系の中で、見直すべきところは見直すし、障害者の 皆さんのご意見を十分反映して」、総合福祉法案でございますけれども、そこで「位置付 けられるものは位置付けていきたい、こういうこと」であるということでございます。  次の丸でございます。ここを具体的に少しかみ砕いて申し上げると、施設入所者の地域 生活への移行を進めるためには、入所施設の機能が単に入所機能だけにとどまるのではな く、相談支援事業の実施、通所・訪問サービスの提供、グループホーム・ケアホームの整 備、福祉人材の育成などの機能を地域に開かれた形で併せ持つことが重要な課題だと。こ のため、新体系移行それ自体が目的なのではなく、旧体系の入所施設が新体系サービスに 移行することにより、入所施設が今後、地域に開かれた形で事業展開されていくことが必 要なんだと、こういう考え方に基づいて新体系移行といったものは進めていくべきではな いかというのが、大臣の答弁に込められた思いではないかというふうに考えておるところ でございます。  35ページでございます。ルビ付き資料では39ページでございます。冒頭の議論にもござ いました財源の問題をどう考えるかということでございます。これにつきましては36ペー ジの下、ルビ付き資料では41ページで、現行制度における財源確保方策というのを2つ書 かせていただいております。一つが1つ目の丸、3行目からでございます。自立支援法で は必要なサービスを確保しながら、制度を安定的に運営することができるよう、訪問系も 含めてサービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものとした、すなわち義務的経 費として盛り込んだということでございます。そして、国の費用負担を義務化することで 財源の裏付けを強化する一方、障害福祉に係る国と自治体間の一定の役割分担を前提に、 限りある国費を公平に配分するものとして、精算基準として国庫負担基準を定めて財源を 運用しているというのが現行制度でございます。  以上、私の方からの説明でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  それでは、再開してから1時間近くになりますので、ここで3時20分まで、十三、四分、 休憩をとらせていただきます。休憩の後、先ほど尾上副部会長が提起しました2012年3月 問題といいますか、移行期間の取り扱いについてどうするかというご議論をいただきたい と思います。それでは、20分まで休憩をとります。              〔休憩 15時07分〕              〔再開 15時22分〕 ○佐藤部会長  それでは、再開いたします。  今から論点I、その他の中の特に2013年3月までの新体系への移行期間の扱いをどうす るかということについてご議論いただきまして、その後、作業チームに誰がどこに所属す るかというメンバー配置についての報告をさせていただきまして、これから10月からの作 業チームでの検討に入れるようにするということの報告と、それから、在宅の障害者の新 しい実態調査についての報告及び施設入所者・精神科病院入院患者についての調査に関す る話合いの経過報告という作業チーム、在宅調査、施設・病院調査という3つの報告事項 を引き続いて行いたいとも思います。  そうしましたら、やはり15分か、そのくらいの時間をとって、2013年3月までの新体系 への移行の期間をどうするか、3月までに新体系に全て移行してしまうということでやる のか、延長するのかというようなこと、この辺についてのご意見をいただければと思いま す。いかがでしょうか。  小澤委員、それから河崎委員と坂本委員、それから増田委員、とりあえず、そんな順番 でお願いいたします。 ○小澤委員  そうしたら、東洋大学の小澤です。2012年3月の問題ということなんですが、要するに 新法がどのぐらい自立支援法に遠いものなのか、あるいは近いものなのかというのがかな り大きな論点なので、私はそこが見えていない状況で、この期限議論というのはちょっと できないんじゃないかということが1点あります。  それから、2点目は先ほど厚生労働省説明に、長妻前厚生労働大臣の答弁が載っている んですが、やっぱり廃止と言った限りは、通常、一般の受け止めは、廃止というのはいわ ゆる前のものを余り踏襲せずに、抜本的に変えるという意味合いにとるのが普通だと思う んですね。そうだとしたら、この答弁はやっぱりいかがかというふうに、普通この記録を 読めば読むほど思うわけで、ある一定の方向性で、踏まえて、こういう流れであればとい うことであれば、当然、2012年にスムーズに移行していこうということになるでしょうし、 そうでないとしたら、やっぱりかなりの混乱を輪をかけて生み出すんじゃないかという懸 念があるので、ちょっとこの問題に関しましては、新法のやっぱり骨子が見えないと、ち ょっと議論しづらいんじゃないかというのが私の意見です。  以上です。 ○佐藤部会長  河崎委員、お願いします。 ○河崎委員  日精協の河崎です。今の小澤委員の意見と私もほとんど一緒なんですが、1点は2012年 3月までの新体系への移行ということに関しましては、当然ながら大前提として自立支援 法がずっと継続をして、そのまま施行されていくという中での2012年3月ということであ ると思っております。ですので、現状、それを廃止をするということが決まっているわけ ですから、新体系への移行を2012年3月までにということを、これをそのまま断行すると いうことには、非常に問題があるんじゃないかなというふうに思っております。  それと、もう1点、先ほどの厚生労働省の方からの説明の資料の中に、現在、新体系に 移行していない旧体系の事業所のうち、約74%が既に具体的な移行時期を決めているとい う説明がございましたが、もちろん、これは2012年3月までに移行しなければならないと いう前提で7割が、今、移行時期を決めているということであるわけですね。ですから、 この辺の条件が違ってくれば、好んで74%の事業所が移行を望んでいるということではな いと思いますし、逆に3割近くの事業所がこの時期になっても移行をまだ決めかねている という現状をより重大に、課題として受け止めるべきであろうというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  坂本委員、お願いします。 ○坂本委員  私は障害者施策の実施主体である市町村、特に町村の立場からちょっと別なことをお話 しさせていただきたいと思いますけれども、支援費のときに財源不足になって本当に困っ たわけです。自立支援法になってようやくある程度、目処も立つようになって安心したん ですけれども、1兆3,000億円も自然に社会保障費が増えていくような中で、みんなの期待 にこたえられるような総合福祉法が、財源確保をした上でできるのかなという本当に心配 があるんですよ。  小さな町でも介護保険は10年の経験を積んでいろんなノウハウも身に付けてきましたし、 財源がきちんと保証されており計画も立てやすく運営に自信もあります。  この障害福祉法をつくるに当たって、40歳以上の方も障害者の方は介護保険料を払って おられます。障害サービスを受けてずっときて、65歳になったら今度は介護保険優先でサ ービスが変わってくるというようなこと、それから、65歳を超えてから障害になった場合 には、また、変わってくるというように、高齢化が進んで高齢者と障害者の区別がなかな かつきにくくなっているような実態の中で、なかなか町民理解といいましょうか、市民理 解というか、そういうものが得にくいのではないかというように心配をしているわけです。  いろんなことを言いましたけれども、介護保険と一本にすべきであると言っているわけ ではありませんが、市町村が10年の経験を積んだ介護保険も十分視野に入れる観点の中 で、財源問題をきちんとしておいていただかないと、ここでたくさんの方がいろんなご意 見を言って夢も持って、それから、団体の代表なんかの方はそれぞれ帰ってまた報告した りして、障害者の皆さんは大きな期待も夢も抱いておられると思うんですけれども、何か 裏切るようなことになるのではないかと思って心配でならないわけです。  ですから、ぜひ財源問題、どの程度の経費がかかるのかというようなことをその他なん かではなくて、きちんと項目を挙げて位置付けて推計をして、そして、このサービスを実 施するのには、これだけの財源が必要だというようなことを明らかにして財源を担保して もらわんと、多くの障害の皆さん方の期待を裏切るようなことになる。市町村も財源の確 保が担保されていないような制度では、絵にかいた餅になるおそれがあるのではないかと 思って毎日心配しているわけです。できたら財源も明記したしっかりとした制度、仕組み をつくっていくべきではないかなと思っております。 ○佐藤部会長  たびたび財源問題が指摘されています。特に市町村の、その中でも特に財政力の弱い町 村レベルで、きちんと仕事ができるようにするような仕組みをどうするのかということが 大事だという問題提起かと思います。 ○増田委員  やどかりの里の増田です。移行問題なんですけれども、移行した数値等が挙げられてい ますけれども、小規模作業所の仕組みがなくなってしまってやむなく移行するですとか、 あるいは24年3月までしか作業所の制度は残さないから、移行せざるを得ないというのが 実態だと思うんですね。今、残っている施設の多くは移行できないから残っているという ふうに、基本的にはきちんと見ていくべきですし、多くの施設がにっちもさっちもいかな いという本当に障害者の施設の職員もメンバーも含めて、非常な不安の中にいるこの数年 間を過ごしていたんだというふうに思うんです。  ですから、自立支援法をなくすという、先ほども一緒なんですけれども、方針の下で改 めて自立支援法に移行を促進するという考え方を前面に出されて、厚労省が推奨されると いうところは、やっぱり早く改めていただかないと、本当に施設で働くことに希望をなく す人たち、あるいは行き場をなくす人たちがやっぱり増えていく、そういう危機的な状況 にあるということをきちんと理解していただきたいと思っています。 ○佐藤部会長  小野委員も手を、お願いします。 ○小野委員  小野です。今の増田さんとも関連するんですが、前回も申し上げましたが、この移行問 題については特に小規模作業所について、特に地方で例えば行政サイドから、あそこの法 人と一緒にやってはどうか、あるいはどこそこの作業所と統合して、一緒にやってはどう かという働きかけが実際にあります、市町村行政から。それは有効な手立てであればいい んですけれども、ある意味、パッチワークというか、非常に強引な進め方をされたり、中 には生活介護やB型に手を挙げようとしたときに、既に障害福祉計画では残された数は既 存の法人施設の分でしかないので、小規模作業所はどうぞ就労継続のA型にいって、最賃 除外をしていいですよという言い方までしているんですね。そういう無理やりな強引な移 行というのは好ましくないというふうに思います。ですから、新法が制定されるまでそこ は延ばすべきだと。  先ほど財源問題で介護保険との関係が出されていましたけれども、制度改革推進会議と は別に、社会保障審議会の介護保険部会で2012年の介護保険法の改定についての議論が始 まっています。そこでもやはり介護保険の普遍化、あるいは障害福祉の統合といった意見 が出されています。けれども、認知症の人とその家族の会からは要介護認定の廃止、それ から必要に応じた介護保障をと、そういった要望が出されています。やはり介護保険の利 用者家族も同様な要望を持っている、介護保険の現場でそういった矛盾が起こっているん ですね。確かに財源問題はありますけれども、先ほども言いましたが、財源問題は念頭に 置きつつも、基本設計は財源から出発した形で組むべきではないというふうに思います。 ○佐藤部会長  近藤委員、お願いします。 ○近藤委員  全国社会就労センター協議会、近藤であります。私どもは、基本的にはなぜ移行できな いか、その理由を徹底的に掘り起こして、全ての施設が円滑に新しい事業へ移行できるよ う、親切、丁寧な支援を行っていただきたいと要望しているところであります。なかでも、 私どもの組織にとって大きな問題は、施設入所支援と就労継続支援事業が同時にできない ことであります。この7月から8月にかけて、会員施設に対してアンケート調査を行った 結果、58.1%の回答率の中でも、約5,600名の方が施設入所支援を受けながら、現在、働い ているという現実であります。  セルプ協では職住分離を基本としておりますから、地域移行をしなければならないわけ でありますけれども、様々な理由でなかなか地域生活ができないという方、あるいは地域 によっては現状ではとても無理だというところもあるという現実を見据えて、継続して地 域の基盤整備ができるまでの間、施設入所支援と就労継続支援事業が同時に受けられるよ うに、ぜひともご検討をお願いしたいと思います。先ほど厚生労働省のほうから誤解があ ってはいけないということで、以前から入所している方については、引き続いて入所でき るという説明があったわけでありますけれども、新しい事業に移行した場合に、生活介護 事業を行うということが前提になっているわけでありまして、障害者支援施設として就労 継続支援事業を行うことはできません。そうした点のご理解のほどをよろしくお願いした いと思います。  以上であります。 ○佐藤部会長  中原委員、お願いします。 ○中原委員  財団法人日本知的障害者福祉協会の中原です。移行問題についてちょっとお願いといい ますか、ご意見を申し上げたいと思うんですけれども、先ほど厚労省のほうからの冊子の 中の31ページにもございますように、今、移行率が三障害の中でも私どもの協会が一番低 いんですね。今、51.1%の移行率となっていますけれども、特に中でも入所関係はもっと 低い数字になっているというふうに思います。  先ほどもちょっとお話がだれかさんからありましたように、自立支援法を廃止すると言 っておきながら、長妻大臣が一応は移れということになって、厚労省はその線上で私ども に新しい体系へ移るようにということで、今現在、進められてはいるんですけれども、廃 止という前提と、それに関わる課題がたくさんあります。なぜこれほどまでに移行できな いかというのはたくさんの課題があります。ぜひ、2012年3月までに移れというのであれ ば、たくさんの課題がございますので、できるだけ移るに当たってもそのハードル、課題 を整理してもらわなければならないというふうに考えています。これについての課題整理 はしてありますので、ぜひ、そういうテーブルを設けて、移行するに当たっての課題整理 をぜひお願いしたいというのが一つ。  もう一つは、2012年3月に移行して新法ができるまで1年半しかない、また、新しい法 律ができて、そこに移行するというと、非常に利用者にも我々事業者にとっても不安がた くさんあります。利用者にとってもそうですし、事業者にとってもそうですし、それから、 地方自治体にとっても大変混乱はあるだろうと思います。したがいまして、新法ができて からも経過措置をつくって、段階的に移行していくものかどうか、この辺の経過の期間も ぜひ議論していただきたいというふうに思います。  それから、最後に大変な問題を醸し出した改正案ですけれども、やっぱり新法ができる までの間に、一歩でも半歩でもという言葉でこの間も申し上げましたけれども、是非、こ の改正案は私は通してもらいたいと思うんですが、昨今、いろいろな意見も聞きますに及 んで、ぜひ、この総合福祉部会で改正案の内容についてもっと検討した上で、ぜひ、早く にこれを通してもらうような方法はないものかというのを考えております。  以上です。 ○佐藤部会長  平野委員から手が挙がっています。平野委員、お願いします。 ○平野委員  日本社会事業大学の平野でございます。直接、移行問題からはちょっと外れるんですけ れども、移行問題と大きくつながっている問題で、都道府県と市町村の障害福祉計画の問 題がございます。市町村、都道府県で障害福祉計画を作って、現在、2期目の計画を作っ ているわけですけれども、当然、これは現在の体系移行を前提に計画をつくっているんで すけれども、各市町村、都道府県が困っているのは、この先、どうするのかという問題で す。  当然のことながら、今、作った計画についてはそれを確実に実行するというのは、当然、 市町村、都道府県の責務ですからずっとやっていくわけですけれども、その先、どうなる のかというのが非常に見えないわけですね。その辺もありますので、この計画のこともち ょっと頭に入れながらこの議論をしてもらわないと、多分、市町村、都道府県は来年、見 直しの問題がありますし、場合によっては計画のローリング自体を先送りするということ も含めて、どこかで早目に決めないと、都道府県、市町村は動きがとれなくなってしまう ので、そういう視点からもこの問題を考えてもらえばということが提案でございます。 ○佐藤部会長  市町村障害福祉計画は、21年度、22年度、23年度という第2期目の今、真ん中にいるわ けで、来年度には次の第3期目の準備に入るわけですので、国のほうできちんとした方針 を出さないと、市町村の計画も作れないということになるということかと思います。  光増委員、お願いします。 ○光増委員  日本グループホーム学会の光増です。新体系移行が予定どおり、もし進んだとしたら、 旧法の入所施設にいた方たちが施設入所支援と生活介護を同時に受けた場合、介護保険の 被保険者から除外されてしまっちゃうんですよね。それは18年10月から今まで、介護保険 の除外施設は重症心身障害児施設や身障療護施設や、国立のぞみの園や救護施設や、労災 の介護施設やハンセン氏病棟等があったんですけれども、論議がないままに新体系の施設 入所支援と生活介護を受けた人は、介護保険の被保険者から除外されてしまっているんで す。24年3月に旧法の施設がみんな移行すると、移行した人も含めて10数万人の人が介護 保険の被保険者から除外されてしまうんですよね。  この問題は、私はすごく施設サービスを受けている人の自己決定に関して非常に重要な ことだと思うんです。例えば、その施設で生活している方がもし介護保険のサービスを受 けようとしたときに、被保険者から除外されているということは、一度、施設から退所し ないと要介護認定調査は受けられません。これも非常に大きな権利侵害だと思います。今 までは旧法の施設にいたら介護保険をずっと払い続けているわけですね。新体系に移行し たら介護保険の被保険者から除外されてしまう。24年3月に全ての施設が移行したとした ら、施設に入所している人は、みんな介護保険の被保険者から除外されてしまうことにな ります。  事業体系が変わるとしても、夜の支援を受けながら、日中は自分はちょっと認知症にな ったから、介護保険のデイサービスに通いたいという選択性も奪われてしまうんですね。 これは非常に重要なことで、介護保険が始まったとき、先ほどの除外施設はなぜ除外した のか、新体系の施設入所支援と生活介護は除外施設になってしまったのかを是非総合福祉 部会で、作業部会でもきっちり論議してほしい課題だと思っています。 ○佐藤部会長  Iの部分については、作業チームの中では第2期で検討しようというのが当初の予定で すけれども、今日、いろいろ出された意見などからすると、そうゆっくりもしていられな いようなことがたくさんあるというような問題提起かと思います。しかし、今日、この後、 報告する作業チームの分担が決まって、12月まではそれに全力で集中しないといけないの で、また、別な作業チームを設けるというのもかなり困難かなとも思いながら、今、お話 を聞いていました。まだまだいろんな課題が出てくるのかもしれませんけれども、とりあ えず、今日の利用者負担からその他のところまでの全体の協議というのはこのくらいにし て、今日の話合いも含めて、作業チームの中で生かしていくというふうにしていきたいと 思います。  それで、議題のところを見ていただきますと、その他というふうに書いてありますけれ ども、先ほども言いましたように3つの報告があります。部会作業チームと合同作業チー ムのメンバー案の紹介をしたいと思います。資料の配布をお願いいたします。傍聴者の方 にもあるかと思いますのでお願いいたします……傍聴者にはメンバー表がないということ ですので、申しわけありませんが、私と東室長のほうで読み上げますので、ご確認を頂け ればと思います。いずれにしろ、視覚障害の方もいますので読み上げるということになり ます。  それから、それに続いて全国障害児・者実態調査に関するワーキンググループの報告と いうことと、施設・病院の調査の関係の話合いの結果の報告ということで、8月31日の前 回の部会で各作業チームの座長さんを承認していただきました。その後、どの作業チーム ではどういう項目を検討するのかということも整理をして、皆さんにどこに所属をしてい ただきたいかという希望のアンケート調査をしていただきまして、第一希望、第二希望ま で含めてご回答いただきました。  それで、全体では作業チームとしては部会の作業チームが3つ、合同作業チームが3つ、 合計6つですけれども、部会の作業チームはさらに班に分かれるところがあったりで、合 計9つのサブグループに分かれるということになります。それで、第一希望、第二希望を いただいて、概ね第一希望の所属希望のところに配置をさせていただきました。一部の方 は第二希望のところに所属をしていただくということで、第一希望のところに自分の名前 がないという方も何人かはおられるかと思います。  それで、さらに部会の全体をうまく運んでいって、きちんと検討ができるためにアンバ ランスを調整するために、第一希望でも第二希望でもなく、所属がここに挙がっている方 々が何名かはおられます。これらの方々に関しては、私や東室長などが先週末に電話等で 連絡をとらせていただきまして、了解をしていただいて、あるいは事務局からの連絡とい う方もあったかと思いますけれども、所属を調整をさせて了解をいただいています。それ ぞれの座長の委員の皆さんにも了解をいただいております。  部会の作業チームについて私のほうから紹介をいたしますと、まず、法の理念・目的チ ーム、藤井座長のチームですけれども、野澤委員、藤岡委員、山本委員という藤井委員を 含めて4名の体制でやっていただくということになります。  そして、2番目の作業チームは、障害の範囲と選択と決定ということですけれども、そ の中の障害の範囲班については、田中伸明委員が座長で、氏田委員、佐藤、私、それから、 佐野委員、末光委員、東川委員、福井委員で進めていただくと。  それから、障害の範囲と選択と決定の第2番目の班、選択と決定・相談支援プロセスの チームは、茨木副部会長の座長の下で、朝比奈委員、小澤委員、門屋委員、北野委員、中 原委員、野原委員、三浦委員で。いろいろ困難なこともたくさんありますので、7名の陣 容でやっていただくということで。  3番目のチームは施策体系ということですけれども、それが3つの班に分かれていまし て、訪問系チームは尾上副部会長を座長として、大濱委員、岡部委員、小田島委員、田中 正博委員、それから、中西委員、橋本委員ということで進めてまいりたいと思います。  それと、2番目の班は日中活動とグループホーム・ケアホーム・住まい方支援チームで、 大久保委員を座長に、小野委員、清水委員、奈良崎委員、平野委員、光増委員で進めると。  それから、3番目の班、地域生活支援事業の見直しと自治体の役割チームは、森委員を 座長にして、荒井委員、石橋委員、坂本委員、竹端委員、西滝委員、福島委員、渡井委員 という陣容でお願いをしたいと思います。  合同作業チームについては、推進会議の下に置かれるということですので、東室長から 紹介をしていただきます。 ○東室長  担当室の東です。合同作業チームにつきましては、座長は推進会議からということで考 えております。  まず、就労(労働及び雇用)チームですが、松井委員に座長をお願いして、推進会議か らは竹下委員、新谷委員、勝又委員及び総合福祉部会からは伊東委員、倉田委員、駒村委 員、近藤委員、斎藤委員、増田委員ということで、この中では一番多いと思いますけれど も、10名のメンバーでお願いしたいと思っております。  次に、合同2ということで医療(1期)チームと書いてあります。1期では精神を中心 に議論するわけですけれども、ここにおきましては推進会議の堂本委員を座長として、関 口委員、川崎洋子委員にお願いしたいと思いますし、総合福祉部会からは、伊澤委員、河 崎建人委員、広田委員、三田委員ということで7名でお願いします。  合同3ということで障害児支援チームに関しましては、推進会議から大谷委員に座長を お願いして、他に、長瀬委員が推進会議から出ております。総合福祉部会からは柏女委員、 水津委員、君塚委員、宮田委員ということで6名です。  以上、3つのチームができるわけですけれども、医療に関していいますと、医療につい てだけは総合福祉部会については1期のメンバーということで、2期につきましては総合 福祉部会の委員は変更が可能ということ、そういう取り扱いでいきたいと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  作業チームの検討の期間なんですけれども、部会の作業チームは1期と2期に分かれて 1期が10月から12月までで、作業チームとしての報告を1月の部会までに出していただく ということになります。合同作業チームについては、就労とそれから障害児支援のほうは 10月から3月までということで、医療も10月から3月までなんですけれども、1期と2期 に分かれて、1期が精神医療を中心に、2期がその他の医療をということで、1期が終わ るときには1月には報告を推進会議のほうにですけれども、出していただくということに なります。  それで、特にそういう1月までに報告を出していただく作業チームについては、今後の スケジュール感としまして、10月の部会のときに、第1回目の作業チーム会合を開いて頂 くわけですけれども、そこの時には一辺りの意見交換を行っていただいて、11月の作業チ ームの会合のときには、1月に出す報告書のたたき台の提示をいただくと。12月の打ち合 わせでは報告書の素案提示、そして、1月には報告書提出という、そんなスケジュール感 で作業を進めて頂ければと思います。これが前倒しされて、できるだけ早くに報告書の素 案などを協議して検討ができれば、より突っ込んだ検討がなされるかなというふうに思い ます。  そうした作業を進める上で基礎となる材料としては、7月、8月、9月にこの部会で検 討してきたそれぞれの皆さんから出された意見、論点AからIまでにわたって、非常に膨 大な意見が出されていますので、それをベースにすることになろうと。同時に、合同作業 チームのほうでは、この部会で議論されたこととともに推進会議、親会議のほうでも就労 だとか障害児支援、医療について相当議論されていますので、そういうそこで出された口 頭での発言、それから文書の資料、そういうものも総合的に活用していただきながら、作 業チームでの報告に生かしていただくということになります。  それぞれの作業チームで検討すべき、そうしたこれまでの議論の材料については、事務 局の方でそれぞれの作業チーム用に編集をして、全部、端から見直すというのは非常に大 変ですので、該当部分を中心にしてコンパクトに整理をしたものを用意をしていただくと。 10月26日に第1回目の作業チームが始まりますので、できるだけ早いうちに、そうした材 料の資料を事務局のほうでも用意をしていただくということでお願いをしております。  それだけで作業チームが議論してもいいわけですけれども、同時に委員の皆さんはほか のチームにも参加したかったと、こっちにもあっちにも意見を言いたかったということが あろうと思います。そういうふうに今までこの論点に従って出された委員の意見は、それ ぞれの作業チームで尊重されるはずですけれども、なおかつ、さらに追加して、こういう 点はぜひ入れてほしいとか、そういう意見があれば、どの作業チームにということを名指 しで明確にして意見を出していただくと、自分の所属するチーム以外のところにも、意見 を出せるようにするというふうにしたいと考えております。  それをどういう様式で、いつまでに出していただくかということは、27日に座長打ち合 わせ会がありますので、そのときにきちんと統一したものを用意して皆さんに流すと。必 要であれば、そういう形でほかのチームへの意見ということで、コンパクトに意見を出し ていただくことも可能であると。原則はこれまで出したものをまた繰り返し出さなくても いいように、きちんと事務局でも用意をして整理をするけれども、それにプラスアルファ で出したい方は意見を出すこともできますと、そういう趣旨です。  同時に、10月に集まって初めてそこで話合いをするということでなく、必要に応じて、 それ以前にメール、ファクス等でチームの座長さんの意見がメンバーに伝わるように、あ るいはチームの中で意見の交流ができるようにするために、Eメールのアドレス等の共有 を作業チームの中では公開をさせていただくということで、事務的に皆さんのほうにそれ でいいかどうかの問い合わせなどを早急にさせていただきますので、ぜひ集まって顔を見 せての月1回の話合いだけでなくて、その前、その途中などでも交流ができるように、そ うしたツールも使いながら、議論を深めていけるようにできればと思います。  そして、各座長さんが中心になってまとめていただくわけですけれども、副座長を座長 さんが必要に応じて任命をして、協力をしていただいて進めることができるようにしたい というふうに考えております。場合によれば2人までの副座長の任命も、必要に応じてあ っていいのかなというふうに思っております。今日のところはまだメンバーがこれで確定 したということですので、座長さんに必要に応じて選んでいただいて、副座長さんは座長 と一緒に協力をして、次回、10月26日の初会合に向けての準備等をしていただくというふ うに進められればと思います。なお、合同作業チームに関しては、まだ、最終的には27日 の次の推進会議で承認をしていただくということで、とりあえずは部会から、こういうメ ンバーを推進会議の方に推薦させていただくという、最終決定ではないわけですけれども、 実質的に活動を始めていただいてもいいのかなというふうに思います。  作業チーム関係のことについての報告は以上です。進め方、メンバーの所属等に関して、 何かご意見、ご質問などがあれば、お伺いできればと思います。斎藤委員と山本委員、お 願いします。斎藤委員のほうからお願いします。 ○斎藤委員  今後の運営についてお伺いします。共同連の斎藤です。一つは、今、作業チームの報告 書が1月に出るということだったんですけれども、1月以降の報告書の扱いはどんなふう になるのかということを、まずどれぐらいに決定的な役割を果たすのかというのが分から ないので、そこら辺をひとつお聞きしたいのが1点と、それから、私は一応、合同の就労 チームに入ったわけですけれども、当然、部会作業チームの3−(2)の作業体系、日中活動 という部分とつながってくると思うんですよね。そうすると、部会作業チームは12月で議 論を終わって、1月には報告書が出るということになると、合同作業チームでそれに関わ るところの議論を3月までのんびりやっていたのでは、全然、それとタイムが合わないと 思うんですね。だから、そこら辺の部会作業チームと合同作業チームの連携というのは、 どういうふうに考えたらいいのかというところが2点目です。 ○佐藤部会長  いろいろ違ったポイントになるかと思いますので、一つ一つ見ていきたいと思うんです けれども、1月に報告された以降の報告の扱いが、どの程度全体を拘束する、決定するも のになるのかということなんですけれども、どうでしょうかね、作業チームがこういう在 り方であるべきだという報告を出して、部会の他のメンバーがよしと、全く修整の必要も ないということになれば、そのまま部会の決定になるでしょうし、大分違うということに なると、相当、決定権を持つのは、決定の責任を持つのは部会全体ですので、そこでの議 論がまた必要になるだろうと。  そういう後者のケースをできるだけ避けるために、11月、12月の段階で議事概要といい ますか、経過報告的な、こういう方向で議論をしているということを各作業チームから報 告していただいて、反論、異論があれば、そのチームにボールを投げられるようにしてお いて、できるだけそれも尊重していただいて、1月の報告に持ち込んでいただくと、そん なことになるのなというふうに思います。  そのことに関して。 ○東室長  合同作業チームにつきましては、基本法の改正に絡む議論も当然、中に入ってくると思 うんですね。基本法は12月には第2次意見という形でまとめたいというふうに思っており ますので、例えば就労における基本法に絡む部分についての議論は、なるべく早い時期に していただくと。次に総合福祉法に絡む部分をどうするか。そして、どこにも絡まないと いいますか、労働・就労固有の問題としていう部分が最後まで残るのかなという、中身的 にはそんな感じを持っておる次第ですけれども。 ○佐藤部会長  連携の事なんですけれども、就労継続支援とか就労移行支援などのいわゆる福祉的就労 に関しては、就労チームのほうで一元的に検討していただくと、大久保さんの日中活動等 のチームは、それ以外のことを中心に取り上げるということで、一応、区分けができてい ます。それで、ただ、新しい総合福祉法の下で就労を目的の通所事業などを引き続き継続 してやるということになると、その部分に関してはできるだけ早くに、3月までではなく て1月くらいに中間報告の段階でもらうということになるのかなというふうに思います。 新しい総合福祉法の下で就労関係は見ないと、それは福祉の法律から外して別な法体系で やるということになるのであれば、1月に必ずしも出なくてもいいのかなという感じもし ますけれども、その辺、ちょっとまた大久保さんと松井座長のお二人の間での調整なども、 必要になるのかなというふうに思います。  また、総合的な議論もと思いますけれども、山本委員の意見をお願いします。 ○山本委員  山本眞理です。改革推進の親会のほうで病者集団の関口も申し上げましたけれども、作 業チームのメールのやりとりの議論を公開してくれないかと、私としてはそれは公開すべ きじゃないかということを大分前にここで申し上げましたから、その辺りのご検討はいか がでございましょうか。 ○東室長  担当室の東ですけれども、委員間のメールの交換は委員の皆さんでやってもらえばいい わけで、だから、委員の皆さんがその議論を公開するのであれば、どんなふうにすればい いんですかね。メーリングリストに入ってもらう形を委員の人が作ってやるしかないので、 こちらのほうで、事務局のほうで何かするつもりはというか、そこはなかなか難しい。技 術的に、9つなら9つのチームの全てメールの管理をやるというのは非常に難しい話。そ れを公開するかどうかは、ある意味ではチームの中で検討してほしい。私は余り公開して ほしくないという方もいらっしゃいます。作業チーム自体はあくまでも本会議の準備とい う位置付けですので、積極的に公開ということまでは考えておりません。ある意味でいえ ば、本当に公開するのであれば前から話に出ていますように、ここでのオンデマンドの中 継をどうするかとか、点字とか、いろんな情報手段を講じなければなりません。だから、 必要な限度に応じてはやりますけれども、それを対外的にやるというところまではしてお りませんので、メールによる公開も、それはチームの中で話し合っていただいて、賛成さ れる方という限定付きでやらざるを得ないんじゃないですかね。いかがでしょうか。 ○山本委員  分かりました。ありがとうございました。 ○佐藤部会長  広田委員。 ○広田委員  私は何もかも遅れた人間で、メールというのがよく分からないんですけれど、ファクス でやりたいといったら、そこで言ってくださいと言われたんですけれど、これは国民に開 かれた会議ですから、メールを持っていない人は国の委員になれないということになりま すから、ファクスでやりますので、どうぞよろしくお願いしますということです。 ○佐藤部会長  当然、そういう情報をそれぞれの必要な手段を使ってコミュニケーションを図るという ことかと思います。  そうしましたら、頻繁に座長の打ち合わせ会などを設けていますので、そこでいろんな 調整を図りながら、みんなが意見を出し合えて合意形成がうまくいくように、かつ少人数 で突っ込んだ議論ができるようにということで、全く新しい試みですけれども、10月から の作業チームに向けてよろしくご参加いただければと思います。  斎藤委員、どうぞ。 ○斎藤委員  斎藤です。今のお話だと1月に報告書が出たときに、それについて余りもう異論が出な いように、それまでの間に議論してほしいということだったんですが、そうすると本当に 時間がないと思うんですが、例えば10月、11月、12月というのは、前のお話だと全体の会 議とそれからチームごとの会議と両方でやるというお話だったですね。そうすると例えば 10月にどういう議論をされたかというようなことは、例えば11月の時点でもう分かってい て、そこで作業チームでない人がそれについて全体で議論するような、そういう時間帯は あるんですか。 ○佐藤部会長  部会自体は月1回、10月、11月、12月、1月、2月と月1回、行われるわけですけれど も、それの中の30分か1時間くらいは全体会で、実態調査の報告だとか、いろんなことが 全体でやるべきことがあって、それをやると。その後、各テーブルに分かれてテーブル毎 で作業チーム及び班の打ち合わせに入るということで、それらの経過報告を11月、12月は 作業チームからの報告も全体会には報告されるということですけれども、ただ、全体会で 各チームで話し合っている内容を一つ一つ議論をしていたら、それだけで3時間ぐらいか かってしまって、作業チームに分かれての検討の時間がなくなってしまうので、どう工夫 するか、基本は各作業チームがどういう方向で進行しているかということは、文書で共有 できるようにして、文書でそれに対して意見を述べられるようにするということが基本で、 全体会での口頭での交流を途中で入れるということはかなり難しいのかなというふうに思 います。ちょっと工夫をしてみたいと思いますけれども、よい知恵があったら紹介をして いただければと思います。  そういう点では、1月の部会のときには各チームからの報告が出るわけですので、ある 程度、まとまった時間をとりたいと思いますけれども、それも余りとっていると第2期の 作業チームの時間がほとんど30分ぐらい、顔合わせで終わるというふうなことになってし まっても、また、どうかなというふうに思いますので、ちょっといろんな工夫をしてみた いと思います。ということで、ちょっと試行錯誤状態のものもありますけれども、そうい うことで作業チームでの検討に移らせていただくというふうにしたいと思います。  続いての報告事項ですけれども、全国障害児・者実態調査ワーキンググループにおける 議論の現状について、今日、資料として参考資料8も用意されていますけれども、この中 には調査票の素案なども含められています。これからヒアリングを団体の方々を対象にし てさせていただくようなスケジュールも含めて、平野委員にお願いいたします。平野委員 はこのワーキンググループのメンバーでもあり、調査の試行事業を実施するための研究班 の責任者でもあります。平野委員、お願いいたします。 ○平野委員  日本社会事業大学の平野でございます。お手元の参考資料8をご覧ください。ルビ付き の資料も同じページになっていますのでお願いします。この前、14日にワーキングのほう がございまして、その内容を逐次、ご報告させていただきます。  まず、資料1、これは試行調査に関する今後のスケジュールということでございまして、 この前、この調査票を皆さんに研究班のつくったものを見ていただきまして、9月30日、 それから10月1日に各団体のほうからご意見を聞かせていただくという形を考えておりま して、実施していきたいというふうに考えております。次回のときにはこのヒアリング等 を踏まえて、こういうことを実際にはいきたいということで、11月を目途に進めさせてい きたいというふうに思っております。  続きまして5ページ目ですけれども、これが全国の実態調査の基本骨格ということでご ざいまして、これはこの会のワーキングのほうで、前回、お出ししたものを一部ちょっと 議論しまして、調査の方法ですとかをいろいろ議論が出ましたので、両論併記にしており ます。  それから、6ページ目、7ページ目、ちょっとここをご覧いただけますでしょうか。こ れは実は来年やる本調査のほうの調査項目なんですけれども、大きく分けまして上のほう からずっと表になっておりまして、障害の状況から始まりまして、こういった部分を聞き 取るような調査にしていきたいということで、前回、ご提案したわけでございますけれど も、ちょっとテクニカルな問題がありまして、郵送の調査をする関係で、一部、技術的に 難しいというのがありまして、それが6ページ目の一番下なんですけれども、一緒に住ん でいらっしゃる方の年齢とか就労状況、これを聞くと膨大な量になってしまうので、ちょ っとこれは無理だろうということになったのと、それから、議論の中で7ページ目ですけ れども、一番下で二重括弧になっている部分ですけれども、この部分でやはりこれを聞い た方がいいんじゃないかということで、今後、どこで暮らしていきたいのか、今、困って いるのはどんなのか、どういうふうに相談しているかとか、こういった部分は聞いた方が いいんじゃないかということで、これが加わっております。こういったような形で見直し をしております。  そこで、今日の大きな説明の中心でございますけれども、13ページ目をちょっと見てい ただきたい。資料3番でございます。これが試行調査の大きな枠組みの提案でございます。 今回、本調査は来年でございますけれども、これまでなかったような部分を拾っていきた いと。特にこの間、課題になっている谷間の障害者の方をどうやって拾っていくのかと、 それから、そのニーズをどういうふうにするのかということを考えていきたいということ で、これまでやったことがないことをやるわけでございますので、それに先立って、やり 方を今年の内に少しやってみようということでの試行調査でございます。そういった意味 で、これで試行調査をやった部分のデータをこの部会に反映していきたいと。それからま た、来年の調査のやり方に反映するということになるわけでございます。  今、考えている方法としては、郵便で一定の地域、無作為抽出といいますか、抽出した 全国の地域の方にダイレクトメールのようなイメージで調査票を送らせてもらいまして、 そこから記入して回収してもらうという、そういった方法を想定しております。一応、11 月1日を調査日として、当然、そこまでに送りまして、そこから返ってきたものを集計す るという形で、大体、1カ月ぐらいを想定して考えております。私どものほうの研究班を 中心にして、この作業を進めていくということで考えております。  次に、15ページ目をちょっと見てもらえますでしょうか。これが今回、私ども研究班の 方で考えました調査票でございます。この説明に入らせていただく前に、もう一回、おさ らいをしていきたいんですけれども、実はこれはあくまでも試行調査ということで、この 調査票の項目をそのまま次回も全部、同じ形で聞くというわけではありません。当然、こ の部会でのご意見、それからワーキングでの検討、それからヒアリングでのご意見、そう いったものを合わせて、この調査票自体も名前からしてそうですけれども、タイトルから して全部含めて考えていきたいというふうに考えております。それから、実際、来年度の 調査のときには今回やった調査を受けてやりまして、これで見直しが必要なものについて は見直してやるということになりますので、これがそのまま来年もあるというわけではな いということで、あくまでも試行調査用の調査票だということをご理解いただければと思 います。  それから、もう一つは、実はこの調査を実行するに当たって、今、お話ししましたよう にダイレクトメールで送るわけですので、それで返事をいただくということなので、実は 物理的な制約がございます。当然のことながら、こんな分厚いものを送っても難しいので、 ある程度、返ってくるもの、ですから、これもページ数にして30問ぐらいになっているん ですけれども、やっぱり一定の数にしたい。それから、読んで分かると、一応、ぱっと見 て、大体、こういうことなのかなということが答えられるようなものということが技術的 な問題としてはございます。  それから、理想をいえば、あらゆる障害者のニーズとか調査が分かればいいんですけれ ども、当然、物理的にそれが難しいということもございますので、私ども研究班のほうで は、今回、議論しております中で谷間の障害者を拾うと。これまでのいわば障害者手帳を 持っている人をベースにした調査ではなくて、手帳のない方、対象でない方も拾える、そ ういったようなものに焦点を合わせていこうと。ですから、谷間の障害者を具体的に把握 するという、そこをちょっと狙いとして作りました。そういった意味では、全部がこれで 出るわけではないんですけれども、そういう手帳を持っていない方も拾えるようにしたと いうのが特徴でございます。  それから、2番目は当然、これまでも障害者の調査がありますので、それとの継続性を 加味したと。3つ目としては当然、これと他の調査とやることでいろんな比較ができます ので、ほかの調査、国がやっている調査との整合性という3つの点からつくってあるとい うことでございます。  これから説明を15ページからしていきたいと思うんですけれども、全体を5つの部分で 作ってございます。  まず、1つ目がいわばフェースシートと私どもは言っておりますけれども、17ページ、 18ページのところです。ここは問1から問6まであるんですけれども、ここはいわば回答 された方の基本的な特性、年齢ですとか性別、都道府県、お住まいの場所ですとか、こう いった基本的なデータをとることを目的としています。  続きまして19ページ目ですけれども、ここがちょっとこれまでとは違った部分なんです けれども、障害の状態という部分を大きく障害者といってもいろんなパターンがあると思 うんですけれども、どういうものに該当していくのかということをこの部分で、問7から 21ページまでのところで把握していこうというふうに思っております。ここでは特に発達 障害とか高次脳機能障害とか、こういったこれまで取り上げていなかった部分も大きく取 り上げたということでございます。  それから、20ページ、21ページ目をちょっと見ていただけますでしょうか。ここでは障 害の症状あるいは病気の種類ということで、これも大ざっぱに括ってみたんですけれども、 どういうのが挙げられるのかということで、一覧表を上げております。ここで、これまで あったもの以外のいろんな障害をできるだけ拾うようにということで考えております。  それから、22ページ目、23ページ目を見ていただけますでしょうか。ここはいわば制度 に該当されている障害、障害を理由にいろんな制度を利用されている方、そういうように 制度に乗っておられる方をここで拾おうという形になっております。ですから、ここは単 純に障害に関するいろんな制度がございますので、その制度をどういうふうに利用されて いるのかということを主に取り上げていこうという、ですから、あくまでも障害が先にあ って次に制度がくるという形になっております。  それから、26ページ目、27ページ目を見ていただけますでしょうか。これは手帳を持っ ておられない方、でも、明らかに障害を持っておられる方、それから、手帳以外の障害の 方、こういった部分を拾うために、今回、新しく実は作った部分でございます。問17から 28まで、実際に生活上の支障がどれぐらいあるのか、どれぐらいの期間があるのか、それ から、どういう頻度であるのか。これによって障害の変動がある方も、ここで拾っていこ うというような形で考えております。こういう形で、これまであった永続的、固定的な障 害以外の方、そういう一定の頻度であったりとか、そういう方もここで拾っていきたい。 そこで、ニーズというんですかね、対象を明らかにしていきたいということを考えており ます。  それから、29ページ目を見ていただけますでしょうか。ここからは障害の生活上のニー ズ、それから、どういうことを希望するのかという部分を、冒頭で言いましたように、本 当はもっと細かくやれればいいんですけれども、どうしても一定の枠に収めなければなら なくなりまして、とにかく基本的な生活上のニーズ、どういう支援を受けているのか、今 後、どういうふうにそれをしていきたいのか、もっと広げていきたいのかということも含 めて、希望を聞いていきたいと。30ページ目以降は、これからも日中、どういう場所で過 ごしていて、今後、どうするのか、31ページ目は社会参加という意味で外出の部分に注目 をしまして、外出の状況とか希望というものを考えていきたいと思っております。  最後の部分、これが5番目になりますけれども、ここは収入、所得の状況を見るように しております。ここは、これまでの調査と、それから、先ほども言いましたけれども、国 民生活基礎調査とこれはリンクするようにしてありまして、こうすることによって障害者 の状況が比較検討できるような形にしております。そして、35ページ目にどういう方に相 談しているのか、あと、それから自由記載でどういうような支援が必要ですかということ を聞くという形にしております。  冒頭で言いましたように、もっと大きく、いろんな意味で微に入り細に入り広くやれば いいのかもしれませんけれども、なかなか郵便で送って郵便で答えてもらうという性格上、 どうしてもそういう物理的な制約の中で作りましたけれども、できるだけ、これまで拾え なかった部分、谷間の方をできるだけ何とか救い上げる、ネットで拾えるようなというこ とを意図して作ったという形でございます。  とりあえず、以上で説明のほうを終わらせていただきます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  今、紹介があったように11月1日という調査時点で試行事業を行うようにしたいと。今 日、用意された調査票の素案について団体ヒアリング、そして厚労省のホームページでイ ンターネットを通じての部会のメンバーあるいはそれ以外の人たちからの意見も聞きなが ら、ヒアリングの団体からの意見と併せて、さらに最終的に改善をした調査票で、その調 査票は次回の部会で確定したものをお示しすることになろうかと思いますけれども、それ に基づいて11月に調査を行うということです。そういう意味では、まだ団体ヒアリングを 通じて、あるいはインターネットを通じて皆さんの意見をこの改善のために反映させる余 地があるわけですけれども、特に今日の今の時点でご指摘したいことというようなことが あれば、お伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。  野原委員と中西委員、朝比奈委員から手が挙がっています。その順番でお願いします。 ○野原委員  平野先生の説明に対して若干の質問です。いずれにしても、こういう実態調査がないと やっぱり科学的な方向性というのは打ち出せないので歓迎なんですけれども、しかも谷間 の障害に焦点を合わせてということについても、非常に大事な視点だと思います。しかし、 さっと見るとお分かりのように難病はこれに入っていません。これは先ほど3つの考慮と いうことで谷間の障害とか、あれこれ国が行う他の調査についても、考慮するということ を3つ目に言われたと思うんですが、難病の場合は障害福祉の方との連携で、今年度いっ ぱい調査をするということで動き始めています。  問題はいわゆる総合福祉部会としてはこの調査を行いましたと。しかし、さっき言った 難病の調査は主体的にはJPAで行うということになっているんですが、JPAで行った 調査の結果というのは、ここで論議の対象になるのかどうなのか、2つ質問なんですけれ ども、難病はどういうふうにこの調査の中で扱われているのかということと、調査結果に ついてのここでの扱いについてどうなのかということについて、ちょっと見解をお聞かせ 願いたいというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  質問を3人から受けてから、平野先生にお答えいただければと思います。 ○中西委員  全国自立生活センター協議会、中西です。平野先生がつくられたもので、精神障害者や 知的障害者で自分でそれほど意識していない場合によくあるわけですけれども、ここの項 目の中で、いらいらするとか集中力がない、落ち着かないとか、そのような問題ではなく、 例えば電車に乗って外出するのに一人では不安で出られない、知的障害者の場合も一人で は新しい場所に行けないとか、それから、日常生活でも自分では自己コントロールしよう とするけれども、爆発しちゃうと、そういうときに支援者がそばにいれば、爆発しなくて 済むというような事例とかがあるわけですね。こういうふうな生活上の不安とかいうもの がこれだと出てこないように思うんですね。  実際、介助を我々が付ける場合には、そういうふうにいらいらして、物を手当たり次第、 投げつけちゃうとか、そういうのでも話を聞いてあげれば落ち着くような場合もあるわけ ですし、それから、込み合うバスはいらいらしてガラス戸を叩いたり、叫んだりしてしま うと。でも、普通の作業所に通うときはバスには自分では乗れるとかいうふうな状況に応 じて、社会的な環境に応じて変わっていく障害というのが、これだとちょっと固定的なも の以外を見ていないようなので難しいなという気がします。  エイズとか、そういう後遺症で社会的に受け入れられないとか、差別を受けているとい うようなこととか、精神障害を隠しているために非常に精神的負担になっているとか、そ ういうような陰の部分が表の生活に影響してくるということを、どこかでうまくとらえら れるようなものができないかなというふうに思います。それだけです。 ○佐藤部会長  朝比奈委員、お願いします。 ○朝比奈委員  中核センター、がじゅまるの朝比奈です。大きなところで谷間の障害を拾っていくとい うことからすると、まず、調査の名称自体、全国在宅障害児・者実態調査という名称自体、 看板を外してしまったほうがいいんじゃないかなというのが1点と、それから、その下、 15ページ、この調査は障害児・者の福祉施策を改善するための基礎資料を得るためという ところに、もう少しその趣旨を含めて、これまでの障害のとらえ方自体を、今、見直して いこうという、そういう推進会議のスタート地点のところをもう少し書き込んで、この調 査の趣旨をはっきりさせたほうがいいんじゃないかというふうに思いました。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございます。  平野委員、いろんな意見を団体ヒアリングも含めて、総合的に反映するということです けれども、今の段階で何かちょっと平野委員からコメントできれば。 ○平野委員  お三方からご意見、ご質問をいただき、ありがとうございました。私の方からはとりあ えず簡単にお答えさせていただきますと、まず、野原委員さんからいただいた難病の関係 なんですけれども、一つは難病の方の調査が今、進んでおりますので、そちらとはできる だけ連携をとりながら、こちらも今後、当たっていきたいと思っております。それからあ と、この調査の中では2つありまして、難病に関しては一つは細かいことで恐縮なんです けれども、24ページ目のところで難病の医療費助成を受けている方というのは、これに該 当しますよという形で、ちょっと細かく説明していきたいと思うんですけれども、拾うに した人、あと、それから、もっと細かい説明を入れまして、いろんな病気ですとか、問19 番以降ですかね、そういうものがあれば書いてくださいということを丁寧にご説明するよ うにしたいと思っております。  それから、中西委員さんの方からいただいた精神や知的の場合の生活の不安、本当にそ のとおりだと思います。これに対しては私のほうでも議論しまして、なかなかいいアイデ アがなくて、何とか拾えるものはないのかということをちょっと考えておりまして、今後、 団体ヒアリング等を通じながら、関係する団体からどういう表現、あるいはどういうふう に聞けばいいのかということを聞きながら、また、中西委員さんからもご意見があれば是 非教えていただければというふうに思っております。  それから、最後、朝比奈委員さんの方はご指摘の通りで、看板については私どもは聞き たいと、ぜひヒアリングで皆さん方の団体の方から、また、委員の皆さん方もいい看板が あれば、ぜひ教えて頂きたいというふうに思っております。それから、趣旨に関してもそ のとおりでございまして、実際の本番の時にはこれと併せて1枚の紙で趣旨書みたいなや つが付きますので、そういう中でちょっと詳しく意図や、そういったものを分かるように していきたいということで、ご指摘の点については考えて参りたいと思っております。  以上でよろしいでしょうか。 ○佐藤部会長  イエローカードが奈良崎さんから出ていますが、奈良崎さん、もっとゆっくりというこ とでしょうか。 ○奈良崎委員  すみません、奈良崎です。ちょっと質問と、あと、ゆっくりもそうなんですが、分かり やすく聞きたいんですが、例えばこの質問は知的障害の場合は誰に聞こうと思ったんです かというのが、というのは、例えば知的障害の本当の軽度じゃないと、多分、言葉の理解 ができないと思うんです。その辺を教えてください。 ○佐藤部会長  平野委員、お願いします。 ○平野委員  調査の基本的な考え方ですけれども、小さいお子さんは別ですけれども、原則はご本人 に書いてもらいたいと思っています。ただ、16ページの一番下にも書いたんですけれども、 やっぱりご本人がなかなか答えにくい場合もあると思いますので、その場合にはご家族だ ったりとか、あと、まだ、今、話し合っているんですけれども、できれば支援センターだ とか、市町村に協力してもらえれば、ちょっと相談してもらいながら、やっていけるよう な体制をつくっていきたいなと思っています。ですから、できるだけご本人が思っている こと、感じていることを分かってくれる人と相談しながら、記入してもらうというような ことを考えています。 ○佐藤部会長  西滝委員と小澤委員、それから佐野委員、それから三浦委員、三田委員、時間が限られ てきましたので、簡潔にご意見を頂ければと思います。どうぞ、西滝委員から。 ○西滝委員  実態調査の我々の知っていただきたいことは、聾唖者の実態というものは本人ではなく 環境にあるということです。例えば簡単に言いますと、テレビに字幕がなければテレビが 分からない、あるいは、どこに行っても通訳がいないと障害や不便が生じるという実態が この調査では全く出てこないので、そういう部分が別にあるということを、何らかの形で 調査のまとめの中で出してほしいと思っています。 ○佐藤部会長  小澤委員、では、お願いします。 ○小澤委員  東洋大学の小澤です。細かいことは私も調査するものですからいっぱいあるんですけれ ども、大きな点だけ、1点だけですが、倫理的配慮というのは、私ども大学の人間としま しては調査は簡単にできないんですね。山のように倫理委員会の審査を通るんです。しか も、今回の調査は多分、住民台帳というんですか、それをベースにしていますので、相当、 クレームもあるし、回収率も低いだろうと。収入まで聞いていますのでね。私どもは普通 考えたら、こういう収入なんていうのは聞いたら最後、ほとんど返ってこないだろうと想 定しちゃうわけです。だから、そういう点でちょっと倫理的にはどういう手続をとられる のかとか、その辺り、これから11月ということなので私も心配ですけれども、ちょっとご 検討を願えたらということです。  以上です。 ○佐藤部会長  佐野委員、お願いします。 ○佐野委員  全難聴の佐野です。私のほうからお話ししたいのは、7月の実態調査をするという時に、 調査の対象として挙げられた事例がありました。それについて非常に疑問を感ずるという ことでお話ししましたが、今回もそれがそのまま掲載されているということです。これは 非常に問題が多いかなと。8月の部会のときの説明ではアメリカの調査、ワシントンレポ ートとかという調査のところに、15ページのところに掲載されている項目が載っていたと いうことで、これはコミュニケーションに障害を持つ聴覚障害者が全く関与していない中 で決められた項目だということが調べまして分かりました。この実態調査の細かい部分を 見ても、コミュニケーション障害である聴覚障害者のことに関する設問というのはほとん どないです。  ですけれども、今現在、一番考えなくてはいけないのは、谷間の障害である難聴の障害 の方たちのことなんですよね。それが全くこの調査の項目には入っていないということは 非常にまずいのではないのか。総合福祉部会、推進会議で話し合っている内容からして、 日本の聴覚障害の認定基準が非常に世界で一番厳しい重度の認定基準になっている、そこ をやっぱり何とかしたいというふうに考えてきた私たちとしますと、非常に残念な実態調 査の調査項目です。  以上です。 ○佐藤部会長  ほとんど時間がなくなってきてしまいましたので、また、いろいろ意見を出していただ く機会はありますので、申し訳ないんですけれども、この程度にさせて頂いて、しかも意 見を出していただく時に、これでは駄目だという指摘にとどまらずに、こういうふうな表 現にしてくれとか、例えば難聴者が拾われるようにするためには、こういう項目でスクリ ーンをかけてくれとか、そういうような提案を含めて、団体ヒアリング等の場で出して頂 くというふうにお願いできればと思います。  それで、3番目の報告事項なんですけれども、施設入所者・入院患者の調査に関する意 見交換の話合いの場を、8月31日の部会でそういうのを設けたいということで報告をして おりました。早速、9月13日に13人の方に集まっていただいて話合いを持ちました。もう ちょっと多くの人に呼びかけたんですけれども、直前だったということもあって、あるい は会場までの移動介護の保障がとれなかったというようなことで、参加できなかった方も おられまして申し訳ないと思います。参加して頂いた方は、伊澤委員、大久保委員、尾上 副部会長、河崎建人委員、それから川崎洋子委員、私と末光委員、中西委員、中原委員、 広田委員、三浦委員、三田委員、森委員の13名でした。  それで、結論的には新しい法律をつくる上で、入所者・入院患者の調査は必要ではない かと、概ねそういう方向で合意が得られたというふうに私は感じました。新しい法律を作 ろうということですので、そのために在宅の障害者の実態調査は、今の議論を頂いたよう に進められていると。しかし、多くの人たちが精神科病院の中にいるし、入所型施設にも いると。恐らく合計すると50万人近くの障害者がそうした、全員が社会的入所、社会的入 院とは限りませんけれども、50万人弱の方が施設・病院で暮らしているわけで、そういう ことを考えれば在宅の障害者だけでなくて、そうした人たちのことも調査をして、新しい 法律を作るというのが筋ではないかというふうな意向だったかと思います。ただ、拙速に ではなく来年度予算をきちんと確保していただいて、今から準備をして今年度と来年度に かけて調査をしたらどうかというのが、概ねの合意だったかなというふうに思います。  それで、どういう目的で調査をするのかということが非常に大きな問題ですけれども、 障害者権利条約は、そしてまた、この部会も新しい法律の下で、選んだ所で暮らせるよう にしようと、地域で暮らせるような社会にしていこうということでやっているわけですの で、そうした権利条約や新しい法律、総合福祉法の観点からすれば、地域移行というが一 つの目的として掲げられることになろうと。  ただし、地域移行が目的の調査だということになると、政府は我々を追い出しにかかっ ているというような誤解が生まれて、パニックになりかねないというふうなことも指摘さ れました。また、地域移行を誘導する、地域移行に向けて回答を引き出すというようなこ とで、本当に一人一人の入所者、入院している人の本音の願いをそのまま客観的に、公平 に聞くというような信頼度の高い調査になるのかという点での疑問もあるので、したがっ て、新しい法律は地域移行の役に立つようなものに是非していこうということで、部会で も話し合っているわけですけれども、そうした地域移行も含めて、総合的にどんな希望を 持っているのか、どこで暮らしたいのか、どんな支援が必要なのかということを総合的に 聞くような、そういう調査を設計したらどうだろうかというようなのが多くの13名の概ね の合意の方向だったかなと。  それにしても、目的をもうちょっと整理をする必要があるだろうし、誰に対して、誰が 聞くのかということも、非常に技術的にも検討しなければならないことがあるというよう なこともあって、どの程度の規模のものにするのか、統計的な調査なのか、事例的な調査 なのか、あるいは既存の調査も相当いろいろありますので、そういうものを踏まえて、本 当に何が新しい調査として必要なのか、そんな検討も必要だというようなことで、もう一 回、10月上旬に話合いを設けて、さらに詰めた議論をして、厚労省にボールを投げ返そう というようなことになっております。  それで、できるだけ本音でフリーに話したいので、当分、ある程度の方向がまとまるま では少なくとも非公開にしてほしいという委員の意見もありましたので、公開をという強 い意見もこの部会では出されていたんですけれども、次回10月には、10月上旬の話合いを 踏まえて、こんな意見の概要が出たということを文書で報告をきちんとしたいと思います けれども、次回の話合いについては傍聴なしでさせて頂きたいというふうに思っておりま す。  ということで、第1回目の話合いの報告ですけれども、厚労省のほうでも予算をある程 度、用意をしていただいて、来年度に向けて施設入院の患者の実態調査をやる方向で話が 進み始めたと、もうちょっと詰めた報告を次回までにさせて頂きたいと、そんなのが今回 の経過報告ということで、ご了解を頂ければと思いますけれども、いかがでしょうか。河 崎委員。 ○河崎委員  日精協の河崎です。今、佐藤部会長の方から前回の話合いの大体のまとめのようなご報 告があったというふうに伺っておりましたが、私が1点、ちょっと気になりましたのは、 今の部会長のご説明では、一応調査をするということでは合意を得たというようなニュア ンスのご説明だったというふうに伺いましたが、私はそこには参加しておりましたが、そ れぞれやはり参加していた人たちの意見は、様々な部分があったんじゃないかなというよ うには受け取っておりました。  例えば先行のいろんな研究もあるので、そういうデータをしっかりと分析をして、利用 できるところは利用しながらというような意見も、私自身もそういう意見を言わせて頂き ました。前回の話合いの内容からして調査を行うというようなことが、話合いの中で合意 を得たというような認識にまでは至っていないというふうに私は思っておりましたが、そ の後に厚労省の会議がございまして、10分、早退いたしましたが、その後の10分でそうい うふうに決まったという認識でよろしいのでございましょうか。 ○佐藤部会長  ちょっと合意になったという言い方は私のほうで勇み足だったかなという感じを、今河 崎委員の意見を聞いて反省しております。必要ではないか、けれども、もうちょっと検討 の余地があるというようなことかなと、若干のニュアンスの訂正をさせて頂ければと思い ます。どうもご指摘をありがとうございました。  山本委員、どうぞ。 ○山本委員  山本です。私は今日の資料に出しているように、私どもの仲間に聞いても、在宅の調査 についても、私は少なくともこの総合部会としてやるという結論は出ていないと理解して おります。調査するものについて、施策の客体から権利の主体というのでしたら、調査の 主体としての我々の在り方、それに基づく新たな調査の在り方というのが、当事者参加の 調査の在り方というのがあると思いますし、今日の在宅の調査というのはまさに医学モデ ルに基づく、いろいろご批判が出ましたけれども、障害者像、概念に基づく調査ですよね。 こんなものをこの部会及び改革推進会議は認められるのかどうか、私は非常に疑問があっ て、一致できていないと思いますよ。ワーキングチームあるいは厚労省事務局が調査をす ると決めただけであって、部会は承認していないと思います。 ○佐藤部会長  中原委員。 ○中原委員  今、河崎委員からも話がありましたように、あの会議の中ではほとんどの会の皆さんが 調査の目的というか、そういう内容も余り全員が一致した調査の内容、何の目的でやるの が一致していなかったような気がしますね。先ほどの今回の調査は谷間の人たちの調査と いうのが前提にあって調査するんだと、この法律の、ところが入所施設関係はその後で出 てきた問題でしたので、ワーキンググループの話の中では全体的な皆さんの意見は何か調 査そのものの目的の意見もばらばらだったような気がしました。それで、結局、まとまら ないので、もう一回ということが中心じゃなかったかなというふうに思っています。 ○佐藤部会長  施設入所者、それから入院患者調査の話合いの完全な合意点というのはもう一回やろう ということで、その他のところは完全な合意ということではなく、多くの方はこういう意 見を述べたという私なりの、しかもそれを私なりの解釈で先ほど整理をしたということで すので、また、次回、もうちょっと詰めた議論をしたいというふうに思います。 ○広田委員  私は10月上旬はちょっと九州と韓国に行っていていないんですけれど、私も10分前に退 席したんですけれど、精神病院に入院している今、30万6,000人の仲間のところに私が例え ば行って、厚生労働省の委員だということで、病院関係者が厚生労働省という国のお役人 の人が来たんですよみたいな言い方をして、何か言いたいことがあったらどうぞみたいに 言って、勘違いして紹介されるんですけれど、そうするととてもいろんな話を聞くことが あるんですよ。私はニーズというよりも、そういうこの国の忘れ去られた、さっきも出ま したが、隔離収容施策のツケとして、社会的にもいっぱい生んでいるわけですよ。  そういう人のところに、「あなたたちを見捨てていないと、この国は。」というふうに 行くことがとてもニーズとかなんとかというよりも、もちろん、施設とか病院はいろんな 危機を感じていますけど、すごく愛を感じるのではないかということで、やって頂きたい という意見を言ったんですけれど、もちろん、眞理ちゃんがここに出されているように、 本当にその人たちが地域で安心して暮らせるようなことを保障できるような、住宅の施策 とそういうものがセットになると思いますけれど、眞理さんは頭のいい英語のできる人、 私は定時制高校、できない人ということで、権利条約とかなんとかよりも、「こんにちは、 広田です」と、こんな感じなんですけれど、そういう感じで愛を持って病院の中に例えば 通院患者が行くとか、そういう工夫をしていくことがいいのじゃないかということで、忘 れていませんよというメッセージをぜひ伝えたいということで、10分前に退席したから、 河崎先生が言ったように、その後どうなったか、分かりませんけれども、みんなで愛を持 って地域でも暮らせなければいけないし、愛を持って病院に行きたいと私は思っていると いうことです。 ○佐藤部会長  いろんな意見がまだあろうかと思います。山本委員が言われた、まだまだ在宅の方の調 査については医学モデルであろうというような意見もありました。ワーキンググループで も、それから、研究班でも何らかの国連の障害者権利条約が言っているように、長期にわ たる身体的、感覚的、知的、精神的機能障害と環境の障壁とによって、参加が困難になっ ている人が障害者だということなので、やはり何らかの病気や機能障害についても確認を しないといけないだろうということで、しかし、今の手帳の対象だけでやろうとすると、 多くの谷間が漏れたままになるので、あの手この手で漏れができないようにするにはどう したらいいかということで、研究班やワーキンググループの方でもそれなりの検討をして、 機能障害の程度ではなくて生活での支障の程度で障害の程度を見ようという考え方の社会 モデル的な変換も、この中に盛り込んで検討していますので、さらにこうしろという具体 的な提案を団体ヒアリングだとか、ホームページへの意見ということで出していただいて、 10月の部会のときにはそれを踏まえたものを提案させて頂いて、全体の合意で進められる ようにしたいと。  その上で、さらに今年度は試行調査ですので、来年度の本格的な調査に向けて、さらに 改善をするということなのかなというふうに思いますので、また、いろんな特に具体的な こういうふうに変えろという提案などを活発に出していただければと思います。  ということで、以上で今日の部会をおしまいにしたいと思います。  それでは、次回の部会についての説明を東室長からお願いいたします。 ○東室長  ご苦労様でした。担当室の東です。  次回はご存じのように10月26日、火曜日です。第8回目になりますが、この会から作業 チームによる検討が始まります。場所はここになります。次々回以降につきましては、ま だ正式に決定しておりませんけれども、前回も申しましたが、こちらの講堂で11月19日、 金曜日、それと12月7日、火曜日になりますが、ここも確保できましたので、特に12月7 日につきましては、手帳に入れておいてほしいなと思っているところです。  以上です。 ○佐藤部会長  11月19日は金曜日ですので、火曜日ではありませんので、会場の都合でそうなりました。 ご了解いただきたいと思います。  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。                                     (了) [障がい者制度改革推進会議総合福祉部会事務局]  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係  TEL 03−5253−1111(内線3022)  FAX 03−3502−0892